Macのメニューバー非表示の設定|アイコンを隠すのとは別物

Macでメニューバーを非表示にしたいという話には、実は別々の要求が2つ混ざっている。画面上端の帯そのものを消したいのか、そこに並んでいるアイコンを減らしたいのか。この2つは設定の場所も効き方も違い、片方を選んでもう片方が解決しないという食い違いがよく起きる。どちらを先に触るべきかを、設定の中身から整理していく。

「非表示」が指しているものが2つある

メニューバーを非表示にしたい理由を分けると、おおむね次のどちらかに落ちる。

  • 画面を広く使いたい。動画の編集や執筆で、上端の帯のぶんだけ作業領域を稼ぎたい
  • アイコンが多すぎる。右側に並んだ常駐アプリの印が増えて、目的のものを探すのに時間がかかる

前者は帯そのものを隠す話で、macOSの「メニューバーを自動的に表示/非表示」がそれに当たる。後者はアイコン単位で出し入れする話で、まったく別の項目を触ることになる。

検索で「メニューバー 非表示」と調べたときに出てくる手順は、この2つが混ざったまま並んでいることが多い。帯を隠す設定の説明を読んで実行したのに、探しにくさがそのまま残った、という結果になりやすいのはそのためである。

ここを取り違えると、期待した効果が出ない。帯を自動で隠す設定にしても、ポインタを画面上端へ持っていけばアイコンは全部出てくる。並びが混雑している状態は1ミリも変わらない。逆に、アイコンをすべて消しても帯は残るので、作業領域は1行ぶんも広がらない。先に自分の目的を決めておく必要がある。

帯そのものを隠す設定の場所

現在のmacOSでは、システム設定のサイドバーに「メニューバー」という項目があり、その中の「一般」に「メニューバーを自動的に表示/非表示」が置かれている。選べるのは4つである。

  • 常に。フルスクリーンかどうかに関係なく、いつでも隠す
  • デスクトップ上のみ。アプリをフルスクリーンで使っていないときに隠す
  • フルスクリーン時のみ。アプリをフルスクリーンで使っているときに隠す
  • しない。隠さない

隠している状態でも、呼び出す方法は用意されている。

メニューバーが非表示のときは、ポインタを画面の一番上に移動するとメニューバーが表示されます。 出典: support.apple.com

この設定の置き場所は、macOSのバージョンによって変わっている。Appleのユーザガイドを見ると、macOS Sequoia 15では同じ項目が「コントロールセンター」設定の「その他のオプション」に入っており、ページの題名も「Macの『コントロールセンター』設定を変更する」だった。手元の画面に「メニューバー」が見当たらないときは、コントロールセンターの側を開くと同じ並びが見つかる。

4つの選択肢は、どういう使い方に合うか

「しない」が初期の状態で、常に帯が出ている。ここから変える理由は、作業の種類によって分かれる。

「フルスクリーン時のみ」は、比較的穏やかな選択である。もともとアプリをフルスクリーンにすると帯は引っ込むため、この設定は既定に近い挙動になる。デスクトップでの作業中は帯が出たままなので、時計や電池を確認する動きは変わらない。

「デスクトップ上のみ」は、その逆になる。デスクトップで作業しているときに帯が消え、フルスクリーンのときは出る。デスクトップに壁紙を敷いて画面を広く見せたい人や、上端に寄せたウインドウの動きを妨げられたくない人に向く。

「常に」は、いちばん強い設定である。作業領域は最大になるが、時計を見るたびにポインタを画面上端へ持ち上げることになる。時刻や電池の残りを頻繁に確認する使い方では、その手間が毎日積み上がる。動画の書き出しや長文の執筆のように、画面を占有する作業が中心の人に向く選択になる。

選ぶときの基準は単純である。メニューバーの右側を「見る」ために使っているなら、隠す度合いは弱いほうがよい。「押す」ためだけに使っているなら、強くしても困りにくい。

判断に迷うときは、1日の中で画面上端に目を向ける回数を思い出してみるとよい。時計を見る、電池の残りを確かめる、録音や画面共有が動いているかを確かめる。こうした動作が習慣になっている人は、帯が消えるたびに手が止まる。逆に、上端はほとんど見ておらず、押すのも週に数回という人なら、常に隠しても違和感は出にくい。

なお、この設定は画面ごとではなくmacOS全体に効く。外部ディスプレイを足したときに片方だけ帯を出す、といった分け方はできない。作業の内容によって切り替えたい場合は、設定を開いて選び直すことになる。

帯を隠しても、混雑そのものは残る

ここが最初に述べた食い違いの正体である。帯を自動で隠す設定は、アイコンの数に手を触れない。ポインタを上端に持っていけば、並んでいたものがそのまま全部出てくる。むしろ、隠れている時間が長いぶん、出したときに探す負荷は変わらないまま、呼び出す手間だけが増える。

アイコンの混雑を減らしたいなら、触るのは別の場所になる。現在のmacOSでは、同じ「メニューバー」設定の中に次の並びがある。

  • 「メニューバーコントロール」。時計、Siri、Spotlight、Wi-Fi、Bluetooth、電池、集中モード、画面ミラーリング、ディスプレイ、サウンド、再生中、ファストユーザスイッチ、Time Machine、VPN、天気といった項目を、出すか出さないかで切り替えられる
  • 項目によっては「使用中に表示」と「常に表示」を選べる。使っていないときは並びから消えるため、実質的に幅が空く
  • 「メニューバーに追加することを許可」。アプリが置く項目を、アプリ単位で許可するか止めるかを決められる

設定に出てこないアプリのアイコンは、メニューバーの上で直接動かせる。Commandキーを押したままアイコンをドラッグすると並び順を入れ替えられ、そのまま外へドラッグして放すと並びから外れる。

ポインタを上端へ運ぶ以外の呼び出し方

帯を隠す設定にすると、呼び出しはポインタの移動に頼ることになる。ただし、キーボードからメニューバーへ入る経路も用意されている。Appleが公開しているキーボードショートカットの一覧には、次の2つが載っている。

  • control+F2(機種によってはfn+control+F2)。フォーカスがメニューバーに移り、矢印キーでメニューを操作できる。returnキーで開き、項目名を入力して目的の項目へ飛ぶこともできる
  • control+F8(機種によってはfn+control+F8)。フォーカスがメニューバーの状況メニューに移る。右側に並んだアイコンを矢印キーで選べる

トラックパッドの操作が減ると、隠す設定の使い勝手は変わる。時計を見るだけならポインタを持ち上げるしかないが、特定のアプリのメニューを開きたいだけなら、キーボードのほうが速い場面がある。

ついでに押さえておきたいのが、下側の帯であるDockとの違いである。Dockにも「Dockを自動的に表示/非表示」という同名の設定があり、こちらはoption+command+Dで切り替えられる。上端の帯にはこれに相当する既定のショートカットがなく、設定画面を開いて切り替えることになる。上下の帯で扱いが違う点は、混同しやすいので分けて覚えておきたい。

隠す設定にしたあとで起きやすいこと

帯を隠す設定は戻せるが、隠している間に困る場面はいくつか決まっている。

1つ目は、ウインドウを画面上端へドラッグしたときに帯が降りてくることである。上端はウインドウのタイル表示を呼び出す位置でもあるため、意図しない動きが挟まることがある。ウインドウを上端に寄せる操作が多い人は、「デスクトップ上のみ」ではなく「フルスクリーン時のみ」のほうが落ち着く。

2つ目は、進行中の物事を見落とすことである。現在のmacOSでは、タイマーや配達の進み具合といったライブアクティビティがメニューバーに出る。帯を常に隠していると、この通知が視界に入らない。

3つ目は、外部ディスプレイをつないだときの挙動である。表示するディスプレイが増えると、帯の出方も変わる。隠す設定はディスプレイごとではなくmacOS全体に効くため、つなぎ替えるたびに見え方が変わって戸惑うことがある。

4つ目が、そもそもの目的とのずれである。アイコンを探すのに時間がかかっていたのなら、帯を隠しても解決しない。設定を変えてしばらく使ってみて、手間が減っていないと感じたら、触る場所を間違えている合図になる。

見た目だけを整えたい場合の選択肢

帯を消すほどではないが、境目が気になるという場合もある。現在のmacOSには「メニューバーの背景を表示」という項目があり、帯の背面に壁紙を透かすか、帯の背景を塗るかを選べる。透かす側にすると、上端の線がほとんど目立たなくなり、画面が1枚に見える。作業領域は変わらないが、視覚的な圧迫感は下がる。

もう1つ、幅を食っている表示を削る手もある。時計は常にメニューバーに出る決まりだが、「時計のオプション」で曜日や日付、秒の表示を切り替えられる。ファストユーザスイッチも「フルネーム」「アカウント名」「アイコン」から選べるため、文字で出ているものをアイコンに変えるだけで数マス分が空く。電池も、充電量の割合を出すかどうかで幅が変わる。アイコンを1つも消さずに並びを縮められるので、消して後悔しやすい人にはこちらが先になる。

隠れていても押せるようにしておく

帯を隠す設定と、アイコンを減らす設定を組み合わせても、まだ残る問題がある。「使う頻度は低いが、状態は見たい」という項目である。完全に消すと状態が読めなくなり、出したままにすると幅を食う。この中間を作るのが、メニューバーを整理する道具の役割になる。

確かめたい点は4つある。畳んだままアイコンを押せるか、キーボードから畳んだり開いたりできるか、常に隠す項目と条件付きで出す項目を分けられるか、そして隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかである。最後の1つが満たされていないと、押すたびに畳みを解除する操作が挟まり、手数が増える。こうした挙動はできることに説明があり、隠した項目の呼び出し方や畳んだ状態での扱いを先に確かめられる。

同じ用途の道具は複数あり、対応するmacOSの範囲や提供の形が違う。並べて見たいときはほかの道具との違いに比較がまとまっている。内容は時期によって変わるため、見た日付を意識して読むことになる。支払いの形も買い切りと期間契約で考え方が変わるので、料金で条件を確かめておきたい。

つまずきやすいのは権限まわりである。メニューバーの項目を並べ替えたり隠したりするにはmacOSの許可が要り、更新やアプリの入れ替えのあとに入れ直す場面が出る。この種の疑問はよくある質問にまとまっている。手元で試す段になったら、ダウンロードから対応するmacOSの範囲を確認して入手する流れになる。

手順として並べると、まず「帯を隠したいのか、アイコンを減らしたいのか」を決める。帯なら「メニューバーを自動的に表示/非表示」の4つから選ぶ。アイコンなら、設定で出し入れできるものを落とし、文字で出ている項目を削り、残りをCommandキーで並べ替える。それでも収まらないときに、畳んで隠す道具を足す。この順なら、必要なものまで消してしまう失敗を避けられる。

よくある質問

メニューバーを完全に消すことはできる?

帯そのものを常時消す設定はない。「メニューバーを自動的に表示/非表示」を「常に」にすると普段は隠れるが、ポインタを画面の一番上に持っていくと表示される。呼び出せなくなると設定を戻せなくなるため、この挙動は残されている。

設定に「メニューバー」の項目が見当たらない。

macOSのバージョンによって置き場所が違う。現在のmacOSはシステム設定のサイドバーに「メニューバー」があるが、macOS Sequoia 15では同じ内容が「コントロールセンター」設定の中に入っている。サイドバーを下にスクロールして探すとよい。

帯を隠せばアイコンの混雑も解決する?

解決しない。隠す設定はアイコンの数に手を触れないため、ポインタを上端に持っていけば並んでいたものがそのまま全部出てくる。混雑を減らすには「メニューバーコントロール」や「メニューバーに追加することを許可」で個別に出し入れする必要がある。

フルスクリーンのときだけ隠したい場合は?

「メニューバーを自動的に表示/非表示」で「フルスクリーン時のみ」を選ぶ。もともとフルスクリーンでは帯が引っ込むため、既定に近い挙動になる。デスクトップでの作業中は帯が出たままなので、時計や電池を見る動きは変わらない。

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