MacのCPU使用率を見る|メニューバーに常に出しておく
MacのCPU使用率を知りたいとき、困るのは数字の出し方が1つではないことである。その場で一度だけ確かめたいのか、作業中ずっと目の端で見ていたいのかで、使う機能が変わる。この記事では、macOSに最初から入っている機能で見られる範囲を整理し、常に見える場所へ出したときにメニューバーで何が起きるかまでを順に扱う。
数字をどこに出すかで、できることが変わる
CPU使用率の表示先は、macOSの標準機能だけでも性格が違う3か所に分かれる。ここを取り違えると、「出したはずなのに見えない」「見えているが役に立たない」という状態になりやすい。
| 出す場所 | 見えるタイミング | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| アクティビティモニタのウインドウ | そのウインドウを前面にしたとき | 原因を突き止める |
| Dockのアイコン | Dockが見えているあいだ | ときどき横目で確かめる |
| メニューバー | 画面の上端に常に | 作業しながら気配を見る |
原因を突き止めたい場面と、気配を見ていたい場面は別物である。前者はプロセスの一覧が要るのでウインドウが向いている。後者は数字が1つ見えていれば足りるので、常に視界に入る場所のほうが向いている。標準の機能でどこまで届くかは、この先で分かれてくる。
なお、CPU使用率が高いこと自体は異常を意味しない。書き出しや読み込みのような重い処理を走らせている最中は高いのが当たり前で、Appleの利用ガイドも普段の状態について次のように書いている。
通常、お使いのMacのプロセッサの処理能力は、わずかしか使われていません。大量の計算が必要なアプリを使用するときは、プロセッサが使用する容量が増加します。 出典: support.apple.com
見るべきは瞬間の高さではなく、何もしていないはずの時間帯に高いままかどうかである。
アクティビティモニタで今の数字を読む
アクティビティモニタは「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」に入っている。Spotlightに名前を打ち込んで開くほうが早い。開いたら上部の「CPU」をクリックすると、プロセスの一覧と、ウインドウ下部に3つの割合が出る。
- システム: macOSに属しているプロセスが使っている割合
- ユーザ: 自分が開いたアプリと、そのアプリが開いたプロセスが使っている割合
- アイドル状態: 使われていない割合
この3つのうち、まず見たいのは「システム」である。自分が何も操作していないのにシステム側が高いときは、バックグラウンドの処理が走っている可能性がある。逆に「ユーザ」が高いなら、前面のアプリか、それが呼んだ処理が動いている。
一覧の数字は既定で5秒ごとに書き換わる。もっと細かく追いたいときは「表示」メニューの「更新の頻度」から間隔を変えられる。ただし頻度を上げるとアクティビティモニタ自身が使う処理も増えるため、間隔を詰めた状態で長く放置する使い方は向かない。
一覧を並べ替えるには列見出しをクリックする。「%CPU」の列で降順にすれば、いま最も使っているプロセスが上に来る。名前に見覚えがないものが並ぶときは、「表示」メニューから「すべてのプロセス(階層表示)」に切り替えると、どのアプリがそれを呼んだのかという親子関係が見える。
ウインドウを小さくして画面の隅に出す方法
一覧まで要らず、割合だけを見ていたい場面もある。アクティビティモニタには、そのための小さなウインドウが2つ用意されている。
「ウインドウ」メニューの「CPU使用率」を選ぶと、いまの割合だけを示す細長いウインドウが出る。同じメニューの「CPUの履歴」を選ぶと、直近の推移がコアごとのグラフで出る。どちらも画面の隅に収まる大きさで、一覧を開いたままにするより場所を取らない。
ただしこの2つは、あくまで普通のウインドウである。ほかのアプリを前面にすれば後ろへ隠れる。常に最前面へ固定する設定は用意されていないため、全画面で作業するアプリを使っていると結局見えなくなる。「常に見えている」を求める場合、この方法は答えにならない。
Dockのアイコンには常に出せる
もう一段進んだ常時表示として、Dockのアイコン自体をグラフに変える機能がある。「表示」メニューの「Dockアイコン」から「CPUを表示」を選ぶと、アクティビティモニタのアイコンが使用率の表示に変わる。アプリを終了しない限り、Dockが見えているあいだは数字が更新され続ける。
この方法の弱点は2つある。1つは、Dockを自動的に隠す設定にしている場合、見たいときにポインタを画面の端へ動かす操作が必要になること。もう1つは、Dockのアイコンは面積が小さいため、割合の細かい変化が読み取りにくいことである。
それでも、アプリを1つ常駐させるだけで済む手軽さはある。追加の道具を入れずに済ませたい場合、まずここまでを試してから考えるとよい。
メニューバーに常時出す標準の機能は無い
画面の上端、時計の並びにCPU使用率を出したい人は多い。しかしmacOSの標準機能で用意されている常時表示の先は、いまのところDockのアイコンまでである。この事情については、Mac向けの道具を扱う記事でも同じことが指摘されている。
Macには標準で「アクティビティモニタ」が搭載されていますが、メニューバーにCPU使用率を常時表示したい場合や、温度・ファン速度・メモリ使用量までまとめて確認したい場合は、サードパーティ製アプリのほうが便利です。 出典: note.com
つまりメニューバーに数字を出す場合は、常駐アプリを1つ増やすことになる。この種の道具には、オープンソースで無料のものから、温度やファン速度まで一括で表示する有料のものまで幅がある。選ぶときの基準は機能の多さではなく、メニューバーの幅をどれだけ使うかで考えるほうが実用的である。数値を横に並べる形式は読みやすいが、そのかわり帯の席を多く使う。
数字を出したあと、原因をどう絞るか
CPU使用率が高い状態が続くとき、CPUの欄だけを見ていても原因に届かないことがある。メモリが足りていないせいで処理が渋滞している場合、症状は「重い」なのに数字はCPUに出ないことがある。
これの使用量が増えると、macOSはSSDの一部を「スワップ領域」として使用します。スワップが頻繁に発生すると、アプリの切り替えや操作が重く感じられることがあります。 出典: note.com
アクティビティモニタの「メモリ」タブには、この判断のための項目がそろっている。「メモリプレッシャー」はメモリが効率よく使われているかを色で示すもので、「スワップ使用領域」は起動ディスク上でやりとりに使われている容量である。CPUの割合が特に高くないのに動作が重いなら、こちらを先に見たい。
切り分けの順番としては、次の形が扱いやすい。
1つ目に「CPU」タブで%CPUの降順に並べ、心当たりのないプロセスが上位にいるかを見る。2つ目に「メモリ」タブでメモリプレッシャーとスワップ使用領域を見る。3つ目に「エネルギー」タブで、電力を多く使っているアプリを見る。ノート型でバッテリーの減りが早いときは、3つ目が最も早く答えに近づく。
「表示」メニューには「過去12時間のアプリケーション」という選択肢もある。いまは動いていないが、少し前に負荷をかけていたアプリを探すときに使える。
常に見えるようにすると、席が足りなくなる
メニューバーに数値を出す道具を入れた人が次にぶつかるのが、帯の幅である。メニューバーの右側は常駐アプリが並ぶ領域で、そこにCPU使用率、メモリ、ネットワーク速度と並べていくと、もともとあったアイコンが押し出される。
押し出されたアイコンは折り畳まれて印になるわけではなく、単に描かれなくなる。消えたことを知らせる合図も出ない。内蔵画面にノッチのあるMacBookでは、帯の中央が使えないため、この現象が早く起きる。メニューの項目が多いアプリを前面にした瞬間に右側がまとめて消える、という症状はこれが理由である。
つまり「常に見たい数字を増やす」ことと「必要なアイコンが見えている」ことは、同じ帯の幅を取り合う関係にある。両方を成立させるには、常に出すものを絞り、それ以外を畳んでおく仕組みが要る。メニューバーの整理を目的にした道具で何ができるかはできることにまとめてあり、隠したアイコンの呼び出し方が製品ごとにどう違うかはほかの道具との違いで比べられる。
常に出すものと、条件つきで出すものを分ける
ここまでの整理を踏まえると、メニューバーの席の配り方は3段に分けるのが現実的である。
- 常に出す: 押す回数が多いもの、見えていないと困るもの
- 条件つきで出す: 特定の場面だけ意味を持つもの
- 常に隠す: 設定のときだけ触るもの
CPU使用率は、多くの人にとって2段目に当たる。書き出しやビルドを走らせているあいだは見たいが、文章を書いているあいだは席を空けておきたい。この分け方ができる道具には、電池の残量が決めた割合を下回ったとき、指定した時間帯のあいだ、特定のアプリを使っているとき、自分で書いたスクリプトの終了コードが0のときといった条件を設定できるものがある。条件が続くあいだだけ帯に出し、成立しなくなれば引っ込む形になる。
隠したものへの手の届きやすさも、選ぶときに見ておきたい点である。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りになっていれば、畳んだ状態を崩さずに中身を確認できる。名前の一部を打って探せる仕組みがあれば、どこに隠したか覚えていなくても届く。導入前に確かめたいことはよくある質問に、費用の形は料金に、試すための配布はダウンロードにまとめてある。
最初に決めるのは、数字を出す場所ではなく、常に出すものの本数である。そこが決まっていれば、CPU使用率を1段目に入れるのか2段目に入れるのかは自然に決まる。
よくある質問
CPU使用率は何%までなら普通ですか?
一律の目安はありません。書き出しや読み込みのような重い処理の最中は高くなるのが通常の動きで、Appleの利用ガイドも普段は処理能力のわずかしか使われていないと説明しています。判断したいのは、何も操作していない時間帯に高いままかどうかです。その状態が続くときは、アクティビティモニタの一覧を%CPUの降順にして上位のプロセスを確かめてください。
メニューバーにCPU使用率を常に表示する標準の設定はありますか?
ありません。macOSの標準機能で常時表示できるのはDockのアイコンで、アクティビティモニタの「表示」メニューから「Dockアイコン」の「CPUを表示」を選びます。メニューバーの帯に数値を出す場合は、常駐アプリを1つ追加することになります。その際は帯の幅をどれだけ使うかを基準に選ぶと、ほかのアイコンとの取り合いを避けやすくなります。
数字を追加したらメニューバーのアイコンが消えました。戻せますか?
戻せます。消えたように見えるのは、幅が足りずにmacOSが描くのをやめた状態で、設定が削除されたわけではありません。Commandキーを押しながらアイコンをドラッグして並び順を変えるか、時計の表示形式を短くして幅を空けると出てくることがあります。恒久的に解決したい場合は、使わないアイコンを畳んでおける道具を使って席を空ける方法があります。
CPU使用率が高くないのに動作が重いときは、どこを見ればよいですか?
アクティビティモニタの「メモリ」タブを見てください。「メモリプレッシャー」と「スワップ使用領域」が判断の材料になります。メモリが足りないと、macOSは起動ディスクの一部をスワップ領域として使うため、切り替えや操作が重く感じられます。ノート型でバッテリーの減りも早いときは、「エネルギー」タブで電力を多く使っているアプリを併せて確かめると原因に近づきます。