Macのカーソルの大きさを変える|見失わない太さにする
Macのカーソルの大きさを変えたいと思う場面は、実は性質の違う2つに分かれる。画面の中でポインタを見失うのか、見えてはいるが小さな的を狙いにくいのか。前者はサイズと色の設定で片づき、後者はサイズを上げても改善しない。この記事では設定の場所と手順を先に示し、そのうえで大きさでは解決しない側の話をする。
「見失う」と「狙いにくい」は別の問題である
ポインタに関する不満は、言葉にすると同じ「小さい」になる。しかし中身は違う。
外部ディスプレイを繋いだり、画面の解像度を上げたりすると、同じピクセル数のポインタが物理的に小さく見える。視線を一度外した後にどこにあるか分からなくなるのは、この「見失う」型である。位置を知りたいだけなので、大きさと色のどちらを変えても効く。
一方で、メニューバーの小さなアイコンや、ウインドウの端のリサイズ領域を狙うときに外すのは「狙いにくい」型である。こちらはポインタを大きくすると先端の位置が分かりにくくなり、かえって悪化することがある。的の側を減らすか、的そのものを大きくするほうが効く。
先に自分がどちらなのかを決めておくと、設定を行き来せずに済む。どちらの設定も同じ画面にまとまっているので、開く場所は1つだけ覚えればよい。
サイズを変える手順
Appleの利用ガイドが示している場所は1か所である。アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「アクセシビリティ」をクリックし、「ディスプレイ」をクリックする。サイドバーは項目が多いので、下にスクロールする必要がある。
開いた画面の「ポインタ」に、次の項目が並んでいる。
- マウスポインタをシェイクして見つける
- ポインタのサイズ
- ポインタの枠線のカラー
- ポインタの塗りつぶしカラー
- カラーをリセット
「ポインタのサイズ」はスライダで、左端が標準の大きさである。適切な大きさになるまでドラッグすればその場で反映されるので、スライダを動かしながらポインタを別の場所へ持っていって確かめられる。数値の入力欄は無いため、目で見て決める形になる。
設定はユーザごとに保存され、再起動しても保たれる。ただし変更が効くのはログインした後の画面で、ログインウインドウは別扱いになる。ここが後述の注意点につながる。
なお「アクセシビリティ」の「ディスプレイ」には、同じ画面に「テキストサイズ」もある。文字が小さくて読みにくいのとポインタが見えにくいのは別の設定なので、混ぜて動かすと元に戻しにくくなる。まずポインタだけを動かして様子を見るほうが戻しやすい。
大きくしても見つからないときは、色を変える
サイズを上げても見失うことがある。背景が白いウインドウの上では、標準の黒い塗りつぶしと白い枠線のポインタが、大きくしただけでは目立たないためである。
このために用意されているのが「ポインタの枠線のカラー」と「ポインタの塗りつぶしカラー」の2つである。カラーウェルをクリックして色を選ぶと、枠線と内部をそれぞれ別の色にできる。戻したくなったときは「カラーをリセット」を押すと、既定の組み合わせに戻る。既定は枠線が白、塗りつぶしが黒である。
実務的には、塗りつぶしを彩度の高い色に変えるほうが、サイズを2段上げるより見つけやすくなる場合が多い。理由は単純で、画面の中身の多くが白と黒とその中間の灰色でできているためである。黄色や水色のポインタは、文章を書いている画面でも図を見ている画面でも背景から浮く。
枠線の色を変える使い方もある。塗りつぶしは標準の黒のままにして枠線だけを濃い色にすると、ポインタの形は変わらないまま輪郭がはっきりする。文字の間にポインタを置く作業が多い場合、先端の位置を見失いにくいのはこちらである。
振ると巨大化するのは不具合ではない
サイズを変えていないのに、マウスを素早く動かした瞬間だけポインタが極端に大きくなる。これを不具合だと思って検索する人が多いが、標準で入っている機能である。
この機能はmacOS 10.11 El Capitanから搭載されているもので、標準設定でオンになっています。しかし、振っても大きくならないときや、ポインタが巨大化するのが煩わしいのでオフにしたいという場合は、設定を見直してみるといいでしょう。 出典: pc.watch.impress.co.jp
止めたいときに触るのは、サイズのスライダと同じ画面にある「マウスポインタをシェイクして見つける」である。オフにすれば、素早く動かしても大きさは変わらなくなる。
逆に、常時のサイズは標準のままにしておき、この機能だけを頼りにする使い方もある。見失ったときだけ大きくなり、普段の狙いやすさは犠牲にしない。大きさを常に上げると、細い線を選ぶ作業や、表のセルの境界をつかむ作業で先端の位置が分かりにくくなるため、作業の内容によってはこの組み合わせのほうが合う。
シェイクで大きくなったポインタは、動きを止めると元の大きさに戻る。戻らないように見えるときは、常時のサイズのスライダが動いていないかを確かめる。
ログイン画面と、素早く切り替える方法
ポインタを大きくしたのに、Macを起動した直後の画面では小さいまま、という状況が起きる。ログインウインドウは、ログイン後のユーザの設定とは別に扱われるためである。
ログインウインドウでアクセシビリティの機能を有効にするには、「システム設定」のサイドバーで「ロック画面」をクリックし、「アクセシビリティオプション」をクリックする。ここでオンにしたオプションは、そのMacのすべてのユーザのログインウインドウで有効になる。設定には管理者の名前とパスワードの入力が必要になることがある。
日常的にオンとオフを切り替えたい場合は、パネルを呼び出す方法を覚えておくと早い。Option+Command+F5キーを押すと「アクセシビリティのショートカット」パネルが開く。MacまたはMagic KeyboardにTouch IDが付いている場合は、Touch IDを素早く3回押しても開く。
このパネルに出す機能は選べる。「システム設定」で「アクセシビリティ」をクリックし、「ショートカット」をクリックして、表示したい機能のチェックボックスを選ぶ。選んだ機能が1つだけの場合は、パネルが出ずにその機能が直接切り替わる。
さらに、この切り替えをメニューバーやコントロールセンターから行うこともできる。「システム設定」のサイドバーで「メニューバー」をクリックし、「コントロールを追加」から「メニューバーに追加」または「コントロールセンターに追加」を選ぶ。ただしメニューバーに追加すると、帯の右側にアイコンが1つ増える。ここが次の節の話につながる。
ポインタを動かす手段そのものを変える
大きさと色を詰めても届かない場合、動かし方の側に用意されている機能がある。設定の場所は「アクセシビリティ」の「ポインタコントロール」で、サイドバーを下にスクロールした先にある。
「マウスキー」をオンにすると、キーボードでポインタを動かせる。テンキーがある場合は7、8、9、4、6、1、2、3のキーで8方向へ動き、5でクリック、0で押したままにする。テンキーが無いキーボードでは7、8、9、U、O、J、K、Lで動き、Iでクリック、Mで押したままになる。1ピクセル単位で詰めたい作業では、手で動かすより正確である。ただしオンのあいだはキーボードとテンキーで文字を入力できなくなるため、文章を書きながら併用することはできない。
同じ画面の「代替ポインタアクション」をオンにすると、左クリックや右クリック、ダブルクリックを、キーボードショートカットや補助用スイッチ、顔の表情に割り当てられる。狙う位置は合っているのにクリックの操作で外す場合は、こちらが効く。
見えにくさが文字の側にあるなら、「ホバーテキスト」も選択肢になる。「アクセシビリティ」の「ホバーテキスト」で「ホバーテキスト」「ホバーカラー」「ホバー入力」のいずれかをオンにすると、テキストやアイコンの上にポインタを置いたときにその部分だけが拡大表示される。画面全体の解像度を下げずに済むため、作業領域の広さを保ったまま読みやすくできる。
ポインタを大きくしても、的は大きくならない
「狙いにくい」型の不満は、ポインタのサイズでは解決しない。むしろ大きくすると、先端がどのピクセルを指しているのかが読み取りにくくなる。
画面全体の項目を大きくしたい場合は、ポインタとは別の設定になる。Macはディスプレイに最適な解像度を自動で使うが、「システム設定」の「ディスプレイ」で「文字を拡大」を選ぶと、解像度を下げて画面上のすべての項目を大きくできる。テキストだけを大きくしたいなら、「アクセシビリティ」の「ディスプレイ」にある「テキストサイズ」のスライダを使う。一部だけを拡大したいなら「ズーム機能」がある。
それでも大きくならないものが1つある。メニューバーに並んだ常駐アプリのアイコンである。ここは幅が決まっており、アイコンの数が増えるほど1つあたりの余白が減る。ポインタを大きくしたあとに「メニューバーのアイコンを押し間違える」という不満が出るのは、大きくなったポインタと、狭い間隔で並んだ小さな的の組み合わせが原因である。
さらに、帯に入りきらなくなったアイコンは、折り畳まれて印になるのではなく、単に描かれなくなる。消えたことを知らせる合図も出ない。内蔵画面にノッチのあるMacBookでは帯の中央が使えないため、この現象が早く起きる。ポインタを狙いやすくするという目的で見ると、的の数を減らすほうが直接効く。
的の数を減らすという、もう1つの道
ポインタの設定を詰めたあとに残る不満の多くは、押す対象が小さくて数が多いことに由来する。この側を直す方法は、大きくするのではなく減らすことである。
押す頻度で3段に分けると決めやすい。1日に何度も押すものは帯に残す。特定の場面だけ意味を持つものは、その場面だけ出す。設定のときだけ触るものは常に隠す。3段目を隠すだけで、残したアイコンの間隔が広がり、狙う難しさが下がる。
隠したものへ手が届くかどうかは、道具の作りで差が出る。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、畳んだ状態を崩さずに中身を確認できる。名前の一部を打って探せる仕組みがあれば、どこへ隠したか覚えていなくても届く。仕切りの左へ送る方法と、隠したものを本物の見た目のまま出す方法の違いはできることに説明がある。呼び出し方が製品ごとにどう違うかはほかの道具との違いで比べられる。
この種の常駐アプリは、メニューバーの描画を読み取るために画面収録の許可を、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティの許可を求める。求める理由はよくある質問に書かれており、対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードに載っている。費用の形は料金で確かめられる。
順番として扱いやすいのは、まず「アクセシビリティ」の「ディスプレイ」でサイズと色を決め、シェイクで見つける機能をオンのままにするかを決め、それでも押し間違えが残るなら的の数を見直す、という流れである。ポインタの大きさは1つのスライダで戻せるが、押す対象の数は自分で決めないと減らない。
よくある質問
Macのカーソルの大きさは、どこで変えますか?
アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「アクセシビリティ」をクリックし、「ディスプレイ」をクリックします。「ポインタ」の項目に「ポインタのサイズ」のスライダがあり、左端が標準の大きさです。数値の入力欄は無いので、ドラッグしながら画面で確かめて決めます。同じ画面に枠線と塗りつぶしの色の設定もあります。
素早く動かすとカーソルが巨大化します。止められますか?
止められます。これは不具合ではなく、ポインタを見つけやすくするための機能です。「アクセシビリティ」の「ディスプレイ」にある「マウスポインタをシェイクして見つける」をオフにすると、素早く動かしても大きさは変わらなくなります。逆に、常時のサイズは標準のままにして、この機能だけを残す使い方もできます。
大きくしても見つけにくいときは、ほかに何を変えればよいですか?
色を変えるほうが効きます。「ポインタの枠線のカラー」と「ポインタの塗りつぶしカラー」を別々に選べるので、塗りつぶしを背景から浮く色にすると見つけやすくなります。画面の中身は白と黒と灰色が多いため、彩度の高い色が目に入りやすいです。戻すときは同じ画面の「カラーをリセット」を押します。既定は枠線が白、塗りつぶしが黒です。
ログイン画面でもカーソルを大きくできますか?
できます。ログインウインドウはログイン後のユーザ設定とは別に扱われるため、「システム設定」のサイドバーで「ロック画面」をクリックし、「アクセシビリティオプション」から有効にします。ここでオンにした内容は、そのMacのすべてのユーザのログインウインドウで有効になります。設定時に管理者の名前とパスワードの入力を求められることがあります。