One Switchをきれいに消す手順|残るファイルと、消してよいもの

One Switchを消すことにした。メニューバーの枠を空けたい、あるいは同じ操作を別の方法で済ませられるようになった。ところがアプリをゴミ箱に入れる前に、いくつか順番があることに気づく。この記事は、消す前にやっておくことと、アプリを捨てただけでは残るものを、配布されているアプリの中身から確認した内容で整理したものである。

このアプリには専用のアンインストーラーが同梱されていない。配布ファイルの中を見ても、削除のための実行ファイルや案内は入っていない。だから手で片付ける前提になるが、片付ける先は3か所に分かれている。ライセンス、システムに置かれたヘルパー、そしてこのアプリが書き換えたmacOS側の設定である。

先にライセンスを無効化する

消す前にやっておくことが1つある。ライセンスの無効化である。

このアプリのライセンスは、購入したときに台数の枠が決まる形式になっている。1台、2台、5台の3種類が用意されていて、どのMacに割り当てるかは後から変えられる。ただし、割り当てを解除する操作はアプリの中にしかない。

アプリの設定画面にはライセンスのタブがあり、そこに「ライセンスを無効化」という項目が置かれている。押すと確認が出て、無効化すると現在のMacでも別のMacでも再度有効化できる、という趣旨の案内が表示される。

アプリを消したあとで無効化しようとしても、その画面には戻れない。枠が埋まったまま残るので、別のMacで使いたくなったときに面倒になる。もし先に消してしまった場合は、次のMacで有効化を試すと、ライセンスコードはすでに使用されているという案内が出る。そこから「すべてのデバイスを無効化」を選べば全部の枠が解放されるので、詰むわけではない。ただし他のMacも一度入れ直すことになる。

あわせて、購入時に届いたメールを確保しておきたい。ライセンスの受け渡しについて、配布元は次のように説明している。

After you purchase an One Switch license, we'll send you an activation code in an email, then you need to check your inbox and continue with the activation of the license. 出典: fireball.studio

有効化に必要なのは、メールアドレスとライセンスキーの2つである。アプリを消すとキーを確かめる場所も無くなるので、そのメールを検索できる状態にしてから進める。

なお、定額配信サービス経由で入れた場合は、ライセンスの管理がそのサービス側にある。この場合はアプリを手で消すのではなく、配信サービスのアプリから外す手順を通す。

アプリを終了してから捨てる

ライセンスを解除したら、次はアプリを終了する。メニューバーのアイコンから終了を選ぶか、設定画面の一般タブに終了の項目が置かれている。

このアプリはDockにアイコンを出さない常駐アプリとして作られているため、ウインドウを閉じただけでは終了しない。終了せずにアプリケーションフォルダから消そうとすると、使用中で削除できないと言われるか、削除できても常駐したプロセスが残る。

終了を確認してから、アプリケーションフォルダの本体をゴミ箱に入れる。これで見えている部分は消える。ただし、これで終わりではない。

アプリの外に置かれた特権ヘルパーが残る

このアプリで最も見落とされやすいのが、システム側に置かれる特権ヘルパーである。

低電力モードとエネルギーモードの2つのスイッチは、macOSの電源管理の設定を書き換える。これは一般ユーザーの権限では実行できない操作なので、アプリは専用の小さなプログラムをシステム側にインストールし、そこ経由で操作する仕組みになっている。初回に管理者パスワードを求められるのは、このインストールのためである。

このヘルパーは、macOSが定めた置き場所に入る。具体的には、特権ヘルパー専用のフォルダに実行ファイルが1つと、それを起動するための設定ファイルがシステムの起動項目のフォルダに1つ置かれる。名前はどちらも、このアプリの識別子に PrivilegedHelper を付けた形になっている。

大事なのは、これらがアプリの中ではなくシステムの中に置かれるという点だ。アプリケーションフォルダの本体をゴミ箱に入れても、この2つは残る。残っていても実害が出ることはまれだが、Macの起動項目に、もう存在しないアプリのためのエントリが残り続ける形になる。

心当たりの確認方法は単純で、低電力モードかエネルギーモードのスイッチを一度でも押して、管理者パスワードを入れた記憶があるかどうかである。この2つを一度も使っていないなら、ヘルパーはインストールされていない。

権限の記録と、ログイン時の起動設定

システム設定側にも記録が残る。

このアプリは、押すスイッチによって別々の権限を要求する。ダークモードとDockを隠すはSystem Eventsに対する自動操作、ゴミ箱を空にするはFinderに対する自動操作、音楽を再生はSpotifyやミュージックに対する自動操作を使う。加えて、ヘッドフォンの接続にはBluetooth、ダークモードの日の出と日没に合わせたスケジュールには位置情報が要る。

これらの許可は、システム設定のプライバシーとセキュリティに記録される。アプリを消したあと、しばらくは一覧に名前が残ることがある。実体が無いので動くことはないが、気になる場合は自動操作、Bluetooth、位置情報サービスの各項目を開いて、該当する行を外しておけばよい。

もう1つ、ログイン時に起動する設定がある。このアプリには「ログイン時に起動」という項目があり、有効にすると、アプリの中に同梱された小さな起動用のプログラムがログイン項目として登録される。macOSの一般設定にあるログイン項目の一覧に出てくるのはこの登録である。アプリ本体を消したあとに、この一覧に見覚えのない項目が残っていた場合は、そこから外しておく。

書き換えられたmacOS側の設定を戻す

ここが最も忘れられやすい。このアプリの多くのスイッチは、独自の機能を提供しているのではなく、macOSが元から持っている設定を書き換えることで動いている。

配布されているアプリの中には、macOS標準の設定領域の名前が含まれている。Finderの設定、ウインドウ管理の設定、メニューバーの時計と集中モードの設定、コントロールセンターの設定といった顔ぶれである。つまり、スイッチをオンにした状態でアプリを消すと、書き換えられた状態がそのまま残る。

具体的に困りやすいのは次の3つである。

  • デスクトップアイコンを非表示にしたまま消すと、デスクトップにアイコンが出てこない状態が残る
  • 隠しファイルを表示にしたまま消すと、Finderにドットで始まるファイルが並んだままになる
  • 低電力モードをオンにしたまま消すと、その設定が有効なまま残る

対処は簡単で、アプリを消す前に、オンにしているスイッチを全部オフに戻しておくことである。順番としては、ライセンスを無効化する前でも後でもよいが、アプリを終了する前に済ませておく必要がある。

戻し忘れて消してしまった場合も、macOSの標準機能で元に戻せる。デスクトップアイコンの表示はFinderの表示設定、隠しファイルの表示はFinderでShiftとCommandとピリオドを同時に押す操作、低電力モードはシステム設定のバッテリーの項目から戻せる。

アプリを終了する前に済ませておくこと

ここまでの内容は、1つの見方にまとめられる。このアプリの片付けが面倒になる原因は、作業そのものではなく順番にある。アプリを終了する前に数分使えば、あとで困る要素はほとんど消える。

  • ライセンスのタブを開き、ライセンスを無効化する。画面がまだ開けるうちに枠を解放しておく
  • 購入時のメールを探し、ライセンスキーが今も読める状態か確かめる。入れ直す可能性に備える
  • カスタマイズのタブを開き、いまオンになっているスイッチを確認して、全部オフに戻す
  • 低電力モードかエネルギーモードを一度でも使ったかを思い出す。ここで特権ヘルパーの有無が決まる
  • ログイン時に起動が有効かどうかを見ておく。あとでログイン項目に残る名前の正体が分かる
  • ウインドウを閉じるのではなく、メニューから終了を選ぶ

そのうえで本体をゴミ箱に入れる。順番が大事なのは、この6つのうち3つが、アプリを消したあとには実行できないか、実行しにくくなるからである。

ユーザーフォルダに残る設定ファイル

最後に、ユーザーごとの設定ファイルが残る。このアプリは、押した回数を記録する使用状況の画面を持っているので、その記録の置き場所も含まれる。

置かれる可能性があるのは、ユーザーのライブラリフォルダの中である。設定の保存先、キャッシュの保存先、アプリケーションサポートの保存先の3か所を見ると、このアプリの識別子か製品名で始まるファイルやフォルダが見つかる。識別子は studio.fireball.OneSwitch という形で、ファイル名の一部として使われている。

このアプリは更新の確認に一般的な自動更新の仕組みを使っているため、更新のチェック時刻や、ダウンロード済みのファイルもキャッシュ側に残ることがある。

これらは容量としては小さく、残っていて実害が出るものではない。ただし、同じアプリを入れ直したときに以前の設定が復活するので、設定を白紙に戻して入れ直したい場合は、この3か所を先に片付けておく。

ライブラリフォルダは通常は隠れている。Finderのメニューから移動を開き、Optionキーを押しながら見るとライブラリの項目が現れる。

メニューバーの枠を、そのあとどう使うか

このアプリを消す理由がメニューバーの混雑にあるなら、1枠空けただけでは根本的には変わらない。常駐アプリは増える方向にしか動かないからである。

そもそもこのアプリ自体、複数の操作を1つのアイコンにまとめる作りで、枠を減らす側の道具だった。それでも足りなくなるのは、隠せる対象がこのアプリの中に入っているものに限られるためである。

そこで、メニューバーそのものを畳む道具に置き換えるという選択がある。メニューバーを整理する道具の案内ページでは、アイコンを仕切りの左へ送って隠す方法や、隠した項目の呼び出し方が説明されている。できることには、常に隠すものと、必要なときだけ出すものを分ける考え方が並んでいる。とくに、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形なら、隠したことで使いにくくなる問題が起きにくい。

同じ用途の道具でも、要求される権限も対応するmacOSの範囲も違う。ほかの道具との違いでは、用途の近い道具について価格と払い方が並べて示されている。調査日が併記されているので、いつ時点の情報かを見てから読むとよい。

支払いの形を先に知っておきたい場合は、料金に、買い切りか期間ごとの支払いか、試用期間がどれくらいかが書かれている。今回のように一度消して入れ替える場面では、試用期間があるかどうかが判断材料になる。

消したあとに残ったものの扱いで迷う点は、質問をまとめたページに集まっていることが多い。よくある質問には、導入と削除に関する回答が並んでいる。入れ替えを試す段になったら、ダウンロードから対応するmacOSの範囲を確かめて入手する。

片付けの順番をもう一度並べると、ライセンスを無効化する、スイッチを全部オフに戻す、アプリを終了する、本体を捨てる、ヘルパーと権限の記録を確認する、という5段階になる。最初の2つを飛ばすと、あとから戻すのが面倒になる。

よくある質問

アプリをゴミ箱に入れるだけでは足りない?

足りない場合がある。低電力モードかエネルギーモードを一度でも使っていると、システム側に特権ヘルパーとその起動設定が置かれており、アプリ本体を捨ててもそれらは残る。加えて、システム設定に権限の記録とログイン項目の登録が残ることがある。使っていない場合は、本体を捨てるだけでほぼ足りる。

消す前にやっておくべきことは?

2つある。1つはライセンスの無効化で、アプリのライセンス画面から行う。消したあとではその画面に戻れず、台数の枠が埋まったまま残る。もう1つはスイッチを全部オフに戻すことで、デスクトップアイコンを非表示にしたまま消すとその状態が残ってしまう。

デスクトップのアイコンが戻らなくなった場合は?

このアプリのスイッチはmacOS標準の設定を書き換えて動くため、オンのまま消すと書き換えた状態が残る。デスクトップアイコンの表示はFinderの表示設定から戻せる。隠しファイルが表示されたままの場合はFinderでShiftとCommandとピリオドを同時に押す。低電力モードはシステム設定のバッテリーから戻す。

設定ファイルはどこに残る?

ユーザーのライブラリフォルダの中で、設定、キャッシュ、アプリケーションサポートの3か所である。ファイル名やフォルダ名には studio.fireball.OneSwitch という識別子か製品名が使われている。容量は小さいが、同じアプリを入れ直すと以前の設定が復活するため、白紙に戻したい場合はこの3か所を先に片付けるとよい。

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