Rectangleが動かないときに見る場所|権限、衝突、常駐の順で確かめる
ショートカットを押してもウインドウが動かない。昨日まで効いていたのに、macOSを更新したあとから反応しなくなった。あるいは特定のアプリだけ狙った大きさに揃わない。「Rectangle fuguai」で検索する人の状況はだいたいこの3つのどれかで、原因も対処もそれぞれ違います。
先に切り分けの順番を示します。見るべきは、権限、衝突、常駐、そしてアプリ側の制約の4つで、この順に確認すると無駄が出ません。権限が外れていれば何をしても動かず、権限が生きていて動かないなら衝突を疑い、衝突が無いのに一部のアプリだけ揃わないなら相手側の制約を疑う、という流れです。
以下では、開発元が公開している切り分け手順を土台にして、それぞれの段階で何を見るのか、どこで判断が付くのかを順に整理します。あわせて、常駐アプリとしての性質から来る詰まり方にも触れます。
まず、権限が生きているかを確かめる
ウインドウを他のアプリに代わって動かす種類のアプリは、macOSのアクセシビリティ権限がないと何もできません。ここが外れているとき、アプリは起動して常駐もしているのに、ショートカットを押しても画面が一切変化しません。エラーも出ないため、壊れたように見えるのが厄介な点です。
権限は、システム設定のプライバシーとセキュリティにあるアクセシビリティの一覧で確認します。ただし、一覧にチェックが付いていても実際には効いていない状態が起こり得ます。macOSの更新をまたいだときや、アプリを入れ直したときに起きやすい現象です。開発元は、この場合の対処として権限そのものを削除して登録し直す手順を案内しています。
- アプリを終了する
- システム設定のアクセシビリティで、まずチェックを外す
- そのうえで、マイナスのボタンで一覧から削除する(この順序が大事だと明記されています)
- Macを再起動する
- アプリを起動して、求められたとおりに権限を許可し直す
同じことはターミナルからも行えます。
tccutil reset All com.knollsoft.Rectangle
権限まわりの前に試すべき手軽な操作も、開発元は挙げています。画面をロックして解除する、macOSを最新にする、Macを再起動する、の3つです。特にmacOSを更新した直後は、この程度で戻る事例が多いと書かれています。
Lock and unlock your Mac. This simple step resolves many issues, especially after system updates. 出典: github.com(2026年9月10日確認)
なお、スリープや復帰、ユーザの切り替えのあとにショートカットだけ効かなくなる現象は、過去に修正が入っています。2026年5月31日公開の版でログアウトやスリープ後の吸着の復帰が、2026年8月20日公開の版でユーザセッションの切り替え後のショートカットの復帰が、それぞれ手当てされました。最新版はv1.100(2026年8月26日公開)です。古い版を使い続けている場合は、切り分けの前に更新しておくと問題が消えることがあります。
権限が生きているのに動かないときは、衝突を切り分ける
権限に問題がないなら、次はショートカットが誰かに横取りされていないかを見ます。判断を早くする方法は決まっていて、ショートカットを使わずにメニューから同じ操作を実行してみることです。
- メニューから実行して動く場合、機能自体は生きています。問題はショートカットの登録側にあります
- メニューから実行しても動かない場合、ショートカットは無関係です。権限か、相手のアプリ側を疑います
この一手で、原因の半分が消えます。メニューから動くのにショートカットで動かないという結果が出た時点で、権限は生きていると確定するからです。ここを飛ばして権限を入れ直したり再インストールしたりすると、直らないまま時間だけが過ぎます。ショートカット側だと分かったら、次の3つを確認します。
ひとつ目は、他のウインドウ管理アプリが同時に動いていないかです。同じ役割のアプリを2つ常駐させると、片方が先に取ったショートカットはもう片方に届きません。開発元も、切り分けの項目として他のウインドウ管理アプリを止めることを挙げています。
ふたつ目は、前面のアプリが同じ組み合わせを持っていないかです。統合開発環境や仮想マシン、リモートデスクトップの類は、独自のショートカットを多く持っています。このアプリには、前面にあるアプリを対象から外す機能があり、外している間だけそのアプリの前面でショートカットの登録が解除されます。衝突する相手が決まっているなら、割り当てを変えるよりこちらのほうが手間が少なく済みます。
みっつ目は、記録の確認です。メニューを開くときにoptionキーを押しておくと、通常は「このアプリについて」が出る位置に「View Logging…」が現れます。ここを開いた状態で操作を実行すると、計算された位置と実際の結果が並んで出ます。開発元は、この2つが一致しているのに画面が変わらないなら、原因は他のアプリ側にある可能性が高いと説明しています。
一部のアプリだけ狙った大きさにならないのは、相手側の下限であることが多い
三分割や六分割のような小さな配置を指定したときに、そのアプリだけ想定より大きいまま残る。これは不具合ではなく、相手のアプリが持つ最小ウインドウサイズによる制約です。開発元の資料には、最小幅が600ポイントのウインドウは、画面を三分割した504ポイントの領域には収まらないという例が挙げられています。この場合、ウインドウは画面内に留められたうえで、サイズが制限された旨の表示が短く出ます。相手側の下限を外部から上書きすることはできないため、半分などの大きい配置に変えるか、隣のウインドウを手で詰めるかのどちらかになります。
似た形で、特定のアプリだけ数ピクセルずれる例もあります。ターミナル系のアプリの一部は、文字幅の単位でしかサイズを変えない設定を既定で持っています。開発元は、その設定を切るコマンドを資料に載せています。
もうひとつ、支援技術向けの仕組みが絡む場合があります。一部のアプリは AXEnhancedUserInterface というモードを有効にしており、そのままだとウインドウの枠が正しく計算されないことがあります。このアプリは操作の間だけそのモードを切る作りになっていて、扱い方は保存値で3段階に切り替えられるようになっています。読み上げや切り替えスキャンを使っている場合は、モードを元に戻す挙動を選べます。
通知や設定の保存で詰まる場合は、常駐アプリ特有の原因を疑う
画面端へのドラッグで吸着させる機能を有効にしていると、通知センターの表示が固まるという報告が一部の環境で出ています。開発元はこれを公開の課題として扱っていて、回避策としてドラッグによる吸着のチェックを外すことを挙げています。この機能を使っていない人にとっては、外しても失うものがありません。
設定した内容がアプリを起動し直すたびに元へ戻る、という詰まり方もあります。この場合に見るのは設定画面ではなく、入手した経路です。パッケージ管理の仕組みで入れている場合、削除の際に設定まで一緒に片付ける指定を付けて入れ直すよう案内されています。設定はアプリ識別子ごとの保存領域に置かれていて、~/Library/Preferences/com.knollsoft.Rectangle.plist が実体です。ここが正しく書けない状態になっていると、画面で変更しても次の起動で消えます。
設定を別のMacへ移したい、あるいは壊れた設定を作り直したいときは、書き出しと読み込みの機能が使えます。設定画面から日本語で言えば設定タブにあたる場所に、JSON形式で書き出す項目と読み込む項目が用意されています。起動時に所定の場所へ置かれた設定ファイルを読み込む仕組みもあり、読み込んだあとは日付入りの名前へ変更されて、次回以降は読まれない作りになっています。なお、ショートカットの保存形式は途中の版で変わっているため、古い版へ戻す形での持ち込みはできません。
不具合ではなく、そもそも用意されていない動きもある
切り分けを始める前に、期待している動きが機能として存在するかを確かめておくと、無駄な時間が減ります。代表例が、ウインドウを別のデスクトップ(操作スペース)へ移す操作です。開発元は、Appleがこの用途の公開された仕組みを出していないため実装していないと明記しています。上位版には次と前のスペースへ移す操作がありますが、無料版に追加する予定は現時点では無いとも書かれています。押しても動かないのではなく、そもそも割り当てる先が存在しない、という状態です。
ログイン時の自動起動も、不具合と取り違えられやすい項目です。設定の一般タブにログイン時に起動するチェックがあり、これは保存値としても定義されています。ここが外れていると、Macを起動し直したあとはアプリ自体が常駐していないため、ショートカットは当然効きません。「朝いちばんだけ効かない」「再起動した日だけ動かない」という訴え方をする場合は、権限より先にこちらを見るほうが早く片が付きます。システム設定のログイン項目の一覧にも同じアプリが並ぶため、両方の状態を突き合わせてください。
切り分けの順番を、そのまま手順として使う
ここまでを1枚に畳むと、次の順で見ることになります。
| 段階 | 見る場所 | ここで分かること |
|---|---|---|
| 1 | ロックと解除、macOSの更新、アプリの版 | 環境側の一時的な不整合か |
| 2 | アクセシビリティ権限の削除と再登録 | 権限が実際に効いているか |
| 3 | メニューから同じ操作を実行 | ショートカットの問題か、機能の問題か |
| 4 | 他のウインドウ管理アプリ、前面アプリの割り当て | 衝突しているか |
| 5 | optionキーからの記録表示 | 計算と結果が一致しているか |
| 6 | 相手アプリの最小サイズ、支援技術のモード | 相手側の制約か |
常駐アプリとしての性質から見た、詰まりやすい場所
メニューバーの整理という観点で常駐アプリを眺めていると、詰まり方には型があることが分かります。この製品の場合、原因の大半が「権限」「衝突」「相手側の制約」の3つに収まり、アプリ自身の設定が壊れて動かなくなる型はほとんど出てきません。設定と機能が素直に分かれていて、保存値の名前まで公開されているためです。切り分けの資料が開発元から公開されている点も、原因にたどり着くまでの時間を短くしています。
一方で、常駐アプリを何本も並べている環境では、原因が自分のアプリの外にある確率が上がります。ウインドウ管理、クリップボード、スクリーンショット、キー割り当ての変更を担うアプリは、いずれもキー入力やアクセシビリティ権限に触ります。どれが何を握っているかを把握していないと、切り分けそのものが長引きます。いま何が常駐しているかを一望できる状態にしておくことが、結果として復旧を早くします。整理する道具で何がどこまで扱えるかはできることにまとまっており、道具ごとの考え方の違いはほかの道具との違いで比べられます。
導入や対応するmacOSの世代はダウンロードで確認できます。動作や設定でつまずきやすい点はよくある質問に整理してあり、常駐アプリを複数動かしている環境で確認する順番の考え方も含まれています。
よくある質問
ショートカットを押しても何も起きません。まず何を見ればよいですか?
アクセシビリティ権限です。システム設定のプライバシーとセキュリティにあるアクセシビリティで、チェックを外してから一覧そのものから削除し、Macを再起動して登録し直してください。順序が逆だと効かないことがあると開発元が明記しています。その前に、画面をロックして解除するだけで戻る場合もあります。
特定のアプリだけ三分割の大きさに揃いません。
そのアプリが持つ最小ウインドウサイズが、指定した領域より大きい可能性が高いです。開発元は、最小幅600ポイントのウインドウは三分割の504ポイントには収まらないという例を挙げています。外部から相手の下限を上書きすることはできないため、半分などの大きい配置に変えるか、隣のウインドウを手で詰めてください。
macOSを更新したあとから調子が悪くなりました。
更新直後は、権限の状態が実態とずれることがあります。画面のロックと解除、Macの再起動、アプリを最新版にする、の3つを先に試してください。それでも戻らない場合は、アクセシビリティ権限を削除して登録し直します。スリープやユーザ切り替えのあとに効かなくなる問題は、近年の版で修正が入っています。
設定を変えても、起動し直すと元に戻ります。
設定はアプリ識別子ごとの保存領域に書かれるため、そこが正しく書けない状態だと変更が残りません。パッケージ管理の仕組みで導入している場合は、設定ごと片付ける指定を付けて削除し、入れ直すよう案内されています。設定を持ち運びたい場合は、設定画面からJSON形式で書き出して読み込む機能が使えます。