Rectangleのアイコンをメニューバーでどう扱うか|消す・隠す・残すの判断

画面の右上に常駐アプリのアイコンが並び、その中にウインドウ整列の四角いアイコンが混ざっている。押す回数はほとんどないのに枠だけは占め続けている、という状態で手が止まっている人は少なくありません。「Rectangle menubar」で検索して出てくる情報の多くは操作の紹介で、そのアイコンを消したときに何を失うのかまでは書かれていないためです。

先に選択肢の形を示します。取れる道は3つです。アプリの設定で表示そのものを切る、メニューバーを整理する道具で普段は畳んでおく、そのまま出しておく。どれを選ぶかは好みではなく、2つの事実で決まります。ひとつは、そのアイコンから開くメニューを実際に使っているかどうか。もうひとつは、消したあとに設定画面へ戻る道を用意できているかどうかです。

以下では、アイコンが担っている役割、表示を切る手順とそのとき保存される値、Commandキーで外へ出したときに起きること、消したあとに戻るための入口、そしてメニュー自体を短くする設定を順に整理します。

メニューバーのアイコンは、このアプリにとって唯一の常設された入口になっている

このアプリはウインドウを常に開いておく種類のものではありません。起動したあとはバックグラウンドに留まり、キーボードショートカットと画面端へのドラッグで動きます。つまり普段は画面上に姿がなく、メニューバーに置かれた状況メニューが、目に見える唯一の常設された入口という位置付けになっています。

そのメニューから開けるものを並べると、判断の材料がはっきりします。

  • ウインドウ操作の一覧(左半分、右半分、四分割、最大化などをその場から実行する)
  • 前面のアプリを対象から外す「Ignore app」の切り替え
  • 設定ウインドウを開く項目
  • 更新の確認(新しい版が出ているときは項目の表示が変わる)
  • optionキーを押しながらメニューを開くと現れる「View Logging…」(動作の記録を見る)

このうち、ショートカットを覚えてしまえば1番目は使わなくなります。実際に押す場面が残るのは2番目と5番目で、どちらも頻度としては月に数回あるかどうかです。ここが、このアイコンを常時出しておく価値を決める分かれ目になります。

対象から外す機能について補足しておきます。前面にあるアプリを対象から外すと、そのアプリが最前面にある間だけ、登録済みのキーボードショートカットがmacOSから一時的に解除されます。前面でなくなると自動で登録し直されます。これは、同じ組み合わせのショートカットを持つアプリ(統合開発環境や仮想マシンなど)と衝突したときの逃げ道として用意されたもので、設定画面ではなくメニューから切り替える形になっています。ここを頻繁に使う人にとって、メニューバーのアイコンは単なる飾りではなく実務上の操作盤になります。

なお、対象から外す操作はURLからも叩けます。開発元の資料には、rectangle://execute-task?name=ignore-app の形式でアプリ識別子を指定して実行できることが書かれています。メニューを開かずに済ませる道が用意されているという意味で、これは「アイコンを消してもよいか」の判断に直接効いてきます。

表示を切るチェックは設定の一般タブにあり、保存される値も公開されている

表示を切る操作そのものは1か所で完結します。メニューから設定ウインドウを開き、一般(General)タブの中にある、メニューバーのアイコンを隠すためのチェックを入れます。これでアイコンは即座に消え、アプリは動いたままになります。

この設定が書き込まれる場所は公開されています。ソースコード上で hideMenubarIcon という名前の保存値として定義されており、アプリ識別子は com.knollsoft.Rectangle です。設定ウインドウを開かずに切り替えるなら、次の1行でも同じ結果になります。

defaults write com.knollsoft.Rectangle hideMenubarIcon -bool true

開発元は、この種の保存値を書き換えたあとはアプリを起動し直すよう案内しています。

The preferences window is purposefully slim, but there's a lot that can be modified via Terminal. After executing a terminal command, restart the app as these values are loaded on application startup. 出典: github.com(2026年9月10日確認)

大事なのは、表示を切ってもウインドウ操作の機能は何ひとつ止まらない点です。キーボードショートカットは登録されたまま、画面端へのドラッグによる吸着もそのまま動きます。常駐アプリの中には表示のスイッチと機能のスイッチが同じものに結び付いていて、消すと監視まで止まる作りのものがありますが、この製品はその型ではありません。表示と機能が分かれているぶん、アイコンを消す判断はしやすい部類に入ります。

Commandキーを押しながら外へ出すと、一時的なつもりが恒久設定として保存される

もうひとつ知っておきたい挙動があります。macOSの状況メニューには、Commandキーを押しながらメニューバーの外へドラッグすると取り外せるものがあり、このアプリのアイコンもその扱いを許可した状態で置かれています。ソースコード上では behavior.removalAllowed が指定されています。

問題はそのあとです。アイコンが見えなくなったことをアプリ自身が監視していて、消えた瞬間に先ほどの hideMenubarIcon を有効に書き換えます。設定ウインドウを開いていれば、該当のチェックが自動でオンに切り替わるようにもなっています。

つまり、片付けのつもりで指先でつまんで外に出した操作が、そのまま設定として残ります。Macを再起動しても戻ってきません。「勝手に消えた」「触った覚えがないのに設定が変わっていた」と感じる場面の多くは、この一連の動きで説明が付きます。戻したいときは、設定ウインドウで同じチェックを外すか、先ほどの1行を -bool false にして実行し直します。

消したあとに設定へ戻る道を、消す前に決めておく

アイコンが唯一の常設された入口である以上、消したあとの戻り道を先に決めておかないと詰まります。用意されているのは主に2つです。

ひとつは、アプリをもう一度起動する方法です。すでに動いている状態でFinderの「アプリケーション」やSpotlightから起動し直すと、既定では設定ウインドウが前面に開きます。アイコンが無くても設定へ戻れるのはこの動きのおかげです。

もうひとつは、同じ「起動し直す」操作でメニューのほうを開かせる設定です。relaunchOpensMenu という保存値を有効にすると、起動し直したときに設定ウインドウではなくメニューが開きます。アイコンは出さないまま、必要なときだけメニューを呼び出したい場合はこちらが近道になります。

defaults write com.knollsoft.Rectangle relaunchOpensMenu -bool true

さらに、個々の操作はURLからも実行できます。開発元の資料には rectangle://execute-action?name=left-half の形式が示されており、シェルからは open -g "rectangle://execute-action?name=left-half" のように呼び出します。指定できる名前は左半分や最大化を含めて多数が公開されているため、メニューから選ぶ操作の大半は、アイコンを介さずに置き換えられます。

残す場合は、アイコンではなくメニューの長さを先に削る

そのまま出しておく判断をしたときにも、手を入れる余地があります。メニューを開いたときに並ぶ項目は、保存値で増減できます。すべての操作を並べるかどうかは showAllActionsInMenu、追加のサイズ指定を並べるかどうかは showAdditionalSizesInMenu で切り替えます。項目を絞ると、開いてから目的の行に到達するまでの視線の移動が短くなります。

一方で、アイコン自体が占める幅は設定では変わりません。メニューバーの右側は、常駐アプリが増えるたびに一方的に減っていく共有の枠です。切り欠き(ノッチ)のあるMacBookでは、切り欠きの左側に収まりきらなくなった項目が表示されなくなる現象も起きます。この製品はウインドウ側の余白として screenEdgeGapTopNotch という保存値を持っており、切り欠きのある画面だけ上端の余白を分けて指定できます。表示の枠が足りない状況を前提にした設定が用意されている、という事実自体が、メニューバーの枠の希少さを示しています。

切り欠きのあるMacBookでは、もうひとつ知っておきたい制約があります。メニューバーの右端に並べられる項目の数は、画面の物理的な幅と、切り欠きの左右に残った領域で決まります。ノートを単体で使っているときは収まっていたのに、外部ディスプレイをつないで表示の並びが変わった途端に、いくつかのアイコンが表示されなくなるという現象はここから起きます。表示されなくなったアイコンは、押せないだけでアプリ自体は動き続けているため、不具合と区別が付きにくいのも厄介な点です。枠が足りているかどうかは、常駐アプリを1つ足すたびに変わると考えておくのが実際的です。

3つの選択肢を、失うものと取り消しやすさで並べると次のようになります。

選んだ道 メニューバーの枠 メニューからの操作 取り消しの手間
設定で表示を切る 空く 起動し直して呼び出す チェック1つ
整理する道具で畳む 普段は空く 畳んだ状態から呼び出す 対象から外すだけ
そのまま出しておく 占めたまま いつでも1クリック 不要

メニューバーの整理という観点から見たときの、この製品の位置

メニューバーを整理する立場から見ると、この製品は扱いやすい部類にあります。理由は3つあります。表示と機能が分かれていること、表示を切る設定が公式に用意されていること、そしてアイコンを介さない代替の入口(起動し直す、URLで叩く)が公開されていることです。この3つが揃っているアプリは、常駐アプリ全体で見ると多数派ではありません。

そのうえで、消すか畳むかの分岐は使い方で決まります。対象から外す操作をほとんど使わず、ショートカットだけで完結しているなら、表示を切ってしまうのが最も枠を空けます。逆に、アプリごとに対象から外す操作を頻繁に行う、あるいは動作の記録を見る場面があるなら、押せる状態を残しておいたほうが結果的に速くなります。この「押せる状態を残しつつ枠は空ける」という中間の形を作るのが、メニューバーを整理する道具の役割です。扱える範囲はできることにまとまっており、畳んだままアイコンを押せるかどうかは道具によって差があります。

判断を先延ばしにしないための現実的な進め方として、対象を1つに絞って1週間試す方法があります。まず設定で表示を切り、その1週間で「アイコンを押したかった場面」が何回あったかを数えます。0回なら切ったままでよく、数回あったなら畳む側に回します。机上で考えるより、この数え方のほうが早く決まります。道具ごとの考え方の違いはほかの道具との違いに、設定や動作でつまずきやすい点はよくある質問にまとめてあります。試す段階で必要になる対応環境や導入の手順はダウンロードで確認できます。

よくある質問

メニューバーのアイコンを消すと、ウインドウを並べる機能も止まりますか?

止まりません。キーボードショートカットも、画面の端へドラッグしたときの吸着も、アイコンを消した状態でそのまま動きます。使えなくなるのはメニューから選ぶ操作だけで、その中身も起動し直すかURLで呼び出す形で代替できます。表示と機能が別のスイッチになっている作りのため、消す判断がしやすいアプリです。

Commandキーを押しながら外へドラッグしたら、再起動しても戻ってきません。

その操作が設定として保存されたためです。アイコンが消えたことをアプリ自身が検知して、隠す設定を有効に書き換える作りになっています。戻すには、アプリをもう一度起動して設定ウインドウを開き、メニューバーのアイコンを隠すチェックを外してください。ターミナルから同じ値を無効にしても戻せます。

アイコンを消したあと、設定画面はどこから開きますか?

すでに動いている状態でもう一度アプリを起動すると、既定では設定ウインドウが前面に開きます。Spotlightやアプリケーションフォルダからの起動で構いません。設定ウインドウではなくメニューのほうを開かせたい場合は、relaunchOpensMenu という保存値を有効にしておくと、同じ操作でメニューが出るようになります。

メニューを開いたときの項目が多すぎて選びにくいです。

メニューに並ぶ項目は保存値で減らせます。すべての操作を並べるかどうかと、追加のサイズ指定を並べるかどうかが、それぞれ別の値で切り替えられるようになっています。ターミナルから値を書き換えたあとはアプリを起動し直してください。項目を絞ると、開いてから目的の行に届くまでが短くなります。

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