Bartenderの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと

メニューバーの右側がアイコンで埋まり、目的のものを探すのに毎回視線を往復させている状態から抜け出したくてBartenderを入れた人は多いはずです。ところが入れただけでは、メニューバーは片付きません。この道具は「何を隠すか」を利用者が決める設計になっているため、最初に決める項目を飛ばすと、隠れているのに探しにくいという中途半端な状態で止まります。ここでは、インストール直後に決めておくべきことを、決める順番のとおりに並べます。

メニューバーが埋まる状況は、この10年で常態になった

メニューバーに常駐するアプリは増え続けています。クラウドストレージ、VPN、パスワード管理、バックアップ、音量や入力切替の補助、通信アプリ、そして各種の監視ツール。どれも「状態が見えること」を価値にしているため、アイコンを出したまま常駐する作りになりがちです。1つ1つは小さくても、10個を超えたあたりから、目的のアイコンを見つけるのに数秒かかるようになります。

この問題はMacBookのノッチによってさらに厳しくなりました。画面中央にカメラ部分が食い込むため、メニューバーの表示可能な幅がノッチの左右に分断されます。アプリのメニュー項目が多い状態でメニューバーの常駐アイコンが多いと、ノッチの向こう側に押し出された項目はクリックできません。この事情が、メニューバーを管理する道具の需要を押し上げてきました。

Bartenderの公式サイトは、購入ページで100,000人を超える利用者と10年以上の提供実績を掲げ、レビューについては15,431件で平均4.9という数字を出しています(2026年9月10日時点の表示)。ここで押さえておきたいのは、こうした道具に共通する前提です。メニューバーの項目を隠す仕組みは、macOSが標準で用意している機能ではありません。だからこそ、後述する権限の許可が必要になり、権限まわりでつまずく人が一定数出ます。

入れる前に確かめる3つの条件

使い方の話に入る前に、条件を確かめておくと後戻りが減ります。確かめる点は、対応するmacOSのバージョン、ライセンスの範囲、購入経路の3つです。

対応バージョンについて、公式サポートページは、Bartender 6はmacOS TahoeとSequoia向けであり、Sonomaを使っている場合はBartender 6のライセンスでBartender 5も使えると案内しています。配布されているBartender 6のアプリ本体を確認すると、必要なmacOSの最小バージョンは14.0と記載されています(2026年9月10日時点で配布されていたバージョン6.6.2を確認)。手元のMacが古いOSのままなら、まずどちらの版を使うかを決めてからダウンロードします。

ライセンスの範囲は、よくある誤解が生まれやすい部分です。公式のよくある質問は、ライセンスは1人の利用者に対して発行され、その人が使うすべてのMacで利用できると説明しています。台数ではなく人で数える形なので、自宅のMacと仕事のMacの両方に入れたい場合でも、追加の購入は不要という整理になります。

料金は購入ページに3つ並んでいます。買い切りのBartender 6が3,072円、年額のBartender Proが2,095円、生涯利用のMega Supporterが12,288円です(2026年9月10日に日本から表示した場合の金額。表示通貨は購入者の所在地によって変わります)。試用は4週間、返金は14日と案内されています。サブスクリプションの契約を持っているなら、Setapp経由でも入手できると購入ページに書かれています。この場合、支払いはSetapp側にまとまるため、単体で買うかどうかの判断が変わります。

最初の起動で求められる権限と、その意味

起動すると、システム設定のプライバシーとセキュリティで権限の許可を求められます。ここで何を許可しているのかを理解しておくと、後で不具合が出たときの切り分けが速くなります。

必要になるのはアクセシビリティと、画面収録およびシステムオーディオの録音です。アクセシビリティは、他のアプリのメニューバー項目を移動させたり、クリックを代行したりするために使われます。画面収録の権限が要るのは、メニューバーの見た目を読み取って項目の位置や状態を判断しているためです。画面を録画して外部に送っているという意味ではありませんが、macOSの権限の分類上は同じ枠に入るため、許可のダイアログとしては強い印象になります。

配布されているアプリの権限設定を確認すると、これ以外にカレンダー、位置情報、天気の取得、そして他のアプリへの自動操作の許可が宣言されています。自動操作の対象にはミュージックとSpotifyが個別に指定されていました。プリセットを時刻や場所で切り替える機能や、再生中の曲を扱う機能のために要求されているものです。使わない機能に対応する権限は、システム設定側で拒否したままでも本体の動作は続きます。

権限を許可したのに効かない場合の対処も、公式サポートが手順を示しています。

Open System Settings > Privacy & Security, remove Bartender from Screen & System Audio Recording and Accessibility, then relaunch Bartender and grant access again. 出典: macbartender.com

いったん一覧から削除して、再起動してから登録し直す。この手順が示されているのは、macOSの権限データベースにアプリの署名情報が記録される仕組みだからです。アプリの署名者が変わったり、更新でバージョンが上がったりすると、記録と実物が食い違って権限が無効になることがあります。実際、2026年9月10日に配布されていたBartender 6の署名は「Bartender App LLC」名義でした。長く使っている利用者ほど、更新のタイミングで一度この作業が必要になる場面に出会いやすくなります。

何を常に出し、何を隠すかを決める

ここからが本題です。設定画面には常駐アプリの一覧が並び、それぞれについて「常に表示」「隠す」「常に隠す」といった扱いを選びます。全部隠すと結局探す手間が戻ってくるので、分類の基準を先に作ります。

分けやすい基準は3つです。1つ目は、見えていること自体が仕事をしている項目。バッテリー残量、Wi-Fiの接続状態、録音中や画面共有中を示す表示などが該当します。これらは押すためではなく、視界の端で状態を知るために出ています。2つ目は、日に何度も押す項目。入力切替、音量や出力先の切替、クリップボード履歴などです。3つ目は、月に数回しか触らない項目。バックアップの手動実行、ドライバの設定、購入時に入ってきた常駐ツールなどが並びます。

常に出すのは1つ目と2つ目だけにして、3つ目はすべて隠す。この分け方で始めると、多くの環境で表示される項目は5個前後まで減ります。判断に迷った項目は、いったん隠す側に入れて1週間使ってみると答えが出ます。1週間探しに行かなかったものは、隠したままで困りません。

隠す側に入れた項目にも、さらに2種類あります。ときどき呼び出したいものと、二度と見なくてよいものです。後者については、アプリ側の設定に「メニューバーにアイコンを表示しない」という項目が用意されていることがあります。アプリ側で消せるものは、管理する道具の側で隠すよりも、アプリ側で消したほうが管理対象が減って見通しがよくなります。

隠したあとの取り出し方を1つに決める

隠した項目をどう呼び出すかは、公式サイトの機能説明によると、メニューバー上でのスワイプ、スクロール、クリック、ホバーの4通りが用意されています。加えて、キーボードから項目を検索して実行するQuick Searchと、メニューバーの下に別の帯を出して隠した項目を置くBartender Barがあります。

ここで大事なのは、全部使わないことです。呼び出し方が複数あると、意図しないタイミングで隠した項目が出てきて、かえって画面が騒がしくなります。とくにホバーは、メニューバーの近くにポインタを移動しただけで反応するため、作業中に何度も展開されて集中を切ります。

決め方の目安として、トラックパッド中心で作業する人はスワイプ、マウス中心の人はクリック、キーボード中心の人はQuick Searchとホットキーを起点にすると、誤爆が少なくなります。1つ選んだら、残りは設定でオフにしておきます。Bartender Barについては、公式サイトが、この帯を使っているときにmacOSの画面収録の項目が表示される場合があると注記しています。録画や画面共有をする機会が多い人は、この点を確認してから使うかどうかを決めます。

グループとスペーシングでノッチの手前に収める

表示する項目を減らしても、まだ幅が足りないことがあります。とくに13インチや14インチのMacBookで、メニュー項目の多いアプリを使っているときです。公式の機能説明には、この状況に効く設定が2つ挙げられています。

1つはグループです。関連する項目をまとめて、1つのアイコンとして扱えます。クラウドストレージを2つ以上使っている場合、VPNとWi-Fiのように接続に関わる項目が並んでいる場合、再生や音量に関わる項目が散らばっている場合は、まとめると幅が縮みます。押すと中身が展開されるので、アクセスの手数はほとんど増えません。

もう1つはスペーシングです。項目と項目の間隔を詰めることで、同じ幅により多くの項目を並べられます。公式サイトは、ノッチに到達する前に置ける項目を増やす目的と、見た目を整える目的の両方を挙げています。詰めすぎると押し間違いが増えるため、間隔は少しずつ変えて、押しやすさが崩れない範囲で止めます。

ノッチそのものへの対処としては、ノッチに隠れた項目にアクセスできるようにする仕組みが用意されています。公式の説明では、必要なときに現在表示中の項目を自動的に隠して場所を作り、ノッチの向こうにあった項目を見えるようにする、という動きになっています。

プリセットとトリガーは「場面」で作る

設定を1つに固定すると、どこかで無理が出ます。作業中に見たいものと、画面を人に見せるときに見せたいものは違うからです。公式サイトはプリセットとトリガーという2つの仕組みを挙げていて、前者が設定の組み合わせ、後者がその切り替えを自動化する条件です。

最初に作る価値が高いプリセットは、画面共有と録画のときの構成です。公式サイトも、録画や画面共有のときにmacOSの標準的な項目だけを出す使い方を例として挙げています。業務で使っているツールのアイコンや、個人的な通信アプリのアイコンが映り込む事故は、プリセットを1つ用意しておくだけで避けられます。

2つ目に作るなら、電源に関するプリセットです。トリガーの条件には、バッテリー、Wi-Fi、位置情報、時刻、日付などが使えると説明されています。外出時はバッテリーと通信状態を出し、電源につないでいるときは隠す。この程度の単純な条件から始めると、切り替わったことに気づけます。条件を複雑にすると、なぜ表示が変わったのかが自分でも分からなくなります。

つまずきやすい設定を先につぶす

公式サポートページは、問い合わせの多い項目を「Quick Tips」としてまとめています。3つとも、知らないと不具合に見えるものです。

1つ目は、ポインタが勝手に動く現象です。サポートページは、メニューバーの並びを把握するためにポインタを定期的に動かす必要があると説明し、オンデマンドの動作に切り替えれば、要求したとき以外はポインタを動かさないと案内しています。文章を書いている最中にカーソルが飛ぶのが気になる場合は、この設定を先に変えます。

2つ目は、再起動のたびに項目の並びが変わる現象です。詳細設定にある項目のインデックス機能を有効にすると、並びを記録して再起動をまたいで保てると説明されています。並び順を作り込む前に、この設定を入れておくほうが手戻りが少なくなります。

3つ目は、バージョンをまたいだ設定の移行です。公式サポートは、Bartender 6の基盤が変わったため、Bartender 5の設定を直接読み込むことはできないと明記しています。古い環境が手元にあるうちに、設定画面のスクリーンショットを撮っておくと復元が速いという案内も添えられています。これから移行する人は、アンインストールの前にこの1手間をかけておくと後で助かります。

道具を選ぶときに確認したい4つの点

メニューバーを整理する道具は複数あり、同じ「隠す」でも設計が違います。乗り換えを検討する場合も、いま使っているものを続ける場合も、確認する点は次の4つに絞れます。

第1に、隠した項目をどう呼び出すか。展開してから探すのか、畳んだまま押せるのか。ここが操作の手数を決めます。整理する道具に何ができるかを比べる出発点として、機能の一覧を見比べておくと違いがはっきりします。この観点はできることにまとめてあります。

第2に、どの権限を要求するか。アクセシビリティだけで動くのか、画面収録まで必要かは、道具によって違います。設計の違いが権限の要求に出るため、比較の材料になります。設計思想の違いはほかの道具との違いで整理しています。

第3に、費用の形です。買い切り、年額、生涯利用のどれを選ぶかは、そのMacを何年使うかで答えが変わります。判断の材料として料金を先に見ておくと、試用期間中に決められます。細かい疑問はよくある質問に集めてあります。

第4に、やめるときの手間です。設定が移行できるか、消したときにメニューバーが元に戻るかは、入れる前に確認しておく項目です。試用してから決めたい場合はダウンロードから手元で動かして、上に挙げた4点を自分の環境で確かめるのが確実です。設定を詰めるのは、この4点に納得してからで間に合います。

よくある質問

権限を許可したのにメニューバーの項目が動かせません?

公式サポートは、システム設定のプライバシーとセキュリティで画面収録とアクセシビリティの一覧からいったん削除し、アプリを起動し直してから許可を与え直す手順を案内しています。更新でアプリのバージョンや署名が変わると、macOS側の記録と食い違って権限が効かなくなることがあるためです。

Bartender 5の設定はBartender 6に引き継げますか?

引き継げません。公式サポートは、Bartender 6で基盤が変わったため、Bartender 5の設定を直接読み込むことはできないと明記しています。古い環境が動くうちに設定画面のスクリーンショットを撮っておくと、作り直しが速くなります。

1つのライセンスで複数のMacに入れられますか?

入れられます。公式のよくある質問は、ライセンスは1人の利用者に対して発行され、その人が所有して使うすべてのMacで利用できると説明しています。台数ではなく人単位で数える形です。

隠す項目はどれくらいまで減らすのが目安ですか?

常に見えている必要があるのは、バッテリーや通信状態のように視界の端で状態を知るための項目と、日に何度も押す項目だけです。この基準で分けると、表示は5個前後に収まります。迷った項目は1週間隠してみて、探しに行かなかったものはそのまま隠しておけば困りません。

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