Bartenderをきれいに消す手順|残るファイルと、消してよいもの
アプリケーションフォルダから本体をゴミ箱に入れれば消えた、と考えて終わりにすると、システム設定の権限一覧には名前が残り、ホームフォルダのライブラリには設定ファイルが残ります。メニューバーに常駐する種類のアプリは、動くために複数の場所へ書き込みを行うため、後始末の範囲が普通のアプリより広くなります。ここでは、消す前に取り出しておくものから、残るファイルの探し方、権限の後始末までを順番に並べます。
消す作業が面倒になるのは、常駐アプリの作りに理由がある
メニューバーに常駐するアプリは、Dockにアイコンを出さない設定で動きます。配布されているBartender 6の本体を確認すると、Dockに出さない指定が入っていました。この作りは画面を占有しないという点で快適ですが、消すときには「まだ動いているかどうかが見えにくい」という形で効いてきます。動いたまま本体を消すと、設定ファイルが書き戻されたり、権限の一覧に項目が残ったままになったりします。
もう1つの事情は、置き場所が分散していることです。macOSのアプリは、本体、設定、キャッシュ、保存された画面状態、アプリグループの共有領域といった複数の場所を使います。加えて、プライバシーとセキュリティの権限一覧と、ログイン項目の登録は、アプリ本体とは別の場所に記録されます。本体だけを消すと、この記録が残ります。実害が出るとすれば、同じ名前のアプリを後で入れ直したときに、古い記録と食い違って権限が効かなくなる場面です。
消す前に取り出しておく3つ
作業を始める前に、後で取り返せないものを先に確保します。
1つ目はライセンスキーです。公式サポートには、購入時のメールアドレスからライセンスを再送してもらう窓口が用意されていますが、消す前に控えておけば手間はかかりません。年額の契約を使っている場合は、契約そのものが残るため、解約の要否は別に判断します。購入ページには返金の案内があり、購入から14日という期間が示されています(2026年9月10日時点の表示)。返金を求めるかどうかは、消す前に決めておく項目です。
2つ目は設定のスクリーンショットです。公式サポートは、バージョン6の基盤が変わったためバージョン5の設定は読み込めないと明記したうえで、古い環境が残っているうちに参考用のスクリーンショットを撮っておくと作り直しが速いと案内しています。乗り換え先が同じ製品の別バージョンでも、別の道具でも、この1手間は効きます。
3つ目は、隠していた項目の一覧です。長く使っていると、隠したこと自体を忘れている常駐アプリが出てきます。消した直後にそれらが一斉にメニューバーへ戻るため、どれを隠していたかの記録がないと、片付け直しに時間がかかります。設定画面を開いて、隠す扱いにしていた項目の並びを撮っておきます。
手順1 常駐を終了させてから本体を消す
まずメニューバーのアイコンから終了を選びます。Dockにアイコンが出ない作りなので、終了したかどうかはアクティビティモニタで名前を検索して確かめるのが確実です。プロセスが残っている状態で本体を消すと、終了時に設定が書き戻されて、消したはずのファイルが復活します。
終了を確認したら、アプリケーションフォルダから本体をゴミ箱に入れます。バージョン5とバージョン6の両方を入れている環境では、それぞれが別のアプリとして存在します。公式サポートの案内も、バージョン6を入れて正しく動くことを確かめてから古いバージョンを消す、という順番を示しています。
Download Bartender 6, open the disk image, drag it into Applications, then launch it. Once it is running correctly you can remove older Bartender versions if you no longer need them. 出典: macbartender.com
サブスクリプション経由で入れている場合は、この手順は使いません。購入ページにはSetapp経由で入手できると書かれており、その場合の削除はSetappのアプリ側から行います。手作業で本体だけを消すと、Setapp側の管理と食い違います。
手順2 残るファイルは、バンドルIDで探す
ここが最も間違えやすい部分です。ファイルを名前で探そうとすると、開発元の会社名で探してしまい、見つかりません。2026年9月10日に配布されていたBartender 6の本体を確認したところ、アプリの識別子はcom.surteesstudios.Bartenderのままでした。署名はBartender App LLC名義で、サイトの著作権表記はApplause Group, Inc.です。運営が移った後も識別子は引き継がれているため、探すときは新しい会社名ではなく、この識別子を手がかりにします。
もう1つ、アプリグループの識別子として24J875RH8J.com.surteesstudios.Bartenderが宣言されていました。共有領域はこの名前のフォルダとして作られます。
確認する場所は、ホームフォルダのライブラリ配下です。Finderのメニューから移動を選び、optionキーを押すとライブラリが表示されます。次の場所に、上の2つの識別子を含む名前のファイルやフォルダがないかを見ます。
- Preferences(設定ファイル。識別子の名前に.plistが付いた形)
- Application Support(設定の実体やデータ)
- Caches(一時ファイル)
- Group Containers(アプリグループの共有領域)
- HTTPStorages(通信に関する保存領域)
- Saved Application State(終了時の画面状態)
いずれも、そのアプリを消すのであれば削除して問題のない性質のものです。逆に、システムのライブラリ配下や、識別子と関係のない名前のファイルには手を出しません。判断がつかない場合は、いったん別のフォルダへ移して数日使い、問題が出ないことを確かめてから捨てる方法が安全です。
削除用の道具に任せるかどうか
アプリを消すための専用ツールを使えば、関連ファイルをまとめて探して消してくれます。手作業より速く、消し忘れも減ります。一方で、こうしたツールは判断の根拠を利用者に見せないまま候補を並べるため、関係のないファイルまで候補に入っていても気づきにくいという性質があります。
判断の目安は、消す対象がいくつあるかです。1本だけを消すなら、上に挙げた6か所を順に見るほうが確実で、時間も5分から10分程度で終わります。何本もまとめて整理したい場合や、過去に入れた常駐アプリの残骸をまとめて片付けたい場合は、専用ツールの方が向いています。どちらを使う場合でも、削除の実行前に候補の一覧を必ず目で追い、識別子と関係のない名前が混ざっていないかを確認します。
もう1つ、アプリが配布元から用意している削除機能の有無も確認しておきます。アプリによっては、設定画面の中に関連ファイルごと削除する項目を持っていることがあります。用意されているなら、それを使うのが最も確実です。
終了できないとき、消せないときの対処
終了を選んでもメニューバーからアイコンが消えない、あるいはゴミ箱に入れようとして使用中だと言われる場合があります。この状態で無理に削除を続けると、中途半端に消えたファイルが残って、入れ直したときの不具合につながります。
順番に確かめます。まずアクティビティモニタでプロセス名を検索し、残っているなら終了を選びます。それでも残る場合は、ログイン項目に登録されていて、終了した直後に再び起動している可能性があります。システム設定のログイン項目から登録を外してから、ログインし直して確認します。
ゴミ箱に入れた後で「ゴミ箱を空にできない」と表示される場合も、原因はプロセスが掴んでいるファイルであることが多く、ログインし直すと解決します。強制的に消す操作を先に試すより、いったんログアウトしてからやり直すほうが安全です。
手順3 権限とログイン項目の後始末
ファイルを消しても、システム設定の記録は残ります。プライバシーとセキュリティを開いて、次の項目に名前が残っていないかを確認します。
- アクセシビリティ
- 画面収録およびシステムオーディオの録音
- カレンダー
- 位置情報サービス
- オートメーション
配布されている本体の権限設定を確認すると、カレンダー、位置情報、天気の取得、他アプリの自動操作が宣言されており、自動操作の対象としてミュージックとSpotifyが名指しされていました。トリガーや再生関連の機能のために要求されるものです。使っていた機能によっては、これらの一覧に名前が載っています。一覧から削除するには、項目を選んでマイナスのボタンを押します。
ログイン項目も別の場所です。システム設定の一般にあるログイン項目を開き、起動時に立ち上がる登録が残っていないかを見ます。本体を消した後に登録だけが残ると、起動のたびに存在しないアプリを探しに行く状態になります。
権限の後始末を丁寧にやる理由は、消すためだけではありません。同じアプリを入れ直したときや、別のバージョンに乗り換えたときに、古い記録と新しい本体の署名が食い違って権限が効かなくなることがあります。公式サポートも、権限が効かないときは一覧から削除して登録し直す手順を案内しています。消すときに一緒に片付けておけば、この問題は起きません。
消した直後のメニューバーをどう受け止めるか
作業が終わってログインし直すと、隠していた常駐アプリのアイコンが全部メニューバーに戻ります。数が多い環境では、消す前より窮屈に見えるはずです。ここで焦って別の道具を入れる前に、追加の道具なしでできる範囲を先に片付けると、必要なものが見えてきます。
まず、アプリ側の設定でアイコンを消せるものを消します。常駐アプリの多くは、環境設定に「メニューバーにアイコンを表示」の項目を持っています。次に、コントロールセンターに関する設定です。Bluetooth、サウンド、集中モードといった項目は、システム設定で「常に表示」「使用中のみ表示」「表示しない」を選べます。使用中のみ表示に変えるだけで、いくつかのアイコンが常時の表示から外れます。
この2つを済ませたうえで、まだ多すぎるなら、管理する道具が必要な状態だと判断できます。逆に、この時点で許容できる数に収まるなら、道具を1つ減らしたまま運用できます。
入れ直すか、別の道具にするかを決める材料
同じ製品に戻る場合でも、別の道具に移る場合でも、判断の材料は同じです。隠した項目をどう呼び出すか、どの権限を要求するか、費用の形はどうか、そしてやめるときにどれだけ手間がかかるか。この4点を先に見ます。
機能の範囲は、名前ではなく動作で比べます。何ができる道具なのかはできることにまとめてあり、設計の違いによる向き不向きはほかの道具との違いで整理しています。費用の形は、そのMacを何年使うかによって答えが変わるため、料金を先に見ておくと試用中に決められます。
権限や動作について残る疑問はよくある質問に集めてあります。手元で確かめてから決めたい場合はダウンロードから試して、上の4点を自分の環境で確認するのが確実です。消す作業をやり切った直後は、何が煩わしかったかを一番よく覚えている時期でもあります。その記憶が新しいうちに条件を書き出しておくと、次の選択が短時間で終わります。
よくある質問
本体をゴミ箱に入れるだけでは何が残りますか?
ホームフォルダのライブラリ配下にある設定ファイル、キャッシュ、アプリグループの共有領域、保存された画面状態が残ります。加えて、システム設定のプライバシーとセキュリティにある権限の記録と、ログイン項目の登録も別に残ります。これらは本体とは別の場所に記録されているため、個別に削除します。
残ったファイルは何という名前で探せばよいですか?
アプリの識別子で探します。2026年9月10日に配布されていたBartender 6の本体では、識別子はcom.surteesstudios.Bartender、アプリグループは24J875RH8J.com.surteesstudios.Bartenderでした。運営会社が変わった後も識別子は変わっていないため、現在の会社名で探すと見つかりません。
消す前に控えておくべきものはありますか?
ライセンスキー、設定画面のスクリーンショット、隠す扱いにしていた項目の一覧の3つです。とくに3つ目は、消した直後に隠していたアイコンが一斉に戻るため、記録がないと片付け直しに時間がかかります。返金を求めるかどうかも、購入から14日という期間の案内があるため、消す前に判断します。
消したらメニューバーが元より混雑しました。どうすればよいですか?
まず各アプリの環境設定でアイコン自体を消せるものを消し、次にコントロールセンター関連の項目を使用中のみ表示に変えます。この2つは追加の道具なしでできます。そのうえで許容できる数に収まらない場合に、管理する道具を検討する順番が無駄がありません。