Boring Notchでノッチにできること、任せないほうがよいこと

MacBookの画面の上にある黒い切り欠きを、ただの余白ではなく置き場所として使いたい。そう考えて探していくと、Boring Notchの名前に必ず行き当たる。無料で、しかもソースコードが公開されているという点で、この分野ではほかと並びが違う。

この記事は、Boring Notchがノッチの周りに何を出せるのか、動作に必要な条件は何か、入手の道と初回に出る警告はどうなっているのかを、配布元のサイトとGitHubの公開情報を2026年9月23日に確かめて整理したものである。あわせて、抜けている機能と、それを別の道具に振り分けるときの考え方も並べる。

ノッチの周りに何が出るのか

配布元のサイトが挙げている機能は6つある。再生中の曲の操作、カレンダーとの連携、その場で顔を映せる小さな鏡、電池の残量表示、ファイルの一時置き場、そしてmacOS標準の音量や輝度の表示の置き換えである。どれもノッチにポインタを重ねると帯が広がり、その中に収まる形で出てくる。

再生中の曲の表示では、アルバムの絵柄が帯の背景の色と馴染むように描かれる。音に合わせて波形が脈打つ表示は、この分野の中でもこのアプリに固有のもので、ほかのノッチアプリでは再現されていないと比較記事で指摘されている。

ファイルの一時置き場は、ノッチにファイルを放り込んで別の場所へ引き出す使い方になる。開発の記録ではAirDropへの対応も済んだ項目として挙げられており、ドラッグして落とすだけで送れる形になっている。複数の選択、右クリックからの操作、ダブルクリックで開くといった動きは、2025年11月の版で一通り入った。

このほか、リマインダーとの連携、ジェスチャーの割り当て、画面の大きさに合わせた帯の寸法の微調整も、済んだ項目として公開されている。逆に、Bluetooth機器の接続の表示、天気、配置の自由な組み替え、ロック画面のウィジェット、拡張の仕組みは、まだ予定の欄に残っている。

入手の道は2つ、警告への対処は1回だけ

手元に入れる道は2つある。1つは配布元から直接ダウンロードして、出てきたファイルの中身をアプリケーションフォルダへ移す方法である。もう1つはHomebrewから入れる方法で、開発元が用意した独自の置き場を指定して取得する。

ここで必ず引っかかるのが、macOSの警告である。開発元はAppleの開発者としての登録を持っていないため、初回の起動時に「開発元が確認できない」という表示が出る。公開されている説明では、この対処は一度で済み、以後は出ない。

対処の道も2つ用意されている。公開されている手順では、ターミナルから隔離の印を外すやり方が「常に通る」方法として推奨されており、システム設定の「プライバシーとセキュリティ」から許可する方法は、管理者以外の利用者では通らないことがあると注記されている。Homebrewから入れた場合は、この回避が取得の手順の中で自動的に済む形になっている。

Homebrewに登録されている内容を見ると、版は2.7.3、必要なOSはSonoma以上、アプリ自身による自動更新に対応していることが記されている。つまり一度入れてしまえば、更新のたびにこの警告と向き合う必要はない。

動作条件と、ノッチが無いMacでの扱い

必要な条件は2つだけである。公開されている説明では、macOS 14 Sonoma以降であること、そして機械はApple siliconとIntelのどちらでもよいことが挙げられている。Homebrewの登録情報でも必要なOSはSonoma以上で一致しており、ここに食い違いは無い。

ノッチが付いているのは、MacBook Proの14インチと16インチ、そしてM2以降のMacBook Airである。それより前の機種やデスクトップのMacには切り欠きが無いが、このアプリは画面の上端に疑似的な帯を作って同じように動く。配布元に載っている利用者の声でも、ノッチの無いMacで使えることが評価されている。

ソースから自分で組み立てる場合だけ条件が上がる。公開されている手順では、macOS 15.6以降とXcode 26以降が必要とされている。ただし、これは開発に参加する人向けの条件で、使うだけならSonoma以降で足りる。

安定版の更新が止まって見える理由

更新の様子は、数字で見ると誤解しやすい。公開されている配布の一覧では、正式な版として最後に出されたのは2.7.3で、日付は2025年11月24日である。一方で、日々の開発から自動で作られる試験用の版は2026年9月23日にも更新されている。

つまり、正式な版が10か月ほど動いていないのに、中身の開発は今日も続いているという状態である。公開されている記録では、このリポジトリに寄せられた星の数は10,824件、分岐して持ち帰られた回数は1,036件で、未解決の課題は375件が開いたままになっている。2026年4月に更新された比較記事では星の数が5,000件を超えたと書かれており、その後さらに倍近くまで増えたことになる。

取得の回数も公開されている。2.7.3の配布ファイルは、2026年9月23日時点で884,176回取得されている。数字の上では、正式な版が出ないことと、使われていないことは別の話である。

ただし、正式な版の間隔が開くこと自体は、使う側にとっての判断材料になる。不具合に当たったとき、直っているのが試験用の版だけという状況は起こりうる。

無料でオープンソースであることの意味と、その裏側

この分野でソースコードが公開されているのは、実のところこのアプリだけである。競合する有料アプリの比較記事でも、その点が注記されている。

注:この分野でオープンソースなのはBoring Notchだけです。ここで挙げた代替アプリはいずれもオープンソースではありません。 出典: getseam.app

配布元のサイトには、GPLv3のもとで公開されていること、支払いも試用期間もアカウント登録も要らないことが書かれている。開発を支える寄付の窓口は用意されているが、機能の制限とは結び付いていない。

一方で、無料であることの裏返しもある。前掲の比較記事は、スリープからの復帰でまれに落ちること、波形の表示を有効にすると電池の減りが10〜15%速くなるという報告があること、そして音声からの文字入力や本格的な作業タイマー、天気の表示が無いことを挙げている。いずれも2026年4月4日に更新された記事の記述で、書き手は有料の競合を出している側である。そのまま受け取るのではなく、自分の使い方に当てはまるかどうかで判断したい部分になる。

入れた直後に決めておきたいこと

公開されている使い方の説明はごく短い。起動するとノッチが反応するようになり、ポインタを重ねると帯が広がる。設定はメニューバーに出る星の印から開く形になっている。

ここで先に決めておきたいのが3つある。1つめは波形の表示を有効にするかどうかである。この表示がこのアプリの見どころであると同時に、電池の減りに関わる部分でもある。持ち歩いて使う時間が長いなら、まず切った状態で数日使い、必要になったら入れる順番のほうが影響を測りやすい。

2つめは、標準の音量と輝度の表示を置き換えるかどうかである。置き換えると見た目は揃うが、macOS側の表示と二重になる設定の組み合わせもあるため、片方に寄せておくほうが迷いが少ない。

3つめは、帯の寸法である。外付けの画面を併用している場合、ノッチが無い画面では疑似的な帯になるため、寸法の調整が要ることがある。公開されている開発の記録でも、画面の大きさに合わせた微調整は済んだ項目として挙げられている。

役割ごとに分けると、どこまで任せるか決まる

ノッチのアプリは複数の役を1つにまとめているので、丸ごと比べると決められなくなる。役割ごとに切って考えると早い。価格はいずれも2026年9月23日時点の公開情報である。

  • 再生中の曲の操作と波形の表示。ここはこのアプリの固有の強みで、無料で得られる
  • ファイルの一時置き場とAirDrop。このアプリで足りる
  • 音量と輝度の表示の置き換え。このアプリにもあるが、そこだけを求めるならMediaMateが5.99ドルで専門に扱っている
  • 細かく自分で組みたい。NotchNookが25ドルまたは月額3ドルで、この分野では設定項目が最も多い側に置かれている
  • ノッチを見えなくするだけ。TopNotchが無料で、有料版は6ドルである
  • ホバーしたときの最小限の表示だけ。Alcoveが無料で、機能を絞っている

全部を1つに集めるより、よく使う役だけを無料のこのアプリに任せて、残りは手を付けないという選び方も成り立つ。常駐するアプリが増えるほど、画面上端のアイコンは増えていく。

ノッチを賑やかにする前に、画面上端の並びを決める

ここで分けておきたいのは、ノッチを使えるようにする話と、画面の上端に並んだアイコンを整理する話が別の問題だという点である。ノッチのアプリが増やすのは表示できる情報のほうで、常駐するアプリは1つ増える。上端のアイコンは減らず、むしろ1つ多くなる。

上端が詰まる問題は幅に原因がある。ノッチのあるMacBookではメニューバーが左右に分断され、あふれたアイコンは画面の外へ押し出されて存在ごと見えなくなる。同期の失敗やバックアップの警告が、見えない場所で待つ形になる。ノッチに情報を足す前に、上端の並びを決めておくほうが順番として無理がない。

上端を扱う道具でできることはできることに一覧があり、隠したあとのアイコンをどう呼び出すかまで書かれている。畳んだ帯の中のアイコンを開かずに押せるかどうかは日々の手数に直結する部分で、ほかの道具との違いでは隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける点を軸に、ほかの選択肢と並べている。

費用の考え方は料金に、導入の前に迷いやすい点はよくある質問にまとまっている。手元の画面で挙動を見てから決めたい場合はダウンロードから入れて、常駐アプリを常に出すもの、必要なときだけ出すもの、見せなくてよいものの3つに振り分けてみるのが早い。ノッチを賑やかにするかどうかは、その振り分けが済んだあとで決めても遅くない。

よくある質問

Boring Notchは本当に無料ですか?

配布元のサイトには、GPLv3のもとで公開されたオープンソースであり、支払いも試用期間もアカウント登録も要らないと書かれています。開発を支える寄付の窓口はありますが、機能の制限とは結び付いていません。有料の競合を出している側の比較記事でも、この分野でソースコードが公開されているのはこのアプリだけと注記されています。

動作にはどのmacOSが必要ですか?

公開されている説明では、macOS 14 Sonoma以降が必要で、機械はApple siliconとIntelのどちらでも動きます。Homebrewの登録情報でも必要なOSはSonoma以上で一致しています。ソースから自分で組み立てる場合だけ、macOS 15.6以降とXcode 26以降という別の条件になります。

初回に「開発元が確認できない」と出るのは問題ですか?

開発元がAppleの開発者としての登録を持っていないため、想定された表示です。対処は一度で済み、以後は出ません。公開されている手順では、ターミナルから隔離の印を外す方法が常に通る方法として推奨されており、システム設定から許可する方法は管理者以外では通らないことがあると注記されています。Homebrewから入れた場合は取得の手順の中で自動的に済みます。

ノッチが無いMacでも使えますか?

使えます。画面の上端に疑似的な帯を作って同じように動く作りになっており、配布元に載っている利用者の声でも、ノッチの無いMacで使えることが評価されています。ノッチが付いているのはMacBook Proの14インチと16インチ、それにM2以降のMacBook Airで、それ以外の機種では疑似的な帯として扱われます。

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