Time Machineのアイコンをメニューバーから消す設定と、消す前に決めること
Time Machineのアイコンは、ほとんどの時間、何も伝えていません。バックアップが動いているあいだだけ回転し、それ以外は矢印に囲まれた時計の形でWi-Fiの隣に居座っています。自動で動いて意識せずに済むことが売りの仕組みなのに、常設のインジケータを1枠使っている。「hide Time Machine icon from mac menu bar」で検索する人が引っかかっているのは、この釣り合いの悪さです。
設定は用意されていて、macOSのバージョンによって場所が違います。そして消してもバックアップの動作は変わりません。変わるのは、アイコンのメニューから呼び出していた2つの操作への行き方です。代わりの手段を知ってから消すかどうかを決めると、後から「今すぐバックアップ」がどこへ行ったのか探す時間を使わずに済みます。
メニューバーの1枠は、思っているより高い
先に前提を整理します。メニューバーの横幅は画面の横幅で決まっていて、増やすことができません。左側には前面にあるアプリのメニューが並び、右側にステータス項目が並ぶ。この2つが同じ1本の帯を取り合う構造です。
一方で、常駐するアプリはこの帯にアイコンを置くしか自分の存在を伝える手段がありません。macOSでは、ウインドウを持たずに動くアプリはDockに現れないため、同期を続けるクラウドストレージも、接続を維持するVPNも、通知を出すチャットアプリも、同じ理由でステータス項目を作ります。アプリを入れるほどアイコンは増え、帯の幅は変わらない。ここに構造上の限界があります。
この前提に立つと、Time Machineのアイコンを消すかどうかは「1枠をこの用途に使う価値があるか」という問いになります。バックアップ先のディスクが常時つながっていて、意識することがほとんどない使い方なら、この1枠は返してもらう価値があります。週に1度ディスクをつないでバックアップを取る使い方なら、判断は変わります。この違いは後で詳しく扱います。
macOSのバージョンごとに設定の場所が違う
この設定はAppleによって過去に何度か移動しています。検索で見つかる手順の多くが、いま手元のMacには存在しないパネルを指しているのはそのためです。
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macOS Ventura以降 システム設定を開き、サイドバーから「コントロールセンター」を選びます。下へスクロールすると「メニューバーのみ」というグループがあり、SpotlightやSiriと並んでTime Machineがあります。ポップアップメニューを「メニューバーに表示しない」に変えると、その場で消えます。再起動は不要です。
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macOS Big SurとMonterey 同じ設定がシステム環境設定の「Dockとメニューバー」にあります。左の一覧からTime Machineを選び、「メニューバーに表示」のチェックを外します。
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macOS Catalina以前 Time Machine自身の環境設定パネルの中にあります。システム環境設定を開いてTime Machineをクリックし、ウインドウ下部にある「Time Machineをメニューバーに表示」のチェックを外します。古い解説記事が説明しているのはこの形で、新しいmacOSで探しても見つからないのはこのためです。
Big Sur以降には、設定画面を開かない方法もあります。Commandキーを押しながらアイコンをつかみ、メニューバーの外へドラッグすると消えます。このとき、対応する設定も自動的にオフへ切り替わります。同じCommandドラッグは並べ替えにも使え、他社製アプリのアイコンに対しては並べ替えとしてだけ働きます。
消してもバックアップは止まらない
ここは確実にしておく価値があります。メニューバーの項目はインジケータとショートカットメニューであって、バックアップの仕組みそのものではありません。
スケジュールを管理する常駐プロセスは、帯に何が描画されているかとは無関係に動きます。バックアップ先のディスクのマウントとアンマウントも、ローカルスナップショットの取得も同じです。保存期間、バックアップ先、実行間隔のいずれも、メニューバーの表示設定とは別の場所に保存されています。
初期設定では、Time Machineは1時間に1回ほどバックアップを取ります。直近24時間分は1時間ごとのバックアップを、過去1か月分は1日ごとのバックアップを、それより前は1週間ごとのバックアップを保持し、保存先の空きがなくなると古いものから削除していきます。
macOS Ventura以降では、この間隔を変えられます。システム設定の「一般」から「Time Machine」を開き、「オプション」を押すと「バックアップ頻度」の項目があり、自動で1時間ごと、1日1回、1週間に1回、手動のみから選べます。
アイコンを消すかどうかを考えるタイミングで、この頻度も一緒に見直す価値があります。回転するインジケータが気になる人は、1時間ごとのバックアップが自分の使い方に対して多すぎると感じていることが少なくありません。1日1回に変えると、ディスクの動作音も、帯を見る理由も同時に減ります。
アイコンから使っていた操作の代わり
アイコンのメニューにある項目は多くありません。消すことで失われるのはそこへの最短経路なので、代わりの手段を並べておきます。
「今すぐバックアップを作成」は、スケジュールを待たずにバックアップを始める操作です。アイコンがない状態では、ターミナルで tmutil startbackup を実行すると同じことができます。コマンドはすぐにプロンプトへ戻り、バックアップは裏で進みます。tmutil status で進行状況を、tmutil latestbackup で最新のバックアップの場所を確認できます。
「Time Machineバックアップを操作」は、過去の状態を見て復元する画面を開く操作です。macOS Ventura以降では、この画面は独立したアプリケーションになっているため、Spotlightで「Time Machine」と入力すれば直接開けます。それより前のバージョンでは、メニューバーの項目か環境設定パネル経由でしか開けませんでした。古いMacでアイコンを残す理由があるとすれば、この点です。
「このバックアップをスキップ」は、進行中のバックアップを中止する操作です。これには素直な代わりがありません。ただ、都合の悪いタイミングでバックアップが始まることが頻繁にあるなら、中止するためにアイコンを残すより、頻度か保存先を変えるほうが根本的な対処になります。
最後のバックアップが成功したかどうかと、その時刻は、システム設定の「一般」から「Time Machine」を開くと、保存先のディスクの下に表示されます。
ウインドウを閉じる操作とアプリケーションを終了する操作は別のものです。ウインドウを閉じてもアプリケーションは動作を続けることがあります。バックグラウンドで動作する機能は、画面に表示がなくても実行されています。 出典: support.apple.com
判断の分かれ目は、バックアップ先のつなぎ方です。常時接続のディスクやネットワーク上のボリュームに取っているなら、アイコンが伝えているのはすでに前提として信じている内容で、上の4つの操作は月に一度も使いません。一方、週に1度だけディスクをつなぐ使い方なら、アイコンはバックアップが始まったことと終わったことを知る手段になっています。この場合でも消すことはできますが、ディスクを外す前にシステム設定で最終バックアップの時刻を確認する習慣に切り替えてください。
システム側で消せるものを、まとめて見直す
Time Machineを消すと1枠空きます。同じ設定画面にはApple製の項目がすべて並んでいるので、一度通しで見ておくと効率がよくなります。
| 項目 | 設定の場所 | 消せるか |
|---|---|---|
| Time Machine | コントロールセンターの「メニューバーのみ」 | 消せる |
| Spotlight、Siri | コントロールセンターの「メニューバーのみ」 | 消せる |
| Wi-Fi、Bluetooth、サウンド | コントロールセンターの設定 | 消せる。使用中のみ表示も選べる |
| バッテリー、再生中、集中モード、画面ミラーリング | コントロールセンターの設定 | 消せる |
| 時計 | コントロールセンターの「時計のオプション」 | 消せる |
| コントロールセンター本体 | 設定なし | 消せない |
| 前面のアプリのメニュー | 設定なし | 消せない |
| 他社アプリのアイコン | そのアプリ自身の設定 | 開発元が用意していれば消せる |
最後の行に天井があります。他社製アプリのステータス項目はアプリが実行時に自分で作るもので、macOS側にその一覧も、利用者が消すための切り替えも存在しません。クラウドストレージやVPN、チャットアプリのアイコンを消せるかどうかは、その開発元が決めたことです。確認は短時間で済みます。アプリの設定を開いて「一般」「インターフェース」「外観」あたりに、メニューバーにアイコンを表示するかどうかの項目があるかを見るだけです。
混雑には2種類あり、対処が違う
同じ言葉で語られていても、実は別の問題が2つ混ざっています。
1つは見た目の問題です。どのアイコンも押せる状態にあるものの、数が多くて目的のものを探すのに一拍かかる。これは押していないものを隠せば解決します。
もう1つはあふれの問題です。アイコンが実際に切り落とされていて、押せない。こちらは画面の横幅による物理的な制限なので、片づけるだけでは足りず、項目を主たる列の外へ動かす必要があります。
2021年以降のMacBook Proと、その後のMacBook Airには画面上部の中央にカメラ部分の切り欠きがあり、後者の問題が起きやすくなっています。14インチと16インチのMacBook Proが最初にこの形になりました。左側のアプリメニューが長いアプリを前面にすると、右側のアイコンは切り欠きのほうへ押し出されます。切り欠きに達したアイコンは折り返しもスクロールもせず、描画されなくなります。何かが隠れているという表示は出ません。
この構造では、右側から1つ減らすたびに、メニューの多いアプリを開いたときにクリックできる項目が1つ増えます。Time Machineのアイコンを消すことは、見た目の話ではなく、別のアイコンを画面内に留めるための操作になります。
並べ替えで、あふれる順番を先に決める
道具を追加する前に、並べ替えを試してください。Commandキーを押しながらアイコンをドラッグすると位置を入れ替えられます。システム項目も他社製アプリの項目も同じように動き、並び順はユーザーアカウントごとに保存され、再起動しても保たれます。
実際に押す項目を時計に近い右端へ、状態を眺めるだけの項目を中央寄りへ移します。こうしておくと、帯があふれたときに切り欠きの向こうへ消えるのは、普段押していない項目になります。あふれること自体は避けられないので、あふれる順番を自分で決めておくという考え方です。
この作業には診断としての効果もあります。右へ寄せたくなった項目が、表示させておく価値のある項目です。それ以外は隠す候補になります。なお、コントロールセンターは右端に固定されていてドラッグも削除もできず、時計はその隣で消すことはできても場所は変えられません。左側の、前面アプリのメニューはこの並べ替えの対象外です。
設定で消せないアイコンをどうするか
システム設定で片づくのはApple製の項目と、隠す設定を持つ一部の他社製アプリだけです。残るのは、開発元が消せるようにしていないアイコンです。
ここから先はメニューバーを管理する道具の領域になります。この種のアプリは、消させてもらえないアイコンを畳んだ領域へ送り、必要なときだけ展開して使えるようにします。何ができるのかはできることに整理されています。
使い勝手の差は、隠した後にどう触れるかという一点に集中します。展開してから押す方式だと1回の操作が3回に増えます。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるのであれば、1日に1度確認する程度の項目を、手数を増やさずに常設の枠から外せます。選択肢は複数あり違いは細かいので、ほかの道具との違いで並べて見るのが早く、費用の考え方は料金にまとまっています。導入前に迷いやすい点はよくある質問に集めてあり、試すならダウンロードから入手できます。
注意点が1つあります。この種の道具は、macOSがステータス項目をどう配置するかという公開されていない挙動に依存しているため、macOSの大きなバージョンアップで動作が変わることがあります。システムを更新する前に、対応した版が出ているかを確認しておくと、更新直後にメニューバーが元の混雑に戻る事態を避けられます。
手を付ける順番は決まっています。コントロールセンターの設定でTime Machineを消し、同じ画面で押していないシステム項目をまとめて消す。Time Machineの設定を開いているうちに、オプションでバックアップ頻度が自分の使い方に合っているかも見ておく。次に、アイコンを使っていない他社製アプリを3つか4つ開き、そのアプリ自身に隠す設定があるかを確認する。この2段階を終えて残ったものが、道具の出番になるアイコンです。逆の順番で始めると、設定で消せたはずの項目まで道具に管理させることになり、構成が無駄に複雑になります。
よくある質問
アイコンを消すとバックアップは止まりますか?
止まりません。メニューバーの項目はインジケータとショートカットメニューであって、バックアップの仕組みそのものではありません。スケジュールされたバックアップ、ローカルスナップショット、保存期間、保存先のいずれも影響を受けません。最後にバックアップした時刻は、システム設定の「一般」から「Time Machine」で確認できます。
アイコンなしで、その場でバックアップを始めるにはどうしますか?
ターミナルで tmutil startbackup を実行すると、裏でバックアップが始まります。tmutil status で進行状況を確認できます。手動でのバックアップを頻繁に行う使い方であれば、1回のクリックで実行できる経路はアイコンだけなので、残しておく理由になります。
過去のファイルを復元する画面はどこから開けますか?
macOS Ventura以降では、復元の画面が独立したアプリケーションになっているため、Spotlightで「Time Machine」と入力すれば開けます。それより前のバージョンでは、メニューバーの項目か環境設定パネル経由でしか開けなかったので、古いMacではアイコンの価値が相対的に高くなります。
他社製のバックアップアプリやクラウドのアイコンも同じ設定で消せますか?
消せません。コントロールセンターの設定が扱うのはApple製の項目だけです。他社製アプリは、それぞれの設定ウインドウに隠す項目があるかどうかで決まり、「一般」や「インターフェース」の中にあることが多いです。項目がないアプリでは、メニューバーを管理する道具で畳む方法が残ります。