MacのAirPlay|メニューバーの画面ミラーリングから始める
MacのAirPlayを調べていると、説明が噛み合わないことがある。理由は向きが2つあるためで、Macから送る話とMacが受ける話が同じ名前で語られている。必要な設定も、確かめる条件も、操作する画面も別である。この記事では、まず向きを分けたうえで、それぞれの手順と条件を公式の案内に沿って整理する。
MacのAirPlayには向きが2つある
同じAirPlayという言葉で呼ばれているが、やることは逆である。どちらをしたいのかを先に決める。
| やりたいこと | 向き | 操作する場所 |
|---|---|---|
| Macの画面をテレビに映す | Macから送る | メニューバーの画面ミラーリング |
| Macの動画や音楽をテレビやスピーカーで再生する | Macから送る | 再生中のアプリのAirPlayボタン |
| iPhoneやiPadの画面をMacに映す | Macが受ける | iPhone側のコントロールセンター |
| iPhoneの音楽をMacのスピーカーで鳴らす | Macが受ける | iPhone側の再生画面 |
上の2行は、Macを送り手として使う。設定を新しく入れる必要はほとんどなく、相手のテレビやスピーカーがAirPlayに対応していれば、その場で一覧に出てくる。
下の2行は、Macを受け手として使う。こちらは事前にMacの設定でAirPlayレシーバーをオンにしておかないと、iPhoneの一覧にMacの名前が出てこない。「iPhoneからMacに映せない」という詰まり方の大半は、この設定がオフのままであることが原因である。
始める前に確かめる条件
向きがどちらでも共通する条件が2つある。両方のデバイスでWi-Fiがオンになっていて、同じネットワークに接続されていること。そして自分のApple製デバイス同士でやり取りする場合は、両方が同じApple Accountにサインインしていると手数が少なくなること。
Macが受け手になる場合は、機種とシステムの条件がある。Macの側はmacOS Monterey 12以降で、iMac Pro、2020年以降に発売されたMac mini、2018年以降に発売されたその他すべてのMacが対象になる。送り手のiPhoneはiOS 14以降でiPhone 7以降、iPadはiPadOS 14以降で、iPad Pro(第2世代)以降、iPad(第6世代)以降、iPad Air(第3世代)以降、iPad mini(第5世代)以降が挙げられている。
条件を満たしていない古い機種でも、まったく使えないわけではない。AirPlayレシーバーをオンにし、その横にある「AirPlayを許可」を「すべての人」または「同じネットワーク上のすべての人」に設定すれば、MacへのAirPlayはできる。ただし映像の解像度は低くなる。この条件の一覧はAppleが公開している連係機能の必要条件に機能ごとにまとめられている。
Macの画面をテレビに映す手順
Macから送る場合、入口はメニューバーの画面ミラーリングである。ここを押すと、同じネットワークにいるApple TVやAirPlayに対応したテレビが一覧に出る。
手順は次のようになっている。メニューバーの画面ミラーリングを押す。一覧からテレビを選ぶ。入力を求められたら、テレビに出た4桁のコードをMacで入力する。そのあと画面の案内に従って、ウインドウを1つだけ共有するのか、Macの画面全体をミラーリングするのか、それとも画面を拡張して2枚目の画面として使うのかを選ぶ。
ここで「デフォルトに設定」を選んでおくと、次に同じテレビへ繋いだときにこの選択を飛ばせる。あとから変えたいときは同じ画面ミラーリングを押し、変更を選ぶ。ウインドウを追加したい場合は「ウインドウを追加」、終わるときは停止のボタンを押す。ウインドウ1つだけを共有する使い方は、画面にほかの通知や書類を出したくない場面で効く。
動画や音楽を送るだけなら、画面全体を映す必要はない。再生コントロールにあるAirPlayのボタンを押し、Apple TVやスマートテレビを選ぶ。止めるときは、送り出しているアプリの同じボタンから一覧のMacを選ぶ。
業界をリードするテレビメーカーが、AirPlayを自社のテレビに組み込んでいます。これにより、あなたのiOS、iPadOS、Macデバイスからほぼすべてのものを、AirPlay対応スマートテレビに手間なくストリーミングしたりミラーリングできるようになります。 出典: apple.com
MacをAirPlayの受け手にする設定
iPhoneやiPadの画面をMacに映したい場合は、Macの側で先に受け入れる設定を入れる。場所はBluetoothやWi-Fiの設定ではなく、一般の中にある。
システム設定を開き、サイドバーで「一般」をクリックする。下にスクロールする必要がある場合がある。次に「AirDropおよび連係」をクリックして、「AirPlayレシーバー」をオンにする。そのあと「AirPlayを許可」の横のメニューから、どこまで許すかを選ぶ。
選択肢は3つある。「現在のユーザ」は、同じApple AccountにサインインしているデバイスからのAirPlayだけを許す。「同じネットワーク上のすべての人」は、同じネットワークにいる人すべてに許す。「すべての人」はその制限を外す。自宅の自分のデバイスだけで使うなら「現在のユーザ」で足りる。会議室や共用の机で使うなら、パスワードを要求する設定を併せて入れておく。
古いmacOSでは場所が違う。macOS Monterey 12では、システム環境設定の「共有」を開き、サイドバーで「AirPlayレシーバー」を選ぶ形になっている。画面の名前が変わっているので、案内どおりの項目が見つからないときはシステムの版を先に確かめる。
音だけを送るときの道
映像は要らず、音だけをスピーカーへ送りたい場面がある。この場合はAirPlayのボタンから相手を選ぶ道と、サウンドの設定から出力先を選ぶ道の2つがある。
再生中のアプリから送る場合は、そのアプリのAirPlayのボタンを押してHomePodやAirPlayに対応したスピーカーを選ぶ。止めるときは同じボタンから一覧のMacを選ぶ。アプリごとに出力先を持っている作りのものがあるため、ほかのアプリでは切り替わったのに1つだけスピーカーのままという状態が起きる。その場合はそのアプリの側を見る。
Mac全体の音の出口を変えたい場合は、システム設定のサイドバーで「サウンド」を開き、出力の一覧から選ぶ。Bluetoothのイヤホンやスピーカーも同じ一覧に並ぶ。接続されているだけでは自動で選ばれないので、ここで選ぶ操作が別に必要になる。「繋がっているのに音が出ない」という詰まり方の多くは、この1手が抜けている。
複数のスピーカーへ同時に流すこともできる。AirPlayに対応したスピーカーが2台以上あれば、同期させて家の中の別の場所で同じ音を鳴らせる。部屋ごとに別のものを流す使い方も選べるので、1台のMacから複数の場所を鳴らす前提で組める。どの相手に何を送っているかはAirPlayのボタンの一覧で確かめられ、選択を外すとその相手だけ止まる。
繋ぎ先が勝手に選ばれるときの設定
意図しないテレビやスピーカーへ繋がってしまう場合がある。これは不具合ではなく、よく使う相手を覚えて自動で繋ぐ仕組みが働いている状態である。
この動きを決めるのはiPhoneやiPadの側の設定である。設定アプリで「一般」を開き、「AirPlayと連係」を選び、「自動的にAirPlay」のメニューから「自動」「しない」「確認」のいずれかを選ぶ。共用のテレビがある部屋や、隣の部屋のスピーカーが同じネットワークにいる環境では、「確認」にしておくと毎回選び直せる。
Macの側で意図しない相手に繋がる場合は、AirPlayを許可する範囲を見る。「すべての人」や「同じネットワーク上のすべての人」にしていると、同じネットワークにいる別の人のデバイスからもMacが見える。自宅で自分のデバイスだけを使うなら「現在のユーザ」に戻し、パスワードを要求する設定を併せて入れておく。
滞在先のテレビで使える場合もある。いくつかのホテルチェーンが客室のテレビにAirPlayを導入していて、その部屋では手元のデバイスから直接送れる。対応している宿かどうかは予約の前に確かめることになる。
途切れる、映らない、解像度が落ちる場合
AirPlayが不安定になるとき、原因はアプリではなくネットワークの側にあることが多い。映像を送り続けるので、必要な帯域と安定性がほかの用途より高い。
両方のデバイスが本当に同じネットワークにいるかを先に確かめる。Wi-Fiルーターが2つの帯を別の名前で配っている場合、MacとテレビがそれぞれWi-Fiの2.4GHz帯と5GHz帯に分かれて繋がり、互いを見つけられないことがある。ゲスト用のネットワークに繋がっているときも同じことが起きる。
電波の条件も効く。同じ帯を使う機器が多い場所、電子レンジやコードレス電話の近く、USB 3やThunderbolt 3の機器の真上では信号がぶつかる。遮るものの材質では金属がいちばん影響が大きく、金属のモニタースタンドやノートパソコン用の台が間に入っているだけで不安定になる。対処の一覧はAppleが案内しているワイヤレス通信の干渉への対処にまとめられている。
解像度が思ったほど出ない場合は、機種の条件を満たしていない状態でAirPlayレシーバーを使っている可能性がある。前に述べたとおり、条件を外れた機種でも許可の設定を広げれば映るが、解像度は低くなる。設定の問題ではなく、その組み合わせの上限である。手順の全体はAppleのAirPlayの案内に並んでいる。
メニューバーの画面ミラーリングを出したままにしておく
AirPlayの入口は画面ミラーリングの項目である。ここが常に見えているかどうかで、繋ぐまでの手数が変わる。
この項目をメニューバーに出すかどうかは、システム設定のサイドバーにある「メニューバー」で決まる。メニューバーコントロールの一覧に、Wi-Fi、Bluetooth、集中モード、画面ミラーリング、ディスプレイ、サウンド、再生中などが並んでいて、出すものを選ぶ形になっている。項目ごとに「使用中に表示」と「常に表示」を選べるので、ふだんは隠しておいて使うときだけ出す設定もできる。設定の内容はAppleのメニューバー設定の説明に載っている。
ところがメニューバーの幅は決まっている。常駐アプリのアイコンが増えるほど、古いものから押し出される。ノッチのある機種では、隠れて押せなくなる項目も出る。画面ミラーリングのように「使うときだけ必要で、そのときは欠かせない」な項目が犠牲になりやすいのは、この順番のためである。
メニューバーを整理する道具を入れると、ふだん見る項目と、ふだんは見なくてよい項目を分けられる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形にしておくと、画面ミラーリングを隠したままでも1手で開ける。何を隠して何を残せるのかはできることにまとめてある。
テレビへ繋ぐ運用では、もう1つ効く点がある。並びの設定をディスプレイの構成ごとに覚えておき、外部の画面を繋いだときと外したときで自動的に切り替える形にしておくと、テレビに繋いだ瞬間にメニューバーが崩れる状態を避けられる。ほかの同じ役目の道具との違いはほかの道具との違いで並べている。対応しているmacOSの版や許可の話はよくある質問に、試す場合の条件は料金に載っている。
よくある質問
iPhoneの一覧にMacの名前が出てこないのはなぜ?
MacがAirPlayを受け入れる設定になっていない。システム設定のサイドバーで「一般」を開き、「AirDropおよび連係」から「AirPlayレシーバー」をオンにする。そのあと「AirPlayを許可」で許す範囲を選ぶ。自分のデバイスだけで使うなら「現在のユーザ」で足りる。macOS Monterey 12では場所が共有の設定の中になる。
MacをAirPlayの受け手にするには、どの機種が必要?
macOS Monterey 12以降で、iMac Pro、2020年以降に発売されたMac mini、2018年以降に発売されたその他すべてのMacが挙げられている。送り手はiOS 14以降のiPhone 7以降、またはiPadOS 14以降の対象モデルである。条件を外れた機種でも、許可の範囲を広げれば映るが解像度は低くなる。
テレビに映すとき、画面全体を出さずにウインドウ1つだけ共有できる?
できる。メニューバーの画面ミラーリングからテレビを選ぶと、ウインドウを共有するか、画面をミラーリングするか、画面を拡張するかを選ぶ案内が出る。ウインドウを追加したいときは「ウインドウを追加」を押す。「デフォルトに設定」を選ぶと、次に同じテレビへ繋いだときにこの選択を飛ばせる。
AirPlayの映像が途切れるときは何を見ればよい?
両方のデバイスが本当に同じネットワークにいるかを先に確かめる。ルーターが2つの帯を別の名前で配っている場合、2.4GHz帯と5GHz帯に分かれて互いを見つけられないことがある。次に電波の条件を見る。電子レンジやコードレス電話の近く、USB 3やThunderbolt 3の機器の真上、金属の台が間に入る配置では不安定になる。