MacのデスクトップをiCloudに預ける|同期の印の読み方
MacのデスクトップをiCloudに預けると、別のMacやiPhoneから同じファイルに手が届く。ただしこの設定は、ファイルの置き場所そのものを移す仕組みなので、入れるときと切るときの挙動を知らないまま触ると「ファイルが消えた」と感じることになる。この記事では、有効にする手順、Finderに出る印の意味、容量と料金の目安、そして解除したときにファイルがどこへ行くかを順に扱う。
この設定が動かしているのは「置き場所」である
「“デスクトップ”フォルダと“書類”フォルダ」という名前の設定は、同期の対象を1つ増やすだけの機能ではない。有効にすると、デスクトップフォルダと書類フォルダそのものがiCloud Driveの中へ移る。
「“デスクトップ”フォルダと“書類”フォルダ」を有効にすると、「デスクトップ」フォルダと「書類」フォルダがiCloud Driveに保存され、どのデバイスからでもMacのファイルにアクセスできるようになります。 出典: support.apple.com
移った後は、新しく作ったファイルも自動的にiCloudへ保存される。ホームフォルダの下にあったデスクトップは、iCloud Driveの下のデスクトップになる。この違いが分かっていれば、後の節に出てくる挙動はすべて筋が通って見える。
同期は、デバイスがインターネットに接続するたびに行われる。回線の速さによって、ほかのデバイスにファイルが現れるまでの時間には差が出る。有効にした直後に別のMacで見えなくても、それは失敗ではなく転送中である。
有効にする手順
Appleの案内している順番は次の通りである。先にすべてのデバイスでiCloudを設定しておく。
- アップルメニューから「システム設定」を選ぶ
- ユーザ名をクリックし、「iCloud」をクリックする
- 「Drive」(表記が「iCloud Drive」の場合もある)をクリックする
- 「iCloud Drive」の下にある「このMacを同期」がオンになっていることを確かめる
- 「“デスクトップ”フォルダと“書類”フォルダ」を有効にする
- 「完了」をクリックする
Macが複数ある場合は、iCloud Driveを使うすべてのMacで同じ手順を繰り返す。1台目だけで有効にしても、2台目のデスクトップは別扱いのままである。
先に確かめておきたい点が1つある。別のクラウドストレージサービスの機能でデスクトップや書類を同期している場合は、その機能をオフにしてからこちらを使う必要がある。両方が同じフォルダを管理しようとすると、どちらの側でも意図しない動きになる。iCloud Driveと他社のサービスの両方にファイルを置きたい場合は、他社のサービス用のフォルダをホームフォルダなど別の場所に作り、コピーを分けて保管する形になる。
上がらないファイルがある
有効にしても、iCloud Driveがほかのデバイスへ運ばないファイルがある。Appleが名前を挙げているのは次の3つのライブラリである。
- iMovieのライブラリ
- 写真アプリのライブラリ
- Apertureのライブラリ
これらがデスクトップや書類の中に入っている場合、Finderで「不適格」というラベルが付く。編集中の動画プロジェクトをデスクトップに置いている場合、この表示を先に知っておかないと同期の不具合だと誤解しやすい。ライブラリは別の場所へ移し、同期の対象から外して扱うほうが分かりやすい。
Finderでどう見えるか
有効にした後、ファイルを探す場所はmacOSのバージョンで変わる。
macOS Tahoe 26以降では、Finderのサイドバーの「よく使う項目」の下にある「iCloud Drive」に、「デスクトップ」フォルダと「書類」フォルダを表示できます。各フォルダの名前の横にはクラウドのアイコン が表示されます。 出典: support.apple.com
それより前のバージョンでは、Finderのサイドバーの「iCloud」という区分の中に同じ2つのフォルダが出る。サイドバーの見出しが変わっただけで、中身は同じである。
2台目のMacでも有効にすると、iCloud Driveのデスクトップフォルダの中に、その2台目のMacと同じ名前のフォルダができる。2台のデスクトップが1つに混ざるのではなく、階層が1つ増える形になる。台数を増やすほどこの入れ子が深くなるので、どのMacで作ったファイルなのかは名前で見分けることになる。
どのフォルダに入ったか分からなくなったときは、Spotlightで名前を検索する方法もある。iCloud Driveに移った後もSpotlightの検索対象に入っているので、サイドバーをたどらずに直接開ける。移した直後に「見つからない」と感じるのは、階層が1つ深くなったことが原因である場合が多い。
iPhoneやiPadからは、ファイルアプリを開いて「ブラウズ」をタップし、「場所」の「iCloud Drive」から同じフォルダに入れる。パソコンのブラウザからはiCloud.comにサインインして「iCloud Drive」を選ぶ。ブラウザから編集したい場合は、ダウンロードボタンでファイルを落として編集し、終わったらiCloud Driveへ戻す手順になる。Pages、Numbers、Keynoteのファイルだけは、ブラウザ上で編集した内容がそのままiCloud Driveに保存される。
削除すると全デバイスで消える
ここが最も注意の要る挙動である。iCloud Driveのデスクトップと書類に置かれたファイルは、同じApple Accountでサインインしているすべてのデバイスで共有されている。1台で削除すると、すべてのデバイスから削除される。
戻せる期間は決まっている。削除したファイルは、ファイルアプリまたはiCloud.comの「最近削除した項目」フォルダに30日間残る。30日を過ぎると完全に削除される。
紛らわしいのは、ファイルを残したままMacの容量を空ける操作が別に用意されていることである。ファイルを長押しして「ダウンロードしたものを削除」を選ぶと、そのデバイスのローカルストレージからは消えるが、iCloud上のファイルは残る。名前に「削除」が入っているため取り違えやすいが、これは削除ではなく手元の控えを外す操作である。
容量と料金の目安
デスクトップと書類をiCloudに預けると、その容量はiCloudストレージから引かれる。無料で使える容量は5GBなので、デスクトップに重いファイルを置いている場合は早い段階で足りなくなる。
有料のiCloud+の月額料金は、日本では次の通りである。いずれも税込である。
| 容量 | 月額料金 |
|---|---|
| 50GB | 150円 |
| 200GB | 450円 |
| 2TB | 1,500円 |
| 6TB | 4,500円 |
| 12TB | 9,000円 |
いずれのプランも最大5人の家族で共有できる。2026年9月27日にAppleのサポートページで確かめた金額である。料金は変わることがあるため、契約前に同じページで確かめておきたい。
支払いにはクレジットカードとデビットカード、Apple Accountの残高が使える。残高が不足している場合は、不足分が別途請求される。Apple Storeギフトカードはこの支払いには使えない。
判断の目安としては、デスクトップと書類の合計が数GBで収まっているなら50GBで足りる。写真アプリのライブラリを別途iCloudに預けている場合は、そちらの容量と合算されるため、200GB以上を見ておくほうが安全である。
解除したときにファイルはどこへ行くか
切るときの挙動が分かっていないと、解除した瞬間に慌てることになる。
Macで「“デスクトップ”フォルダと“書類”フォルダ」を無効にすると、ファイルはiCloud Driveの中に残り、Macのホームフォルダの中には新しいデスクトップフォルダと書類フォルダが空の状態で作られる。つまり、デスクトップは空になるが、ファイルは消えていない。iCloud Driveの中に入っているので、必要なものを自分で運び戻す作業になる。
iCloud Driveそのものを無効にした場合、またはiCloudからサインアウトした場合も、ホームフォルダの中に新しいデスクトップフォルダと書類フォルダが作られる。この場合はファイルのローカルコピーを保管するかどうかを選べる。保管する側を選んでおけば、手元にファイルが残る。
手順として安全なのは、解除する前にiCloud Drive上のデスクトップと書類の中身を別の場所へコピーしておくことである。コピーが済んでから無効にすれば、運び戻しの作業そのものが不要になる。
デスクトップを空けても、上端は片づかない
デスクトップをiCloudに預けると、ファイルの置き場所を1か所にまとめられる。デスクトップの散らかりを片づける手としては効く。ただし画面の混雑は、デスクトップだけの問題ではない。
画面の上端のメニューバーには、右側に常駐アプリのアイコンが並ぶ。クラウドストレージの同期状況を示すアイコンは、その代表である。iCloud Drive、他社のクラウドサービス、チャット、電池の管理、画面の調整と揃うと、前面のアプリを切り替えた瞬間に右側の項目が押し出される。
押し出されたアイコンは折り畳まれて印になるのではなく、単に描かれなくなる。消えたことを知らせる合図も出ない。内蔵画面にノッチのあるMacBookでは帯の中央が使えないため、この現象が早く起きる。同期が止まっているのに気付かない事故は、たいていこの状態で起きている。
常に出すものと、条件つきで出すものを分ける
同期の状況を示すアイコンは、性質としては2段目に当たる。ふだんは見えていなくてよく、止まったときだけ見えてほしい。押す頻度で3段に分けると決めやすい。
- 常に出す: 1日に何度も押すもの
- 条件つきで出す: 特定の場面だけ意味を持つもの
- 常に隠す: 設定のときだけ触るもの
この分け方ができる道具には、隠したアイコンの表示が変わったとき、電池の残量が決めた割合を下回ったとき、指定した時間帯のあいだ、特定のアプリを使っているとき、自分で書いたスクリプトの終了コードが0のときといった条件で、一時的に帯へ出せるものがある。同期の印が変化したときだけ出す設定にしておけば、ふだんは席を空けたまま、止まったときには気付ける。
隠したものへの手の届きやすさも見ておきたい。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、畳んだ状態を崩さずに同期の状況を確かめられる。仕切りの左へ送る方法と、隠したものを本物の見た目のまま出す方法の違いはできることに説明がある。呼び出し方が製品ごとにどう違うかはほかの道具との違いで比べられる。
この種の常駐アプリは、メニューバーの描画を読み取るために画面収録の許可を、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティの許可を求める。求める理由はよくある質問に書かれており、対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードに載っている。費用の形は料金で確かめられる。
通して並べると、まず容量を見て預けるかどうかを決め、有効にする前に他社の同期機能を切り、ライブラリ類をデスクトップから外し、解除する可能性があるなら控えを取っておく。デスクトップが片づいたら、次に見るのは画面の上端である。
よくある質問
デスクトップをiCloudに預けると、Macの容量は空きますか?
ファイルの置き場所がiCloud Driveに移るため、手元に控えを持たない設定にすれば容量は空きます。個別に空けたい場合は、ファイルを長押しして「ダウンロードしたものを削除」を選びます。これはiCloud上のファイルを消す操作ではなく、そのデバイスに落ちている控えを外す操作です。名前に「削除」が入っているので取り違えないようにしてください。
同期を解除すると、デスクトップのファイルは消えますか?
消えません。無効にすると、ファイルはiCloud Driveの中に残り、Macのホームフォルダには新しい空のデスクトップフォルダと書類フォルダが作られます。デスクトップが空になるので消えたように見えますが、iCloud Driveから運び戻せます。解除の前に別の場所へコピーしておけば、運び戻す手間もなくなります。
iCloudの容量はいくらから足りなくなりますか?
無料で使える容量は5GBです。デスクトップと書類の合計が数GBで収まっているなら、月額150円(税込)の50GBで足ります。写真アプリのライブラリも預けている場合は同じ容量から引かれるため、200GB以上を見ておくほうが安全です。2026年9月27日時点でAppleのサポートページに載っている日本向けの金額です。
デスクトップに置いた動画の編集用ファイルも同期されますか?
iMovieのライブラリ、写真アプリのライブラリ、Apertureのライブラリは、iCloud Driveがほかのデバイスへ運びません。これらがデスクトップや書類の中にある場合、Finderで「不適格」というラベルが付きます。同期の不具合ではないので、ライブラリは別の場所へ移し、同期の対象から外して扱うほうが分かりやすくなります。