Macのキーボードビューア|どのキーで何が出るかを画面で見る
記号を打ちたいのに、どのキーを押せば出るのか分からない。刻印のないキーの組み合わせを当てずっぽうで試している。そんなときに使うのが、Macのキーボードビューアです。画面上にキーボードの絵を出し、Optionキーなどを押している間に何の文字へ変わるかをその場で見せてくれます。この記事では、出し方と閉じ方、文字ビューアとの使い分け、別の言語のレイアウトを見る手順、そして出すための入り口である入力メニューがメニューバーに1つ席を取るという話までを順にたどります。
キーボードビューアは何を見せる道具なのか
キーボードビューアは、いま選んでいる入力ソースのキー配列を画面に表示する機能です。Appleの説明では、オンスクリーンキーボードを表示してテキストを入力できるほか、アクセント記号付きの文字や記号を入力するには物理キーボードのどのキーを押す必要があるかを表示できる、とされています。つまり用途は2つに分かれます。1つはマウスやトラックパッドでキーをクリックして文字を打つ入力装置としての使い方、もう1つは物理キーボードの答え合わせをするための早見表としての使い方です。
実務で効くのは後者です。たとえば円記号とバックスラッシュの打ち分け、チルダやバックティックの位置、ドイツ語のウムラウトやフランス語のアクサンの入れ方。これらは刻印を見ても分かりません。キーボードビューアを開いてOptionキーを押すと、押している間だけ各キーの表示が切り替わり、Optionと組み合わせたときに出る文字が一覧で見えます。Shiftを足せばさらに別の面が見えます。刻印は2面しか印刷できませんが、実際には修飾キーの組み合わせでもっと多くの文字が割り当てられているため、画面で見るほうが早いわけです。
もう1つの使い道が、キーが物理的に壊れていないかの確認です。押したキーはキーボードビューア上で色が変わるため、反応しないキーがあるときに配列側の問題なのか、キー自体の故障なのかを切り分ける材料になります。ただし切り分けの材料にはなっても、修理の判断まではできません。
入力メニューから出す。入力メニューが見えないときの手順
出し方は1つで、メニューバーの入力メニューをクリックして「キーボードビューアを表示」を選びます。入力メニューは、いま使っている入力ソースを表す「あ」や「A」、あるいは国旗のアイコンとしてメニューバーの右側に並んでいます。
問題になるのは、その入力メニューがメニューバーに出ていない場合です。日本語環境では日本語入力の切り替えに使うので出ていることが多いのですが、英語だけで使っているMacでは最初から隠れています。この場合は設定から出します。Appleの手順は次の通りです。アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「キーボード」をクリックします。サイドバーは長いので、下へスクロールする必要があることがあります。そこから「テキスト入力」に移動し、「編集」をクリックして、「メニューバーに入力メニューを表示」をオンにします。
閉じるときは、キーボードビューアのウインドウの左上にある閉じるボタンを押します。ウインドウはほかのアプリの上に浮いたまま残るので、開いたまま別のアプリで入力してもかまいません。位置はドラッグで動かせるため、確認したい入力欄と重なるときは下へ逃がしておくと作業が途切れません。
文字ビューアとの使い分け
似た名前の機能として文字ビューアがあり、この2つは役割が違います。Appleは、キーボードビューアに表示されない絵文字、記号、特殊文字を入力するには文字ビューアを使うよう案内しています。判断の基準は単純で、キーを押して出る文字ならキーボードビューア、キーに割り当てられていない文字なら文字ビューアです。
文字ビューアの呼び出しはFnキーとEキー、または地球儀キーとEキーの組み合わせです。メニューの「編集」から「絵文字と記号」を選んでも開きます。検索欄に「笑っている顔」のように言葉を入れて絞り込めるので、矢印や通貨記号、数学記号を探すときはこちらが速いです。肌の色などのバリエーションは、絵文字をクリックして押さえたままにすると出てきます。
ここで覚えておきたいのは、メニューバーの入力メニューからは文字ビューアも開けるという点です。入力メニューを1つ出しておけば、キー配列の確認と記号探しの両方の入り口になります。逆に言えば、この1つを消してしまうと、記号を探すたびにキーボードショートカットを思い出すか、メニューをたどることになります。メニューバーの整理でどれを残すかを決めるとき、入力メニューは消す候補ではなく残す候補に入る種類のアイコンです。
別の言語のキーボードレイアウトを見る
海外向けのキーボードを買った、あるいは英語配列と日本語配列が混在している。そういうときは、見たい配列の入力ソースに切り替えてからキーボードビューアを開きます。Appleの手順では、メニューバーの入力メニューをクリックして入力ソースを選ぶと、その入力ソースのレイアウトが表示されます。
注意点が1つあります。表示のために入力ソースを切り替えたなら、確認が終わったあとに元へ戻す必要があります。Apple自身も手順の最後に、入力ソースやキーボードレイアウトを変更した場合は必要に応じて元に戻すよう書いています。戻し忘れたまま文章を打つと、記号の位置がずれたまま入力することになり、原因の分からない打ち間違いが続きます。
入力ソースが多い環境では、入力メニューのリストそのものが長くなります。使っていない言語の入力ソースは、システム設定の「キーボード」にある「テキスト入力」から外しておくと、切り替えのたびに目で探す時間が減ります。ここは常駐アイコンの整理と同じ考え方で、選択肢の数そのものを減らすほうが、並べ方を工夫するより効きます。
中身がアクセシビリティキーボードに変わっている
昔からある機能なので、見た目が変わったことに戸惑う人がいます。実際、macOSの途中のバージョンから、キーボードビューアの実装はアクセシビリティキーボードに置き換わりました。Appleのユーザガイドにも、キーボードビューアは高度なタイピング機能とMac内の移動のための追加オプションを提供するmacOSのアクセシビリティキーボードを使用していると書かれています。
macOSのユーザガイドを見ると10.15からキーボードビューアはアクセシビリティキーボードを使っているようです。 出典: note.com
この置き換えの影響で、表示されるキーの並びが手元のキーボードと一致しないように見えることがあります。アクセシビリティキーボードは、接続している機器の形をそのまま描くのではなく、選んでいる入力ソースの論理的な配列を描くためです。刻印と画面が食い違ったときは、まず入力ソースが目的のものになっているかを確認します。システム設定の「キーボード」でキーボードの種類を指定し直すと、表示が手元の配列に寄ることもあります。
もう1つの副作用として、ウインドウの大きさを変えたり、キーを押したときの見え方が以前と違ったりします。早見表として使う分にはどれも支障になりませんが、前と違うと感じたときに故障を疑わなくて済むよう、仕組みが入れ替わっている事実だけは押さえておくとよいでしょう。
キーボードビューアで分かること、分からないこと
この機能で確かめられるのは、あくまで文字の入力に関わる割り当てです。アプリごとのキーボードショートカットは対象外で、たとえば書き出しのショートカットが何だったかを知りたいときに開いても答えは出ません。ショートカットの一覧はアプリのメニューを開いて右側の表記を読むか、Appleのキーボードショートカットの資料を見るほうが確実です。修飾キーを押したときに各キーが何の文字へ変わるかという一点に用途を絞って使うと、迷いません。
日本語入力の変換候補の出方や、ライブ変換の挙動もここでは分かりません。それらは入力ソースごとの設定で、システム設定の「キーボード」から入る「テキスト入力」の側が持っています。キーボードビューアはあくまで配列の窓なので、入力方式の設定を変えたいときは別の画面へ移ります。名前が似ているため混同しやすい部分です。
外付けキーボードを繋いだときの扱いも押さえておくとよいでしょう。キーボードビューアは選んでいる入力ソースの配列を描くので、内蔵キーボードと外付けで刻印が違う場合、画面の表示はどちらか一方とだけ一致します。日本語配列の内蔵キーボードに英語配列の外付けを足した環境では、入力ソースを切り替えるたびに表示も入れ替わることを前提に読む必要があります。
入力メニューを常駐させると、メニューバーの席が1つ減る
キーボードビューアを使うには入力メニューをメニューバーに出しておくのが近道ですが、その1つが画面の上端の席を1つ占めます。Appleはメニューバーの右側に並ぶアイコンを状況メニューと呼び、バッテリーの残量やWi-Fiの接続状況の表示、Bluetoothの切り替えなどを担う場所だと説明しています。表示する項目は、システム設定を開いてサイドバーの「メニューバー」から選べます。
ここが詰まると、入力メニューを出したこと自体が裏目に出ます。MacBookのノッチのある機種では、アプリのメニューが長いときに右側の状況メニューが押し出され、入力メニューが見えなくなることがあります。見えないアイコンは押せないので、キーボードビューアを開くために別の経路を探す手間が生まれます。常駐アプリを入れるたびにアイコンが増えていく環境では、この詰まりは時間の問題です。
対処の順番は決まっています。まずシステム設定の「メニューバー」で、自分が使っていない標準の項目を外します。次に、アプリ側の設定でアイコンを出さない選択ができるものを外します。それでも足りないときに、メニューバーを整理する道具の出番になります。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りのものを選べば、隠したあとも操作の手数は増えません。
何を残し、何を隠すかを分ける基準
整理の基準は、そのアイコンを見るために出しているのか、押すために出しているのかで分かれます。バッテリーの残量や時計は見るためのもので、隠すと役目を失います。入力メニューは押すためのもので、キーボードビューアや文字ビューアを開く入り口として日に何度も使う人にとっては残す側です。逆に、押すのは月に一度なのに常に出ているアイコンは、隠して呼び出せる場所へ移す候補になります。
この分け方を機械的に回すには、隠したものへ戻る道が軽いことが前提になります。隠す機能と、隠したものを呼び出す機能が揃っているかはできることで確認できます。同じ目的のアプリが複数あり、価格も有料と無料に分かれるため、判断の材料として各アプリの現在の価格と支払い方をまとめたほかの道具との違いも用意されています。
動く環境の条件は先に見ておくほうが安全です。対応するmacOSの版、必要な許可、1つのライセンスで使える台数などはよくある質問に並んでいます。金額と支払い方だけを確かめたいなら料金が早く、実際に自分のメニューバーで試すならダウンロードから始められます。入力メニューのように残すべきものを残したまま、押さないものだけを畳んでおければ、キーボードビューアを開くまでの手数は今より減ります。
よくある質問
キーボードビューアが見つからないときは、どこを見ればよいですか?
出し方はメニューバーの入力メニューからで、そこに「キーボードビューアを表示」があります。入力メニュー自体が見えないときは、アップルメニューから「システム設定」を開き、サイドバーで「キーボード」を選び、「テキスト入力」の「編集」から「メニューバーに入力メニューを表示」をオンにしてください。
キーボードビューアと文字ビューアは何が違いますか?
キーボードビューアはキーを押して出る文字を確かめる道具、文字ビューアはキーに割り当てのない絵文字や記号を探して挿入する道具です。Appleもキーボードビューアに出ない文字は文字ビューアを使うよう案内しています。文字ビューアはFnキーとEキー、または地球儀キーとEキーで開きます。
画面に出るキーの並びが手元のキーボードと違うのはなぜですか?
キーボードビューアはアクセシビリティキーボードの仕組みで動いており、機器の形ではなく選んでいる入力ソースの配列を描きます。刻印と食い違うときは、入力メニューで入力ソースが目的のものになっているかを確かめ、必要ならシステム設定の「キーボード」でキーボードの種類を指定し直してください。
入力メニューをメニューバーに出すと、アイコンが増えて窮屈になりませんか?
窮屈になります。まずシステム設定の「メニューバー」で使っていない項目を外し、次にアプリ側でアイコンを出さない設定があるものを外してください。それでも足りない場合は、使わないアイコンを隠して必要なときだけ呼び出せる道具を使うと、入力メニューを残したまま上端を空けられます。