Macのメニューバーが固まったときに、どこが止まっているかを見分ける
Macのメニューバーが固まって反応しなくなったとき、最初にやりたくなるのは再起動です。ただし再起動は原因を消してしまうため、次に同じことが起きたときにまた同じ手間がかかります。この記事では、メニューバーのどの部分が止まっているのかを切り分ける手順と、再起動より手前で試せる復旧の順番、そして再発を減らすための整理の考え方を順に説明します。
「メニューバーが固まった」と言っても、止まっているものは1つではない
メニューバーは1枚の板に見えますが、実際には性質の違う部品が横に並んでいます。左側にあるファイルや編集といったメニューは、そのとき前面にあるアプリが描いています。右側に並ぶアイコンは、それぞれ別のアプリやシステムのプロセスが自分で描いています。時計やコントロールセンターのように、macOS側のプロセスが担当している部分もあります。
つまり、メニューバー全体を管理している単一の担当者はいません。ある部分が止まっていても、隣の部分は普通に動いていることがよくあります。ここを混同したまま対処すると、無関係な操作を繰り返すことになります。
止まり方は大きく4つに分かれます。左側のメニューだけが開かない場合、右側のアイコンの一部だけが反応しない場合、時計が進まなくなっている場合、そしてポインタは動くのに画面全体が操作を受け付けない場合です。このうち最後だけは、メニューバーではなく描画そのものの問題である可能性が高くなります。切り分けの目的は、この4つのどれなのかを1分以内に確定させることです。
どこが止まっているかを見分ける3つの確認
順番に見ていけば、追加の道具なしで判別できます。
時計が進んでいるか
まず画面右上の時計を見ます。分が変わるかどうかを待つのではなく、システム設定のコントロールセンターで時計に秒を表示する設定にしてある場合は、秒が動いているかを見れば即座に分かります。時計が止まっているなら、メニューバーの右側を描いているシステム側のプロセスが止まっています。時計は動いているのにアイコンが反応しないなら、システム側は生きていて、個別のアプリ側が止まっています。この一点で対処の方向が大きく変わります。
左側のメニューは開くか
デスクトップをクリックしてFinderを前面にし、左上のファイルメニューを開いてみます。開くなら、メニューバーの描画そのものは正常です。開かないなら、前面にあったアプリが応答していない可能性が高くなります。左側のメニューはそのアプリが描いている領域なので、アプリが処理で詰まっていればメニューも開きません。この場合、固まっているのはメニューバーではなくアプリです。
アイコンを押して反応するか
右側のアイコンを1つずつ押していきます。全部が反応しないのか、特定の1つだけが反応しないのかで、原因の範囲が変わります。特定の1つだけが無反応なら、そのアプリだけを終了させれば済みます。全部が反応しないなら、システム側の描画プロセスを対象にした対処が必要になります。
原因になりやすい5つのパターン
現場で多いのは次の5つです。
- 常駐アプリの1つが応答を止めている。クラウドストレージの同期、バックアップ、VPN、通信を伴う常駐ツールは、ネットワークの待ち時間で処理が詰まりやすく、その間はアイコンを押しても反応しません
- 前面のアプリが重い処理をしている。書き出し、大量のファイルの読み込み、検索などが走っている間は、そのアプリのメニューも開きません
- macOSの更新直後で、ログイン項目が旧版のまま起動している。更新前に入っていた常駐アプリが新しいOSに追いついていないと、起動時に固まることがあります
- 外部ディスプレイの抜き差しの直後。画面の構成が変わるタイミングで、メニューバーの描画が追いつかないことがあります
- 項目が多すぎて、押したい位置に別の項目が重なっている。固まっているのではなく、押しているものが違うだけという場合も少なくありません
最後の1つは見落とされがちです。とくにノッチのあるMacBookでは、あふれた項目が表示されないまま存在していることがあり、無反応に見える原因が単なる表示の欠落であることがあります。
再起動より手前で試せる復旧の順番
強い操作から始めると、原因が分からないまま終わります。弱い順に試すのが基本です。
まず、応答していないアプリを終了させます。アップルメニューから強制終了を選ぶか、コマンドキーとオプションキーとエスケープキーを同時に押すと一覧が出ます。ここで赤字の表示が付いているものが、応答を止めているアプリです。
応答しなくなったアプリは、アップルメニューから強制終了を選ぶか、コマンドキーとオプションキーとエスケープキーを同時に押して表示される一覧から終了できる。アクティビティモニタでは、応答していないプロセスが赤い文字で示される。 出典: support.apple.com
一覧に出てこない場合は、アプリケーションフォルダのユーティリティにあるアクティビティモニタを開きます。CPU欄を降順に並べ替えて、使用率が100%付近に張り付いているプロセスがないかを見ます。名前に見覚えがない場合でも、常駐アプリの補助プロセスであることが多いため、親になっているアプリを終了させれば一緒に止まります。
システム側の描画が止まっている場合は、メニューバーの項目を描いているプロセスを再起動させる方法があります。ターミナルから該当のプロセスを終了させると、macOSが自動的に起動し直し、メニューバーが再描画されます。作業中のアプリは閉じないため、再起動と比べて失うものがありません。うまくいくと、数秒でアイコンが並び直します。
それでも戻らない場合に、ログアウトして入り直す方法があります。全アプリが終了するので、保存していない作業は先に保存しておきます。ここまでで戻らないときに初めて、再起動を検討する段階になります。再起動を最初に持ってくると、原因になったアプリが特定できないまま同じことが繰り返されます。
再発を減らすには、常駐しているものを数える
固まる頻度は、常駐アプリの数と関係します。1つのアプリが応答を止めたときにメニューバー全体が使えなくなるように見えるのは、押したいアイコンの近くに無反応のアイコンが並んでいるためです。数が減れば、影響を受ける範囲も、原因を特定するまでの時間も短くなります。
確認する場所は決まっています。システム設定の一般にあるログイン項目には、ログイン時に自動で起動するアプリと、バックグラウンドで動くことを許可された項目が一覧になっています。macOS 13以降はバックグラウンド項目もここに表示されるようになったため、心当たりのない常駐が見つかることがあります。使っていないものを止めるだけで、起動直後に固まる症状は減ります。
止めるのではなく、見え方だけを整理したい場合もあります。常駐は続けたいが、アイコンは普段見えなくてよいという項目です。このとき、隠したものをどう扱えるかが実用性を分けます。展開してから探す方式だと、固まったときの切り分けで結局すべてを開くことになります。道具によっては、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるものがあり、無反応かどうかを1回の操作で確かめられます。
スリープ復帰や外部ディスプレイの抜き差しの直後に起きる場合
決まったタイミングでだけ固まるなら、原因の候補はかなり絞れます。もっとも多いのが、スリープから復帰した直後と、外部ディスプレイを抜き差しした直後です。
このタイミングでは、画面の解像度や配置、接続されているディスプレイの枚数がまとめて変わります。メニューバーは表示先の画面ごとに描き直されるため、変化のたびに配置の計算がやり直されます。常駐アプリが多いほど、この計算の対象になる項目が増えます。復帰直後の数秒間だけ反応が鈍い、あるいは特定のアイコンだけ位置がずれたまま止まって見える場合は、故障ではなく描き直しが終わっていないだけであることがよくあります。
このパターンかどうかは、時間をおいて確かめられます。復帰後にしばらく待って正常に戻るなら描き直しの遅れ、待っても戻らないなら別の原因です。後者の場合は、ディスプレイの接続を一度外して内蔵画面だけの状態に戻し、それで正常になるかを見ます。内蔵画面だけなら正常なら、原因は外部ディスプレイ側の構成にあります。ケーブルやハブを経由している場合は、その経路も候補に入ります。
再発を減らす方向としては、復帰のたびに再配置される項目そのものを減らすのが有効です。常時見えている必要のない項目を隠しておけば、描き直しの対象が減り、復帰直後に引っかかる場面も減ります。
切り分けを楽にする状態の作り方
日頃からやっておくと、固まったときの判断が速くなる準備があります。
- 時計に秒を表示しておく。システム設定のコントロールセンターで切り替えられます。止まっているかどうかを一目で判定できます
- アクティビティモニタをDockに常駐させておく。固まってから探すと時間がかかります
- ログイン項目の一覧を、正常なときにスクリーンショットで残しておく。増えたものが分かります
- 常に見えている必要がある項目と、そうでない項目を分けておく。バッテリー、時計、入力ソース、録画中の表示は残し、それ以外は隠す側に寄せます
準備の目的は、固まった瞬間に何も考えずに手順へ入れるようにすることです。判断の材料が画面に出ていれば、再起動という一番重い操作を選ぶ回数が減ります。
案内ページに公開されている情報から読み取れること
メニューバーを整理する道具を検討する場合、固まったときの切り分けのしやすさという観点で見ると、比べる箇所がはっきりします。
まず、隠した項目に対して何ができるかです。隠すだけなのか、隠したまま押せるのか、常に隠す項目と一時的に隠す項目を分けられるのか。この違いが切り分けの手数を決めます。対応している操作はできることに一覧としてまとまっています。
次に、自分の環境で動くかどうかです。対応するmacOSのバージョン、ノッチのある機種での挙動、開発が続いているかどうかは選択肢ごとに違います。事実を並べたほかの道具との違いで、条件が合うかを先に確認できます。費用の形が買い切りか継続課金かは料金にまとまっています。
起動時の挙動やログイン項目との関係のような、使い始めてから気になる点はよくある質問に整理されています。実際の挙動を確かめる段階になったら、ダウンロードから入手し、まずは常に見える必要のない項目だけを隠す設定で試すのが手堅い進め方です。固まる症状が常駐アプリの数に由来しているのか、特定の1つに由来しているのかは、項目を減らした状態で使ってみると判別できます。
よくある質問
メニューバーが固まったとき、再起動せずに直せますか?
多くの場合は直せます。まず応答していないアプリを強制終了で終わらせ、それで戻らなければアクティビティモニタで負荷の高いプロセスを止めます。メニューバーの描画自体が止まっている場合は、担当しているシステムのプロセスを終了させれば自動的に起動し直して再描画されます。再起動はこれらを試したあとの最後の手段です。
時計が止まっているのとアイコンだけが反応しないのは、何が違いますか?
時計はmacOS側のプロセスが描いているため、時計が止まっているならシステム側の描画が止まっています。時計が動いているのにアイコンだけ反応しないなら、システム側は正常で、そのアイコンを出しているアプリ側が応答していません。前者はシステムのプロセスを、後者は該当アプリを対象に対処します。
アイコンが無反応に見えるのに、実は固まっていないことはありますか?
あります。項目が増えて画面幅に収まらなくなると、あふれた項目は表示されなくなります。とくにノッチのあるMacBookでは、押したいアイコンが隠れていて別のアイコンを押している状態になりやすく、無反応と区別がつきません。外部ディスプレイに接続すると全部見えることがあるので、それで確認できます。
常駐アプリを減らすと、固まる頻度は下がりますか?
常駐が減れば、応答を止める可能性のあるプロセスが減るため、頻度も原因の特定にかかる時間も下がります。システム設定の一般にあるログイン項目で、自動起動しているアプリとバックグラウンド項目を確認し、使っていないものを止めるところから始めるのが確実です。止めたくないものは、アイコンだけを隠す方法もあります。