Macのメニューバーの間隔を詰める方法と、詰めても解決しないこと
Macのメニューバーに並ぶアイコンは、1つあたりの見た目より広い間隔を取って配置されている。項目が10個を超えたあたりから、この余白が無視できない幅になり、ノッチのあるMacBookでは右端の項目が押し出される原因にもなる。間隔そのものを詰める方法は用意されているが、システム設定の中には無い。この記事では、間隔を変える2つのキーが何をしているのか、実際にどう書き換えるのか、そして詰めても解決しない場合に何を見るべきかを整理する。
間隔を変える設定がシステム設定に無い理由
メニューバーの見た目に関して、システム設定の画面から変えられることははっきり決まっている。標準項目をメニューバーに出すか出さないか、時計の表示形式、そしてメニューバー自体を自動的に隠すかどうかの3つになる。並び順については設定画面すらなく、操作で決める形になっている。
メニューバーの項目は、Commandキーを押したままドラッグして並べ替えることができます。 出典: support.apple.com
公式に案内されている調整はここまでで、項目と項目のあいだの余白を変える設定は含まれていない。それでも間隔を変えられるのは、macOSがこの値を内部の設定として持っており、コマンドから書き換えられる状態になっているからだ。設定画面に出ていないという意味で、これは非公式な調整になる。
非公式であることの意味は2つある。1つは、Appleが動作を保証していないので、macOSの更新で効かなくなる可能性が残ること。もう1つは、うまく効かなかったときに公式の情報源が無く、原因の切り分けを自分で行う必要があることだ。逆に言えば、書き換える値は元に戻せるので、試して合わなければ消せばよい種類の調整になる。
2つのキーがそれぞれ何を変えるか
関係するキーは2つある。1つがアイコンとアイコンのあいだの余白を決める値で、もう1つがアイコンを押したときに表示される選択の枠の大きさを決める値になる。名前が似ているうえ、どちらも見た目の幅に影響するため混同されやすい。
余白のほうを小さくすると、アイコンの並びが素直に詰まる。10個以上のアイコンが並んでいるMacでは、ここを削るだけで右端に1つか2つ分の空きが生まれる。ただし詰めすぎるとアイコン同士が接近しすぎて、目的のものを狙って押すのが難しくなる。押し間違いが増えると、幅を稼いだ意味が薄れる。
選択の枠のほうは、押したときに背景として描かれる領域の広さになる。この値も幅の計算に含まれるので、小さくすると全体がさらに詰まる。ただし枠が小さすぎると、どのアイコンを押しているのかが視覚的に分かりにくくなる。目に見える効果としては、余白のほうが結果に効き、選択の枠は仕上げの微調整という位置づけになる。
両方を極端に小さくすると、アイコンの列が1つの塊のように見え、境目が分からなくなる。実用的には、まず余白だけを変えて1日使い、それでも足りないと感じたときに選択の枠を触るほうが調整しやすい。
どこまで詰めてよいかの目安は、ポインタの精度ではなくトラックパッドの操作から決めるとよい。マウスを使っている場合は狙いを付けやすいので詰めても実害が出にくいが、トラックパッドで画面上端まで一気にポインタを運ぶ使い方だと、止まった位置が1つ隣になりやすい。同じ値でも、押し間違いの起きやすさは入力機器で変わる。外部マウスとトラックパッドを併用しているなら、詰めた状態でトラックパッドのほうを基準に確かめておくと、あとで戻す手間が減る。
実際に書き換えるコマンド
書き換えは、ターミナルからdefaultsコマンドで行う。2つの値をそれぞれ指定する形になる。
defaults -currentHost write -globalDomain NSStatusItemSpacing -int 6
defaults -currentHost write -globalDomain NSStatusItemSelectionPadding -int 6
末尾の数字が値で、単位はポイントになる。小さいほど詰まる。いきなり最小に振らず、まず12程度から始めて、足りなければ6まで下げるという順序にすると、押しやすさとの折り合いを付けやすい。
反映のさせ方が、この調整でいちばんつまずくところになる。値を書いただけでは画面は変わらない。メニューバーを描いているプロセスを読み直させる必要があり、確実なのは一度ログアウトして入り直すことになる。再起動でも同じ結果になる。SystemUIServerを終了させる方法が紹介されていることもあるが、macOSのバージョンによっては反映されないことがあるため、変わらないときはログアウトを試すのが早い。
値を変えて試すたびにログアウトが必要になるので、最初から複数の値を試すつもりで作業したほうが手戻りが少ない。書き換え、ログアウト、確認、という1周をあらかじめ見込んでおくとよい。
コマンドの先頭に付いている-currentHostは、いま操作しているこのMacに限って書き込むという指定になる。同じアカウントで複数のMacを使っていても、この指定がある限り書き換えた値が別の機材へ持ち出されることはない。持ち歩くノートだけ詰めて、据え置きの機材は既定の間隔のままにする、という使い分けができるのはこのためだ。逆に、同じ見た目を別のMacでも再現したいのであれば、その機材のターミナルで同じコマンドを実行する必要がある。移行アシスタントで環境を引き継いだ場合も、この値が一緒に運ばれるとは限らないので、新しい機材では改めて確認するほうが早い。
元に戻す方法と、効かないときの見方
元に戻すには、書き込んだ値を削除する。値を初期値と思われる数字で上書きするより、削除して指定が無い状態に戻すほうが確実になる。
defaults -currentHost delete -globalDomain NSStatusItemSpacing
defaults -currentHost delete -globalDomain NSStatusItemSelectionPadding
削除したあとも、反映にはログアウトが必要になる。
書き換えても見た目が変わらない場合、確認する点は3つある。1つ目はログアウトを挟んでいるかどうかで、これがいちばん多い。2つ目はコマンドの綴りで、キーの名前を1文字でも間違えると、そのままエラーにならず別の設定として書き込まれてしまう。書き込んだ値はreadで読み出して確かめられる。
3つ目が、対象になっていないアイコンが混じっている場合になる。この値が効くのは、標準の仕組みでアイコンを描いている項目までで、独自の描画を行っているアプリの項目は自分の余白を持っている。すべてのアイコンが均等に詰まるとは限らず、一部だけ間隔が残ることがある。これは設定の失敗ではなく、そのアプリの作り方によるものになる。
macOSを大きく更新したあとに元の間隔へ戻っていた、という報告も珍しくない。設定画面に無い値である以上、更新のたびに確認が必要になると考えておいたほうがよい。
詰めて得られる幅と、その限界
間隔を詰める調整で実際にどれくらい変わるのかは、並んでいるアイコンの数に比例する。余白は項目と項目のあいだに1つずつ入るので、項目が多いほど効果が大きくなる。
| 状況 | 間隔を詰める効果 | 向いている対処 |
|---|---|---|
| アイコンが5個以下 | ほとんど変わらない | 特に対処は不要 |
| アイコンが10個前後 | 1つか2つ分の空きが出る | 間隔を詰める |
| アイコンが20個前後 | 詰めても並びきらない | 表示する数自体を減らす |
| メニュー項目の多いアプリを常用 | 前面のアプリ次第で足りなくなる | 普段は畳んでおく |
表の下2行が、この調整の限界になる。余白を削って得られるのは有限の幅で、アイコンの数が増え続ければいずれ足りなくなる。しかも詰めるほどアイコン同士が近づくので、押し間違いという別の負担が増える。幅を稼ぐ手段としては、間隔を詰めることと表示する数を減らすことの2つがあり、前者だけで押し切ろうとすると使いにくさに行き当たる。
もう1つの限界が、前面のアプリによって使える幅が変わる点になる。左側のアプリメニューが優先されるので、メニュー項目の多いアプリを開いた瞬間に右側の項目が押し出される。間隔を詰めておけば押し出されるまでの余裕は増えるが、条件そのものは変わらない。
詰める前に確認しておくこと
間隔に手を付ける前に、幅の使い方を見直したほうが早いことがある。まず時計の表示形式で、曜日と日付を出していると右端の文字数がその分だけ増える。日付を消すだけで、アイコン1つ分に近い幅が戻ることがある。
次にシステム設定のコントロールセンターで、標準項目のうち普段使っていないものをメニューバーから外す。これらは外してもコントロールセンターの中には残るので、使えなくなるわけではない。ここで数個減らせるなら、非公式なコマンドを使わずに目的を達成できる。
そのうえで、ノッチのあるMacBookでは使える幅そのものが狭いことを前提に置く必要がある。ノッチの部分には項目を置けないので、画面の対角サイズから想像する幅より実際は狭い。外部ディスプレイでは全部見えるのに内蔵ディスプレイでは消える、という状態はこれが原因になる。
これらを済ませてもまだ並びきらないなら、残っているのは常駐アプリのアイコンで、消せない種類のものが中心になっているはずだ。そこから先は、間隔の調整ではなく置き場所の問題になる。
案内ページに載っている条件から言えること
間隔を詰める調整と、メニューバーを整理する道具は、目的が重なっているようで解いている問題が違う。前者は同じ数のアイコンを狭い幅に収める調整で、後者は表示する数そのものを減らす仕組みになる。アイコンが20個を超えているMacでは、前者だけでは足りないことが多い。
道具を選ぶときに最初に見るべきなのは、隠したアイコンをどう呼び出す作りになっているかになる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかで、日々の手数が変わるからだ。畳んだ列を毎回広げてから押す作りだと、隠す前より操作が増えることになる。動作の詳細はできることにまとまっている。
同じ用途の製品を並べるときは、対応するmacOSのバージョンと、隠したアイコンの押し方を先に見比べるとよい。事実を並べる形で整理したものがほかの道具との違いにある。買い切りか継続かを含めた費用の条件は料金に書かれている。
導入前に引っかかる点、たとえば必要な許可やノッチのあるMacでの見え方についてはよくある質問にまとまっており、実際の見た目を確かめてから決めたい場合はダウンロードから試せる。
順番としては、まず時計の表示と標準項目の整理で幅を空け、それでも足りなければ間隔を詰め、それでも並びきらないときに畳む道具を検討する。この順序であれば、非公式なコマンドを使う場面を必要最小限にできる。
よくある質問
メニューバーのアイコンの間隔はシステム設定から変えられますか?
変えられません。システム設定で扱えるのは標準項目の表示と非表示、時計の表示形式、メニューバーを自動的に隠すかどうかまでです。間隔はターミナルからdefaultsコマンドで隠しキーを書き換える形になり、設定画面に出ていない非公式な調整になります。
コマンドを実行しても間隔が変わりません。何を確認すればよいですか?
まずログアウトして入り直したかを確認してください。値を書いただけでは反映されません。次にキーの綴りを確認し、readで書き込まれた値を読み出します。それでも一部のアイコンだけ間隔が残る場合は、そのアプリが独自の描画を行っているためで、設定の失敗ではありません。
元の間隔に戻すにはどうしますか?
書き込んだ値をdeleteで削除し、指定が無い状態に戻します。初期値と思われる数字で上書きするより確実です。削除したあともログアウトを挟まないと画面には反映されません。
間隔を詰めればアイコンが多くても足りますか?
数によります。10個前後なら1つか2つ分の空きが生まれますが、20個を超えると詰めても並びきらず、アイコン同士が近づいて押し間違いも増えます。その段階では表示する数自体を減らすか、普段は畳んでおく方法に切り替えたほうが実用的です。