Macのマイクをオフにする|使用中を示す印の意味と切り方

Macのマイクをオフにしたいという話は、実は3つの別の要望が同じ言葉で呼ばれている。会議の最中だけ黙りたいのか、特定のアプリに使わせたくないのか、それとも物理的にマイクを止めたいのか。macOSにはマイクを丸ごと切る主電源のような設定が無いので、どの層を触るのかを決めないと目的の結果にならない。この記事では3つの層を分けて、それぞれの切り方と、画面に出る印の意味を整理する。

「マイクをオフ」には3つの層がある

先に全体像を決めておくと、設定を探す時間が短くなる。macOSでマイクに関係する設定は、目的の違いで3か所に分かれている。

層 どこで切るか 効く範囲
アプリごとの許可 システム設定の「プライバシーとセキュリティ」 そのアプリだけ、次に使うときも維持される
会議や録音のアプリ側のミュート 各アプリの画面にあるマイクのボタン そのアプリの、その通話の間だけ
入力装置の選択と音量 システム設定の「サウンド」 Mac全体の入力の扱い

会議中に黙りたいだけなら2行目である。ここを触るのが一番速く、相手にも状態が伝わる。「あるアプリに今後マイクを使わせたくない」なら1行目になる。使う予定が無い外付けマイクを外したい、内蔵マイクの入力音量を下げたいといった話は3行目になる。

3行目について1つ補足しておきたい。macOSのサウンドの設定には入力音量の調節があるが、これはマイクを無効にする項目ではない。音量を最小にしても、アプリからはマイクが存在する装置として見えている。「オフにしたはずなのに使用中の印が消えない」という状況は、ここで説明が付く。

アプリごとの許可を切る手順

一番確実で、設定を変えたことが後から分かる形で残るのがこの方法である。手順そのものは短い。

アップルメニュー >「システム設定」と選択し、サイドバーで「プライバシーとセキュリティ」 をクリックします。(下にスクロールする必要がある場合があります。) 出典: support.apple.com

続けて「マイク」をクリックすると、マイクへのアクセスを求めたアプリが一覧で並ぶ。そこでアプリごとにオンとオフを切り替える。一覧に出てくるのは、過去に一度でも許可を求めたアプリだけである。入れたばかりのアプリが見当たらないのは、まだ求めていないためで、不具合ではない。

この設定で覚えておきたい性質が2つある。

1つ目は、オフにしたアプリは「マイクが無い」のではなく「使わせてもらえない」状態になることである。アプリ側の見え方は作りによって変わる。何も言わずに無音のまま録音を続けるもの、エラーを出すもの、許可を求める案内を出すものがある。会議アプリでこれをオフにすると、相手に声が届かないまま気づかない事故になりやすい。会議の最中の黙り方としては向いていない。

2つ目は、切り替えた直後にそのアプリを一度終了させたほうが確実だということである。起動したままの状態では、アプリが古い許可を握り続けていることがある。設定を変えたら閉じて開き直す。設定を変えた直後に試して「効いていない」と感じる場面の多くは、この手順を飛ばしたことで説明が付く。

ブラウザの場合はもう1層ある。ブラウザ自体にマイクの許可があり、その内側でサイトごとの許可がある。macOS側でブラウザをオンにしても、サイト側を拒否していれば声は入らない。オンライン会議をブラウザで使っているなら、どちらの層で止まっているのかを先に切り分ける。

使用中を示す印は何を伝えているか

マイクをオフにしたいと考える動機の多くは、勝手に使われていないかという不安である。macOSはこの点を画面で知らせる作りになっている。

コンピュータのマイクが使用されている場合や最近使用された場合は、コントロールセンターの収録インジケータランプが表示されます。このランプからアプリがマイクにアクセスしているかどうかが分かるので、Macのセキュリティとプライバシーが向上します。 出典: support.apple.com

この収録インジケータランプは、アプリの側で消せない。アプリが設定を無視して録音を続けても、印は出る。だからこそ、印が出ているのに自分では何も録音していないという場面が意味を持つ。

見分けるときは、コントロールセンターを開く。どのアプリがマイクにアクセスしているのかが分かる形になっているので、心当たりのないアプリの名前が出ていれば、そのアプリの許可を「プライバシーとセキュリティ」の「マイク」で切る。

紛らわしいのは、カメラの印との違いである。カメラの許可もマイクと同じ場所に並んでおり、設定の手順もほぼ同じになっている。会議アプリでは両方を同時に求めてくるので、片方だけを切ったつもりで両方が切れている、あるいはその逆ということが起こる。一覧を上から下まで見て、どちらの欄で何をオフにしたのかを確かめる。

会議の最中に切り替えたい場合

会議中に黙りたいだけなら、システム設定を開くのは遠回りである。通話しているアプリの画面にあるマイクのボタンを使う。この方法の利点は、相手の画面にも自分がミュートであることが表示され、状態が共有される点である。

ただし、アプリごとにボタンの場所とショートカットが違う。複数の会議アプリを使い分けていると、押し間違いが起きる。ここを揃えたい場合に選ばれるのが、ショートカットアプリで自分用の切り替えを作る方法である。

このままでは、 "ショートカット" を実行した際に実際にマイクを On/Off できたのかを確認するのにいちいちシステム設定を開かなくてはいけません。それでは不便なので、動作した際にデスクトップ通知を表示するようにします。 出典: qiita.com

引用が指しているのは大事な点である。自分で作った切り替えは、状態が画面に出ない。押したつもりで切れていない、切ったつもりで入っている、という取り違えが起きる。通知を出すか、状態を画面に表示する仕組みを合わせて用意しておく。

同じ記事では、以前はAutomatorで組んでいた切り替えを、ショートカットへ移した経緯が書かれている。

もともとこのショートカットは、Automatorを使って作っていました。しかし、Mac OS を Big Sur から Ventura に上げて以後、キーボードショートカットを入力してから実際にマイクの On/Off ができるまで妙に時間がかかるようになってしまい、しばしば発言のタイミングを逃すようになってしまいました。 今回 Shortcuts に乗り換えたことで元の快適さを取り戻すことができました。 出典: qiita.com

自分で組む切り替えを検討する場合の判断材料として、押してから実際に切り替わるまでの時間は見ておきたい。発言のタイミングを逃すなら、会議アプリ側のボタンのほうが実務では速い。

マイクモードは「オフ」とは別の話

検索すると一緒に出てくるのがマイクモードである。これはマイクを切る機能ではなく、拾う音の範囲を変える機能なので、目的が違う。

Appleの案内では、マイクモードに対応しているアプリで、メニューバーからマイクモードを選び、背景音を除外する「声を分離」、周囲のサウンドを含める「ワイドスペクトル」、そして「標準」を切り替える形になっている。対応しているアプリはFaceTimeなどで、選べるオプションはアプリによって変わる。

使い分けは次のようになる。周りの音を入れたくないなら「声を分離」で、切る必要は無い。複数人が同じ部屋から参加していて全員の声を拾いたいなら「ワイドスペクトル」になる。会議の間ずっと黙っていたいなら、これはマイクモードではなくミュートの話である。

紛らわしいのは、どちらもメニューバーから操作する点である。マイクモードはコントロールセンターの側から入り、ミュートは会議アプリの側で押す。操作する場所が近いので、モードを変えたつもりでミュートになっていた、という取り違えが起きる。

物理的に切ることはできるのか

「完全にオフにしたい」という要望への答えは、内蔵マイクについては素直ではない。macOSには内蔵マイクを装置ごと無効にする設定が用意されていない。できるのは、アプリごとの許可をすべてオフにすることと、入力の音量を下げることである。

外付けのマイクなら話は単純で、接続を外せば終わる。会議の頻度が高く、確実に切れている状態が必要なら、外付けのマイクにスイッチが付いているものを選び、内蔵側はアプリの許可を落としておくという組み合わせになる。

ハードウェアの側で完全に止められない前提に立ったうえで、収録インジケータランプを見る運用に切り替えるのが現実的な線である。使われていれば印が出る。印が出ていなければ使われていない。このどちらかしか無いという状態を作っておけば、設定を1つずつ疑う必要が減る。

カメラについてはもう1つ手がある。物理的に覆う製品が広く売られていて、閉じておけば映像は写らない。マイクには同じ手が使えない。塞いでも音は入る。この非対称が、マイクの扱いを分かりにくくしている原因でもある。カメラと同じ安心の仕方をマイクに求めると、どこまで設定しても不足に感じてしまう。

判断の目安としては、貸し出しや共有の場面と、自分だけが使う場面を分けて考えたい。自分のMacで自分だけが使うなら、許可の一覧を定期的に見て、覚えの無いアプリを落とすだけで足りる。人に渡す予定があるMacなら、アプリの許可を落としたうえで、会議アプリそのものを終了させておく。設定だけを頼りにせず、アプリが動いていない状態を作るほうが確実である。

印を見逃さないためのメニューバーの整え方

ここまでの話は、収録インジケータランプに気づけることが前提になっている。ところが実際のMacBookでは、その付近が常駐アプリのアイコンで埋まっている。

macOSの「メニューバー」設定で並びを決められるのは、時計、Siri、Spotlight、Wi-Fi、Bluetooth、バッテリー、集中モード、画面ミラーリングといったmacOS自身の項目である。常駐アプリが表示するアイコンはそれぞれのアプリの設定に散らばっており、まとめて並べ替える手段が標準では無い。アイコンが増えるほど、印の変化に気づきにくくなる。

ノッチのある機種では、増えたアイコンが左へ押し出され、ノッチの向こうに入ると押せなくなる。そこまで行かなくても、10個以上のアイコンが並んだ帯の中で小さな印が1つ増えたことに気づくのは難しい。

メニューバーを整理する道具を入れると、日に一度も押さないアイコンを隠す側へ回せる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形にしておけば、隠したものが使えなくなるわけではない。何を隠して何を残せるのかはできることにまとめてある。

マイクの状態を追うなら、収録インジケータランプが出る付近と、会議アプリのアイコンを見える側に残し、更新の通知やクラウドの同期状態のように放っておいてよいものを隠す側へ回す。この並べ替えだけで、印が出た瞬間に気づける画面になる。対応しているmacOSの版や、同じ役目の道具を2つ同時に動かした場合の扱いはよくある質問に書いてある。試す場合の条件は料金にまとまっていて、ほかの道具との違いはほかの道具との違いで比べられる。

よくある質問

Macの内蔵マイクを完全に無効にする設定はある?

macOSには内蔵マイクを装置ごと無効にする設定が用意されていない。できるのは、システム設定の「プライバシーとセキュリティ」の「マイク」でアプリごとの許可をオフにすることと、「サウンド」で入力音量を下げることである。確実に切れている状態が必要なら、スイッチの付いた外付けマイクを使う組み合わせになる。

会議の最中に素早くミュートしたいときはどうする?

通話しているアプリの画面にあるマイクのボタンを使うのが速く、相手の画面にもミュートの状態が表示される。システム設定でアプリの許可を切る方法は、相手に伝わらないまま声が届かなくなるため会議中には向かない。ショートカットアプリで自分用の切り替えを作る場合は、状態が分かる通知を合わせて用意する。

マイクを使っていないのに使用中の印が出るのはなぜ?

収録インジケータランプは、マイクが使用されている場合と、最近使用された場合に表示される。心当たりが無い場合はコントロールセンターを開いて、どのアプリがアクセスしているのかを確かめる。名前に覚えの無いアプリが出ていれば、「プライバシーとセキュリティ」の「マイク」でそのアプリをオフにする。

マイクモードの「声を分離」はマイクをオフにする機能?

別の機能である。マイクモードは拾う音の範囲を変えるもので、背景音を除外する「声を分離」、周囲の音を含める「ワイドスペクトル」、「標準」から選ぶ。対応しているアプリでメニューバーから切り替える。黙っていたい場合はマイクモードではなく、会議アプリ側のミュートを使う。

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