MacBookを初めて設定する|Windowsから来た人がつまずく所
MacBookを初めて設定するとき、手が止まるのは設定の画面ではなく、その後の操作である。Windowsで何年も使ってきた動作がそのまま通らず、コピーができない、アプリが終わらない、右クリックが出ないという形で詰まる。この記事では、設定アシスタントを抜けたあとに最初に覚える対応関係を並べ、そのあとで触っておくとよい項目を順に挙げる。
初めての人が詰まるのは、設定より操作の作法である
初めてMacBookを手にした人の感想には、同じ形の戸惑いが並ぶ。
MacBookを初めて手にしたとき、「デザインはかっこいいけど操作がよく分からない…」と感じる人は少なくありません。 出典: note.com
設定アシスタントの画面は、言語と通信とアカウントを聞いてくるだけで、数分で終わる。そこを抜けたあとに、キーの位置と操作の作法という別の壁が来る。覚える数は多くないので、先に対応関係を押さえるほうが早い。
初期値のままでも動くが、Windowsの感覚に合わない項目もある。
高いんですが、初期設定のままだと、まだ少し「Appleの標準」に寄っていて、「自分の道具」にはなりきっていない感じもあります。 出典: tomo-web.jp
初期値を全部変える必要はない。詰まった箇所だけを直していくと、触る項目は10個ほどに収まる。
修飾キーの対応を先に覚える
最初の壁はキーの位置である。Appleの資料には、Windows用のキーボードを繋いだ場合の対応がこう書かれている。optionキーはAltキー、commandキーはCtrlキーまたはWindowsロゴキーで代用する。つまり、Windowsで左下のCtrlを押していた場面では、Macではスペースバーの隣のcommandキーを押す。
- コピーはcommandキーとcキー、貼り付けはcommandキーとvキー、切り取りはcommandキーとxキー
- 保存はcommandキーとsキー、印刷はcommandキーとpキー
- アプリの切り替えはcommandキーとtabキー。同じアプリのウインドウを切り替えるならcommandキーと低アクセントのキー
- アプリを終了するのはcommandキーとqキー、ウインドウを閉じるのはcommandキーとwキー
Windowsで右側のDeleteに割り当てていた「後ろの文字を消す」操作は、MacBookのキーボードにそのキーがない。fnキーとdeleteキーを同時に押すか、controlキーとdキーを押す。PageUpとPageDownも同様で、fnキーと上矢印、fnキーと下矢印になる。
controlキーはMacにもあるが、役割が違う。Windowsの感覚でcontrolキーを押すとコピーができないので、最初の数日は指が迷う。ここだけは慣れるまで意識して押し替えることになる。
日本語入力と右クリックを使える形にする
日本語と英数の切り替えは、キーボードの左下と右下にあるかなキーと英数キーで行う形が標準である。Windowsの半角全角キーに当たるキーは無い。かなを押せば日本語、英数を押せば英字になるので、切り替えではなく指定になる。押し間違えても状態が反転しないぶん、慣れると迷いが少ない。
入力中の変換は、スペースバーで候補を出し、returnキーで確定する。変換の途中で他の操作をすると打った文字が消えることがあるので、確定してから次の操作に移る癖を付けておくとよい。
右クリックは、Macでは副ボタンのクリックと呼ばれている。Appleの資料も、Windowsでは右クリックとも呼ばれると書いている。初期値では2本指でトラックパッドをクリックする操作が割り当てられている。システム設定のトラックパッドを開くと、右下の隅をクリックする形にも変えられる。controlキーを押しながらクリックしても同じメニューが出る。
同じ画面で確かめておくとよいのが2つある。1つは「タップでクリック」で、トラックパッドを押し込まずに軽く触るだけでクリックになる。もう1つは「ナチュラルなスクロール」で、ウインドウの中身が指と同じ方向に動く。Windowsの感覚と逆に感じる場合はここを切る。
ウインドウを閉じても、アプリは終わっていない
Windowsから来た人が最も戸惑うのがここである。ウインドウの左上にある赤い丸は、そのウインドウを閉じるだけで、アプリは動いたままになる。
動いているかどうかは、画面の下のDockで分かる。アプリのアイコンの下に小さい点が付いているものが起動中である。この点は、システム設定のデスクトップとDockにある「起動済みのアプリケーションにインジケータを表示」で出し入れできる。
終了したいときはcommandキーとqキーを押す。反応しなくなった場合は、optionキーとcommandキーとescキーを同時に押すと強制終了の画面が開く。Windowsのタスクマネージャに当たる役割で、動いているアプリの一覧から選んで止められる。
この仕組みは不便に見えて、実は電池の持ちとは別の話である。閉じたウインドウのアプリが背後で動いていても、作業をしていなければ負荷は小さい。気にする必要が出るのは、常駐するアプリを何本も入れたときである。
アプリの入れ方と、消したあとに残るもの
Windowsのインストーラに当たる仕組みは2通りある。
1つはApp Storeである。検索して入れると、更新もApp Storeが担う。もう1つは、各社のサイトから配布される形である。この場合、ダウンロードしたファイルを開くとウインドウが出て、アプリのアイコンをアプリケーションフォルダにドラッグする作りが多い。ドラッグで入る仕組みなので、Windowsのようなインストールの手順書が要らない。
App Store以外から入れたアプリは、初回に開くときだけ確認の画面が出る。Appleの署名と公証を受けているアプリなら、そのまま開ける。受けていない場合は、システム設定のプライバシーとセキュリティから個別に許可することになる。
消すときは、アプリケーションフォルダからゴミ箱に入れる。ただし、設定ファイルと、起動時に立ち上がる登録が残ることがある。アプリを消したのに画面の上端にアイコンだけが残る症状が出たら、システム設定の一般にあるログイン項目を開く。起動時に立ち上がるものとバックグラウンドで動くものが一覧になっているので、そこから外す。
道具の面では、パッケージ管理のHomebrewを入れておくと、多くのアプリを1行のコマンドで導入できる。買い替えのときに同じ並びを再現しやすくなる。
ファイルの扱いで、名前が変わるもの
エクスプローラに当たるのがFinderである。役割は似ているが、初期値の振る舞いが2か所違う。
1つは拡張子である。初期値では隠れているため、同じ名前で形式の違うファイルが並ぶと見分けられない。Finder設定の「すべてのファイル名拡張子を表示」を入れると出てくる。
もう1つは検索である。Finderの検索欄に文字を打つと、初期値ではMac全体から探す。いま見ているフォルダの中を探したい場面が多いので、Finder設定で検索の開始位置を「現在のフォルダ」に変えておくと手数が減る。
ドライブレターという考え方は無い。Cドライブに当たる場所はFinderのサイドバーからMacintosh HDとして開けるが、日常の操作では使わない。ファイルの居場所を確かめたいときは、表示メニューからパスバーを出すと、ウインドウの下端に現在位置が並ぶ。
スクリーンショットは、shiftキーとcommandキーと3キーで画面全体、4キーで範囲の指定になる。5キーを押すと専用のアプリが開き、保存先と録画の設定を選べる。初期値ではデスクトップに保存されるので、枚数が多い人は保存先を変えておく。
初日に触っておくとよい項目
対応関係を覚えたら、初期値のうち手直しの効果が大きいものだけを触る。おすすめの順で並べると次のようになる。
- Dockの「最近使った項目を表示」を切る。Dockの長さが日によって変わるのが止まる
- Dockを自動的に隠す設定を試す。optionキーとcommandキーとdキーで切り替えられるので、合わなければすぐ戻せる
- キーのリピート速度と、リピート入力認識までの時間を上げる。文章を打つ量が多い人ほど効く
- 自動アップデートは、セキュリティ対応だけ自動にし、macOSの大きな更新は手動にする
- Touch IDに複数の指を登録する。左右の人差し指を入れておくと、外付けキーボードを使う日でも持ち替えずに済む
- 集中モードで、通知を止めたい時間帯を1つだけ作る
Windowsから移ってきた場合、ウインドウを画面の半分に並べる操作も探すことになる。macOSにはアプリウインドウをタイル表示する機能が入っているので、まずそれで足りるかを確かめる。細かく決めたい場合はウインドウ整列の道具を足す。
Mission Controlも初日に一度開いておくとよい。開いているウインドウと操作スペースが一覧になる場所で、Windowsの仮想デスクトップに当たるものはここから追加できる。開くときのジェスチャは、システム設定のトラックパッドにあるMission Controlの項目で選べる。
常駐アプリが増えたあと、画面の上端で起きること
Windowsのタスクバーにあった通知領域に当たるのが、画面の一番上の右側である。ここに常駐アプリのアイコンが並ぶ。
役割は似ているが、あふれたときの扱いが違う。Windowsでは隠れているアイコンを開くボタンがあるが、Macの標準にはそれがない。幅を超えた項目は、折り畳まれるのでも一覧が出るのでもなく、単に描かれなくなる。ノッチのあるMacBookでは帯の中央が使えないため、入りきらなくなるのが早い。前面のアプリを切り替えた瞬間に、左側のメニューの数だけ右側が押し出される動きも起きる。
標準の機能でできるのは並べ替えと削除である。Commandキーを押したままアイコンをドラッグすると並びが変わり、そのまま帯の外へドラッグすると外せる。
片づけるときは、押す頻度で3段に分けると迷わない。1日に何度も押すものは、たいてい2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、動いていることさえ分かればよく、押すことがほぼ無いもの。3段目は常時隠す扱いにしてよく、2段目は畳んでおいて必要なときに呼び出す形が合う。
呼び出し方は作りによって分かれる。帯の上に展開してから押す形、メニューバーの下のポップアップにまとめて出す形、そして隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形の3通りである。呼び出したときに電池の残量や未読の件数がそのまま出るかどうかも、使い勝手に効く。仕切りより左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま出す仕組みはできることに並んでいる。
無料のオープンソースのものと、買い切りのものが同じ市場にある。金額と払い方を1枚に並べた表はほかの道具との違いにあり、2026年9月3日に各社の販売ページで調べた表示価格として載っている。買い切りの金額は料金で確かめられる。この種の常駐アプリが画面収録とアクセシビリティの許可を求める理由はよくある質問に書かれていて、対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードに載っている。
初めての設定でやることは、対応関係を覚えることと、初期値の手直しの2つに分かれる。commandキーの役割、かなと英数の切り替え、副ボタンのクリック、ウインドウとアプリの区別の4つを押さえれば、詰まる場面はほぼ消える。そこから先は、使いながら不便を1つずつ直していけばよい。
よくある質問
MacBookを初めて設定するとき、最初に覚えるキーはどれ?
commandキーである。Windowsで左下のCtrlを押していた場面の多くが、Macではスペースバーの隣のcommandキーになる。コピーはcommandキーとcキー、アプリの終了はcommandキーとqキーで、ウインドウを閉じるcommandキーとwキーとは別の操作になる。
日本語と英語の切り替えはどのキー?
キーボードの左下と右下にあるかなキーと英数キーで行う。Windowsの半角全角キーのように状態を反転させるのではなく、かなを押せば日本語、英数を押せば英字になる指定の形である。押し間違えても状態が入れ替わらない。
右クリックが出ないときはどうする?
初期値では、トラックパッドを2本指でクリックすると出る。システム設定のトラックパッドにある「副ボタンのクリック」で、右下の隅をクリックする形にも変えられる。controlキーを押しながらクリックしても同じメニューが出る。
ウインドウを閉じたのにアプリが残っているのはなぜ?
Macでは、ウインドウを閉じる操作とアプリを終了する操作が分かれている。左上の赤い丸はウインドウを閉じるだけである。動いているアプリはDockのアイコンの下に小さい点が付く。終了したいときはcommandキーとqキーを押し、反応しない場合はoptionキーとcommandキーとescキーで強制終了の画面を開く。