Bartenderの代わりを無料で探すときに、確かめる4点

メニューバーの右側が埋まって、押したいアイコンを目で探す時間が毎日発生している。整理する道具は要るが、そのためにお金を払うほどかは決めかねている。この記事は、無料でメニューバーを整理する方法にどんな種類があるのか、macOSに最初から入っている機能でどこまで片付くのか、そして無料のものを選ぶときに事前に確かめておく4つの点を整理したものである。費用がゼロという条件だけで選ぶと、あとで入れ直しの手間が生まれる。そこを避けるための材料をまとめる。

無料の選択肢が増えたのは、作りが公開されているから

メニューバーを整理する道具には、無料で使えるものがいくつもある。理由は単純で、この用途のアプリは個人の開発者が作りやすく、作ったものを公開する文化がある分野だからである。ソースコードを公開して配る形をとれば、費用を受け取らずに配布を続けられる。同じ用途のアプリが複数あるのは、必要としている人が多く、作る側の入り口が低いことの表れでもある。

一方で、無料であることと、長く使えることは別の話になる。個人が空き時間で作っているものは、作者の状況が変われば更新が止まる。macOSは毎年秋に大きな版が出るため、更新が止まった道具は、次のmacOSで動かなくなる可能性がある。メニューバーの実装はmacOS本体が持っている領域であり、外から手を入れるアプリは、OSの変更に合わせて直し続ける必要があるためである。

つまり無料の選択肢を検討するときは、いま無料で入手できるかどうかよりも、これから先も動く見込みがあるかどうかを見ることになる。この視点は、有料か無料かという分かれ方とは別の軸である。有料でも更新が止まることはあり、無料でも長く更新が続いているものもある。

無料の選択肢は、出どころが3つに分かれる

無料で使えるものは、配られ方で3つに分けられる。それぞれ性質が違うので、同じ「無料」として並べないほうがよい。

  • ソースコードが公開されているもの。配布サイトやパッケージ管理の仕組みから入手する。費用はかからず、作りを誰でも確認できる。更新が続くかは作者や参加者の状況による
  • Mac App Storeで無料配布されているもの。Appleの審査を通っており、入手と更新の経路が分かりやすい。App Storeの仕組み上、アプリができることに制約がかかる場合がある
  • 有料の製品のうち、無料で使える範囲があるもの。基本の機能は無料で、細かい制御が有料になっている形が多い

3つ目は、無料の範囲がどこまでかを先に確かめる必要がある。畳んで隠すという中心の働きが無料の範囲に入っているのか、それとも隠した項目の呼び出し方や条件付けが有料側なのかで、使い勝手はまったく変わる。案内ページで無料の範囲を確認してから入れるほうが、入れ直しにならない。

なお、ここで挙げた分け方と、後述する各アプリの費用や対応OSは2026年9月時点の各配布元の公開情報にもとづく。この分野は変わりやすいため、導入前には必ず配布元の最新の記載を見てほしい。

まず、macOSの標準機能でどこまで減らせるか

道具を入れる前に、Macに最初から入っている機能で減らせる項目がある。ここを先にやると、あとで管理する対象が減る。

コントロールセンターの設定では、Bluetooth、サウンド、集中モード、画面ミラーリングなどの項目について、メニューバーに表示するかどうかを個別に選べる。使っていないものをメニューバーから外し、必要なときはコントロールセンターの中から開く形にできる。時計の表示形式や、Spotlightのアイコンを出すかどうかも設定から変えられる。

Appleはメニューバーの右側に並ぶ項目を「ステータスメニュー」と呼び、表示の有無を利用者が選べるものとして案内している。要点は次のとおりである。

メニューバーの右側に並ぶ項目は、いまの状態を確かめ、その場で設定を変えるためのものである。どの項目を表示するかは、コントロールセンターやそれぞれのアプリの設定から選べる。 出典: support.apple.com

さらに、Commandキーを押しながらメニューバーの項目をドラッグすると、並び順を変えられる。macOSが用意しているシステム側の項目は、Commandキーを押しながらメニューバーの外へドラッグして外すこともできる。よく押すものを右端に近づけ、めったに押さないものを外す。この操作だけでも、探す時間はいくらか減る。

そしてアプリ側の設定である。クラウドストレージ、チャット、開発用の道具の多くは、環境設定にメニューバーへ表示するかどうかのスイッチを持っている。ここを切れば、そもそも並ばない。押していないものを表示ごと止めるのは、隠すより確実な減らし方になる。

無料で使える主な選択肢

標準機能で減らしても、なお並ぶ項目が多い場合に、整理用の道具の出番になる。無料で入手できる代表的なものは次のとおりである。名前を挙げるが、優劣の判断はしない。事実だけを並べる。

  • Ice。ソースコードが公開されている無料の道具で、配布サイトやパッケージ管理の仕組みから入手する。メニューバーの項目を畳んで隠す機能を持つ
  • Hidden Bar。ソースコードが公開されており、Mac App Storeから無料で入手できる。区切りを置いて、その左側を隠す形で使う
  • Dozer。ソースコードが公開されている無料の道具で、同じく区切りで隠す考え方を採る
  • Vanilla。無料で使える範囲と、有料で使える範囲が分かれている

いずれも、対応するmacOSの版と、更新がいつまで続いているかは配布元の記載で確かめる必要がある。ソースコードが公開されているものは、最後の更新がいつだったかを配布ページで見られることが多い。macOSの新しい版が出た直後に更新が入っているかどうかは、これから先も動く見込みを測るうえで分かりやすい目安になる。

無料を選ぶときに確かめる4点

費用がゼロであるという条件のほかに、確かめておく点が4つある。

1つ目は、更新が続いているかである。前の節で触れたとおり、macOSの版が上がったあとに更新が入っているかを見る。更新が止まっている道具は、いまのMacで動いていても、次のmacOSで使えなくなる可能性がある。

2つ目は、対応するmacOSの範囲である。新しいmacOSにしか対応していないものと、古い版まで対応しているものがある。手元のMacがどの版で止まっているかによって、選べる範囲が変わる。

3つ目は、権限である。メニューバーの項目を並べ替えたり隠したりするには、アクセシビリティの許可が要る。実装によっては、メニューバーの表示内容を読み取るために画面収録の許可も使う。会社から支給されたMacで管理の制限がかかっている場合、この許可を与えられないことがあるため、導入前に確認しておく。

権限については、もう一つ知っておくとよいことがある。macOSは近年、いちど与えた許可について、あとから確認を求める仕組みを持つようになった。アプリの版が上がって中身が入れ替わったときや、macOS自体を更新したときに、許可の一覧にアプリは載っているのに実際には効いていない状態になることがある。起動しているのにメニューバーが畳まれないという症状の多くは、この状態である。システム設定のプライバシーとセキュリティを開き、アクセシビリティと画面収録の一覧で該当のアプリを一度外して入れ直すと戻る場合が多い。

4つ目は、隠した項目をどう呼び出すかである。ここが道具ごとにいちばん差が出る。畳んだ状態から一度広げてから押す形と、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形とでは、1日に何度も触る項目での手数が変わる。ふだん押す頻度が高い項目を隠す予定なら、ここは実際に触って確かめる価値がある。

費用がゼロでも、時間はかかる

無料の道具を選ぶときに見落とされやすいのが、設定にかかる時間である。どの道具を使うにせよ、いま並んでいる項目を仕分けし、隠すものを決め、しばらく使って調整する工程は同じだけ発生する。この工程はやり直しが効く一方で、道具を替えるたびに繰り返すことになる。

途中で別の道具に移る場合、引き継げる設定の範囲は道具によって違う。表示する、隠す、常に隠すという分類は考え方が共通するため移しやすいが、キーボードショートカットや、電池残量や時間帯で出し入れする条件の設定、アイコンの間隔の設定は、それぞれの実装が異なるため入れ直しになることが多い。

したがって、無料のものをいくつも順に試すより、確かめる4点を先に当てはめて候補を絞り、1つか2つを実際に使ってみるほうが、結果として時間の節約になる。無料であることは入り口を軽くするが、出口の手間まで軽くするわけではない。

何を隠して何を残すかを先に決める

道具の選択より前に決めることがある。自分のメニューバーで、何が要って何が要らないかである。ここが決まっていないと、どの道具でも同じ混雑に戻る。

仕分けは3つでよい。常に見えていてほしいもの、押したいときだけ出ればよいもの、そもそも要らないものである。判断の基準は、直近1週間でその項目を見たか、押したかとする。見てもいないし押してもいないなら3つ目に入る。

電池残量、Wi-Fiの接続先、時計は1つ目に入ることが多い。状態を読むことに意味がある項目である。クラウドストレージやパスワード管理、スクリーンショットの道具は2つ目に入る。押すときだけ出ればよく、ふだんは視界にある必要がない。3つ目は、アプリ側の設定で表示そのものを止める。

この仕分けを紙かメモに書き出してから道具を入れると、設定の時間が短くなる。最初は条件やショートカットを付けず、常に見せると隠すの2つに割り振るだけにしておき、1日使ってから調整するほうが手戻りが少ない。

案内ページのどこを見て判断するか

無料のものも有料のものも、判断の材料は配布元が公開している情報である。メニューバーを整理する道具の案内ページには、次のような項目が並んでいる。

畳み方や、隠した項目の呼び出し方が実際にどうなっているかは、機能をまとめたページに書かれている。できることでは、隠す操作と、隠したあとにどう触るかが説明されている。この2つが分かれば、日々の手数はおおよそ見当がつく。

同じ用途の道具がどう違うかは、比較のページで見比べる。ほかの道具との違いには、提供の形や対応の範囲が並べて示されている。比較の情報は時期によって変わるため、いつの時点のものかを意識して読む必要がある。

無料の範囲がどこまでかを知りたい場合は、費用のページを見る。料金に、支払いの形と、その対象になる範囲が書かれている。無料で試せる期間があるかどうかも、ここに書かれていることが多い。

権限や対応OSといった、入れる前に引っかかりやすい点は質問ページにまとまっている。よくある質問には、導入時の疑問への回答が並ぶ。実際に手元で試す段階になったら、ダウンロードから入手して、対応するmacOSの範囲と手順を確かめる。試す前に、いまのメニューバーの状態を画面に撮っておくと、戻したくなったときに困らない。

よくある質問

無料の道具と有料の道具で、いちばん差が出るのはどこ?

隠したあとの操作である。畳んだ状態から一度広げてから押す形と、畳んだまま押してその場でメニューが開く形とでは、毎日触る項目での手数が変わる。次に差が出るのは、条件やショートカットでの出し入れと、更新が続く見込みである。

道具を入れずにメニューバーを片付けられる?

ある程度はできる。コントロールセンターの設定でBluetoothやサウンドなどを個別に非表示にでき、アプリ側の設定でメニューバーへの表示を止められるものも多い。Commandキーを押しながらドラッグすれば並び替えもできる。押す頻度が中くらいの項目が残ったときに、道具が効いてくる。

無料の道具は、macOSを新しくすると使えなくなる?

必ずそうなるわけではないが、更新が止まっている道具ほど可能性は高くなる。メニューバーはmacOS本体が描いている場所なので、OSの版が上がると外から手を入れるアプリは対応が必要になる。配布ページで最後の更新時期を見ておくとよい。

会社のMacでも入れられる?

管理の設定によって変わる。この種の道具はアクセシビリティの許可が要り、実装によっては画面収録の許可も使う。これらの許可が管理者によって制限されている場合、入れても動かない。導入前に情報システムの担当者に確認するのが確実である。

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