Dozerの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと
メニューバーのアイコンを隠す常駐アプリを入れたのに、何がどう動いているのか分からないまま置いてある。この状態でつまずく理由ははっきりしていて、この種のアプリは「隠すボタンを押す」道具ではなく、「アイコンの並び順そのものを境界線にする」道具だからである。並べ替えを済ませていないと、押しても何も起きないように見える。この記事は、入れた直後に決めておくべきことを順番に並べたものになる。
入れる前に確かめておく2つのこと
作者が公開しているリポジトリには、導入方法としてパッケージマネージャ経由の1行と、配布ページからディスクイメージを取得して手動で移す方法の2つが書かれている。ただし2026年9月10日時点で、パッケージマネージャ側の一覧にこのアプリの登録は残っていない。手元のMacで問い合わせても該当なしと返るため、実際に使えるのは配布ページからの手動導入だけになる。読み込みの案内文と実際の登録状況がずれている状態なので、1行を打って失敗しても入力ミスではない。
もう1つは、動かすMacの中身である。配布されている最新版はIntel向けの実行ファイルのみで作られており、Apple silicon搭載機ではmacOSの変換機構を通して動く。この変換機構について、Appleは開発者向けの資料で提供期間の見通しを公開している。
Rosetta was designed to make the transition to Apple silicon easier, and will be available through macOS 27 as a general-purpose tool for Intel apps to help developers complete the migration of their apps. 出典: developer.apple.com
つまり、いま入れて使うことに支障はないが、常駐させ続ける道具として何年も先まで当てにする前提では読まないほうがよい。手元のアプリがIntel向けかどうかは、Finderでアプリを選んで情報を見るウインドウを開き、種類の欄を確かめれば分かる。この見分け方はAppleサポートに手順が載っている。
メニューバーに増える3つのアイコンの役割
導入すると、メニューバーの右のほうに黒い丸のアイコンが並ぶ。この丸は装飾ではなく、それぞれ役目が違う。作者の説明では、右から数えて次のように分かれている。
- 1つ目は、押すための場所でしかない。どこに置いてもよく、位置に意味はない
- 2つ目は境界線である。この左側にあるものが、どれかの丸を押すたびに隠れたり出たりする
- 3つ目は任意で出せる境界線で、この左側にあるものはoptionキーを押しながらの操作でだけ出てくる
肝心なのは、2つ目が固定の壁だという点である。押した瞬間にアプリが「よく使うものを判別して残す」わけではない。壁の左に置いたものが消え、右に置いたものが残る。それだけの仕掛けなので、並べ替えを済ませるまでは何も整理されない。
3つ目の丸は初期状態では出ていない。設定画面で有効にすると現れ、隠す対象を2段階に分けられるようになる。2段階に分けると、日常的に畳んでおきたいものと、月に一度触るかどうかのものを別の扱いにできる。分けるほど並べ替えの手間は増えるので、最初は2つ目の壁だけで運用して、足りないと感じてから3つ目を出すのが無理がない。
コマンドキーを押しながら並べ替える
並べ替えの操作はアプリの機能ではなく、macOS本体の機能である。commandキーを押しながらメニューバーのアイコンをドラッグすると、位置を入れ替えられる。作者の説明でも、この点はわざわざ注記として書かれている。
- 常に見えていてほしいものは、境界線の丸より右に置く
- 普段は畳んでおきたいものは、境界線の丸より左に置く
- optionキーで出す扱いにしたいものは、3つ目の丸より左に置く
ここで詰まりやすいのが、動かせないアイコンがあることである。macOS自身が出している時計や制御センターは、この方法では位置を変えられない。並べ替えの対象になるのは、あとから入れたアプリが出しているアイコンに限られる。動かないものを何度もドラッグして疲れる前に、対象を切り分けておきたい。
もう1つ、並べ替えの結果は境界線の丸の位置に依存する。丸そのものをうっかり動かすと、隠す対象がまるごと入れ替わる。壁を動かしたのか、アイコンを動かしたのかを見失ったときは、いったんすべてを表示させて、右から順に並びを目視で確かめるのが早い。
並べ替えの作業自体は、アイコンの数が多いほど時間がかかる。10個を超えているなら、一度に全部を動かそうとせず、常に見えていてほしいものを先に右端側へ集め、残りをまとめて壁の左へ送る順で進めると往復が減る。ドラッグ中はアイコンが少し浮いて見えるので、指を離す前に着地点が意図した側かどうかを確かめておきたい。
設定画面で最初に決める項目
どれかの丸を右クリックすると設定が開く。項目名は英語のまま並んでいるので、意味を先に押さえておくと迷わない。
- Launch at login。ログイン時に自動で起動させる
- Hide menu bar icons at launch。起動した時点ですでに畳んだ状態にする
- Hide menu bar icons after。最後に触ってから一定時間で自動的に畳む。選べる値は3秒、5秒、10秒、15秒、20秒、30秒で、初期値は10秒になっている
- Enable 'remove' Dozer icon。3つ目の境界線を出す
- Hide both Dozer icons when menu bar icons are hidden。畳んだときに丸自体も消す
- Use full width of screen when showing menu bar icons。展開したときに画面の横幅を使う
- Font size of Dozer icons。丸の大きさ。4pxから40pxまでで、初期値は10px
- Width of Dozer icons。丸の左右の幅。初期値は25px
- Show/hide menu bar icons。キーボードショートカットの登録欄
自動で畳む項目の下には、最後に触ってからの時間が操作のたびに数え直される旨の注記が添えられている。作業中にメニューバーへ手が伸びている間は畳まれない挙動なので、短めの値でも邪魔になりにくい。
最初に決めておくとよいのは、ログイン時の起動と、起動直後に畳むかどうかの2つである。この2つを入れておかないと、Macを立ち上げるたびに全部が出た状態から手作業で畳むことになり、道具を入れた意味が薄れる。
丸の大きさと幅の項目は、見た目を整えるためだけの設定に見えて、実際には押しやすさに直結する。初期値の10pxは控えめな見え方になるが、狭いと押し損ねが増える。幅の初期値である25pxを広げると、丸そのものが占める場所は増える代わりに、狙いを外しにくくなる。メニューバーの項目が多い環境では、丸を小さくして場所を空けたくなるが、押す頻度が高いなら大きさは残しておくほうが結局は楽になる。
展開したときに画面の横幅を使う項目は、隠しているアイコンの数が多い環境で効いてくる。畳んでいる項目が画面の横幅に収まらないと、展開しても左端の分が見えないまま終わる。数が多いと感じる場合は、この項目を入れたうえで、それでも収まらない分をさらに絞り込む順で考えることになる。
丸そのものを消して、ショートカットだけで開く
設定の中に、畳んだときに丸まで消す項目がある。これを入れると、メニューバーには必要なものだけが残り、境界線の丸すら見えなくなる。見た目としてはいちばん静かな状態になるが、代わりに押す場所がなくなるため、キーボードショートカットの登録が前提になる。
この使い方が向くのは、隠したアイコンをほとんど見ないと決めている場合である。逆に、隠したものの状態をときどき目で確かめたい場合には向かない。丸が見えていれば、押した瞬間に全部が並ぶので、確認は速い。
判断の分かれ目は、隠したアイコンを押しに行く頻度である。メニューバーを畳んだままアイコンを押して、その場でメニューを開ける作りの道具であれば、隠したものを触る頻度が高くても畳んだままにできる。この点は道具によって作りが違うので、隠すことと押せることを分けて考えておくと選びやすい。それぞれの作りの違いはほかの道具との違いに整理されている。
ノッチのある機種では、境界線の置き場所が効いてくる
画面上部に切り欠きのあるMacBookでは、メニューバーの項目が右から左へ詰まっていく途中で切り欠きに突き当たる。突き当たった先の項目は描かれず、押すこともできない。この状態で境界線の丸が描かれない位置まで押し出されていると、展開する操作そのものができなくなる。
対処の考え方は単純で、境界線の丸を切り欠きより右に来る位置に置くことである。丸は右から数えて1つ目が押すための場所、2つ目が壁と決まっているので、この2つが右側に残るように、その他のアイコンを左へ寄せる。展開したときに一時的に切り欠きへ届いてしまうのは避けにくいが、畳んでいる状態で丸が見えていれば操作は続けられる。
外部ディスプレイをつないでいる場合も、置き場所の判断は変わる。メニューバーは主ディスプレイに出るため、ノート本体を閉じて使う運用では切り欠きの問題が消える。逆に、日によって開いたり閉じたりする使い方だと、丸の見え方が日によって変わる。どちらの状態でも押せる位置に落ち着かせておくと、あとで並べ替え直す回数が減る。
並べ替えを終えたら、3つの動きを確かめる
設定が意図どおりかどうかは、次の3つを順に試せば分かる。ここで想定外の動きがあれば、原因はほぼ並び順にある。
- 丸を左クリックする。境界線の左にあるものだけが消え、右にあるものが残るか
- optionキーを押しながら左クリックする。3つ目の境界線を有効にしているなら、その左にあるものまで出てくるか
- 登録したキーボードショートカットを押す。丸を押したときと同じ結果になるか
1つ目で何も起きないなら、畳みたいアイコンがまだ壁の右側にある。2つ目で違いが出ないなら、3つ目の境界線が有効になっていないか、その左に何も置かれていない。3つ目で反応がないなら、ショートカットが他のアプリと重なっている可能性が高く、別の組み合わせに変えると通ることがある。
確かめるのは並べ替えを終えた直後がよい。時間が経ってから触ると、どのアイコンをどちら側に置いたのかを思い出すところからやり直しになる。
決めたことを、運用として固定する
初期設定でやることは、結局のところ壁の位置を1つ決めることに尽きる。壁の右に残すものが多いほど整理の効果は薄れ、少ないほど畳んだときの静けさは増えるが、そのぶん展開の回数が増える。どちらに寄せるかは、隠したアイコンを押しに行く頻度で決まる。
頻度が高いのに全部を壁の左へ送ると、1日に何度も展開することになり、結局は畳まないまま使うようになる。逆に頻度が低いのに右へ残すと、常時見えている必要のないものが場所を取り続ける。まずは1週間ほどそのまま使い、展開の回数が多すぎると感じたら、よく押すものを1つずつ壁の右へ戻していくのが現実的な調整の仕方になる。
なお、展開せずに押せるかどうかは道具の作りによって違い、ここが手数の差になる。整理する道具に何ができて何ができないのかはできることに、費用の考え方は料金にまとめてある。導入前によく聞かれる点はよくある質問、実際に試すときの入口はダウンロードにある。
よくある質問
丸を押しても何も隠れないのはなぜ?
境界線の丸より左にアイコンを移していないためです。この種のアプリは押した瞬間に対象を判別するのではなく、丸の左側にあるものを畳む仕掛けです。commandキーを押しながらアイコンをドラッグして、畳みたいものを2つ目の丸の左へ移してから、もう一度押してみてください。
並べ替えたいのに動かせないアイコンがあります?
macOS自身が出している時計や制御センターは、commandキーを押しながらのドラッグでは位置を変えられません。並べ替えの対象になるのは、あとから入れたアプリが出しているアイコンだけです。動かないものは並び順の固定要素として扱い、それ以外を組み替えてください。
自動で畳む秒数はどれを選べばよいですか?
設定で選べるのは3秒、5秒、10秒、15秒、20秒、30秒で、初期値は10秒です。数え直しは最後にメニューバーへ触った時点から始まるため、作業中に勝手に畳まれることは起きにくくなっています。短くして不便を感じたら1段ずつ伸ばす形で調整するのが現実的です。
丸も消してしまうと、隠したアイコンをどう開くのですか?
設定でキーボードショートカットを登録し、それで展開します。丸を消す項目は押す場所を無くすため、ショートカットの登録が前提になります。隠したものを触る頻度が高い場合は、丸を残しておくか、畳んだままアイコンを押せる作りの道具を選ぶほうが手数が減ります。