Dozerをきれいに消す手順|残るファイルと、消してよいもの
メニューバーのアイコンを隠すために入れた小さなアプリを、そろそろ外そうと考えている。Dozer uninstallで検索してここに来た人の多くは、単に消し方を知りたいのではなく、消したあとにメニューバーがどうなるのか、設定ファイルが残るのかを先に知りたいはずである。
この記事は、Dozerを消すときの順番と、消したあとに手元へ残るものを整理したものである。あわせて、消した瞬間にアイコンが一斉に戻ってくる理由と、そこで何を残して何を隠すかを決める手順まで並べる。ここに書いた配布元の情報は、2026年9月10日に公開ページで確認したものである。
消す前に知っておきたい、このアプリの動き方
このアプリは、メニューバーのアイコンを削除しているわけではない。自分自身のアイコンをメニューバーに2つか3つ置き、その項目の幅を伸び縮みさせることで、左側にあるアイコンを画面の外側へ押し出している。公開されている説明でも、アイコンは右から左へ番号が振られており、2つ目のアイコンより左にあるものがまとめて隠れる対象になる、という作りが示されている。
この仕組みが分かっていると、削除後に起きることが予測できる。押し出していた側がいなくなるので、隠していたアイコンは1つ残らず元の位置に戻る。設定が壊れることも、アイコンが行方不明になることもない。逆に言えば、隠すことで得ていた見た目の余白は、削除した瞬間にすべて失われる。
もう1つ、押さえておきたい性質がある。メニューバーのアイコンの並び順は、macOS側が各アプリごとに記憶している。並べ替えはコマンドキーを押しながらドラッグして行うもので、この情報は隠す側のアプリではなくシステムが持っている。したがって、削除しても並び順が初期化されるわけではないが、押し出しによって画面外にあった項目が戻ってくることで、体感としては並びが変わったように見える。ここで慌てて並べ直す前に、まずは削除の作業を最後まで終わらせたほうがよい。
配布の状況を先に確かめる
削除の判断をする前に、そのアプリがいまどういう状態で配られているかを見ておくと、後の判断が楽になる。公開されているリポジトリでは、最後のリリースが4.2.0で、公開日は2020年7月13日である。その後のコミットは2022年11月1日を最後に止まっており、内容もデモ画像の差し替えであった。ライセンスはMPL-2.0、動作要件はmacOS 10.13以降と記されている。星の数は8,700を超え、未解決の課題は95件、フォークは302件という規模である。
導入の案内も確認しておきたい。公開ページには次のように書かれている。
Using Homebrew Cask: brew install --cask dozer 出典: github.com
ただし、この案内文がリンクしているHomebrewのカタログのページは、2026年9月10日時点では見つからない状態になっている。実際に手元のMacでカタログを引いても、その名前のcaskは存在しないという返答が返ってくる。以前にHomebrew経由で導入した場合、brew uninstall --cask dozer がそのまま通ることもあれば、カタログ側に定義が無いために通らないこともある。通らなかったときは、下に書く手作業の手順に切り替えればよい。カタログから外れていること自体は、アプリが壊れていることを意味しない。すでにMacに入っているものは、これまでどおり動く。
手順の1つ目、終了してからアプリ本体を消す
最初にやることは、アプリの終了である。メニューバーに出ているアイコンのどれかを右クリックすると設定画面が開く作りになっているので、そこから終了させる。動いたまま本体を消すと、macOSの設定を管理する常駐プロセスが、終了時に設定ファイルを書き戻すことがある。せっかく消したファイルが復活する原因はたいていこれで、順番を守るだけで避けられる。
終了したら、アプリケーションフォルダから本体をゴミ箱に入れる。Homebrew経由で入れていた場合は、先にアンインストールのコマンドを試し、通らなければ手で消す。どちらの経路で入れたか分からないときは、アプリケーションフォルダに本体があるかどうかで判断できる。
この段階で、メニューバーは隠していたアイコンが全部戻った状態になる。ここで並びの多さに驚いても、まだ何も対処しなくてよい。残りのファイルを片付けてから、最後にまとめて考えたほうが手戻りが少ない。
手順の2つ目、名前で引いて残りを消す
このアプリは、内部の識別子として com.mortennn.Dozer を使っている。設定ファイルやキャッシュは、この識別子を名前に含む形で作られるため、探す手がかりはこれ1つで足りる。プロジェクトの設定ファイルには識別子がそのまま書かれており、権限の設定は空、つまりサンドボックスの中に閉じ込められた作りではないため、ファイルは利用者のライブラリ直下に置かれる。
見る場所は次のとおりである。ホームフォルダのライブラリを開き、それぞれの中に識別子で始まるものがあれば削除する。
- Preferences … 設定の本体。ショートカットの登録や、隠すまでの待ち時間などがここに入る
- Caches … 更新の確認に使った一時ファイルが入る
- HTTPStorages … 更新の確認で通信した際の記録が残ることがある
- Saved Application State … 終了時の状態を保存する仕組みが作る
ライブラリはFinderで隠されているため、移動メニューを開いた状態でオプションキーを押すと項目が現れる。設定ファイルだけを消したい場合は、ターミナルから識別子を指定して設定を消す方法もあるが、その場合もアプリを終了させた後に実行する点は同じである。
このアプリは更新の確認にSparkleという仕組みを使っている。プロジェクトの依存関係の一覧にその名前があり、更新情報を配るファイルも同梱されている。更新の確認は通信をともなうため、キャッシュ側に痕跡が残りやすい。とはいえ、残っていても数十キロバイト程度のもので、放置したところで害があるわけではない。気持ちよく片付けたい場合だけ消せばよい。
手順の3つ目、ログイン項目に残る影を消す
見落とされやすいのがここである。このアプリは、ログイン時に自動起動する仕組みとして、本体の中に小さな補助アプリを同梱する方式を採っている。依存関係の一覧にもその仕組みの名前が並んでいる。この方式は、macOSに対して「この補助アプリを起動時に動かしてほしい」と登録する形を取るため、本体をゴミ箱に入れただけでは登録の記録が残ることがある。
macOS 13以降では、この種の登録はシステム設定の一般の中にあるログイン項目にまとまっており、バックグラウンドでの実行を許可する一覧に、開発元の名前だけが書かれた項目として現れる場合がある。本体を消した後にこの一覧を開き、見覚えのない項目や名前が空になっている項目が残っていないかを確認しておきたい。再起動すると消えることも多い。
ショートカットキーの登録にも触れておく。このアプリは、キーボードショートカットで隠す操作を割り当てられる作りで、その登録情報は先ほどの設定ファイルの中に入っている。設定ファイルを消せば登録も消える。逆に、設定ファイルを残したまま本体だけを消し、後で別のメニューバー管理アプリに同じキーを割り当てようとして反応しない、という状況になったときは、設定ファイルの消し忘れを疑うとよい。
消し切れたかどうかを確かめる
作業が終わったら、消えたことを目で確かめておきたい。確認は3つで足りる。
1つ目は、メニューバーの見た目である。押し出す役目のアイコンが消え、隠れていた項目が全部並んでいれば、本体は動いていない。2つ目は、再起動の後に何も戻ってこないことである。自動起動の登録が残っていると、再起動後にアイコンが再び現れる。この場合は本体が消え切っていないか、別の場所にコピーが残っている。アプリケーションフォルダ以外に本体を置いていた人は、ダウンロードフォルダやデスクトップに解凍したままの本体が残っていないかを見ておくとよい。3つ目は、ホームフォルダのライブラリを識別子で検索し、該当がゼロになっていることである。Finderの検索でファイル名を対象にすれば、残っている場所がまとめて出てくる。
なお、消したあとに配布元へ何かを通知する必要はない。無料で配られているアプリであり、ライセンスの解除や契約の停止といった手続きは存在しない。有料のアプリを消すときは、解除の手続きと削除が別作業になることが多いが、このアプリではその区別を気にしなくてよい。
消したあとのメニューバーをどう扱うか
削除が終わると、メニューバーは導入前の状態に戻る。ここからが本題である。アイコンが多くて困っていたという最初の問題は、隠す道具を消したことで元に戻っただけであり、解決したわけではない。
整理は2段階で考えると早い。1段階目は、アプリ側の設定でアイコン自体を消せるものを消すことである。クラウド保存、バックアップ、同期の類は、設定画面にメニューバーへ表示するかどうかの項目を持っていることが多い。使うときにアプリ本体を開けば済むものは、ここで外してしまってよい。
2段階目は、macOSが標準で置いている項目の見直しである。コントロールセンターの設定を開くと、Bluetooth、サウンド、集中モードなどを、常にメニューバーへ出すか、コントロールセンターの中だけに置くかを個別に選べる。常時見ていない項目は、コントロールセンターの中に入れておけば1回の操作で届く。
この2段階を通しても残るのは、ときどき押すが、押していない間は見えていなくてよい項目である。この層をどう扱うかで、メニューバーの見え方は決まる。隠す道具を使う場合、単に隠すだけの実装だと、押したいときにメニューバーを広げ直す操作が毎回入る。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、その往復が要らなくなる。どの実装がどこまでできるかは、できることに機能ごとの一覧があり、他の道具との違いを軸ごとに並べたものはほかの道具との違いにまとめてある。
消すか、入れ替えるかを決める材料
削除の理由が「使わなくなった」であれば、ここまでの手順で完了である。理由が「動きが合わなくなった」「更新が止まっているのが気になる」であれば、次に何を置くかという判断が続く。
判断の材料は3つある。1つ目は、ノッチのあるMacBookを使っているかどうかである。画面上部の切り欠きの分だけ表示できる幅が減るため、押し出す方式の道具では、隠したいものと表示したいものの境目が意図と違う位置になることがある。2つ目は、常時見ておきたい項目がいくつあるかである。時計、電池、入力ソースに加えて、業務で見るものが3つも4つもあるなら、隠す前に残す側の数を先に決めたほうが早い。3つ目は、隠したものへの到達の速さである。1日に何度も触るものが隠れる側にあるなら、到達に何手かかるかが体験を左右する。
料金の考え方も判断に含めておきたい。今回のアプリは無料で配られており、ライセンスもMPL-2.0である。有料の選択肢と比べるときは、金額そのものより、更新が続いているか、新しいmacOSが出たときに追随するかを見たほうが実際的である。価格の考え方は料金に、導入の入口はダウンロードにある。
削除の作業自体は数分で終わる。時間がかかるのは、その後にメニューバーへ何を残すかを決める部分である。順番としては、まず消し切る、次に残す側を決める、最後に隠す側の道具を選ぶ。この順で進めれば、入れては消しを繰り返さずに済む。
よくある質問
アプリを消すと、隠していたアイコンは消えてしまいますか?
消えません。このアプリはアイコンを削除しているのではなく、自分の項目の幅を伸ばして画面の外へ押し出しているだけです。押し出す側がいなくなるため、削除した直後に隠れていたアイコンはすべてメニューバーへ戻ります。設定が壊れることはありませんが、見た目の余白は失われます。
Homebrewで入れた場合、コマンドで消せますか?
まず brew uninstall --cask dozer を試してください。ただし、2026年9月10日時点でHomebrewのカタログにこの名前のcaskは見当たらず、コマンドが通らないことがあります。その場合はアプリを終了してから本体をゴミ箱に入れ、識別子で残りのファイルを探して消す手作業に切り替えれば同じ結果になります。
本体を消したのに設定ファイルが残るのはなぜですか?
アプリを終了せずに本体だけを消すと、macOSの設定を管理する常駐プロセスが終了時に設定を書き戻すことがあるためです。先にアプリを終了し、それからファイルを消す順番にしてください。設定ファイルは識別子で始まる名前になっているので、ライブラリの中をその名前で探せば見つかります。
消したあと、ログイン項目に見覚えのない項目が残っています。
自動起動のために同梱されていた補助アプリの登録が残っている状態です。macOS 13以降ではシステム設定の一般にあるログイン項目の一覧に、バックグラウンドでの実行を許可する項目として現れます。そこから外すか、再起動すると表示が消えることが多いです。