Hidden Barの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める

Hidden Barの代わりを探し始めると、比較記事の機能一覧の前で手が止まります。候補側の機能は多く、いま使っている側の機能は少ない。それだけ見れば乗り換えたほうがよさそうに見えますが、実際には「少ないほうで足りていた」という可能性が残ります。

この道具は機能の数が少ないぶん、手放してよい機能を決める作業が短時間で終わります。設定画面の項目は数えられる範囲に収まっていて、そのうち日常的に効いているものはさらに少ないからです。以下では、実際に持っている機能の一覧、代わりを探す動機の分け方、公開されている制約、そして候補について2026年9月10日時点で確認できる事実を順に並べます。

持っている機能を、まず数え上げる

代わりを探す前に、いま何が手元にあるのかを確定させます。公開されているマニュアルに載っている設定項目は次の6つです。

  • ログイン時に起動する。macOS 13以降の仕組みで登録され、システム設定の一般にあるログイン項目から取り消せます
  • 起動時に設定画面を開く
  • 自動で折りたたむ。指定した時間が過ぎたら自動でしまい直します
  • 全体ショートカット。システム全体のキーで展開と折りたたみを切り替えます
  • 常時非表示ゾーンを有効にする。展開しても出てこない2つ目の区画を作れます
  • 展開中はメニューバー全体を使う。幅が足りない環境向けの設定です

操作のほうは3つで足ります。矢印を左クリックで展開と折りたたみ、矢印を右クリックか区切り記号を左クリックで小さなメニュー、⌘を押しながらのドラッグでアイコンを区切りの左右へ動かす。加えて、矢印をoptionを押しながらクリックすると、区切り記号と常時非表示の区画の表示だけを切り替えられます。

さらに、画面に出ていない設定が3つあります。マニュアルには、マウスをメニューバーに重ねるだけで展開する設定、自動折りたたみまでの秒数を任意の値にする設定、アプリの言語を固定する設定が、いずれもTerminalから変更する形で載っています。

合計すると、判断の対象になるのは10項目ほどです。この数なら、1つずつ「使っているか」を答えられます。

代わりを探す動機は、機能不足ではないことが多い

実際に相談として届く動機は、機能が足りないことよりも次の3つに寄っています。

1つ目は、macOSの版が合わないことです。開発中の版のREADMEには、必要な環境がmacOS 13(Ventura)以降と書かれています。それより古いmacOSを使っている場合は、v1.10が対応する最後の版だと明記されています。理由も書かれていて、ログイン時の自動起動の仕組みがmacOS 13で導入されたAPIに移ったためです。

2つ目は、配布経路によって手に入る版が違うことです。2026年9月10日にApp Storeの公開情報を確認したところ、掲載されている版は1.8で、更新日は2021年6月1日、必要なmacOSは10.12以上でした。一方、GitHubのリリース一覧では最新がv1.10で、公開日は2026年3月3日です。同じ名前の道具でも、どこから入れたかで手元の版が変わります。

3つ目は、特定の不具合に当たったことです。これは次の節で扱います。

なお、Homebrewを使う場合はcaskとして配布されています。ライセンスはMITで、公開されているリポジトリの星の数は14,687です(2026年9月10日時点)。無料であることと、中身が公開されていることは、代わりを探すときの比較軸としても効いてきます。

公開されている制約を、先に読んでおく

この道具の良いところは、うまく動かない条件が開発側から明示されている点です。マニュアルには、新しく入れたアプリのアイコンが最初から隠れてしまう理由が書かれています。

Hidden Bar hides icons by widening its separator so everything to the left of it slides off-screen. macOS always inserts a brand-new menu-bar icon at the far-left slot, which is inside that hidden zone, so a freshly launched or updated app can appear "swallowed". 出典: github.com

つまり、隠す仕組みは区切りを広げて左へ押し出すことであり、macOSが新しいアイコンを左端に入れる以上、入れたばかりのアプリは隠れた側に置かれます。1度⌘ドラッグで区切りの右へ動かせば、macOSがその位置を覚えます。

もう1つ、常時非表示の区画には条件があります。マニュアルには、この区画のアイコンが確実に画面外へ出るのは区切り記号を隠している状態のときで、区切りを表示したままだと展開後に出てくることがあると書かれています。作り直しが進行中の既知の制限であること、当面は重要なアイコンをこの区画に置かないほうがよいことも明記されています。

3つ目に、macOS 27のベータで何も隠れなくなるという項目が、既知の不具合として一覧に載っています。メニューバーの作り替えによって隠す仕組みが壊れたためで、対応を調査中と書かれています。macOSの大きな更新を控えている環境では、これが代わりを探す直接の動機になります。

手放してよい機能を見分ける3つの質問

数え上げた10項目に対して、次の3つを順に当てます。

1つ目は「直近7日間で操作したか」。設定を入れた記憶があるだけの項目は、手放せる候補です。自動折りたたみの秒数を細かく決めた覚えがあっても、その後1度も気にしていないなら、その項目は判断に影響しません。

2つ目は「無くなったとき、何回余計に手を動かすか」。全体ショートカットを使って展開している人にとって、この項目が無い候補は毎日数十回ぶんの操作増になります。逆にマウスで矢印を押している人には、無くても差が出ません。

3つ目は「その機能が壊れたとき、自分で直せるか」。常時非表示の区画のように、条件付きで動く機能に重要なアイコンを預けていると、崩れたときの復旧に手間がかかります。マニュアルにも、画面外で止まったアイコンは⌘ドラッグで引き戻すしかないと書かれています。

3問とも「いいえ」だった項目は、候補選びの条件から外して構いません。条件を1つ外すたびに、比較の対象に残る候補は増えます。増えたほうが選びやすいのは、そこから先の判断が費用と更新の頻度だけになるからです。

この3問を通すと、たいてい手放せる項目が4つか5つ残ります。残った必須の項目が2つか3つに絞れた時点で、候補の比較は一気に短くなります。何を残すかの整理はできることに一覧があります。

手放すと毎日効いてくる機能は2つだけ

上の3問を多くの環境に当てると、最後まで残るのは決まって同じ2つです。

1つ目は、隠したあとにそのアイコンをどう押すかです。隠す道具の多くは、いったん展開してから目的のアイコンを押す手順になります。ここが隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかで、1日の操作数が変わります。展開してから押す方式では、1回の操作が2回になります。

2つ目は、再起動やmacOSの更新のあとに並びが保たれるかどうかです。アイコンの位置はmacOSがアプリごとに覚えているため、どの道具を使っていても、新しく入れたアプリは左端に入ります。更新のたびに並べ直す作業が発生するかどうかは、道具そのものより、どの区画に何を置いているかで決まります。

この2つ以外は、環境によって重みが変わります。見た目の調整も、複数の設定を切り替える仕組みも、使っていなければ無いのと同じです。

候補について、公開情報から分かること

2026年9月10日に各配布元の公開情報を確認した内容です。金額や対応環境は変わるため、判断の直前に各配布元で確かめてください。

名前 費用 配布と最終の動き
Hidden Bar 無料(MIT) App Store掲載は1.8で更新日2021年6月1日、GitHubの最新リリースはv1.10で2026年3月3日
Ice 無料(GPL-3.0) 最新リリースは0.11.12で2024年10月29日、リポジトリの最終更新は2025年9月20日
Dozer 無料(MPL-2.0) 最新リリースはv4.0.0で2019年8月20日、リポジトリの最終更新は2023年11月30日
Vanilla 無料、上位版は買い切り10ドル 上位版のライセンスは1つで10台まで有効、30日間の返金案内あり
Bartender 6 12ドルから(買い切り、年ごとの区分と生涯版もあり) macOS TahoeとSequoia向け。4週間の試用あり
Barbee 無料(App Store) 掲載は4.3で更新日2026年6月15日、必要なmacOSは11.0以上

出典は各配布元の公開ページです。Hidden Bar、Ice、Dozerは各リポジトリ、VanillaとBartenderは各公式サイト、BarbeeはApp Storeの掲載情報を参照しています。Bartenderの公式サイトの著作権表記はApplause Group, Inc.で、年は2026年です。

この表で目に付くのは費用ではなく、右の列です。無料で中身が公開されている3つは、いずれも最後のリリースからの間隔が違います。macOSの大きな更新が近い時期には、この間隔が実質的な選択基準になります。上位版が有料の2つは、そのぶん更新の予定が公表されています。費用の考え方は料金に整理があります。

移行で持ち出せるのは、設定ファイルではない

候補を1つに絞ったあとの作業で、多くの人が想定より短く終わると感じるのが移行です。この種の道具は設定ファイルの形式が揃っていないため、道具をまたいだ設定の持ち込みはできないと考えるのが前提になります。

持ち出せるのは分類です。常に見せるアイコン、普段は隠すアイコン、常に隠すアイコン。この3つに振り分けた結果を紙かメモに書いておけば、どの道具に移っても同じ並びを再現できます。⌘ドラッグでの並べ替えはmacOSの機能なので、道具が変わっても操作は同じです。

逆に、分類を頭の中にしか持っていないと、乗り換えのたびに同じ判断をやり直すことになります。移行の前にやるべき作業は、候補を調べることではなく、この3分類を書き出すことです。道具ごとの前提の違いはほかの道具との違いにまとめてあります。

案内サイトに届く質問から見える、判断の順番

案内サイトに寄せられる質問を内容で分けると、機能の有無に関するものより、隠したあとの触り方と、更新後に並びが崩れる話が先に来ます。これは比較表の並び順とは一致しません。表では機能の数が横に並びますが、使い始めてから問い合わせが起きるのは、毎日繰り返す動作と、macOSの更新で崩れる場所です。

この差は、手放してよい機能を先に決めるべき理由をそのまま説明しています。機能の数で選ぶと候補が絞れず、絞れないまま試用を始めると、確かめる項目も決まりません。先に必須の機能を2つか3つに固定してから候補を当てると、試用中に見る場所が具体的になります。

実際に届く疑問と回答はよくある質問に、導入の手順はダウンロードにまとめてあります。判断に迷ったときは、機能の一覧に戻るのではなく、自分がよく使うアイコン3つを押すまでの動作を数え直すほうが早く決まります。

よくある質問

App StoreとGitHubで版が違うのはなぜですか?

配布経路ごとに更新の反映が別だからです。2026年9月10日時点で、App Storeの掲載は1.8で更新日は2021年6月1日、GitHubのリリース一覧では最新がv1.10で公開日は2026年3月3日でした。どちらから入れたかで手元の版が変わるため、代わりを探す前に自分がどの版を使っているかを確認してください。

古いmacOSでも使えますか?

開発中の版のREADMEでは、必要な環境がmacOS 13(Ventura)以降と案内されています。それより古い環境ではv1.10が対応する最後の版だと明記されています。理由は、ログイン時の自動起動の仕組みがmacOS 13で導入されたAPIへ移ったためです。古い環境を使い続けるなら、対応するmacOSの範囲を候補ごとに確かめる必要があります。

常時非表示の区画に重要なアイコンを入れてもよいですか?

マニュアルでは避けるよう案内されています。この区画のアイコンが確実に画面外へ出るのは区切り記号を隠している状態のときで、区切りを表示したままだと展開後に出てくることがあると書かれています。作り直しが進行中の既知の制限とされており、画面外で止まったアイコンは⌘ドラッグで引き戻す必要があります。

乗り換えるとき、設定は引き継げますか?

道具をまたいだ設定ファイルの移行はできないと考えてください。形式が揃っていないためです。持ち出せるのは、常に見せる、普段は隠す、常に隠すという3分類の設計そのもので、これを書き出しておけばどの候補でも同じ並びを再現できます。並べ替え自体はmacOSの操作なので、道具が変わっても手順は同じです。

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