Hidden Bar(Mac)の使い方と、隠れたアイコンを戻す手順

Hidden Bar を Mac に入れたものの、矢印を押しても思った通りに畳めない、入れたばかりのアプリのアイコンが最初から見えない、という状態で調べている人が多い道具です。動きが分かりにくいのは、この道具が「アイコンを消している」のではなく「区切りを広げて左側を画面の外へ押し出している」からです。仕組みが分かれば、隠れたアイコンを戻す操作も、隠したいアイコンを狙って隠す操作も、迷わなくなります。この記事では Hidden Bar が何をしているのか、設定画面で決めることは何か、うまく動かないときにどこを見ればよいのかを順に整理します。

Hidden Bar がどういう道具なのか

Hidden Bar は Dwarves Foundation が公開している macOS 用の小さな常駐アプリで、メニューバーの右側に並ぶアイコンを畳んで見えなくします。ライセンスは MIT で、ソースコードは公開されています。入手経路は Mac App Store、Homebrew(brew install --cask hiddenbar)、GitHub のリリースページの3つが案内されており、App Store 以外で配布されるものについては公証(notarize)を通してあると README に書かれています。

有料の道具と比べたときに最初に効いてくる違いは、機能の多さではなく対応する macOS の下限です。Hidden Bar が要求するのは macOS 13(Ventura)以降です。これより古い Mac を使っている場合は、v1.10 が macOS 10.13 High Sierra から 12 Monterey までに対応した最後のリリースになります。境目が生まれた理由も公開されていて、ログイン時の自動起動が macOS 13 で導入された SMAppService という仕組みに移ったためだと説明されています。

つまり「無料だから機能が少ない」のではなく、「新しい OS の仕組みに乗り換えたので、古い OS が切り離された」という順序です。手元の Mac が Monterey 以前なら、最新版を入れても動かないので、最初から v1.10 を取りに行く必要があります。

隠す仕組みは、区切りを広げて左へ押し出すこと

Hidden Bar はメニューバーに2つの項目を置きます。矢印(<>)と区切り(|)です。この区切りの幅を一気に広げることで、区切りより左にあるアイコンが画面の外側へ押し出されて見えなくなります。アプリ側がほかのアプリのアイコンを掴んで移動させているわけではありません。

Hidden Bar hides icons by widening its separator so everything to the left of it slides off-screen. macOS always inserts a brand-new menu-bar icon at the far-left slot, which is inside that hidden zone, so a freshly launched or updated app can appear "swallowed". 出典: github.com(2026年9月5日に公式リポジトリの説明を確認)

ここが、この道具でいちばん誤解されている部分です。macOS は新しく登録されたメニューバーのアイコンを、いちばん左の位置に差し込みます。その位置は Hidden Bar から見ると隠す側のゾーンなので、アプリを入れ直したり更新したりした直後は、そのアイコンが最初から隠れた状態で現れます。アプリが勝手に飲み込んだのではなく、macOS の並べ方と隠す範囲がたまたま重なっているだけです。

この仕組みは、ほかの無料の道具でもおおむね同じです。区切りを置いて、それより左を押し出す。だからどの道具を選んでも、新しいアプリのアイコンが最初は隠れて見える現象は起きます。

操作は3つ覚えれば足りる

日常的に使う操作は多くありません。次の3つで、隠す対象を決めるところから畳んで戻すところまで一通りできます。

  • 矢印を左クリックすると、隠しているゾーンを開いたり畳んだりできる
  • (command)を押しながらメニューバーのアイコンをドラッグすると、アイコンを左右に移動できる。区切りより左に置いたものが、畳んだときに隠れる
  • 矢印を右クリックするか、区切りを左クリックすると、設定・自動で畳む動作の切り替え・終了のメニューが出る

もうひとつ、覚えておくと困らないのが option を押しながら矢印をクリックする操作です。これを使うと、区切りと常時非表示のゾーンそのものを、開かずに出したり隠したりできます。区切りが見えている状態と見えていない状態で挙動が変わる場面があるので、後述の常時非表示ゾーンを使うときに効いてきます。

隠したいアイコンが決まっていないうちは、まず全部を区切りより左に送ってしまい、そこから毎日押しているものだけを右に戻すほうが早く終わります。メニューバーに出したままにする価値があるのは、状態を目で確認するもの(接続中かどうか、同期が終わったか)と、1日に何度も押すものだけです。それ以外は、必要になったときに開けば足ります。

設定画面で決める6つの項目

設定ウインドウで決められることは、次の表の通りです。どれも一度決めれば触らない種類の設定です。

設定 何が変わるか
ログイン時に起動 macOS 13 以降のログイン項目として登録される。システム設定の「一般」の「ログイン項目」から解除できる
起動時に設定画面を開く アプリを起動したときに設定ウインドウを出すかどうか
自動で畳む 決めた秒数が過ぎたら自動でもう一度隠す
グローバルショートカット 開く・畳むをキーボードから行う。F キーは F18 のように表示される
常時非表示ゾーンを有効にする 開いたときにも隠れたままにする2つ目のゾーンを追加する
開いている間はメニューバーを広く使う 開いている間だけアプリの扱いを変え、幅が足りない環境で開きやすくする

自動で畳む秒数は、設定画面では決まった選択肢から選ぶ形ですが、ターミナルからは任意の値を指定できます。ポインタがメニューバーの上にある間はカウントが止まり、離れたところから数え直される作りになっているので、操作の途中で勝手に畳まれる心配はありません。

自動起動の登録に一度失敗した場合は、システム設定の「一般」の「ログイン項目」で Hidden Bar を有効にしてから、アプリ側の設定を一度切って入れ直すと復帰します。古いバージョンが残した「LauncherApplication」という名前のログイン項目が残っていることもありますが、これは現在のバージョンを一度起動すれば自動で解除されます。

常時非表示ゾーンを使うときに気をつけること

常時非表示ゾーンは、矢印を押して開いたときにも出てこない2つ目の隠し場所です。ほとんど押さないアイコンをここに送っておくと、開いたときの見通しがよくなります。

ただし現時点の動きには条件があることが、公式の説明に明記されています。常時非表示のアイコンが確実に画面の外へ出るのは、区切りを隠す設定(option を押しながら矢印をクリックした状態)も同時に有効なときで、区切りが見えている状態では、開いたあとに常時非表示のアイコンが出てきてしまうことがあります。この結び付きは既知の制約として、メニューバー周りの作り直しと合わせて手を入れている最中だと説明されています。

そのため、押せなくなると困るアイコンを常時非表示ゾーンに置くのは、いまは避けたほうが安全です。画面の外に出たまま戻らなくなったアイコンは、 を押しながらドラッグして引き戻すことになりますが、macOS はアプリごとに位置を覚えているため、戻す操作を一度やっておけばその後は保たれます。

うまく動かないときに見る場所

症状ごとに見るべき場所は、おおむね決まっています。

症状 対処
更新のあとに、見せたいアイコンまで隠れた を押しながら、そのアイコンを区切りより右へドラッグする
ログイン時に起動しない システム設定の「一般」の「ログイン項目」で有効にし、アプリ側の設定を切って入れ直す
新しく入れたアプリのアイコンが最初から隠れている macOS が左端に差し込む仕様のため。 ドラッグで一度右へ出せば位置は覚えられる
アプリの表示言語が想定と違う システム設定の「一般」の「言語と地域」にあるアプリごとの言語設定で変える
表示は残っているのに何も隠れない OS のベータ版でメニューバーの作りが変わり、隠す仕組みが働かなくなる場合がある

最後の項目は、この種類の道具に共通する弱点です。メニューバーの構造は macOS の更新で変わることがあり、変わると隠す仕組みそのものが効かなくなります。仕事で毎日使うなら、OS のベータ版に上げるタイミングと、道具の更新が追いついたかどうかを見てから動くほうが安全です。Apple 側の情報は Appleサポート で確認できます。

対応する macOS は道具ごとに違う

無料で使える同種の道具は複数あり、選ぶときにいちばん先に効くのは対応する macOS の下限です。2026年9月5日時点で、各プロジェクトが公開している要件は次の通りです。

道具 ライセンス 対応する macOS
Hidden Bar MIT macOS 13 以降。10.13 から 12 は v1.10 が最後
Ice オープンソース macOS 14 以降(それ以前に対応する予定はないと明記)
Dozer MPL-2.0 macOS 10.13 以降

出典は各プロジェクトの公開リポジトリで、Hidden Bar は github.com/dwarvesf/hidden、Ice は github.com/jordanbaird/Ice、Dozer は github.com/Mortennn/Dozer です。古い Mac を現役で使い続けているなら選べる道具が限られ、逆に最新の macOS を使っているなら、下限より上のどれでも動きます。

なお Hidden Bar には、名前もアイコンもよく似たフォークが複数あります。中には自分でビルドしないと試せないものもあるので、入手先が公式のリポジトリか App Store かは、入れる前に確かめておく価値があります。道具ごとの違いをもう少し細かく並べたものはほかの道具との違いにまとめてあり、隠し方の考え方が道具によってどう変わるかを比較できます。

隠すだけで足りるのか、押せるところまで欲しいのか

Hidden Bar のような道具を入れたあとに残る不満は、だいたい2種類に分かれます。ひとつは「隠したいものは隠れたが、たまに押したいアイコンのために毎回開いて畳む手間が増えた」というもの。もうひとつは「アプリごと、時間帯ごとに出し入れを変えたい」というものです。

前者に対しては、畳んだ状態を崩さずに操作できるかどうかが分かれ目になります。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りになっている道具なら、開いて探して押して畳む、という往復がなくなります。この違いは機能表では小さく見えますが、1日に何度も繰り返す操作なので効き方が大きくなります。整理の考え方と、どの操作をどこまで縮められるかはできることで具体的に確認できます。

後者は、条件やショートカットをどこまで細かく決められるかの話です。会議の間だけ特定のアイコンを出す、電池が減ったときだけ表示する、といった出し入れを自動化したい場合は、その仕組みを持つ道具を選ぶことになります。無料と有料のどちらを選ぶにしても、費用の考え方を先に把握しておくと迷いが減るので、金額の目安は料金を見てから決めるとよいでしょう。導入前に引っかかりやすい点はよくある質問に集めてあり、権限の設定や複数の Mac で使う場合の扱いもそこで確認できます。実際に手元の Mac で挙動を確かめたい場合はダウンロードから試せます。

何を隠して何を残すかを決める順番

道具を入れる前に決めておくと作業が短く済むのが、残す基準です。基準は2つだけで足ります。1つ目は、見えていること自体に意味があるか(接続中かどうか、同期が終わったかどうかを目で確かめる必要があるか)。2つ目は、1日に何度も押すか。どちらにも当てはまらないアイコンは、隠す側に送って問題が起きません。

この基準で分けると、多くの Mac ではメニューバーに残るアイコンが手のひらに収まる数まで減ります。残った少数について、隠したまま押せる必要があるか、条件で自動的に出し入れしたいかを考える。その順番で決めれば、道具の選択は最後に自然と決まります。逆に道具から先に選ぶと、隠す基準が決まらないまま設定画面だけを触ることになり、しばらくして元の状態に戻りがちです。

よくある質問

Hidden Bar は古い Mac でも使えますか?

最新版は macOS 13 Ventura 以降が必要です。macOS 10.13 High Sierra から 12 Monterey までを使っている場合は、v1.10 が対応する最後のリリースとして公開されているので、そちらを入手してください。境目ができた理由は、ログイン時の自動起動が macOS 13 で導入された仕組みに移ったためだと公式に説明されています。

新しく入れたアプリのアイコンが最初から隠れているのはなぜですか?

macOS は新しいメニューバーのアイコンをいちばん左の位置に差し込みます。その位置が隠す側のゾーンに入っているため、入れた直後や更新直後は隠れて見えます。 を押しながらそのアイコンを区切りより右へドラッグすれば戻り、macOS がアプリごとに位置を覚えるので、その後は保たれます。

隠したアイコンを、開かずに押すことはできますか?

道具によって異なります。畳んだ状態から個別のアイコンを押してメニューを開ける作りのものもあれば、いったん開いてから押す前提のものもあります。1日に何度も押すアイコンがある場合は、この違いが使い勝手に直結するので、選ぶ前に確認しておくとよいでしょう。

常時非表示ゾーンには何を入れればよいですか?

月に数回しか押さないもの、状態を目で確かめる必要がないものが向いています。ただし現時点では、区切りを隠す設定と組み合わせないと開いたときに出てきてしまう場合があると公式に説明されているため、押せなくなると困るアイコンを入れるのは避けたほうが安全です。

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