Hidden Barの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと
メニューバーのアイコンを隠す常駐アプリを入れたものの、矢印を押すと全部が消えるだけで、何がどう整理されたのか分からない。そういう状態で止まっている人は少なくない。この道具は設定項目が多いわけではないが、最初に「どのアイコンを区切りの左へ置くか」を決めないと、隠す働きがそのまま使いにくさに変わる。公開されている資料をもとに、入れた直後に決めておくべき順番を整理する。
入手先が3つあり、届くものが同じではない
同じ名前で配られている経路が3つある。どれを選んだかで、手元に入るバージョンと動作要件が変わる。
- Mac App Store。提供元はDwarves Foundation Company Limited、価格は0円。配信中のバージョンは1.8で、最終更新は2021年6月1日、対応は macOS 10.12 以降と記載されている(2026年9月10日時点、Apple のアプリ情報より)
- GitHub のリリース。最新は v1.10 で、公開日は2026年3月3日。配布物は約7.7MBのzipひとつ
- Homebrew。
brew install --cask hiddenbarで入り、caskの版は v1.10。直近365日のインストール数は28,968件と集計されている
つまり、App Store から入れた場合と、GitHub や Homebrew から入れた場合では、届く版が違う。設定画面の項目名や挙動の説明が手元と食い違うときは、まずここを疑うのが早い。
動作要件についても補足がいる。リポジトリの現行の手引きは、必要な環境を macOS 13 Ventura 以降と書いたうえで、Ventura より前(10.13から12.x)では v1.10 を使うよう案内している。v1.10 は、ログイン項目の登録に古い仕組みを使う最後の版という位置づけになっている。古いMacを使っているなら、最新を追わずに v1.10 で止める判断が公式に示されている、と読める。
メニューバーに増える3つの項目の役割
インストール後にメニューバーへ現れるのは、単独のアイコンではない。役割の違う項目が並ぶ。
- 矢印(
<と>)。左クリックで隠した区画を開いたり畳んだりする - 区切り(
|)。この線より左にあるアイコンが、畳んだときに画面の外へ押し出される - 常時隠しの区切り。設定で有効にしたときだけ増える、2つ目の区画
仕組みそのものは、開発元の設計文書に説明がある。OSには他のアプリのアイコンを隠す仕組みが用意されていないため、区切りの項目の横幅を画面幅くらいまで引き伸ばして、左側のものを画面の外へ追い出している。畳む、開くという操作は、この横幅を約20ポイントと引き伸ばした値の間で切り替えているだけになる。横幅には上限があり、OS側が10,000ポイントまでと決めている。
この作りを知っておくと、初期設定の意味が変わってくる。読者がすることは「隠すものを選ぶ」ではなく「区切りより右に残すものを選ぶ」である。
⌘-drag icons in the menu bar to move them across the separator: icons to the separator's left are hidden when collapsed. 出典: github.com
commandキーを押しながらアイコンをドラッグすると、メニューバーの中で位置を動かせる。これはこの道具の機能ではなくmacOSの操作なので、覚えておくと他の場面でも使える。
入れた直後に決めるのは、右に残す3つか4つ
区切りより右に残す枠は、実質的に3つから4つと考えておくと決めやすい。ノッチのあるMacBookでは、右側に置ける数がさらに限られる。次の順で仕分けると詰まりにくい。
- 常に値を見ているもの。バッテリー残量、入力ソース、収録中や配信中の表示など。数字や状態が変わることに意味がある
- 押して操作するもの。音量、Wi-Fi、画面収録、クリップボードの履歴など。1日に何度も押すなら右に残す
- 状態を確認するだけのもの。同期の完了、バックアップの進行、常駐しているだけのユーティリティ。押す回数が週に1回を切るなら左でよい
- 存在すら忘れているもの。入れたことを覚えていないアイコンは、隠すのではなくアプリ側の設定でメニューバー表示を切る余地がある
3番目と4番目を左へ寄せると、それだけで見た目は落ち着く。逆に、1番目を左へ入れてしまうと、値を見るたびに矢印を押すことになり、入れる前より手数が増える。
決めた配置はmacOSがアプリごとに記憶する。一度並べ替えれば、再起動しても位置は残る。
設定画面の6項目で何が決まるか
設定は矢印を右クリックするか、区切りを左クリックして開くメニューから呼び出す。項目は多くない。
| 項目 | 決まること |
|---|---|
| ログイン時に起動 | System Settings の General にあるログイン項目として登録される。取り消しもそこからできる |
| 起動時に設定画面を出す | 起動のたびに設定ウインドウを開くかどうか |
| 自動で畳む | 開いたあと、指定した秒数で自動的に隠し直す |
| 全体のショートカット | 開く、畳むを切り替えるキー。ファンクションキーはF18のように表示される |
| 常時隠しの区画を使う | 開いても隠れたままの2つ目の区画を増やす |
| 開くときにメニューバーを広く使う | 開いている間だけアプリの扱いを変え、幅の足りない環境で見切れを減らす |
最初に触るべきは、ログイン時の起動と自動で畳むの2つになる。ログイン時の起動を入れておかないと、再起動のたびにアイコンが元の並びで出てくる。自動で畳むを入れておくと、確認のために開いたまま放置しても勝手に戻る。ポインタがメニューバーの上にある間は数え直しが入るので、操作の途中で畳まれることは起きにくい作りになっている。
全体のショートカットは、決めるなら他のアプリと重なりにくい組み合わせにしておきたい。ここが重複していると、押しても反応しない状態が「不具合」に見える。
画面に出ない設定はターミナルで切り替える
設定画面には出ないが、defaults コマンドで変えられる項目が3つ公開されている。変更したあとはアプリを終了して開き直す必要がある。
- メニューバーにポインタを乗せて約0.5秒で開く挙動。初期状態では切られている
- 自動で畳むまでの秒数。設定画面は決まった選択肢しか出さないが、コマンドからは任意の秒数を指定できる
- アプリの表示言語。システムの言語順に関わらず固定できる
キー名は hoverToExpand、numberOfSecondForAutoHide、AppleLanguages で、いずれも com.dwarvesv.minimalbar に書き込む。元に戻すときは defaults delete で同じキーを消す。ポインタを乗せて開く挙動は、押す手数が減る一方で、メニューバーの近くを通るたびに開くようになる。まず数日は切ったまま使い、開く回数が多いと感じてから入れる順で試すのがよい。
並べ替えの手が滑るときの動かし方
commandキーを押しながらのドラッグは、慣れるまで空振りしやすい。うまくいかない原因はだいたい3つに絞られる。
- commandキーを押すのがドラッグの後になっている。押しながらつまむ順にする
- つまむ位置がアイコンの端にかかっている。中央をつまむと動きやすい
- 区切りをまたいだつもりで、まだ左側に置かれている。畳んでみて消えるかどうかで判定する
optionキーを押しながら矢印を押すと、区切りと常時隠しの区画の表示だけを切り替えられる。開かずに現状を確かめたいときに使う操作になる。並べ替えの最中は区切りが見えているほうが位置を判断しやすいので、この操作を覚えておくと作業が速い。
矢印や区切りそのものをcommandキーのドラッグでメニューバーの外へ出してしまうと、操作の入口が消える。以前の版ではそのまま復帰できなくなっていたが、現行の作りでは次回の起動時に戻ってくるようになっている。消えたと思っても、まずアプリを終了して開き直せばよい。
複数のディスプレイをつなぐ環境での初期設定
macOSはメニューバーを接続中のすべての画面に複製する。この道具は区切りの幅で隠しているので、幅の基準をどの画面に取るかが問題になる。設計上は、つないでいる中でもっとも横幅の広い画面を基準に計算し、ディスプレイの抜き差しがあったときには自動で計算し直す作りになっている。
そのため、外付けのディスプレイをつないだり外したりしても、初期設定をやり直す必要はない。ただし、並べ替えたアイコンの位置はmacOSがアプリごとに覚えているものなので、画面構成が変わったあとに並びが崩れて見えることはある。その場合も、やることはcommandキーのドラッグでの置き直しだけになる。
ノッチのあるMacBookでは事情がひとつ増える。隠した項目はノッチの下に潜る形になり、その場所で見えるようにはできない。右に残す枠を3つか4つと見積もったのは、この制限を織り込んでのことになる。
常時隠しの区画は、先に制限を知ってから使う
2つ目の区画は、開いても隠れたままにできる場所になる。設定で有効にしたうえで、optionキーを押しながら矢印を押すと表示が切り替わる。
ここには現時点の制限があり、開発元の手引きが明記している。常時隠しの区画に置いたアイコンが確実に画面外へ行くのは、区切り自体を隠す表示にしているときに限られる。区切りが見えている状態では、開いたときに常時隠しのアイコンも出てくることがある。手引きは、この作りを見直している最中だとしたうえで、大事なアイコンを常時隠しの区画に置くのは避けるよう案内している。画面外で行方が分からなくなった項目は、commandキーを押しながら引き戻す操作でしか戻せないためになる。
初期設定の段階では、この区画は有効にしないでおくほうが扱いやすい。1つ目の区画だけで足りるかを2週間ほど試し、それでも残る「絶対に見たくないが終了もできないもの」が出てから使い始めれば十分になる。
隠したあとに残る問題をどう扱うか
初期設定を終えても、残る場面がいくつかある。隠したアイコンに通知の印が付いたとき、それを見るには一度メニューバーを開かなければならない。開いている間は元の混雑した並びに戻るので、目的のアイコンを探す手間は隠す前と変わらない。畳んだままアイコンを押してその場でメニューを開ける作りなら、この往復は起きない。仕組みの違いはできることで整理されている。
同じ悩みに対する道具は複数あり、隠し方の考え方も、常時隠しの扱いも、ノッチへの対応も違う。区切りの幅を伸ばす方式と、別の方式を採る道具の差はほかの道具との違いにまとめてある。費用の面で比べたいなら、買い切りか継続課金かという形の違いも判断材料になるので、料金を先に見ておくと選びやすい。
導入の前に引っかかりやすい点、たとえば権限の要否や、ログイン項目の扱い、複数ディスプレイでの挙動についてはよくある質問に集めてある。実際に手元で並べ替えを試すところまでやってみたい場合は、ダウンロードから入手して、この記事の仕分けの手順をそのまま当てはめれば動きの違いが分かる。
初期設定でいちばん効くのは、設定項目をすべて理解することではない。右に残す3つを決めて、残りを左へ送ることである。その1回の判断が、以後の操作回数を決めている。
よくある質問
入れたあと、どのアイコンから隠せばよいですか?
押す回数が週に1回を切るものから左へ送るのが安全になる。同期の完了表示やバックアップの進行など、状態を眺めるだけのものが該当する。逆に、バッテリー残量や入力ソースのように値を見ることが目的のアイコンは右に残す。まず3つか4つだけ右に残し、足りなければ戻す順で調整する。
App Store版とGitHub版のどちらを入れるべきですか?
配信中のApp Store版は1.8で、更新は2021年6月1日で止まっている。GitHubの最新は2026年3月3日公開の v1.10 になる。新しい版を使いたいならGitHubかHomebrewを選ぶことになるが、更新の手間はその分だけ自分で持つ。手引きは、Ventura より前のmacOSでは v1.10 を使うよう案内している。
自動で畳む秒数を設定画面の選択肢以外にできますか?
できる。numberOfSecondForAutoHide というキーに秒数を書き込む方法が公開されており、設定画面が出す決まった選択肢に縛られない。変更後はアプリを終了して開き直す必要がある。元に戻すときは同じキーを削除すれば、設定画面の値に戻る。
常時隠しの区画は最初から使ったほうがよいですか?
急がなくてよい。開発元の手引きは、常時隠しの項目が確実に隠れるのは区切り自体を隠しているときだけだと明記し、大事なアイコンを置かないよう案内している。まず通常の区画だけで2週間ほど運用し、それでも隠しきれないものが残ってから有効にする順が扱いやすい。