MacBookのノッチを隠す3つの方法と、隠しても変わらないこと
MacBookのノッチを隠す方法を探している人の目的は、大きく2つに分かれる。見るたびに気になる張り出しを視界から消したいのか、アイコンが食われて押せなくなるのを止めたいのかである。目的が違えば選ぶ手も変わる。ここでは隠す手段を3つに分け、手順と代償を並べたうえで、隠しても変わらない部分がどこなのかまで書く。
隠したい理由は、見た目と実害の2つに分かれる
ノッチのあるMacBookは、いまでは少数派ではない。Appleのモデル識別ページをたどると、14インチと16インチのMacBook Proは2021年のモデルから、MacBook AirはM2の2022年のモデルから、内蔵画面の上辺にカメラの張り出しを持っている。その後の世代も同じ構造を引き継いでいる。
見た目が気になる、という話から入ると分かりにくくなるので、事実から押さえておきたい。張り出しが入ったことで、画面そのものは小さくなったわけではない。
ノッチを採用したので、MacBook ProはFace IDを搭載していると勘違いした人もいますが(実際は搭載していません)、画面の面積は少し大きくなりました。 出典: lifehacker.jp
帯の左右に画面が広がったぶん、表示できる面積は増えている。ただし増えた場所はメニューバーの高さにあたる部分なので、作業に使える領域が広がった実感は出にくい。ここが「得をした気がしない」の正体になる。
実害のほうははっきりしている。メニューバーの右端に並ぶ状況メニューは、前面のアプリのメニューが伸びたときに押し出される。帯の中央が使えないぶん、押し出されるのが早い。押したいアイコンが描かれなくなり、しかも減ったことを知らせる合図は出ない。この2つの目的のどちらなのかを決めてから、下の3つを見ていきたい。
方法1: 壁紙と配色で境目を消す
いちばん手軽なのは、壁紙側で境目を見えなくする方法である。macOSはメニューバーの帯の色を壁紙に合わせて変えるので、画面の上部が黒い壁紙を選ぶと、帯とカメラの張り出しの境目が溶ける。
手順は次のとおりになる。
- 画面の上部が黒い、あるいは上部だけ黒く塗った壁紙を用意する
- システム設定の「壁紙」を開き、その画像を選ぶ
- 外観モードをダークにすると、帯の文字と背景の対比も落ち着く
- メニューバーのアイコンの間隔を詰められる道具を使っているなら、張り出しの左右に寄せておく
この方法の良い点は、失うものが無いことである。画面の高さは減らないし、アプリの動きも変わらない。壁紙を戻せば元に戻る。デスクトップに書類を並べる人でも、上部が黒いだけなので邪魔になりにくい。
弱い点は、明るい写真を壁紙にしたい人には合わないところと、フルスクリーンにしたアプリでは効かないところである。フルスクリーンのときの帯の色は、そのアプリの配色で決まる。白い画面のアプリを全画面で使うと、張り出しはまた見えてくる。
方法2: 内蔵カメラの下に表示を合わせる
張り出しを表示領域から外してしまう方法もある。アプリごとの設定として用意されているもので、有効にすると、そのアプリの表示がカメラより下の範囲に収まる。ノッチの左右は黒く塗られ、帯の位置は張り出しの下に下がる。
手順はアプリ単位になる。
- Finderで「アプリケーション」を開き、対象のアプリを選ぶ
- Controlキーを押したままクリックして「情報を見る」を開く
- 内蔵カメラの下に合わせて拡大や縮小をする項目にチェックを入れる
- そのアプリを一度終了し、開き直す
代償は画面の高さである。上端が使えなくなるぶん、縦の領域が減る。この手当てを試した記録には、次の感想が残っている。
すでにお気づきかと思いますが、ノッチの左右が真っ黒なデッドスペースとなり、14インチのディスプレイが13.9インチぐらいになります。せっかく14インチあるのに、ちょっとだけもったいない感じ。 出典: indoorheart.com
もう1つの弱点は、アプリごとに掛ける設定であることだ。全部のアプリに当てるなら、その回数だけ同じ操作を繰り返すことになる。設定したアプリと設定していないアプリを行き来すると、切り替えるたびに帯の高さが変わって落ち着かない。動画を全画面で見るときや、写真を並べて見るときに限って使う、という当て方が現実的である。
方法3: メニューバー自体を自動で隠す
帯そのものを画面から消してしまう設定もある。Appleの利用ガイドは次のように説明している。
メニューバーを自動的に非表示にするようにオプションを設定すると、ポインタを画面上部に移動したときだけ表示されるようになります。 出典: support.apple.com
システム設定のコントロールセンターにある、メニューバーの表示に関する項目から切り替える。帯が消えると、上端に残るのは張り出しの黒い形だけになる。壁紙の上部が黒ければ、その形も見えにくくなる。
この方法は、画面を広く使いたい人と相性が良い。縦の領域はメニューバーの高さのぶん戻る。文章を書く、コードを書く、図面を引くといった縦に長い作業では、この差が効いてくる。
弱い点は、時計や電池の残量を目で確認する動作が増えることである。見たいたびにポインタを上端へ運ぶことになり、大きな外部ディスプレイを使っているほど移動の距離が伸びる。時計を常に見ておきたい人には向かない。
3つの方法を並べて比べる
同じ「隠す」でも、失うものと残る問題が違う。表にすると選びやすくなる。
| 方法 | 失うもの | アイコンの問題 | 戻しやすさ |
|---|---|---|---|
| 壁紙と配色で境目を消す | 明るい壁紙を選べない | 残る | 壁紙を戻すだけ |
| 内蔵カメラの下に合わせる | 画面の縦の領域 | 残る | アプリごとに戻す |
| メニューバーを自動で隠す | 時計や残量の見やすさ | 残る | 設定を1つ戻す |
3つを見比べると、いちばん右の列の手前に同じ言葉が並ぶ。どの方法を選んでも、アイコンが入りきらない問題は残る。張り出しを視界から消すことと、帯に並ぶ数を増やすことは別の話だからである。
組み合わせるなら、壁紙で境目を消し、そのうえで帯の中身を減らすのが素直な順番になる。実際に試した記録も、設定側で表示を減らすことと、道具に頼ることの両方を挙げている。
個人的な結論としては、設定アプリから「ステージマネージャ」等をメニューバーから非表示にしたうえで、「”ノッチ”カスタマイズアプリ」に頼るしかない、という感じ。 出典: indoorheart.com
全画面表示と外部ディスプレイでの見え方
隠す設定を入れたあとに「効いていない」と感じる場面が2つある。どちらも仕組みの話なので、先に押さえておくと迷わない。
1つ目は全画面表示である。アプリをフルスクリーンにすると、メニューバーは上端から引っ込む。帯の色はそのアプリの配色で決まるので、壁紙を黒くしていても効かない。白い背景の文書アプリを全画面で使うと、張り出しの黒い形がはっきり見える。この場面を消したいなら、そのアプリに限って内蔵カメラの下に合わせる設定を当てるのが早い。
2つ目は外部ディスプレイである。外部ディスプレイの帯には張り出しが無いので、そちらにウインドウを移すと問題そのものが消える。ここで見落としやすいのが、内蔵画面と外部ディスプレイでメニューバーの状態が別々に動くことである。ウインドウを移すと帯も移るため、内蔵画面側のアイコンの並びは外部ディスプレイ側の並びと同じにならないことがある。
繋いだり外したりを繰り返す使い方では、構成が変わるたびに置ける数が変わり、並びが崩れる。macOSは並び順をアイコンを出しているアプリ側に覚えさせる作りなので、直した並びがそのアプリの次の起動まで反映されないこともある。ディスプレイの構成ごとに並びを覚えてくれる作りの道具を使うと、この往復で並べ直す作業が消える。
帯の中身を減らす手順
隠す方法を決めたら、次は帯に並ぶ数を減らす。標準の機能だけでできることが3つある。
1つ目は並べ替えである。Appleの案内では、状況メニューの配置を変えるにはCommandキーを押したままアイコンをドラッグする、と説明されている。よく押すものを左に寄せておけば、押し出されるのは使う頻度の低いものになる。
2つ目は帯から外すことである。同じくCommandキーを押したまま、アイコンをメニューバーの外へドラッグすると消える。戻すときは各アプリの設定から出し直すことになるので、外す前にどのアプリのものかを控えておきたい。
3つ目は幅を食っている表示を削ることである。時計を秒付きや曜日付きにしていると、その分だけ横幅を使う。日付の形式を短くするだけで、アイコン1つぶんから2つぶんの幅が戻ることがある。コントロールセンターに送れるものを送るのも同じ効果がある。
この3つは、どれも設定を戻すのが一瞬で済む。そのため、原因が幅なのかどうかを確かめる手段としても使える。並べ替えと表示の短縮だけでアイコンが戻るなら、足りていなかったのは幅であって、道具を入れる前にできることが残っていたということになる。逆に、これだけでは足りないと分かるなら、そこから先は畳んで呼び出す形に切り替える判断材料になる。
ここまでやって足りない場合は、押す頻度で3段階に分ける考え方に移る。1日に何度も押すものだけを帯に残し、気になったときだけ押すものは畳んで呼び出す形にし、動いていれば十分なものは常時隠す。この分け方にすると、ノッチの右側に残るのは数個になる。
隠すより、呼び出せるようにする
張り出しを隠す作業の先には、隠したアイコンをどう呼び出すかという話が残る。ここは道具によって作りが違い、手数に直接出る。
できることには、使っていないアイコンを仕切りの左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま呼び出す仕組みが並んでいる。残量の数字やバッジは、アイコンの絵柄そのものに描かれているため、似せた別の絵に置き換えられると呼び出した意味が薄れる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、展開して押し直す手間も消える。出しかたをノッチを押す操作に割り当てられるものもあり、張り出しそのものをボタンとして使う形になる。
同じ用途の道具は無料のものから買い切りのものまであり、価格と払い方の並びはほかの道具との違いに調査日つきで載っている。買い切りは1,980円から3,494円あたりに並び、年額の選択肢を持つものもある。買い切りがどのバージョンまでを指すのかは料金で確かめておきたい。
画面収録とアクセシビリティの許可がなぜ要るのかはよくある質問に説明があり、乗り換えのときに前の道具の分け方を読み込めるかもそこに書かれている。対応するmacOSの下限と試用の条件を見てから手元で試すなら、ダウンロードから入る流れになる。試用が14日間あるものなら、外部ディスプレイを繋ぐ日と繋がない日の両方を挟んで確かめられる。
手順を整理しておく。まず目的を決める。見た目だけが気になるなら壁紙と配色で足り、画面を広く使いたいならメニューバーを自動で隠す設定を足す。アイコンが押せないことが不満なら、隠す作業ではなく帯の中身を減らす作業に移る。並べ替えと削除で応急処置をし、それでも足りなければ押す頻度で3段階に分け、呼び出し方が手の動きに合う道具を試用の期間で選ぶ。この順で進めると、どの方法にも手を出して結局どれも中途半端になる状態を避けられる。
よくある質問
ノッチを完全に消す方法はある?
画面の構造そのものは変えられないため、視界から見えにくくする手当てになる。壁紙の上部を黒くして境目を溶かす、アプリごとに内蔵カメラの下へ表示を合わせて左右を黒く塗る、メニューバーを自動で隠して上端の帯を消す、の3つが選べる。どれも設定を戻せば元の状態に戻る。
壁紙を黒くする方法と、カメラの下に合わせる方法はどちらが良い?
失うものが違う。壁紙の方法は画面の高さを失わず、明るい写真を壁紙にできなくなるだけである。カメラの下に合わせる方法は張り出しが表示領域から外れる代わりに、縦の領域が減る。アプリごとの設定なので、全画面で映像を見るときだけ当てる使い方が合う。
ノッチを隠せば、消えたアイコンも戻る?
戻らない。張り出しを視界から消すことと、帯に並ぶアイコンの数を増やすことは別の問題である。アイコンが押せない状態を直すには、Commandキーを押しながらの並べ替えや削除で数を減らすか、畳んだものを呼び出せる常駐アプリを入れることになる。
メニューバーを自動で隠すと、何が不便になる?
時計や電池の残量を目で確認するたびに、ポインタを画面の上端へ運ぶ動作が増える。大きな外部ディスプレイを使っているほど移動の距離が伸びる。逆に、縦に長い書類やコードを扱う作業では、帯の高さぶんの領域が戻るので相性が良い。