Ice daitaiを探す前に|手放してよい機能を先に決める

Ice daitaiという調べ方をしている時点で、いま使っているものに何か引っかかりがある。動かない項目があるのか、欲しい機能が入っていないのか、更新の間隔が気になっているのか。理由は人によって違うが、代わりを探す作業を候補集めから始めると決まらなくなる。候補はどれも「メニューバーのアイコンを隠す」という同じ説明文を持っているためである。先に片付けるべきなのは、いま自分が実際に使っている機能を数えることのほうになる。

公開されている情報で、いまの状態を確かめる

判断の土台として、事実だけを並べる。Iceは無料で配布されているmacOS向けのメニューバー管理ツールで、ライセンスはGPL-3.0、動作条件はmacOS 14以降になっている。開発元は、macOS 14から使えるようになったシステムのAPIをいくつも使っているため、それ以前のバージョンに対応する予定はないと説明している。

配布はGitHubのリリースページからの直接ダウンロードと、Homebrewのcaskの2経路がある。更新の確認先はGitHub Pagesに置かれた配信ファイルで、アプリ内から自動更新が届く作りになっている。

公開されているリリースの日付は次のとおりで、2026年9月10日に確認したものになる。

公開日
0.11.13-dev.2 2025年9月16日
0.11.13-dev.1 2025年6月20日
0.11.12 2024年10月29日
0.11.11 2024年10月19日

版数の末尾にdevが付いた2つは開発版として公開されているもので、それを除くと最後の版は2024年10月のものになる。開発元自身も、READMEの冒頭でこの状態を明記している。

Ice is currently in active development. Some features have not yet been implemented. 出典: github.com

この事実に価値判断を足す必要はない。読む側が決めるのは、自分の使い方がすでに実装済みの範囲で足りているかどうか、という一点になる。

実装済みと未実装の線は、公開されている一覧で引ける

Iceのロードマップは、実装済みの項目にチェックが付いた形で公開されている。代わりを探すかどうかの判断は、この一覧を上から読んで、自分が触ったことのある項目に印を付けるところから始めると早い。

実装済みとされているのは次の範囲になる。

  • アイコンを隠す機能と、常に隠しておく区画の2段構え
  • メニューバーにカーソルを乗せる、空いた場所を押す、指を滑らせるという3通りの出し方
  • 一定時間で自動的に隠し直す動き
  • 出したアイコンとアプリのメニューが重なるとき、アプリ側のメニューを隠す動き
  • アイコンを掴んで並べ替える画面
  • 隠したアイコンを別の帯に出す表示。ノッチのあるMacBook向けに用意されている
  • アイコンの名前で探す検索
  • アイコンどうしの間隔の調整。これは試験段階として扱われている
  • メニューバーの色や影、枠、形の変更
  • 区画の開閉、検索、帯の有効化などに割り当てるキーボードショートカット
  • ログイン時の自動起動と自動更新

一方、まだ入っていないとされているのは次の範囲になる。

  • レイアウトの組み合わせを保存して切り替える機能
  • アイコンの間に置く区切り
  • 複数のアイコンを1つにまとめる機能
  • 条件を満たしたときに自動でアイコンを出す仕組み
  • メニューバーの背景そのものを消す表示
  • 明るい配色と暗い配色で設定を分ける機能
  • 特定のアイコンだけを一時的に出す操作

この2つの一覧を突き合わせると、判断はかなり単純になる。印を付けた項目がすべて上の一覧に収まっているなら、機能を理由に移る必然性は薄い。下の一覧に強く必要なものがあるなら、それを持っている道具を探す話になる。

実際に印を付けてみると、多くの人が使っているのは3つか4つに収まる。アイコンを隠す、必要なときに出す、しばらくしたら隠し直す、この3つで日常の用は足りているという結果になりやすい。並べ替えの画面や色の変更は、導入時に一度触ったきりというのがよくある形になる。

数が3つか4つに収まるなら、代わりを探す動機は機能ではないところにある可能性が高い。動かない項目があるのか、OSを上げたあとに挙動が変わったのか、常駐そのものを減らしたいのか。ここを言葉にしておかないと、乗り換えた先で同じ引っかかりに当たることになる。とくに、特定のアイコンだけが隠れないといった症状は、道具を替えても直らない種類のものがある。相手側のアプリがメニューバーの項目を作り直す作りだと、どの道具から見ても同じ扱いになるためである。

候補を見るときは、値段より先に4つを確かめる

メニューバーを整理する道具は数が多く、名前で検索すれば一覧記事はいくらでも出てくる。ただし、そうした一覧は書かれた時点の情報で止まっていることがある。候補ごとに確かめたいのは次の4点になる。

  • 提供が終わっていないか
  • 新規の受け付けが止まっていないか
  • 運営する会社が変わっていないか
  • 料金の仕組みが変わっていないか

3つ目は実際に起きている。Bartenderの公式サイトの著作権表示を過去にさかのぼると、2024年4月時点ではSurtees Studios、同年8月時点ではBartender App LLC、そして2026年9月10日に見た時点ではApplause Group, Inc.になっている。何が良い悪いという話ではなく、長く使う道具の運営元が入れ替わったという事実として押さえておく類の情報になる。

4つ目も同じく確認しておきたい。同じサイトの購入ページを2026年9月10日に開くと、買い切りのBartender 6が3,070円、年額のBartender Proが2,093円、生涯利用のMega Supporterが12,280円と表示される。4週間の無料試用と14日の返金期間があり、2025年にBartender 5を購入した人は6へ無料で上げられるという案内も出ている。価格は表示地域によって変わるため、自分の環境で開いて確かめるのが確実になる。

無料で配られている選択肢は、更新の止まり方まで見る

費用をかけない方向で探す場合、有志が公開している道具が候補に入る。ここでも見るべきは機能ではなく更新の状況になる。

名前 ライセンス 直近のリリース
Ice GPL-3.0 2025年9月16日(開発版)
Hidden Bar MIT 2026年3月3日
Dozer MPL-2.0 2020年7月13日

いずれも2026年9月10日にGitHubのリリースページで確認したものになる。Dozerは公開が止まっているわけではなく、リポジトリも残っているが、最後の版から6年が過ぎている。macOSは毎年更新され、メニューバーの扱いは特に変更を受けやすい領域なので、この差は使い勝手に直結する。

ライセンスの違いも、乗り換えの前提として見ておく価値がある。GPL-3.0は改変して配る場合に同じ条件での公開を求める形、MITは条件が緩い形、MPL-2.0はその中間にあたる。自分で改造して使うつもりがないなら日常の使用に差は出ないが、社内で配る、業務端末に入れるといった場面では確認が要る項目になる。

2本を同時に動かさない

候補を試すときに起きやすい事故がある。いま使っているものを残したまま次の候補を入れて、両方が同時にメニューバーを操作する状態になることである。この種の道具は、アイコンの位置を動かし、幅を詰め、表示と非表示を切り替えることで働いている。同じ領域を2本が別々の考えで動かすと、アイコンが行方不明になったり、隠したはずのものが出てきたりする。

比べる作業は、面倒でも1本ずつ行うほうが結果的に早い。前の1本を終了させてから次を起動し、同じ手順を試して感触を見る。終了させるだけでは残る設定もあるので、しばらく使わないと決めたものは本体ごと外しておくと切り分けが楽になる。

もう1つ、試す前に見ておきたいのが、アイコンの間隔を変える機能の扱いになる。この設定はmacOSの側の値を書き換える性質のもので、Iceの場合は適用時にメニューバーへアイコンを出している全アプリを起動し直す動きが入る。アプリによっては終了に失敗して手動で立ち上げ直すことになる旨も、アプリ内の説明に書かれている。間隔の調整を試すのは、作業中でない時間帯にしておきたい。

macOS側でどこまでできるかも数に入れる

道具を入れる前に、OSの機能で足りる部分がある。システム設定のコントロールセンターには、Wi-Fiやバッテリーといった標準の項目をメニューバーに出すかどうかの設定が並んでいる。使っていない標準項目を切るだけで、いくつか枠が空くことがある。

標準の項目については、Commandキーを押しながらアイコンを掴むと位置を入れ替えられ、メニューバーの外へ引き出して外すこともできる。ここで扱えるのは標準側の項目に限られ、アプリが自分で出しているアイコンは対象外になる。

つまりOSが受け持つのは並べ替えと標準項目の取捨までで、アプリ側のアイコンを畳んでおく働きは持っていない。常駐アプリが5本を超えたあたりから、道具を入れるかどうかの判断が現実的になる。

ノッチのあるMacBookでは、この線引きがもう少し厳しくなる。画面の上端の中央がカメラの領域に取られているため、アイコンが増えると左側のアプリメニューと衝突し、右から並んだアイコンが中央の手前で見えなくなる。標準項目を減らして枠を作る手当ては、この状況では焼け石に水になりやすい。隠したアイコンを別の帯に出す表示が、ノッチ向けの機能として各種の道具に用意されているのは、この事情による。外部ディスプレイに繋いだときと繋いでいないときで見え方が変わるので、両方の状態で試しておくと判断を誤らない。

決め方を1本にする

ここまでの材料をまとめると、判断は次の順番で付く。まず実際に使っている機能に印を付ける。次に、その全部が候補の実装済み範囲に入っているかを見る。最後に、更新の状況と運営元と料金の仕組みを確かめる。この順番で見れば、候補が3つあっても迷う時間は短い。

見落としやすいのは、隠したあとの取り出し方の設計になる。隠す機能はどの道具にもあるが、隠したアイコンを使うときの手数は作りによって差が出る。畳んだ状態から一度全部を展開し、目的のアイコンを押し、また畳むという流れになると、隠したことで操作が増える。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、この往復が消える。候補を試すときは、この一点を実際に触って確かめたい。

道具ごとに受け持つ範囲が違うので、対応関係を並べた資料があると比較が早くなる。機能の対応表はほかの道具との違いにまとまっており、個々の機能が何をするかはできることに説明がある。費用の線引きは製品ごとに考え方が違うため、料金で仕組みを見てから試用に入るとよい。動作条件や導入時の疑問はよくある質問に集めてあり、実際に手元で確かめる場合の入手先はダウンロードにある。

最後に1つ。乗り換えの前に、いまの設定を書き出しておくと戻しやすい。隠している区画の構成、割り当てたショートカット、並び順の3つを控えておけば、試した道具が合わなかったときに元へ戻す作業が数分で済む。代わりを探す作業で消耗しないための、いちばん単純な保険になる。

よくある質問

Iceは開発が止まっているのですか?

リポジトリは公開されたままで、開発元は現在も開発中だと説明しています。ただし公開されているリリースを見ると、開発版を除いた最後の版は2024年10月29日の0.11.12で、開発版は2025年9月16日の0.11.13-dev.2が最新です。2026年9月10日時点の情報なので、判断する前にリリースページを開いて最新の状況を確かめてください。

無料の道具と有料の道具で、何がいちばん違いますか?

機能の数そのものより、対応の速さと受け持つ範囲に差が出やすい部分です。macOSは毎年更新され、メニューバーの扱いは変更を受けやすい領域のため、新しいOSが出たあとの対応時期が使い勝手に直結します。有料の製品では、レイアウトの保存や条件による自動表示といった項目が並ぶことが多くなっています。

乗り換えると設定は引き継げますか?

道具の間で設定を移す共通の形式はないため、隠す区画の構成やショートカットの割り当ては入れ直しになります。作業自体は数分で終わりますが、元に戻す可能性があるなら、現在の構成を控えてから乗り換えると安全です。並び順も控えておくと復元が早くなります。

macOSの標準機能だけで済ませられますか?

標準の項目に限れば可能です。システム設定のコントロールセンターで表示の有無を選べますし、Commandキーを押しながら掴めば並べ替えや取り外しができます。ただし対象は標準側の項目だけで、アプリが自分で出しているアイコンを畳んでおく働きはありません。常駐アプリが増えてきた場合は道具を入れる判断になります。

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