Iceの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと

Iceの使い方でつまずく場所は、操作の難しさではなく、決める項目の多さにあります。アイコンを隠すという目的は単純でも、どれを隠すのか、隠したものをどうやって出すのか、出したものをいつ戻すのかを、入れた直後に決めることになるためです。ここを決めないまま使い始めると、必要なときに見つからない、あるいは隠したはずのものが出たままになる、という状態に落ち着きます。

この記事は、導入から設定までを決める順番で並べたものです。設定画面の項目名は、2026年9月10日時点で公開されているものにもとづいています。

入れる前に確かめる2つのこと

1つ目は、使っているmacOSの版です。動作に必要なOSとしてmacOS 14以降が挙げられており、それより前の版に対応する予定はないと明記されています。理由も公開されています。

Ice uses a number of system APIs that are available starting in macOS 14. As such, there are no plans to support earlier versions of macOS. 出典: github.com

Appleのメニューに入っている「このMacについて」で、いまの版を先に確かめておきます。

2つ目は、メニューバーを整理する道具がすでに入っていないかどうかです。この種類のアプリは、いずれもメニューバーの項目を掴んで動かすという同じ仕事をします。2つが同時に動いていると、片方が動かした項目をもう片方が元に戻そうとして、アイコンが行ったり来たりする状態になります。試すために入れるのであっても、先に入っているほうを一度終了させてから始めるほうが、切り分けが楽になります。

導入の入口は2つ。開いた直後は何も起きない

配布元が案内している導入は2通りです。リリースのページから配布物をダウンロードして、展開したアプリをアプリケーションフォルダへ移す方法と、Homebrewを使う場合に brew install --cask jordanbaird-ice を実行する方法です。

初回に起動すると、メニューバーに専用のアイコンが増えます。この時点では、まだ何も隠れていません。隠す仕組みが動き出すのは、次に説明する権限を渡してからです。「入れたのに何も変わらない」という状態は、たいていここで止まっています。

権限は2種類。必須が1つ、任意が1つ

設定画面には権限の欄があり、求められるものが2つに分かれています。ここが最初の関門です。

  • アクセシビリティ(必須)。メニューバーの状態をその場で読み取ることと、項目を並べ替えることに使われる
  • 画面収録(任意)。メニューバーの見た目を変えることと、個々の項目の絵を表示することに使われる

必須のほうを渡さないと、隠す動きそのものが働きません。項目を動かす仕事が、Macの操作を代行する仕組みの上に乗っているためです。システム設定のプライバシーとセキュリティを開き、アクセシビリティの一覧に追加して、スイッチを入れます。

任意のほうは性質が違います。配布中の版では、この権限がなくても限定された形で動くようになりました。渡さない場合に使えなくなるのは、メニューバーの色や形を変える機能と、隠れている項目を絵として一覧に出す表示です。隠すこと自体は権限なしでもできます。画面の内容を読み取る権限を渡したくない場合は、この2つを諦める前提で設定を組み立てることになります。

区画は3つ。仕切りの位置で決まる

この道具の考え方は、メニューバーを3つの区画に割ることです。名前は次のとおりです。

  • 見える区画(常に表示されたまま)
  • 隠す区画(普段は畳まれていて、操作したときだけ出てくる)
  • 常に隠す区画(初期状態では無効。有効にすると、意図的に呼ばないかぎり出てこない)

3つ目は初期状態で切られています。使いたい場合は、詳細設定の側で有効にします。有効にすると仕切りが1つ増え、そこより奥に入れた項目は、通常の操作では出てきません。呼び出すときはOptionキーを押しながら仕切りを押します。年に数回しか使わない常駐アプリを、目に入らないところへ追いやるための区画だと考えると分かりやすくなります。

仕切りそのものを画面に出すかどうかも選べます。仕切りを表示すると、括弧の記号がメニューバーに増え、どこまでが見える区画なのかが目で分かるようになります。慣れるまでは出しておき、配置が固まったら消す、という進め方が現実的です。

振り分けは設定画面の一覧で行う

どの項目をどの区画に置くかは、設定画面のレイアウトの欄で決めます。区画ごとに枠が並んでいるので、項目をつまんで別の枠へ移します。メニューバーの上で直接動かす場合は、Commandキーを押しながらアイコンを引きずります。これはmacOSが元から持っている操作です。

ここで知っておくと役に立つのは、並べ替えの結果がどこに記録されるかです。この道具は、項目を動かすときに、人がCommandキーを押しながら引きずったのと同じ操作を機械的に再現しています。つまり、並び順を覚えているのはmacOSの側です。この性質は後々効いてきます。

振り分けの目安としては、押す頻度で3つに割るのが手早い方法です。1日に何度も押すものは見える区画に残します。押すことはまれだが状態を見たいもの(同期や通信の状況を色で示すもの)は隠す区画に置きます。状態も見ないし押しもしないが、終了させると困るものは、常に隠す区画へ送ります。

出し方を3つの中から選ぶ

隠した項目をどうやって呼び戻すかは、3つの操作から選べます。それぞれ独立して入り切りできるので、全部入れることも、1つだけにすることもできます。

  • クリックで出す。メニューバーの空いているところを押したときに開く
  • ホバーで出す。ポインタをメニューバーに乗せたときに開く
  • スクロールで出す。メニューバーの上で指を滑らせたときに開く

ホバーは便利な反面、意図せず開くことがあります。詳細設定に「開くまでの待ち時間」があるので、勝手に開いて邪魔だと感じたら、いきなり切るのではなく待ち時間を伸ばすほうが使い勝手が残ります。

戻し方は3つの考え方から選ぶ

出した項目を放置すると、隠す意味がなくなります。自動で戻す設定があり、戻し方が3通り用意されています。

戻し方 動作
賢く戻す 状況を見て判断する
時間で戻す 決めた秒数が過ぎたら戻す
アプリの切り替えで戻す 前面のアプリが変わった時点で戻す

3つ目は、作業の区切りと連動するため、動きが読みやすいという特徴があります。2つ目は、秒数を自分で決められるので、何秒で戻るかが確実に分かります。まず時間で戻す設定にして、短すぎると感じたら秒数を伸ばす進め方が、挙動を把握しやすい順番です。

ノッチのあるMacでは、別の帯に出す表示が効く

画面上部にノッチのあるMacBookでは、メニューバーの中央に切れ目があるため、項目が増えると切れ目の向こう側へ回り込んで見えなくなります。この状態は、隠しているのではなく描画されていないだけなので、どこにあるのか分からなくなります。

この道具には、隠した項目をメニューバーの中ではなく、その下に別の帯として出す表示があります。帯を出す位置も3通りから選べます。状況に応じて変わる位置、ポインタの真下、専用アイコンの真下です。ノッチのある機械では、この表示を入れておくと、項目の数が増えても隠れた分が必ず見える場所に出ます。

キー操作は初期状態では割り当てられていない

キーボードからの呼び出しは用意されていますが、初期状態ではどれにもキーが割り当てられていません。使うには自分で決める必要があります。割り当てられる動作は、隠す区画の開閉、常に隠す区画の開閉、項目の検索、帯表示の入り切り、仕切りの表示切り替え、アプリのメニューの一時的な非表示の6つです。

このうち、最初に決めておく価値が高いのは検索です。項目の数が増えるほど、目で探すより名前で探すほうが速くなります。ほかのアプリと重ならない組み合わせを1つ決めておけば、隠す設定をどれだけ攻めても、目的のものにはたどり着けます。

自分のアイコンを消したときに、設定を開く方法

整理を進めていくと、整理するための道具のアイコン自体がメニューバーの枠を1つ使っていることに気づきます。この道具では、自分のアイコンを表示しない設定を選べます。ただし、消してしまうと設定画面を開く入口が見えなくなるため、別の開き方を覚えておく必要があります。

設定画面にも、その旨の案内が添えられています。アイコンを消したあとは、メニューバーの空いているところを右クリックすると設定を開けます。この操作を知らないまま消すと、設定に戻れなくなったように見えます。表示するアイコンの絵柄を選ぶ設定や、システムの外観に合わせて色を変える設定も同じ欄にあるので、消す前に一度その並びを見ておくと安心です。

なお、右クリックで開くメニュー自体を出さない設定も詳細側にあります。両方を切ると入口がさらに減るので、片方ずつ試すのが安全です。

左側が長いアプリで、右側が押せなくなるとき

メニューバーの詰まりは、右側の常駐アイコンだけが原因ではありません。左側に並ぶアプリ自身のメニューが長いと、画面の幅を左右から食い合う形になり、隠していた項目を出したときに、出したはずのものが表示しきれないことがあります。開発系のアプリや、項目名の長い業務アプリでよく起きます。

この状態のために、項目を出している間だけアプリ側のメニューを隠す設定が用意されています。詳細設定の一番上にある項目で、入れておくと、隠した項目を呼び出した瞬間だけ左側が引っ込み、右側の表示に必要な幅が確保されます。同じ動作をキー操作に割り当てることもできます。13インチのMacBookのように横幅が限られている機械では、この設定の有無で使い勝手がはっきり変わります。

間隔の設定だけは性質が違う

アイコン同士の間隔を詰める設定があり、これを使うと同じ幅により多くの項目が並びます。ただしこの設定だけは、ほかの項目と性質が違います。アプリの内部ではなく、Mac全体の設定を書き換える形で効くためです。

設定画面にも、この項目を変えたときは一度ログアウトして入り直す必要があるかもしれない、という注意が添えられています。変更を反映させる過程で、メニューバーに常駐しているアプリがいったん終了することもあります。作業中のアプリを閉じてよい時間帯に触る項目だと考えてください。あとで元に戻すときにも同じ手順が必要になるので、まずは初期値のまま使い、幅が足りないと分かってから触るほうが手戻りが少なくなります。

入れた日に、ここまで決めておく

最後に、決める順番を1つにまとめます。権限を渡す、区画を3つに割ってアイコンを振り分ける、出し方を1つに絞る、戻し方を決める、検索のキーを1つ決める。この5つが済んでいれば、翌日から迷わずに使えます。見た目と間隔は、配置が固まってから触っても遅くありません。

決めていく途中で、この道具の作りが自分の使い方に合わないと感じる場面が出てくることもあります。多いのは、隠した項目を押すまでの手数です。隠す・出すの動きだけを比べるとどの道具も似ていますが、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかで、1日に何十回も繰り返す操作の長さが変わります。

各項目でどこまでできるかを並べて確かめたい場合はできることに一覧があり、権限の要り方や設定の引き継ぎまで含めた違いはほかの道具との違いにまとまっています。支払いの形を先に決めたい場合は料金、権限まわりでつまずいたときの確認先はよくある質問が近道です。実際に手元で比べる段階に入ったらダウンロードから進められます。

よくある質問

入れたのにアイコンが隠れません。何が足りませんか?

アクセシビリティの権限が渡っていない可能性が高いです。この権限は必須で、メニューバーの状態を読み取ることと項目を動かすことの両方に使われます。システム設定のプライバシーとセキュリティを開き、アクセシビリティの一覧にアプリを追加してスイッチを入れてください。入れたあとに一度終了して起動し直すと確実です。

画面収録の権限は渡さないといけませんか?

必須ではありません。配布中の版では、渡さない場合でも限定された形で動きます。渡さないときに使えなくなるのは、メニューバーの色や形を変える機能と、隠れている項目を絵として表示する機能です。隠す動作そのものは権限なしで働きます。

「常に隠す区画」はどう使い分ければよいですか?

押すことも状態を見ることもないが、終了させると困る常駐アプリを入れる場所として使います。初期状態では無効なので、詳細設定で有効にしてから使います。有効にすると仕切りが1つ増え、その奥に入れた項目はOptionキーを押しながら仕切りを押したときだけ出てきます。

アイコンの間隔を詰める設定は、いつ触るのがよいですか?

配置が固まったあとにしてください。この設定はアプリの内部ではなくMac全体の設定を書き換えるため、反映のために一度ログアウトして入り直す必要が出ることがあり、常駐アプリがいったん終了する場合もあります。作業中に触ると中断が発生します。

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