iStat Menusの代わりを探すとき|手放してよい機能を先に決める

iStat Menus の代わりを探し始めると、候補の一覧を見ているうちに手が止まります。CPU も、メモリも、温度も、天気も出せると書いてあって、どれも同じに見えるからです。決められない理由は候補の数ではなく、自分がこの道具の何を使っているかが分かっていないことにあります。

先に決めるのは、手放してよい項目です。この道具は10種類ほどの独立した表示を1つのアプリにまとめたもので、多くの環境では、そのうち実際にメニューバーで読んでいるのは2つか3つです。読んでいない分を落とすと、候補は自然に絞れます。以下では、現行版が持っている項目の一覧、実際に読んでいるものの見分け方、置き換えにくい機能、そして無料で届く範囲を順に整理します。

「代わり」という言葉が、2つの別の要求を隠している

同じ検索でも、求めているものが正反対のことがあります。

  • 監視は続けたい。数字を見る手段は要る。支払いの形か、対応するmacOSの版か、動きの不調のどれかが理由で、別のものに移りたい
  • 監視そのものはもう要らない。メニューバーの場所を空けたいだけで、数字はアクティビティモニタで足りる

2つ目の場合、代わりの監視ツールを探すのは遠回りです。必要なのは、メニューバーに出す項目を減らすか、まとめるかの判断だけになります。実は現行版にはその機能が最初から入っていて、複数の項目を1つの表示にまとめる仕組みが用意されています。移る前に、この機能で足りるかどうかを確かめる価値があります。

1つ目の場合は、次の節から順に読む意味があります。移り先を決める材料は、機能表の行数ではなく、自分が毎日どの数字を読んでいるかです。

現行版が出せる項目を、いったん全部並べる

公式サイトに記載されている内容を整理すると、次のようになります。確認日は2026年9月10日、対象は7.3です。

項目 メニューバーに出せるもの
CPUとGPU コアごとの使用率、履歴、負荷平均、稼働時間、周波数、GPUの温度と周波数
メモリ 使用量、履歴、メモリ圧縮、スワップ、使用量の多いアプリ
ディスク 使用容量、空き容量、読み書きの状況、S.M.A.R.T.の状態
ネットワーク 送受信の速度、履歴、帯域を使っているアプリ、公開IPと内部IP、接続の可否
電池と電源 充放電の状態、AirPodsやMagic Mouseなどの電池残量
センサー 温度、ファン回転数、電圧、電流、電力。ファンの速度制御と速度曲線
日付と時刻 時計の書式、予定の入ったカレンダー、世界時計、日の出と月の情報
天気 現在の状況、時間ごとの予報、週間の見通し
通知(ルール) CPU、GPU、メモリ、ディスク、ネットワーク、センサー、電池、電源、天気を条件にした通知
まとめ表示 複数の項目を1つのメニューバー項目に統合する

一覧にすると、性質が3層に分かれているのが見えます。1層目は数字を測ること。2層目はそれをメニューバーに出すこと。3層目は条件を満たしたときに知らせることです。代わりを探すときに差が出るのは1層目と3層目で、2層目はどの候補でもだいたい似た形になります。

メニューバーで読んでいるものと、押してから見るものを分ける

一覧ができたら、自分が実際にどれを読んでいるかを確かめます。ここで有効なのは、記憶に頼らず「メニューバーの表示だけで判断を変えたことがあるか」を問う方法です。

判断を変えたことがある表示は残す価値があります。CPU の使用率が張り付いているのを見て重い処理を止めた、空き容量が減っているのを見てファイルを片付けた、といった経験があるものです。一方、押してドロップダウンを開いて初めて中身を見る項目は、メニューバーに出しておく必要がありません。押して見るなら、アクティビティモニタを開くのと手間はほとんど変わらないからです。

この線引きをすると、多くの環境で残るのは2つか3つになります。ノートなら電池と温度、外付けの機材が多いならネットワーク、動画や書き出しを扱うならディスクの空き。それ以外はドロップダウンの中で足ります。7項目をメニューバーに並べている状態から3項目に落とすだけで、幅の問題はかなり軽くなります。

そのうえで代わりを探すと、要件は「毎日読んでいる2つか3つを、同じ精度で出せること」に縮みます。この形なら、候補の絞り込みは早く終わります。

置き換えにくいのは、センサーとファンまわり

残った項目のうち、代わりを見つけにくいものが2つあります。

1つはセンサーの読み取りです。温度、電圧、電流、電力といった値を細かく取る部分は、実装している道具が限られます。もう1つはファンの制御です。回転数を読むだけでなく、温度や電池の状態に応じて速度を変えたり、緩やかに立ち上げたりする機能まで含めると、候補はさらに減ります。

ここで先に押さえておくべき事実が2つあります。1つは、入手経路によってこの機能が使えないことです。

The Mac App Store version of iStat Menus is a little different to the version you can purchase and download from our website. It can not control fan speeds. The iStat Menus Helper is needed to view some stats. 出典: bjango.com(2026年9月10日に公式の手引きを確認)

もう1つは、機種による制約です。M3、M3 Pro、M3 Max、M4、M4 Pro、M4 Max の Mac では、macOS がファンを止めている状況でファン制御が正しく働かない場合があると、公式の課題一覧に記載されています。

つまり、ファン制御を理由に移り先を選ぶ場合は、そもそも手元の環境でその機能が動いていたのかを先に確かめる必要があります。App Store から入れていて、機種が M3 か M4 の世代なら、失うものは最初から無かったことになります。

無料で届く範囲を先に測る

有料のものから離れるかどうかを決める前に、無料の候補がどこまで届くかを知っておくと判断が早くなります。2026年9月10日時点で各プロジェクトが公開している情報は、次の通りです。

道具 ライセンス 対応するmacOS 主な範囲
Stats MIT macOS 12 Monterey 以降 CPU、GPU、メモリ、ディスク、ネットワーク、電池、センサー、Bluetooth機器、複数の時間帯の時計
MenuMeters GPL-2.0 公開リポジトリを参照 CPU、メモリ、ディスク、ネットワーク

Stats のリポジトリには、ファンの制御について現在は保守されていない旨が明記されています。センサーの読み取りは含まれますが、速度曲線を細かく決める用途には向きません。逆に、CPU とメモリとネットワークを読むだけなら、必要な範囲は十分に覆われます。

無料の候補で気をつける点が1つあります。Stats はセンサーの読み取りのために特権ヘルパーを置く作りで、削除には専用のスクリプトを使うことが案内されています。入れて試すこと自体は簡単ですが、消すときの手順は有料のものより1段多くなります。試すつもりなら、消し方まで先に読んでおくと後で困りません。

支払いの形が理由なら、金額の並びを確認しておく

支払いの形が移る理由なら、いま何にいくら払うことになるのかを先に確かめておく価値があります。公式サイトの購入画面に表示された金額は、2026年9月10日に日本から確認した時点で、単体のライセンスが 2,065円、家族向けのライセンスが 2,582円 でした。家族向けは最大5人まで、どのライセンスにも6か月分の天気が付き、税は地域によって別途かかると記載されています。

前の版からの割引で買う場合は、iStat Menus 6 のライセンスが必要だと明記されています。6 を持っていない状態で「アップグレードだから安いはず」と考えていると、金額が合いません。

試用は14日です。移り先を探す前に、この期間を使って前の節の線引きをやり直すと、そもそも移る必要があるのかどうかが分かります。なお現行版が必要とするmacOSは11以降で、macOS 27 向けの7.5がベータとして公開されていると案内されています。対応するOSが理由で移ろうとしている場合は、ここも先に見ておくと無駄が減ります。

メニューバーの幅が理由なら、監視の道具を替えなくてよい

移りたい理由が「メニューバーが埋まった」だけなら、監視の道具を替えるのは筋が違います。数字を出す道具を替えても、出す数字の数が同じなら幅は変わらないからです。

この場合に効く手は3つあります。1つ目は、まとめ表示です。複数の項目を1つの表示に統合して、メニューバーに出すものとドロップダウンに置くものを分けられます。2つ目は、ラベルを消して数字だけにすることです。3つ目は、項目の間隔を詰める設定ですが、これは複数のディスプレイを繋いでいる環境では使えないと明記されています。

それでも足りないなら、次に見るのは監視の道具ではなく、メニューバーそのものを整理する道具です。この種の道具は、アイコンを隠す範囲を決めて、必要なときだけ出せるようにします。選ぶときに効く軸は機能の数ではなく、隠したあとにどう触れるかです。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、開いて探して押して畳むという往復が消えます。監視の項目は押して中身を見る用途が多いので、この違いが日々の手数に直結します。

道具ごとの隠し方の考え方や、対応するmacOSの下限を並べたものはほかの道具との違いにまとまっています。常に隠す対象と、押したときだけ出す対象をどう分けるかはできることで確認できます。監視の道具の費用と合わせて考えるなら、金額の目安を料金で先に見ておくと、両方に払うのか片方に寄せるのかを決めやすくなります。権限の設定や複数のMacで使う場合の扱いはよくある質問に集めてあり、手元のMacで挙動を確かめたい場合はダウンロードから試せます。

移る前に、移らない選択肢も同じ表に並べる

代わりを探す作業で見落とされやすいのが、「移らない」も選択肢の1つだという点です。候補を並べた表の1行目に、いま使っているものをそのまま残す案を書いておくと、比較の基準がはっきりします。

移らない案の費用は、追加で払う金額ではなく、我慢する内容で測ります。メニューバーが1つ分埋まり続けること。対応するmacOSの版が上がったときに、有償の更新が来る可能性があること。この2つが許容できるなら、移る理由は消えます。

逆に移る案の費用は、金額だけでは測れません。設定を作り直す時間、通知の条件を組み直す時間、そして新しい道具が同じ値を同じ精度で出しているかを確かめる時間が乗ります。監視の道具は、間違った値を静かに出していても気づきにくい種類の道具なので、移った直後の数日は前の道具と並走させて値を突き合わせるのが安全です。並走できるのは、試用の期間があるうちだけです。

この2つを同じ表に並べると、多くの場合で結論は「読んでいる項目を3つに絞り、いまの道具のまとめ表示で畳む」に落ち着きます。移るのは、その手を打ってもなお足りないときです。

決める順番を間違えなければ、候補は3つに減る

順番は3段です。まず、メニューバーで読んで判断を変えている項目を書き出す。次に、その項目を出せる候補だけを残す。最後に、支払いの形と対応するmacOSで絞る。この順で進めると、候補は最初の一覧の何分の1かになります。

逆に候補から先に並べると、機能の多いものが良く見えるので、いま使っていない機能まで要件に混ざります。その結果、選び直したのに前と同じくらいメニューバーが埋まる、という状態に戻りがちです。何を残すかを決めるのが先で、何を入れるかは最後です。

よくある質問

無料のもので置き換えられますか?

読んでいる項目によります。CPU、メモリ、ディスク、ネットワーク、電池までなら、MITライセンスで公開されているStatsがmacOS 12以降で覆います。ファンの速度制御まで求める場合は、Statsのリポジトリに保守されていない旨が明記されているので、そこだけは条件が変わります。

Mac App Storeから買った場合と、公式サイトから買った場合で違いはありますか?

あります。公式の手引きに、Mac App Store版はファンの速度を制御できないこと、一部の値を見るには別途ヘルパーが必要なことが明記されています。それ以外は同じ内容だと説明されています。ファン制御を使いたいなら、入手経路の時点で分かれます。

いくらかかりますか?

2026年9月10日に日本から公式サイトの購入画面を確認した時点で、単体のライセンスが2,065円、家族向けが2,582円でした。家族向けは最大5人まで、どのライセンスにも6か月分の天気が付きます。税は地域により別途かかると記載されています。前の版からの割引には、iStat Menus 6のライセンスが必要です。

メニューバーが埋まっているだけなら、何を変えればよいですか?

まず、複数の項目を1つの表示にまとめる機能と、ラベルを消して数字だけにする設定を試してください。項目の間隔を詰める設定もありますが、複数のディスプレイを繋いでいる環境では使えません。それでも足りない場合は、監視の道具ではなくメニューバーを整理する道具を足すほうが早く片が付きます。

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