Ice fuguaiの切り分け|権限、常駐、起動項目の順で見る

Ice fuguaiという調べ方に行き着くとき、症状はたいてい漠然としている。入れたのに何も起きない。隠れるはずのアイコンが隠れない。並べ替えの画面が真っ白になる。原因の候補は多いように見えるが、確かめる順番を固定すると3手か4手で場所が絞れる。順番は、動作条件、権限、常駐の有無、そして症状別の順になる。この記事はその順路をまとめたものである。

最初に動作条件を見る

もっとも根本の行き違いがここで起きる。このアプリが求めるmacOSは14以降で、それより前のバージョンには対応していない。開発元は理由も公開している。

Ice uses a number of system APIs that are available starting in macOS 14. As such, there are no plans to support earlier versions of macOS. 出典: github.com

macOS 13以前の環境では、起動しないか、起動しても正しく動かない。アップルのメニューからこのMacについてを開いて、バージョンを確かめるところから始めたい。ここが原因だった場合、設定をいくら見直しても状況は変わらない。

もう1点、入手の経路も確認しておく。配布はGitHubのリリースページからの直接ダウンロードと、Homebrewのcaskの2通りある。zipを展開したあと、アプリケーションフォルダへ移さずにダウンロードフォルダのまま起動していると、更新の適用や権限の扱いで妙な挙動になりやすい。まずアプリケーションフォルダに置く。

2種類の権限を、役割ごとに分けて見る

このアプリは性質の違う2つの権限を使い分けている。ここを混同すると切り分けが止まる。

1つ目がアクセシビリティで、メニューバーの項目を操作するために要る。許可を求める画面には、メニューバーを管理するために許可が必要だという趣旨の説明が出る。この許可がないと、隠す動きそのものが働かない。

2つ目が画面収録で、こちらは用途が限られている。アプリ内の文言によれば、隠したアイコンを別の帯に出す表示と、アイコンを並べ替える画面の2つがこの権限を必要とする。同時に、この権限がなくても限定された状態で動作するという説明も併記されている。つまり、隠す機能は動いているのに帯や並べ替え画面だけが働かないなら、見るべきは画面収録の側になる。

症状 見る権限
アイコンがまったく隠れない アクセシビリティ
隠したアイコンを出す帯が出ない 画面収録
並べ替えの画面に何も表示されない 画面収録
ショートカットが効かない アクセシビリティ

どちらもシステム設定のプライバシーとセキュリティの中にある。一覧に名前があってスイッチが入っていても、実際には効いていないことがある。アプリを入れ替えた直後がこれにあたる。macOSは許可を与えた実体と結びつけて記録しているため、本体を新しい版に差し替えると、記録と実体がずれることがある。この場合は一覧からいったん外し、アプリを起動し直して求められたときに与え直すと直る。

常駐しているかどうかを確かめる

このアプリはDockにアイコンを出さない設計になっている。情報ファイルに常駐アプリとしての指定が入っており、起動してもウインドウは開かず、Dockにも並ばない。そのため「起動したはずなのに何も起きない」という状況では、そもそも動いているのかどうかから確かめる必要がある。

見る場所は2つある。1つはメニューバーで、区画を区切る印が出ていれば動いている。もう1つはアクティビティモニタで、プロセスの一覧に名前があるかを見る。一覧になければ起動していないので、アプリケーションフォルダから起動し直す。

一覧にあるのに何も起きない場合は、上の権限の節に戻る。プロセスは生きていて、権限だけがない状態がこれにあたる。

同じ種類の道具を2本入れていないかも、この段階で確かめておきたい。メニューバーを整理する道具は、アイコンの位置を動かし、幅を詰め、表示と非表示を切り替えることで働いている。同じ領域を2本が別々の考えで操作すると、隠したものが出てきたり、掴んだアイコンが元の位置へ戻ったりする。過去に試して残したままのものがないか、アプリケーションフォルダを見ておく。片方を終了させただけでは設定が残ることがあるので、使わないと決めたものは本体ごと外しておくと切り分けが単純になる。

ログイン時の自動起動も同じ場所で切り分けられる。Macを再起動したあとに毎回いなくなるなら、アプリの設定で自動起動が入っているか、システム設定の一般にあるログイン項目に登録が残っているかを見る。片方だけ切れていることがある。

隠し直さないときは、待っている条件がある

自動で隠し直す動きが働かない、という相談は多い。ただしこの動きには、実行を見送る条件がいくつか組み込まれている。アプリ内の記録に残る文言から読み取れるのは次の3つになる。

  • 直前に操作があった場合、隠し直しを待つ
  • メニューバーの項目の画面が開いている場合、隠し直しを待つ
  • 隠し直しに失敗した項目がある場合、その項目は残る

つまり、マウスを動かし続けている間や、どれかのメニューを開いたままにしている間は、待つのが正しい動作になる。手を止めて数秒置いてから見ると隠れることが多い。ここを不具合と判断する前に、指を止めて確かめたい。

3つ目に当たる場合は、相手のアプリ側に理由がある。カーソルを乗せてから出すまでの待ち時間も設定で変えられるので、反応が鈍いと感じるなら、その値を短くすると印象が変わる。

アイコンが動かせないときは、相手側が止まっている

並べ替えの画面でアイコンを掴んでも動かない場合、原因が相手のアプリにあることがある。応答しない状態のアプリの項目は動かせず、その影響で他の項目の移動にも支障が出る旨が、アプリ内の文言として用意されている。動かないアイコンを見つけたら、そのアイコンを出しているアプリを終了して起動し直す。これで動くようになることが多い。

もう1つ、アイコンどうしの間隔を変える設定には注意が要る。この設定はmacOS側の値を書き換える性質のもので、適用するとメニューバーにアイコンを出している全アプリが起動し直される。アプリによっては終了に失敗し、その場合は手で立ち上げ直す必要があるという説明が付いている。終了に失敗したアプリの名前が一覧で示される作りなので、適用したあとは一覧を見て、抜けたアプリを自分で起動する。作業中のアプリが道連れになるため、この設定を試すのは手が空いている時間にしたい。

ノッチのあるMacBookでは、見え方の問題と機能の問題が混ざりやすい。画面上端の中央がカメラの領域に取られているため、アイコンが増えると中央の手前で見えなくなる。隠れているのではなく、物理的に表示できる幅を超えている状態になる。設定には、ノッチのある画面で形を内側に寄せる項目も用意されている。外部ディスプレイに繋いだときと繋いでいないときで挙動が変わるので、両方の状態で確かめると切り分けが進む。

隠れない項目には、いくつか種類がある

「隠れない」とひとことで言っても、原因の系統は分かれる。区別が付くと、直せるものと直せないものの線が引ける。

1つ目は、位置の指定で取りこぼされている場合になる。この種の道具は、隠す区画と表示する区画の境目をメニューバーの上に置いて、その左右で扱いを分けている。境目より外側に置かれた項目は表示のまま残るので、並べ替えの画面で位置を確かめると原因が見える。

2つ目は、macOSの標準項目である。時計やコントロールセンターのように、システム側が出している項目は、アプリ側が出しているアイコンとは扱いが違う。Commandキーを押しながら掴めるかどうかで見分けが付き、掴めない項目は道具の側からも動かしにくい。標準項目については、システム設定のコントロールセンターで表示の有無を切り替えるほうが早い。

3つ目は、項目そのものを作り直すアプリになる。状態が変わるたびに項目を破棄して新しく作る作りだと、いったん隠しても新しい項目として出てくる。この挙動は相手のアプリの実装によるもので、整理する側の道具を替えても結果が変わらないことがある。該当するものが1つか2つなら、それだけ常時表示にしてしまうほうが手間が少ない。

4つ目は、位置の記憶がずれている場合になる。macOSは項目ごとに好ましい位置を覚えており、この値が古いままだと、意図した並びにならないことがある。並べ替えの画面で位置を付け直し、Macを再起動して再現するかを見ると切り分けられる。

更新が届かないときに見る場所

自動更新は、開発元がGitHub Pagesに置いた配信ファイルを見に行く仕組みで動いている。設定には更新の確認を自動で行うかどうか、ダウンロードまで自動で行うかどうかの項目が別々に用意されている。更新が来ないと感じたら、まずこの2つの状態を見る。

公開されているリリースの状況も併せて確認したい。2026年9月10日時点で公開されている最新は2025年9月16日の開発版で、開発版を除いた最後の版は2024年10月29日のものになる。手元の版がこれと同じなら、更新が届いていないのではなく、新しい版がまだ出ていないという状態になる。

設定が消えた、表示の設定だけ初期状態に戻ったという症状の場合は、設定の移行でつまずいている可能性がある。設定は~/Library/Preferences/com.jordanbaird.Ice.plistに保存されており、ここを退避してから起動し直すと、初期状態から作り直せる。作り直す前に、区画の構成とショートカットの割り当てを控えておくと復旧が早い。

切り分けの順番を固定しておく

ここまでを並べ直すと、確かめる順番は次のようになる。macOSのバージョン、アクセシビリティ、画面収録、常駐しているか、ログイン項目、そして症状別の見どころ。この順で見れば、どこで詰まっているかは短時間で分かる。逆に、症状から入って設定画面を触り回すと、権限が抜けているだけの状態に何時間もかけることになる。

そのうえで、直らない種類の症状もある。相手のアプリが自分でメニューバーの項目を作り直す作りだと、どの整理用の道具から見ても同じ扱いになり、隠したはずの項目が戻ってくる。これは道具を替えても結果が変わらないことがある種類のものになる。この場合は、その1つだけ常時表示にして、残りを隠す割り切り方が現実的になる。

道具を替える判断に進む場合は、いま働いている機能と働いていない機能を分けたうえで比べたい。機能の対応関係はほかの道具との違いに一覧があり、個々の機能が何をするかはできることで確認できる。権限まわりや動作条件についての疑問はよくある質問にまとめてある。費用の考え方は製品ごとに違うので料金で仕組みを見てから、ダウンロードから実機で試すと判断が早い。

判断の材料としてもう1つ挙げるなら、隠した後の使い勝手になる。隠す動作が直っても、隠したアイコンを使うたびに全部を展開して畳み直すことになると、手数は減らない。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りかどうかは、実際に触ってみないと分からない部分になる。不具合の切り分けが終わったら、次はこの点を見ておきたい。

よくある質問

入れたのに何も起きません。どこから見ればよいですか?

まずmacOSのバージョンを確かめてください。動作条件はmacOS 14以降で、それより前では正しく動きません。条件を満たしているなら、このアプリはDockにアイコンを出さない設計なので、アクティビティモニタでプロセスが動いているかを確認します。動いているのに変化がない場合は、アクセシビリティの許可が抜けている可能性が高いです。

アクセシビリティと画面収録は、両方とも必要ですか?

役割が分かれています。アイコンを隠す動作そのものにはアクセシビリティが要ります。画面収録が要るのは、隠したアイコンを別の帯に出す表示と、アイコンを並べ替える画面の2つです。画面収録がなくても限定された状態で動く旨がアプリ内に記載されているため、帯や並べ替えを使わないなら片方だけでも動きます。

自動で隠し直してくれないのですが、故障ですか?

待っている可能性があります。直前に操作があった場合と、メニューバーの項目の画面が開いている場合は、隠し直しを見送る作りになっています。手を止めて数秒待つと隠れることが多いので、まずそれを確かめてください。特定の項目だけが残る場合は、その項目を出しているアプリ側に理由があります。

特定のアイコンだけ掴んでも動かせません。

そのアイコンを出しているアプリが応答しない状態になっていると、項目を動かせません。他の項目の移動にも影響が出る旨がアプリ内の文言に用意されています。該当するアプリを終了して起動し直してから、もう一度並べ替えを試してください。それでも動かない場合は、間隔の設定を適用した直後に起動し直されなかったアプリがないかも確認してください。

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