Iceをきれいに消す手順|残るファイルと、消してよいもの
Iceのuninstallは、アプリをゴミ箱に入れる操作そのものは簡単です。引っかかるのはその前後で、消す前に戻しておかないと後から直しづらい設定が1つあり、消したあとに残るものが3種類あります。特に、アプリを削除してもMac全体に効いたままになる設定があることは、あまり知られていません。
この記事では、消す前の準備、削除の手順、後片づけの順に整理します。片づける対象の一覧は、2026年9月10日時点で公開されているパッケージの定義にもとづいています。
消す前に戻しておく設定が1つある
先に片づけておくべきなのは、アイコン同士の間隔を詰める設定です。この設定だけは、アプリの内部ではなくMac全体の設定を書き換える形で効いています。したがって、詰めたままアプリを消すと、詰まった状態だけがMacに残ります。
戻す手順は、アプリがまだ入っているうちのほうが単純です。設定画面を開いて、間隔の値を既定に戻し、反映を確認してから削除に進みます。反映の過程でメニューバーに常駐しているアプリがいったん終了することがあるので、作業中の書類は先に保存しておきます。
もし、すでに戻さずに消してしまった場合の対処も後半に書きます。手はありますが、削除の前に済ませたほうが確実に楽です。
もう1つ、消える前に確認しておくこと
常に隠す区画を使っていた場合は、そこに何を入れたかを確認しておきます。アプリを消せば、隠していた項目はすべてメニューバーに戻ってきます。ただし、戻ってきた並びは、隠す前の並びとは違うことがあります。何が入っていたかを覚えていないと、増えたアイコンを見て「これは何だったか」と探すことになります。
区画ごとの一覧を設定画面で開き、画面を撮っておくだけで十分です。別の道具に移る場合は、この一覧がそのまま移行の作業指示になります。
Homebrewで入れた場合
パッケージ管理の仕組みで入れた場合は、同じ仕組みで消すのが確実です。
brew uninstall --cask jordanbaird-ice
これでアプリ本体が削除され、動いているプロセスの終了とログイン項目の解除まで行われます。設定ファイルまで含めて片づける場合は、次の形にします。
brew uninstall --zap --cask jordanbaird-ice
後者を使うと、次の節に挙げる4つの場所もまとめて片づきます。設定を残しておきたい場合、たとえば一度消して入れ直す予定がある場合は、前者にとどめておきます。
手で入れた場合
配布物をダウンロードして入れた場合は、順番があります。
- メニューバーのアイコン、またはメニューバーの空いているところを右クリックして、終了を選ぶ
- アプリケーションフォルダの Ice.app をゴミ箱へ入れる
- ゴミ箱を空にする
動いたまま削除しようとすると、使用中のため移動できないと言われることがあります。先に終了させるのはそのためです。ここまでで、アプリ本体は無くなります。ただし、これで終わりではありません。
残るファイルは4つ
パッケージの定義には、完全に片づける場合に消す対象が書かれています。
zap trash: ~/Library/Caches/com.jordanbaird.Ice, ~/Library/HTTPStorages/com.jordanbaird.Ice, ~/Library/Preferences/com.jordanbaird.Ice.plist, ~/Library/WebKit/com.jordanbaird.Ice 出典: formulae.brew.sh
それぞれ何が入っているかを整理すると、次のようになります。
| 場所 | 中身 | 消してよいか |
|---|---|---|
| ~/Library/Preferences/com.jordanbaird.Ice.plist | 区画の割り当て、出し方や戻し方、キーの割り当てなど設定のすべて | 設定を残す予定がなければ消してよい |
| ~/Library/Caches/com.jordanbaird.Ice | 一時的に置かれた作業用の情報 | 消してよい |
| ~/Library/HTTPStorages/com.jordanbaird.Ice | 更新の確認など通信にともなう保存領域 | 消してよい |
| ~/Library/WebKit/com.jordanbaird.Ice | 画面の一部の描画に使われた領域 | 消してよい |
いずれも利用者ごとの場所にあり、システムの動作に関わるものではありません。合計しても容量はごくわずかなので、残しておいても実害はありません。それでも消す価値があるのは1つ目です。設定が残っていると、後で入れ直したときに前の設定が復活します。まっさらな状態から始めたい場合は、削除しておきます。
Finderから開く場合は、メニューの「移動」を押しながらOptionキーを押すとライブラリが出てきます。ここに入れ替えて探すより、フォルダへ移動の窓に上の場所を貼るほうが早く着きます。
なお、設定だけを取っておきたい場合は、削除の前に1つ目のファイルを別の場所へ複製しておきます。ただし、macOSは設定ファイルを内部で保持しているため、アプリが動いている最中に複製すると、最新の内容が書き込まれる前の状態を掴むことがあります。アプリを終了させてから複製するのが確実です。
ログイン項目と権限の一覧に残るもの
ファイル以外にも残るものが2つあります。どちらも画面から確認できます。
1つ目は、ログイン項目です。起動時に自動で立ち上げる設定を入れていた場合、システム設定の一般にあるログイン項目の一覧に登録が残ることがあります。パッケージ管理の仕組みで消した場合はここも解除されますが、手で消した場合は残っている可能性があります。一覧を開いて、該当する行があればマイナスの記号で外します。
2つ目は、権限の一覧です。システム設定のプライバシーとセキュリティを開くと、アクセシビリティと画面収録の一覧に、削除したアプリの名前が残っていることがあります。アプリの本体が無いので実害はありませんが、一覧が長くなるだけなので、選んでマイナスの記号で外しておきます。
この2つを残したまま同じアプリを入れ直すと、権限を渡し直す手間が省ける一方で、前の状態を引きずります。挙動がおかしくて入れ直す場合は、権限の行も一度外してから入れ直したほうが、切り分けができます。
アプリを消しても戻らない設定
ここが、この記事でいちばん見落とされやすい部分です。冒頭で触れた間隔の設定は、アプリ側ではなくMac全体の設定として書き込まれます。アプリを消しても、書き込まれた値はそのまま残ります。症状としては、アプリを消したのにメニューバーのアイコンが妙に詰まっている、あるいは妙に開いている、という形で現れます。
戻し方は、書き込まれた値を消して、ログインし直すことです。
defaults -currentHost delete -globalDomain NSStatusItemSpacing
defaults -currentHost delete -globalDomain NSStatusItemSelectionPadding
実行してもすぐには見た目が変わりません。メニューバーの項目が読み直される必要があるため、一度ログアウトして入り直すか、Macを再起動します。実行前に元の値を控えておきたい場合は、削除ではなく読み出しの操作で確認できます。
なお、この2つはメニューバーの間隔を扱う設定なので、ほかのアプリの動作に影響することはありません。値が書かれていない状態が既定です。
消したはずなのに、まだ動いているように見えるとき
削除の直後に、メニューバーのアイコンがまだ残っている、あるいは隠れたままの項目がある、という状態になることがあります。原因はたいてい2つのどちらかです。
1つは、アプリの実体を消しただけで、動いていたプロセスが終了していない場合です。終了を選ばずにゴミ箱へ入れると、メモリ上ではまだ動き続けます。この状態では、削除したのに機能が働いているように見えます。アクティビティモニタを開いて該当の名前を探し、終了させれば解消します。あるいは、一度ログアウトして入り直せば確実に止まります。
もう1つは、設定ファイルを消したのに前の設定が残っているように見える場合です。macOSは設定の内容を内部で保持しており、ファイルを直接消しても、保持されていた内容が書き戻されることがあります。ファイルを消したあとにログアウトして入り直すと、この食い違いは起きません。順番としては、アプリを終了する、アプリを消す、設定ファイルを消す、ログインし直す、という並びが最も確実です。
複数のユーザーで使っていた場合
1台のMacを家族や同僚と分けて使っている場合、片づける対象が利用者ごとに分かれます。アプリケーションフォルダに置かれた本体は全員で共有していますが、設定ファイル、権限の登録、ログイン項目の3つは利用者ごとに別々に保存されています。
したがって、本体を消しただけでは、ほかの利用者の環境に権限の登録と設定ファイルが残ります。実害はほとんどありませんが、権限の一覧に存在しないアプリの名前が並んだままになります。全員分をきれいにするなら、それぞれのアカウントでログインして、権限の一覧とログイン項目を確認する必要があります。
なお、間隔の設定については扱いが違います。この設定は利用者ごとの領域に書かれるため、書き換えた本人のアカウントでだけ効いています。ほかの利用者のメニューバーには影響していません。
アイコンの並び順も元には戻らない
もう1つ、戻らないものがあります。並べ替えた結果です。
この道具は、項目を動かすときに、人がCommandキーを押しながら引きずる操作を機械的に再現しています。つまり、動かした結果の位置を覚えているのはmacOSの側です。アプリを消しても、macOSが覚えている位置はそのまま残ります。
これは不具合ではありませんし、直す必要もありません。並びが気に入らない場合は、Commandキーを押しながら自分で引きずり直せば済みます。知らないでいると、消したのに元の並びに戻らないことを不思議に思うことになるので、性質として押さえておくだけで十分です。
消したあとのメニューバーをどうするか
削除が済むと、隠していた項目が一斉にメニューバーへ戻ってきます。ここで初めて、何個を隠していたのかが分かります。ノッチのあるMacBookでは、戻ってきた項目が切れ目の向こうに回り込み、そのまま見えなくなることもあります。
この段階で選べる道は3つです。1つは、そのまま使うことです。アイコンの数がもともと少ないなら、これで足ります。2つ目は、常駐アプリの側で設定を見直し、メニューバーに出す項目自体を減らすことです。アプリによっては、表示を切る設定を自分で持っています。3つ目は、別の道具に移ることです。
3つ目を選ぶ場合、比べる軸は「隠せるかどうか」ではありません。どの道具も隠せます。差が出るのは隠したあとで、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかによって、1日に何度も繰り返す操作の手数が変わります。項目ごとの違いはできることに一覧があり、権限の要り方や設定の引き継ぎまで含めた比較はほかの道具との違いにまとまっています。支払いの形を先に決めたい場合は料金、権限まわりで引っかかりやすい点はよくある質問で確認できます。手元で試す段階に入ったらダウンロードから進められます。
移る場合でも、この記事の後片づけは先に済ませておいてください。特に間隔の設定を残したまま次の道具を入れると、次の道具の設定が効いていないように見えて、原因の切り分けが難しくなります。
よくある質問
アプリを消したのに、アイコンの間隔が元に戻りません。なぜですか?
間隔の設定は、アプリの内部ではなくMac全体の設定として書き込まれるためです。アプリを消しても値は残ります。ターミナルで NSStatusItemSpacing と NSStatusItemSelectionPadding の2つを削除し、ログアウトして入り直すか再起動すると既定に戻ります。削除の前にアプリ側で既定に戻しておくと、この作業は不要です。
Homebrewで入れた場合、どのコマンドで消せますか?
brew uninstall --cask jordanbaird-ice でアプリ本体が消え、プロセスの終了とログイン項目の解除まで行われます。設定ファイルも含めて片づけたい場合は --zap を付けます。一度消して入れ直す予定があるなら、設定を残すために付けないでおく選択もあります。
設定を残したまま入れ直すことはできますか?
できます。設定は利用者ごとの場所にある1つのファイルにまとまっているため、それを消さずにアプリだけを削除すれば、入れ直したときに前の設定が読み込まれます。逆に、動作がおかしくて入れ直す場合は、このファイルと権限の登録の両方を外してから入れ直したほうが切り分けができます。
消したらアイコンが一気に増えました。元の並びに戻せますか?
並べ替えた位置を覚えているのはmacOSの側なので、アプリを消しても並びは自動では戻りません。Commandキーを押しながらアイコンを引きずれば手で並べ替えられます。ノッチのあるMacBookで切れ目の向こうに回り込んだ項目は、表示されていないだけなので、数を減らすか別の道具で隠す必要があります。