Bartenderは今も更新されているのか。2026年9月時点の記録

Macのメニューバーが混んできて整理する道具を探すと、必ず名前が挙がるのがBartenderだ。ところが2024年の半ばに、このアプリは告知のないまま所有者が変わり、それ以来「今も手入れは続いているのか」を確かめてから決めたい、と考える人が増えた。ここでは意見ではなく記録を並べる。現行の版は何か、誰が公開しているのか、どのmacOSを対象にしているのか、2024年に実際に何が起きたのか。いずれも公開情報で確かめられるものだけを書く。

メニューバーを整理する道具は、長いあいだ選択肢が少なかった

macOSのメニューバーの右側は、もともと電池や音量のように「見れば分かる情報」を置くための場所だった。そこにクラウドの同期、コミュニケーション、パスワード管理、画面収録、開発環境、更新の通知が次々と常駐するようになり、アイコンの列が横に伸びた。ウィンドウと違って重ねることも畳むこともできないので、増えれば増えるほど目で探す時間が延びていく。

この課題を扱う専用アプリは、長いあいだ数が限られていた。Bartenderは10年以上にわたって事実上の標準として扱われ、「メニューバーが混んだらこれ」と紹介されてきた。選択肢が少なかったぶん、1つの製品の状況が分野全体の話題になりやすい構造でもあった。2024年の出来事がこれだけ広く共有されたのは、それだけ多くの人が同じ製品に依存していたからでもある。

いま状況は変わっていて、無料のオープンソースのものから買い切りのもの、購読のものまで並ぶようになった。だからこそ、乗り換えるにせよ使い続けるにせよ、判断の材料になるのは製品ごとの評判ではなく「更新が続いているか」「自分のmacOSに対応しているか」「畳んだあとの触り心地はどうか」という確かめられる項目になる。

結論から。2026年9月5日時点で、更新は続いている

現行の版はBartender 6で、公式サイトにはmacOS TahoeとSequoia向けに作られていると記載がある。ページ下部の著作権表記はApplause Group, Inc.で、年は2026年になっている。最新の2つのmacOSを名指しした大きな版が出ている状態は、常駐アプリの世界では「手入れが続いている」ことのかなり明確なしるしだ。

ただし、この答えには但し書きがいる。「更新されている」ことと「買ったときと同じ人たちが更新している」ことは別の話で、この検索語が生まれた理由はまさにその差にある。アプリは生きている。作った人と、いま公開している会社は違う。それが問題かどうかは各自が判断することで、うまく判断するには、掲示板の空気ではなく経緯そのものを知る必要がある。

現状の出典はmacbartender.comで、確認日は2026年9月5日。

2024年に何が起きたのか

2024年6月の初め、アプリの更新を監視するサービスがBartenderの更新に不審な点を見つけた、という投稿が出た。アプリの署名証明書が変わっていたのだ。調べていくと、Bartenderは売却されており、しかもその売却はおよそ3か月前、2024年の前半に済んでいたことが分かった。売却の時点で、購入者への告知は行われていなかった。

買い手はApplause Groupだった。新しい所有者は同じ議論の場で買収を認めた。証明書が変わった理由については、元の開発者の情報に代えて自社の情報でAppleに再署名する必要があり、その結果として一度だけ証明書が入れ替わったと説明している。一方で、なぜ購入者に知らせなかったのかはその時点では説明されず、告知のない所有権移転と証明書の変更、そしてアプリに追加された計測に関する報道が重なって、Macの利用者のあいだで長く議論が続いた。

Bartenderを作り、長年開発してきたBen Surtees氏は、のちに売却の事実を公に認め、新しい所有者について肯定的に述べている。一連の経緯は2024年6月の第1週にかけて各Mac系媒体で報じられた。

Bartender, the most popular app to manage your Mac's menu bar items, silently sold to a new owner, with no official announcement made at the time of the sale. 出典: macrumors.com

メニューバー管理アプリとして最も広く使われていたBartenderが、売却時に公式の発表がないまま新しい所有者に静かに売られた、という趣旨だ。開発者本人が売却を認めたことは2024年6月6日付で9to5mac.comが報じている。

2年が経ったいま、この出来事の実務上の意味は、事件そのものよりも「何を確かめる習慣がついたか」のほうにある。メニューバーに常駐するアプリはアクセシビリティの権限を持ち、ほかのすべてのアプリの常駐アイコンが見える位置にいる。誰が公開しているのかを気にするのは、特定の所有者が何かをしたかどうかとは無関係に、それ自体が筋の通った関心だ。

いまのBartenderがどうなっているか

経緯を脇に置いて、2026年9月5日時点で公式サイトに書かれている内容を並べると次のようになる。良し悪しの評価ではなく、記載事実の書き写しだ。

項目 サイトの記載
現行の版 Bartender 6
価格 買い切りで12ドルから
ほかの区分 年額のBartender Pro、生涯利用のMega Supporter
対応macOS macOS TahoeとSequoia向け
旧環境 Bartender 6のライセンスはBartender 5でも使える
更新の範囲 買い切りはその版の全更新を含む。ProとMega Supporterは将来の大きな版も含む
既存の購入者 2025年にBartender 5を買った人は無料で移行、それ以前は割引
台数 自分のMacであれば複数台で使える
公開元 Applause Group, Inc.

区分の言葉は読み分ける値打ちがある。Bartender 6の買い切りが含むのは、Bartender 6に対する更新だ。次の大きな版は含まない。将来の大きな版まで含むのはProとMega Supporterのほうになる。どれを選ぶかは、実質的には「新しい大きな版をどれくらいの頻度で欲しくなるか」を決める作業で、この種の常駐アプリの場合、それはmacOSをどれくらいの頻度で上げるかにほぼ連動する。

macOSの行は、古い機械を使っている人にとっての実質的な制約でもある。Bartender 6は新しい2つの版を対象にしていて、それより古い環境は同じライセンスのBartender 5が受け持つ。手元のMacがさらに古い版で止まっているなら、まずそこを確かめるのが順番として早い。どの機種がどの版に対応するかはAppleサポートで公開されている。

常駐アプリの保守状況を自分で確かめる手順

Bartenderの話は、もっと一般的な問いの一例にすぎない。一般形のほうを自分で答えられるようにしておくと、誰かが記事を書くのを待たずに済む。手順は4つで、全部合わせても数分で終わる。

  • 宣伝ページではなく更新履歴を見る。直近の更新がいつか、そして更新が何らかの規則性をもって届いているかが分かる。半年前に1回きりで以後何もない状態と、細くても続いている状態は意味が違う
  • 現行の版がどのmacOSに対応すると書いているかを見る。システムのUIに手を入れる常駐アプリでは、これが最も鋭い指標になる。Appleは毎年秋に大きな版を出し、この分野の道具はたいてい追随のための作業が必要になる。いま出ているmacOSの名前がページに書かれていれば作業は続いているし、3年前の名前のままなら続いていない
  • 誰が公開しているかを確かめる。有料のソフトならサイト下部の著作権表記と、App Storeの表示やコード署名に出る事業者名が記録になる。オープンソースならコミットの履歴と課題管理の様子で、作業の速度と要望の扱われ方の両方が見える
  • 自動更新の仕組みがあるか、そして最近動いたかを見る。macOSが2回上がるあいだ黙って更新していないアプリは、それだけで何かを語っている

この4つを、いま入っているアプリに当てて確かめると、たいていは5分以内に白黒がつく。版はアプリのバージョン情報の窓に、対応macOSは提供元のページか説明文に、公開元は著作権表記と署名に、更新履歴はリリースノートにある。どれも他人の評価を解釈する必要がない情報だ。話題になっている1本だけでなく、常用しているすべての常駐アプリに当てるほうがよい。誰も話題にしていないものほど、静かに止まっていても気づかれないからだ。

メニューバーの道具にとって、保守が特別に重い理由

この分野が放置に弱いのには理由がある。メニューバーの道具は自分のウィンドウの中で完結していない。macOSのシステムUIである常駐アイコンの領域を読み、動かしていて、そのためにアクセシビリティの権限を要求する。Appleはこの領域に手を入れる頻度が高く、目に見える変更のときも、見えない変更のときもある。この分野の道具は、有料も無料も含めて、どこかの秋の更新の直後に挙動がおかしくなり、修正が出るまで待った経験を持っている。

つまり「保守が続いているか」は、この種のアプリにとって背景事情ではなく、およそ12か月周期で効いてくる機能要件だ。だからこの問いは、話題になった製品にだけ向けるものではなく、候補すべてに同じように向けるべきものになる。活発な維持者のいる無料のオープンソースも、会社がついている有料のものも、どちらも合格しうる。最後のコミットが2年前の無料のものと、いまのmacOSに一度も言及しない有料のものは、同じ理由で不合格になる。

保守と並べて量るべきもう1つの軸は、日々の触り心地のほうだ。効いてくるのは、隠したアイコンに手が届くまでに何動作かかるかという数字になる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、展開して探して押すという3動作が1動作に戻る。この分野の道具がその点でどう違うかはほかの道具との違いにまとめてある。

自分の環境をどうするかを決める

製品を比べる前に、問題そのものを小さくしておくと選びやすくなる。メニューバーの混雑のうち一定の割合は、追加のソフトなしで片づく。システム設定にはmacOS標準の項目の制御があり、Bluetooth、Wi-Fi、サウンド、Time Machine、画面ミラーリング、時計の各要素は、消すか使用中のみ表示に切り替えられる。サードパーティのアプリの多くも、設定の窓に常駐アイコンを隠す項目を1行持っている。両方をひととおり見るのに費用はかからず、所要時間は10分ほどで、これだけで残りの判断がかなり軽くなる人が多い。片づかないのは、その設定を持たないアプリのアイコンのほうで、専用の道具が存在する理由はその残りにある。

すでにBartenderのライセンスを持っているなら、ここまでの内容は急いで動く理由にはならない。自分の版を確かめ、手元のmacOSが対象に入っているかを確かめ、移行するかどうかは「新しい版に欲しい機能があるか」という普通の基準で決めればよい。

初めて選ぶ立場なら、保守の問いはすでに答えが出たので、判断は通常の基準に移る。費用がいくらか、自分のmacOSに対応しているか、そして1日に何度も隠したアイコンを取り出すときにどう感じるか。この分野は機能一覧よりも費用の組み立て方のほうが差が大きく、その考え方は料金に置いてある。何ができるかを項目で見たい場合はできること、判断に迷いやすい点はよくある質問にまとめてある。

2024年の一件が気になっているのなら、正直な整理は「あれは告知の問題であって、ソフトが動かなくなった話ではない」というものになる。アプリは出続け、開発者は売却を認め、2年後にいまのmacOSを対象にした大きな版がある。告知なしの所有権移転を許容できないと考えるのも、そこは分けて考えるとするのも、どちらも筋の通った判断だ。最後に効くのは実機での確かめ方で、候補を絞ったらダウンロードから手元で動かし、いつも押しているアイコンを1つ隠して、そこから押せるまでに何動作かかるかを数えてみるのが確実になる。

よくある質問

Bartenderは2026年もまだ更新されていますか?

更新されています。2026年9月5日時点で現行の版はBartender 6で、公式サイトにはmacOS TahoeとSequoia向けに作られていると記載があり、著作権表記はApplause Group, Inc.の2026年になっています。最新の2つのmacOSを名指ししていることは、常駐アプリが手入れされている最も分かりやすいしるしです。

いまBartenderを持っているのは誰ですか?

Applause Group, Inc.です。作者はBen Surtees氏で、2024年の前半に売却されました。売却が公になったのは2024年6月で、更新監視サービスが署名証明書の変更に気づいたことがきっかけでした。新しい所有者はその後の議論の場で買収を認め、作者本人ものちに売却を公に認めています。

古いBartenderのライセンスはまだ使えますか?

サイトの記載では、Bartender 6のライセンスは旧環境向けのBartender 5でも使えるとされています。移行については、2025年にBartender 5を購入した場合は無料でBartender 6へ、それ以前の購入は割引が案内されています。ライセンスは自分のMacであれば複数台で使えます。新たに購入する前に、自分の購入日をこの条件と照らして確認してください。

所有者が変わったことを理由に、別の道具へ移るべきでしょうか?

技術上の必要というより判断の問題です。アプリ自体は出続けているためです。天秤にかけるべきなのは、自分のmacOSの版、支払える金額と課金の形、そして日常で隠したアイコンに届くまでの動作数の3点です。最後の1つは機能一覧に出てこないので、自分のMacで実際に試して数えるのが確実です。

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