iStat Menusのアイコンをメニューバーでどう扱うか|消すか、隠すか、残すかの判断

iStat Menus menubarという言葉で検索してたどり着く人の多くは、CPUもメモリも気温も見たいのに、メニューバーの右側がもう埋まっていて、どれを諦めるかを決めかねている。結論から書くと、この問題は「どの項目を捨てるか」ではなく「どの項目を、どの深さに置くか」で解ける。iStat Menus自身が横幅を縮める仕組みを何段階も持っていて、それでも足りないときに初めて、メニューバー全体を畳む道具の出番になる。

メニューバーの席は有限で、あふれた分はmacOSが黙って隠す

まず押さえておきたいのは、メニューバーのアイコンが見えなくなる現象の大半が、アプリの不具合ではないという点だ。macOSはステータス項目を右から左へ順に並べ、入りきらなくなった時点で、余った項目を何の予告もなく描画しなくなる。エラーも警告も出ない。開発元のBjangoも、この挙動をヘルプページに明記している。

On smaller screens, and in situations where there’s a lot of menu bar items, macOS may hide some items. This is because the menu bar is full, and can not fit other items. In this situation, iStat Menus is running perfectly, but hidden from view. 出典: bjango.com

つまり「消えた」ように見えていても、プロセスは動き続けていて、統計も取り続けている。見えていないだけだ。ここを取り違えると、再インストールや設定のやり直しに時間を使うことになる。

席が足りなくなる理由は2つある。1つはアプリ側の項目が増えたこと。もう1つは、画面そのものが狭くなったことだ。後者で効いてくるのがノッチで、14インチと16インチのMacBook Pro、M2以降のMacBook Airでは、カメラ部分を挟んで左右にメニューバーが分断される。ステータス項目はノッチの左側には回り込まない。アプリのメニュー(ファイル、編集、表示など)が左側を占める幅が広いアプリを前面に出すと、右側に残る席がさらに減る。だからXcodeやAdobe系のように上部メニューの項目が多いアプリに切り替えた瞬間だけアイコンが消える、という現象が起きる。

9つの項目に分かれている構造が、横幅の使い方を決めている

iStat Menusは1つの塊ではない。ヘルプの冒頭に書かれているとおり、独立して設定できる9つのメニュー項目の集合体として作られている。CPU、GPU、メモリ、ディスク、ネットワーク、センサー、バッテリーと電源、時計、天気の9つで、それぞれを個別にオンとオフにできる。

この構造は自由度が高い代わりに、初期状態のまま使うと横幅を一気に食う。たとえばネットワーク項目を「上り下りの数値をテキストで表示」に設定すると、桁数によって幅が伸び縮みする。CPU項目を「ラベル+パーセンテージ」にすると、CPUという文字列の分だけ常に場所を取る。センサー項目で温度を3つ並べれば、そのまま3つ分の幅になる。

各項目のオンとオフは、設定ウインドウのサイドバーのアイコンを⌥(オプション)キーを押しながらクリックしても切り替えられる。設定画面を開いて大きなスイッチを探すより速い。まずここで、実際には見ていない項目を落とす。GPUの使用率を1日に何度見ているかを思い出すと、たいてい1つか2つは落とせる。

そして表示モードの選び方が、そのまま幅になる。同じCPU項目でも、円グラフだけなら細く、履歴グラフなら中くらい、数値をテキストで出すと最も太くなる。7.0以降は積み上げ型のラベル表示など新しいモードが増えていて、縦に2行を使うことで横幅を節約する選択肢もある。

結合モードは、iStat Menus側から出ている答え

横幅の問題に対して、iStat Menus自体が用意している最も効く設定が結合(Combined)モードだ。複数の項目を1つのステータス項目にまとめ、メニューバーに出すものとドロップダウンの中に置くものを別々に選べる。

Combined mode lets you combine multiple iStat Menus items into a single status item. You can choose which items are shown in the menu bar and which are shown in a combined menu, allowing you to save space in the menu bar while still having access to all the information. 出典: bjango.com

使い方は素直で、結合タブの+ボタンでメニューバーに出す項目を足し、Edit Menuを押してからドロップダウンに入れたい項目にカーソルを合わせて+を押す。同じ項目を両方に入れることもできる。外すときは、メニューバー側は項目をクリックしてRemove Item、ドロップダウン側はEdit Menuから×を押す。

結合モードの効き方が大きいのは、iStat Menusの情報の性質が2種類に分かれているからだ。CPU使用率やネットワークの流量は、目の端で常に見ていることに意味がある。一方でディスクの空き容量、S.M.A.R.T.の状態、AirPodsの残量、世界時計は、思い出したときに見れば足りる。後者をすべてドロップダウンへ送ると、メニューバーに残るのは1つか2つの数字だけになる。7.0の更新履歴によれば、結合モードは全面的に作り直され、任意の項目をメニューバーに出せるようになっている。

幅を削る設定は、間隔・ラベル・表示モードの3つ

結合モードまで使ってもまだ足りないときに触る場所が3つある。

  • 項目の間隔:グローバルタブで、標準(macOSの他の項目に合わせた幅)とコンパクト(さらに狭い)を切り替えられる。ただしコンパクトは、複数のディスプレイを接続しているときは使えない。外部モニタを常時つないでいる環境では、この選択肢が最初から消えることを知っておくと迷わない
  • ラベルの削除:CPU、RAMといった文字列は、慣れてしまえば位置で判別できる。ラベルを外すだけで各項目が数文字分ずつ縮む
  • グラフの背景:ライトモード時にグラフの後ろに敷かれる暗い背景は、Show Background設定で消せる。幅そのものは変わらないが、隣の項目との境目が曖昧になるぶん、詰まって見えにくくなる

更新頻度もグローバルタブにある。速くすれば反応が良くなり、遅くすればわずかに負荷が下がる。幅とは直接関係しないが、常時表示する項目を絞った後は、更新頻度を上げても体感の負担が小さくなる。7.0では効率が大きく改善されていて、更新履歴には同じ項目構成でiStat Menus 6の5分の1まで下がる場合があると書かれている。

並べ替えと取り外しは、メニューバーの上で直接できる

順番の入れ替えは設定画面ではなくメニューバー上で行う。⌘(コマンド)キーを押しながらアイコンをドラッグすると、その場で位置が動く。これはiStat Menusの項目だけの話ではなく、macOSのステータス項目全般に効く操作だ。

同じ⌘ドラッグで、メニューバーの外へ引きずり出すと項目が消える。システム側の項目(Wi-Fi、Bluetooth、音量、バッテリーなど)も、ほとんどはこの方法で外せる。戻したくなったら、システム設定のコントロールセンターに対応するスイッチがあるので、そこから再び表示できる。Bjangoのヘルプは、iStat Menusの時計項目を使うなら、macOS標準の時計をアナログ表示に切り替えて幅を稼ぐ手も紹介している。

順番には実用上の意味がある。右端はメニューバーが混んだときに最後まで残る位置で、左端に近いほど、あふれたときに先に見えなくなる。ずっと見ていたい項目を右へ寄せ、たまにしか使わないものを左へ置くと、席が足りなくなったときの被害が小さくなる。

常に見るものと、思い出したときに見るものを分ける

ここまでの設定を踏まえると、判断は次の順序で片づく。

第1に、そもそも見ていない項目をオフにする。⌥クリックで9項目を1つずつ落として、困ったものだけ戻すのが速い。第2に、残った項目のうち「動きを追う意味があるもの」だけをメニューバーに残す。CPU、メモリ圧、ネットワーク流量、温度あたりが該当しやすい。第3に、それ以外を結合モードのドロップダウンへ送る。第4に、それでも足りなければ間隔をコンパクトにし、ラベルを外す。

この4段階でiStat Menus側の余地はほぼ使い切る。残るのは、iStat Menus以外の常駐アプリが占めている席だ。クラウドストレージ、パスワード管理、画面収録、キーボード配列、VPN、音声デバイス切り替え。1つ1つは小さくても、10個あれば数字を表示する項目の1つや2つは押し出される。

Bjango自身も、このときの選択肢としてメニューバー管理アプリの存在をヘルプページで紹介している。開発元が他社の道具を名指しで挙げているのは珍しく、iStat Menusの側で幅を詰める工夫には限界があることを、作り手が認めているとも読める。

隠す道具と重ねるときに、どこまでを任せるか

ここからは、メニューバーを畳む道具を併用する場合の考え方になる。

道具を入れると、メニューバーは「常に見える帯」と「畳まれた帯」の2層になる。このとき起きがちなのが、せっかく数値を表示するように設定したiStat Menusの項目まで、まとめて畳まれた側へ送ってしまうことだ。数値は見えていないと意味がない。層を分けるときは、iStat Menusの中で「メニューバーに出す」と決めた項目を常時表示の側に置き、結合モードのドロップダウンに入れた情報と同じ扱いのものを畳む側に送ると、判断が二重にならない。

もう1つの分かれ目が、畳んだ状態からの操作性だ。隠したアイコンを押すために毎回メニューバーを展開しなければならない道具と、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける道具では、1日に何度も触る項目の扱いが変わる。前者なら「よく押すものは畳まない」が正解になり、後者なら「押す頻度に関係なく、見た目で選んでよい」に変わる。どちらの作りかは、導入前にできることで確かめておくと、設計をやり直さずに済む。

同種の道具の間でも、押せる階層、ホットキーの有無、ノッチのある画面での振る舞いには差がある。何が違うのかを並べたほかの道具との違いを先に見ておくと、自分のMacの画面幅と外部モニタの構成に対して、どの作りが噛み合うかを見当づけられる。費用の考え方は料金にまとまっていて、買い切りなのか継続課金なのかで、iStat Menusの費用と足し合わせたときの見え方も変わる。

導入手順や動作条件で引っかかりやすい点はよくある質問に整理されている。実際に試すところまで進めるならダウンロードから入手して、いまのメニューバーの構成のまま、どの項目が畳まれるかを確かめるのが早い。iStat Menusの設定を変える前に、外側の層を先に作ってしまうと、9項目の取捨選択そのものが不要になる場合もある。

判断の軸は最後まで変わらない。動きを追う意味がある数字だけを帯に残し、それ以外は1階層下に置く。iStat Menusの結合モードで足りるならそれで終わりで、足りないぶんだけ外側の道具に任せればよい。

よくある質問

iStat Menusのアイコンがメニューバーから消えたのは不具合ですか?

多くの場合は不具合ではありません。macOSはメニューバーが埋まると、入りきらない項目を予告なく非表示にします。アプリ自体は動作を続けています。開発元のヘルプにも同じ説明があります。まず結合モードや間隔設定で幅を詰め、それでも足りなければ常駐アプリの数を見直してください。

9つの項目のうち、どれをメニューバーに残すべきですか?

動きを追う意味がある項目だけを残すのが基準です。CPU使用率、メモリ圧、ネットワークの流量、温度は変化を見ることに価値があります。一方でディスクの空き容量、S.M.A.R.T.の状態、Bluetooth機器の残量、世界時計は、必要なときに開けば足ります。後者は結合モードのドロップダウンへ送ってください。

メニューバーの項目を並べ替えたり外したりするにはどうしますか?

⌘(コマンド)キーを押しながらメニューバーのアイコンをドラッグすると、位置を入れ替えられます。同じ操作でメニューバーの外へ引きずり出すと項目が消えます。システム側の項目を戻したいときは、システム設定のコントロールセンターにある対応するスイッチから再表示できます。

コンパクト間隔が選べないのはなぜですか?

複数のディスプレイを接続しているときは、コンパクト間隔を使えない仕様です。外部モニタを常時つないでいる環境では、この選択肢が最初から無効になります。その場合はラベルの削除、表示モードの変更、結合モードの併用で幅を詰めてください。

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