Itsycalが動かないときに見る場所|権限、常駐、起動項目の順で確かめる

Itsycalの不具合として報告される内容は、見た目が違っても中身はいくつかの型に収まる。アイコンがメニューバーに出てこない、予定の一覧が空のまま、表示される数字がほかのアプリと合わない、という3つでほとんどを占める。この記事は、原因を当てずっぽうで探さずに済むように、権限、常駐の状態、起動項目、版の番号という順番で確かめる手順を整理したものである。

症状を3つに分けてから手を動かす

最初にやることは、再インストールでも設定の作り直しでもない。いま起きていることが次のどれなのかを決めることである。ここを飛ばすと、関係のない設定を触って状態がさらに分かりにくくなる。

  • アイコンがメニューバーに見当たらない。アプリが起動しているかどうかも分からない
  • アイコンは見えている。押すとカレンダーは開くが、予定の欄が空か、一部の予定だけが出ない
  • アイコンも予定も出ているが、日付や週番号がカレンダーappやほかのアプリと食い違う

1つ目はメニューバーの容量とmacOS側の設定の話で、アプリの中を触っても直らないことが多い。2つ目はカレンダーへのアクセス権限と、表示するカレンダーの選択の話である。3つ目は暦の仕様の話で、そもそも不具合ではない場合がある。原因の層が違うので、確かめる場所も変わる。

アイコンが見当たらないとき

公式のヘルプは、この症状によくある原因を2つ挙げている。どちらもアプリ側の問題ではない。

1つは、メニューバーの容量である。メニューバーに並べられる項目の数は画面の幅で決まっていて、右から並んだ項目が左側のアプリメニューにぶつかると、そこから先は描かれない。問題は、隠れたことを知らせる印が何も出ない点である。

When the menu bar fills up with menu items, macOS silently hides new items it can't find room for. 出典: mowglii.com

同じ説明の中で、MacBookのノッチがある機種ではメニューバーの中央を占められるぶん、この状態が起きやすくなるとも書かれている。対処は、ほかの項目を減らして場所を空けることである。出てきたら、右寄りに移しておくと次から隠れにくくなる。項目の移動は、Commandキーを押したままメニューバーのアイコンをドラッグして行う。

もう1つは、macOS 26以降で増えた設定である。公式のヘルプによれば、システム設定に「メニューバー」のパネルが追加されており、そこでアプリの表示が許可されているかを確かめる必要がある。ここが原因の場合、アプリを何度入れ直しても状況は変わらない。

さらに、更新履歴には、macOS 26では一部のメニューのアイコンが既定で無効になっているという記述がある。元に戻すには、ターミナルで defaults write com.mowglii.Itsycalapp EnableTahoeMenuIcons -bool YES を入力するとされている。見た目が以前と違うという相談は、不具合ではなくこの変更であることがある。

予定が出ないとき

予定の欄が空のときは、確かめる場所が2つある。順番を守ると早い。

先に見るのは、アプリ側で表示するカレンダーを選ぶ画面である。公式のヘルプは、Macのカレンダーappに設定してあるカレンダーの一覧が設定パネルの一般タブに出るので、表示したいものにチェックを入れると説明している。ここが空欄のままだと、権限に問題が無くても予定は出ない。設定パネルは、カレンダーの下にある歯車の形のアイコンを押して開く。

その次が、macOS側の権限である。カレンダーの情報を読むアプリは、システム設定のプライバシーとセキュリティにあるカレンダーの項目で許可されている必要がある。許可の確認が出たときに閉じてしまうと、以降は自分で許可を入れ直すまで一覧は空のままになる。設定パネルにカレンダーが1件も並んでいないなら、この可能性が高い。

一部の予定だけが出ないという場合は、別の要因がある。公式のヘルプは、代理で共有されているカレンダーの予定は直接は表示できないと書いている。ただし、それがGoogleカレンダーであれば、Googleカレンダー側の同期設定で対象を選び直すと、Macのカレンダーappに通常のカレンダーとして現れ、結果として表示できるようになるという回避策が紹介されている。

会議への参加ボタンが出ないという相談も、この層に含まれる。参加ボタンは予定の中の会議リンクを検出して出るもので、既定では会議の開始15分前に有効になり、終了で切れる。更新履歴によれば、この挙動をやめて有効なままにする隠し設定も用意されている。

数字が合わないとき

日付や週番号が合わないという症状は、不具合ではなく仕様であることが多い。ここを知らずに再インストールを繰り返すと時間だけが消える。

日付そのものがずれる場合、公式のヘルプは、現時点でグレゴリオ暦だけに対応しているためだと説明している。ほかの暦を使う設定にしていると表示は合わない。

週番号が合わない場合は、原因が2か所に分かれる。カレンダーの左側に出る週番号はISO 8601に沿った値である。一方で、メニューバーに出る文字はmacOS自身が描いていて、既定ではISO 8601に従わない。合わせたい場合は、システム設定の言語と地域で暦をISO 8601に変更するという案内が出ている。なお更新履歴には、0.13.2以降はメニューバーの日時パターンが自動でISO 8601に沿って整形されるという記述もある。手元の版によって挙動が変わる部分なので、まず版の番号を確かめるとよい。

常駐と起動の状態を確かめる

ここまでで直らないときは、アプリが実際に動いているかどうかを分けて考える。メニューバーにアイコンが無い状態は、起動していない場合と、起動しているのに描かれていない場合の両方でまったく同じに見える。

確かめ方は単純で、アプリケーションフォルダからもう一度起動してみて、状態が変わるかどうかを見る。すでに起動していれば新しく起きることは無い。ログインのたびに自動で立ち上げたい場合は、システム設定の一般にあるログイン項目で、この種の常駐アプリが並んでいるかを確かめる。ここに入っていないと、再起動のたびに手で起動することになり、それが「勝手に消える」という症状として認識されることがある。

更新履歴によれば、0.15.11以降はメニューバーのアイコンを右クリックすると、設定を開く操作と終了する操作が出るようになっている。アイコンは見えているが押しても何も出ないという状態のとき、右クリックで反応があるかどうかは、アプリが生きているかを判断する材料になる。

版の番号で判断できる不具合がある

このアプリは更新履歴を公開している。過去に起きた不具合と、それが直った版の番号が書かれているため、手元の版と照らすだけで原因が分かることがある。公開されている記述のうち、症状として気づきやすいものを挙げる。

  • 0.15.7でCPUの使用率が上がる不具合が入り、0.15.8で修正された。動作が重いという症状は、この版に該当していないかを先に見るとよい
  • macOS 26でのメモリ漏れが0.15.9で修正されている
  • カレンダーappの起動に関する問題や、夏時間の切り替えを正しく扱えない不具合の修正も履歴に並んでいる
  • macOS Venturaに上げたあとに落ちるという症状には、公式のヘルプに別の対処が案内されている

版の確認と更新は、アプリ自体が持っている更新の仕組みで行える。公式サイトは、更新の仕組みにSparkle、ショートカットの記録にMASShortcutを使っていると明記している。Homebrewで入れている場合は、caskの名前が itsycal である。

メニューバーを隠す道具と併用している場合の話も履歴にある。0.15.11で、メニューバーの余白が少ないときや隠す道具を使っているときの位置取りが変わり、0.15.12ではその変更の一部が戻されている。macOS側のメニューバーの自動的な隠し機能と組み合わせたときに、以前の挙動が壊れたためだと書かれている。併用している環境で位置がおかしいと感じたら、版の番号と組み合わせて考える価値がある。

押しても別のアプリが開かないとき

カレンダーのボタンを押したときに、使っているカレンダーのアプリではなくmacOS標準のカレンダーappが開くという相談がある。これも設定の場所を知っていれば済む。

公式のヘルプは、このボタンが開くのはMacの既定のカレンダーappであり、BusyCalやFantasticalを既定にすれば、そちらが開くと説明している。既定の指定は、このアプリの中ではなく、標準のカレンダーappの設定の一般タブで行う。つまり設定の場所がアプリの外にある。

さらに同じ説明には、macOS側の不具合により、この指定が効かないことがあるという但し書きがある。指定したのに変わらない場合、設定の入れ直しを繰り返すより、公式のヘルプがそこから案内している対処を見たほうが早い。

隠し設定を入れたまま忘れていないか

このアプリには、設定画面に出ていない項目がいくつかある。過去に何かの症状を直すために入れたまま忘れていると、あとから別の不具合として認識されることがある。

公開されている更新履歴には、次のような項目が並んでいる。予定の上にカーソルを載せたときに詳細を出す ShowEventPopoverOnHover、今月の枠線を描かないようにする DoNotDrawOutlineAroundCurrentMonth、メニューバーの文字の縦位置を動かす BaselineOffset、会議のボタンを有効なままにする EnableMeetingButtonIndefinitely、進行中の会議の印をメニューバーに出す ShowMeetingIndicator である。

いずれもターミナルから defaults write で入れる形になっている。入れた覚えがあるなら、defaults delete に同じ項目名を渡せば消える。見た目や挙動が説明と食い違うときは、アプリの不具合を疑う前に、この層を確かめると切り分けが1つ減る。

直らないときに、何を添えて報告するか

自力で切り分けられない場合、開発者のサイトには報告のしかたが書かれている。求められているのは、再現の手順に加えて、アプリの版、macOSの版、Macの機種と年式、IntelかARMかという情報である。落ちる症状のときはクラッシュレポートも添えるよう案内されている。

この4点をそろえるのは、対応を速くするためだけではない。自分で調べる段階でも役に立つ。版の番号が分かれば更新履歴と照合でき、macOSの版が分かればmacOS 26で増えた設定に該当するかが判断できるからである。

メニューバー側の問題と切り分ける

ここまでで挙げた症状のうち、アイコンが出ないという1つ目だけは、アプリの不具合ではなくメニューバーの容量の問題である割合が高い。原因が容量なら、直し方はアプリの再インストールではなく、並んでいる項目を減らすことになる。

減らすといっても、使っているアプリを終了させると意味が無い。ここで効くのが、常駐は続けたまま表示だけを畳む方法である。メニューバーを整理する道具の中には、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるものがあり、この場合は場所を空けながら操作性を落とさずに済む。何ができるかはできることに整理してある。

ほかの手段との違いを先に知りたい場合はほかの道具との違い、費用の目安は料金にまとめてある。導入前に出やすい疑問はよくある質問で扱っており、実際に手元で試す場合はダウンロードから入手できる。切り分けの結果が「容量が足りない」であったときだけ、これらを見れば足りる。

よくある質問

アイコンがメニューバーに出てきません。再インストールすれば直りますか?

多くの場合は直りません。メニューバーに入る項目の数は画面の幅で決まっていて、入りきらない項目はmacOSが印も出さずに隠します。まずほかの項目を減らして場所を空け、出てきたらCommandキーを押しながら右寄りにドラッグしておいてください。macOS 26以降を使っている場合は、システム設定のメニューバーのパネルで表示が許可されているかも確かめます。

予定が1件も表示されません。どこを見ればよいですか?

先に設定パネルの一般タブを開き、カレンダーの一覧にチェックが入っているかを確かめてください。ここが空だと予定は出ません。一覧にカレンダーが1件も並んでいない場合は、macOS側のカレンダーへのアクセス許可が入っていない可能性が高いので、システム設定のプライバシーとセキュリティにあるカレンダーの項目を確認します。

週番号がカレンダーappと違う数字になります。不具合ですか?

不具合ではありません。カレンダーの左側に出る週番号はISO 8601に沿った値で、メニューバーの文字はmacOSが描いていて既定ではISO 8601に従いません。合わせたい場合は、システム設定の言語と地域で暦をISO 8601に変更します。なお0.13.2以降は、メニューバーの日時パターンが自動でISO 8601に沿って整形されると公式の更新履歴に書かれています。

動作が重く、Macが熱くなります。何を確かめればよいですか?

アプリの版を確かめてください。公式の更新履歴には、0.15.7でCPUの使用率が上がる不具合が入り、0.15.8で修正されたと書かれています。macOS 26でのメモリ漏れも0.15.9で修正されています。更新の仕組みが組み込まれているので、最新の版に上げたうえで再現するかどうかを見るのが確実です。

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