Macが自動でロックするまでの時間|席を外す長さで決める
Macの自動ロックまでの時間を調べる動機は、たいてい正反対の2つに分かれる。席を離れたのに画面が開いたままで不安になる場合と、少し考えごとをしただけで画面が暗くなり、そのつどパスワードを打ち直している場合である。どちらも触る場所は同じで、システム設定の「ロック画面」に並んでいる。この記事では、そこにある項目がどう連動するのか、席を外す長さに応じてどこを動かせばよいのかを順に整理する。
自動ロックまでの時間は、2つの設定の合計で決まる
自動ロックが「何分後に効くか」を1つの数字で指定する項目は、macOSには用意されていない。実際には、画面が消えるまでの時間と、画面が消えてからパスワードを求めるまでの時間という2段構えになっている。この2つを合わせた長さが、席を離れてから他人が画面を触れなくなるまでの時間になる。
ここを1つの数字だと思っていると、設定を変えても手応えが出ない。たとえば画面が消えるまでを10分にしたまま、パスワードを求めるまでを短くしても、最初の10分は画面が点いたままである。逆に、パスワードを求めるまでを長めにしていると、画面が黒くなっていても、キーを叩くだけで元の作業に戻れる状態が続く。黒い画面はロックされている合図ではない。
もう1つ押さえておきたいのは、この2段構えがバッテリー駆動と電源アダプタ接続で別々に持たれている点である。持ち出したときだけ早く消えてほしい、机に据えているあいだは点けておきたいという要望は、この2つを別の値にすることで満たせる。ノート型のMacを社外へ持ち出す機会がある人は、まずここが分かれていることを確認したい。
設定の入口は共通で、アップルメニューからシステム設定を開き、サイドバーで「ロック画面」を選ぶ。項目名は世代によって言い回しが変わるため、探すときは名前よりも「バッテリー」「電源アダプタ」「パスワードを要求」という手掛かりで見るほうが早い。
画面左上のアップルメニューからシステム設定を開いてください。macOSのバージョンで項目名は変わりますが一般的にはバッテリーかロック画面の設定でスリープまでの時間を調整できます。迷ったらバッテリー項目を探すと見つかりやすいです。 出典: mac.point-b.jp
ロック画面の設定に並ぶ項目を、役割ごとに読む
「ロック画面」の画面には、時間に関わる項目が3つ並んでいる。上から順に、バッテリー駆動時に使用していない場合はディスプレイをオフにするまでの時間、電源アダプタ接続時に同じことを行うまでの時間、そしてスクリーンセーバの開始後またはディスプレイがオフになったあとにパスワードを要求するまでの時間である。
3つ目の項目が、いわゆる自動ロックの本体に当たる。Appleはこの項目の働きを次のように説明している。
スクリーンセーバの開始後またはディスプレイがオフになったあとにパスワードを要求: 待機状態のときにMacをロックします。待機状態を解除してMacを使用するときは、ユーザのログインパスワードを入力する必要があります。スクリーンセーバまたはスリープが開始されてからパスワードが必要となるまでの時間を選択できます。 出典: support.apple.com
同じ画面には時間とは関係のない項目も同居している。ログインウインドウにパスワードのヒントを表示するかどうか、ロック中に短いメッセージを表示するかどうか、ログインウインドウにユーザのリストを出すか名前とパスワードの両方を打たせるか、スリープと再起動とシステム終了のボタンを出すかどうかといった選択である。紛失に備えて連絡先を伝える用途でメッセージを使う運用もあるため、時間を決めるついでに目を通しておく価値はある。
なお、待機のあいだに表示されるスクリーンセーバそのものの開始時間は、「壁紙」の中の「スクリーンセーバ」側にも項目がある。時間の話がロック画面と壁紙の2か所に散っているため、片方だけを見て「短くできない」と結論を出しやすい。両方を開いて突き合わせるのが確実である。
席を外す長さで、動かす場所を決める
決め方は単純で、ふだん席を外す長さのうち、いちばん短いものに合わせる。自宅で1人しか触らない環境なら、画面が消えるまでを長めに取り、パスワードを求めるまでも余裕を持たせるほうが手間が減る。共有スペースや社外で作業する時間があるなら、逆に短いほうへ振る。
目安としては、席を外すのが飲み物を取りに行く2分程度で済むなら、パスワードを求めるまでに少しの猶予を持たせても実害は小さい。反対に、会議で30分以上離れることが日常にあるなら、猶予をほぼ置かない設定のほうが理屈に合う。決め手になるのは時間の長さそのものではなく、その場に他人がいるかどうかである。
迷ったときは、短いほうに寄せておき、あとから伸ばす順番がよい。長いまま運用して事故が起きた場合は取り返しがつかないのに対し、短すぎて不便な場合は毎日の使用感として必ず表に出るため、自分で気づいて直せる。設定をいじる回数を減らしたいという理由で最初から長くするのは、順序が逆になる。
同じ理屈で、家族と共有しているMacと、自分専用のMacを同じ値にする必要もない。台数が複数あるなら、持ち出す1台だけを短く設定し、据え置きの1台は長めのままにしておくという分け方が現実的である。設定は台ごとに独立しているため、片方を変えてももう片方には影響しない。
もう1つの判断材料が、Touch IDの有無である。指紋で解除できる環境なら、ロックが掛かること自体の負担は小さい。パスワードを手で打ち直す前提の環境と、指を載せるだけで戻れる環境では、同じ設定でも体感がまるで違う。手元のMacやキーボードにTouch IDがあるかどうかを確かめてから、時間を決めたい。
待たずにロックする手段を、先に用意しておく
時間の設定を詰めても、席を立つその瞬間にロックできなければ意味が薄い。macOSには待たずにロックする手段が複数あり、こちらを先に身につけたほうが安心の度合いは上がる。
アップルメニューから「画面をロック」を選ぶのが基本の操作である。Touch IDがあるMacやMagic Keyboardでは、Touch IDを押すだけでロックできる。Magic Keyboardに「画面をロック」ボタンがある機種では、そのキーを押すという手もある。いずれも設定を変える必要がない。
画面の隅を使う方法も用意されている。システム設定の「デスクトップとDock」の下部にあるホットコーナーで、隅ごとに動作を割り当てられる。ポインタを右上に運ぶと画面をロックする、左上に運ぶとスクリーンセーバを始めるといった形で、ポインタの動きだけで完結させられる。ポップアップメニューを開いたままCommandキーなどの修飾キーを押し続けると、修飾キーと組み合わせた指定にもできるので、意図せず隅に触れて発動するのを避けたい場合はこちらを選ぶ。
ただし、画面のロックには限界もある。同じMacにアカウントを持つ人が電源を切って起動し直し、自分のアカウントでログインすることは止められない。変更が自動保存されないアプリを開いたまま離席すると、その内容が失われる可能性がある。席を外す前に保存しておく習慣は、ロックの設定とは別に必要になる。
画面が消えるのが早すぎると感じたときに見る場所
「勝手に暗くなる」という症状で調べ始めた場合、原因はロック画面の時間設定だけとは限らない。ディスプレイの明るさが落ちるだけで、実際にはまだ消えていないこともある。まずは何が起きているのかを切り分けたい。
暗転が「一度暗くなってから完全に消える」流れで進む場合は、ディスプレイをオフにするまでの時間が短く設定されている。バッテリー駆動と電源アダプタ接続で値が違うため、電源をつないでいるときは問題がなく、外した途端に早くなるという形で表れることがある。この症状が出たら、バッテリー駆動側の値だけを確認する。
映像を見ているあいだだけ消えてほしくない、という要望は、時間の設定を伸ばすよりも、その用途に合った方法で押さえるほうが副作用が小さい。時間を伸ばすと、席を外したときにも点いたままになるためである。Appleも、スリープを遅らせたり防いだりすると電力の消費が増える可能性があると注意を添えている。
もう1つ見落としやすいのが、スクリーンセーバ側の開始時間である。ロック画面の時間を長くしても、スクリーンセーバが先に始まれば、作業を中断されたように感じる。壁紙の設定の中にあるスクリーンセーバの開始時間も合わせて確かめると、原因の取り違えがなくなる。
スリープそのものの設定は、別の画面にある
ディスプレイが消えることと、Mac本体がスリープに入ることは別の出来事である。画面だけ消えて処理は続いている状態と、本体が眠っている状態では、復帰の速さも、そのあいだに動く仕組みも違う。設定の置き場所も分かれている。
ノート型のMacでは、システム設定の「バッテリー」を開き、「オプション」の中を見る。電源アダプタ使用時にディスプレイがオフでも自動でスリープさせないかどうか、可能な場合にハードディスクをスリープさせるかどうか、ネットワークアクセスによるスリープ解除を許すかどうかを選べる。デスクトップ型のMacでは同じ内容が「エネルギー」に置かれている。
ネットワークアクセスによるスリープ解除は、共有しているファイルやプリンタへ外から届いたときに、Macが一時的に目を覚ます動きである。ファイル共有を使っていないなら触る必要はないが、共有の相手から「見えないことがある」と言われている場合は、この項目が関係している可能性がある。
機種によっては一部の項目が表示されない。Appleも、Macによっては使用できないオプションがあると明記している。見当たらない項目を探し続けるよりも、自分のMacで選べる範囲の中で決めるほうが早い。詳しい対応関係はMacのスリープ/スリープ解除を設定するで確かめられる。
ロックを解除した直後に時間を取られるのは、メニューバーの確認
自動ロックの時間を決めたあとに残るのが、解除した直後の数秒である。戻ってきてまず目が行くのはメニューバーで、通信の状態、電池の残量、バックアップの進み具合、会議アプリの待ち受けといった常駐の項目をひととおり見てから作業に戻る人が多い。ここにアイコンが並びすぎていると、確認そのものが引っかかりになる。
並びを減らす方向の手当ては、macOSの側にもある。システム設定の「メニューバー」で表示するアイコンを選び直し、コントロールセンターの「コントロールを編集」から項目を出したり外したりできる。使っていない項目をここで落とすだけでも、見る対象は目に見えて減る。
それでも残る常駐アイコンをどう扱うかは、専用の道具の領分になる。メニューバーを整理する道具の働きはできることにまとめられており、隠したうえで必要なときだけ呼び出す流れが説明されている。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形であれば、解除の直後に見たい項目へ一手で届く。
同じ用途の道具が複数あるため、選ぶときは並べて見るのが早い。対応する範囲や提供の形を横に並べたほかの道具との違いがあり、費用の形と対応するmacOSの範囲は料金に、許可の必要性や乗り換えの細かい扱いはよくある質問に書かれている。試すところから始めるならダウンロードから入手し、動作条件を先に確かめておくとよい。
よくある質問
自動ロックまでの時間は、どこで1つだけ指定できますか?
1つの項目では指定できない。画面が消えるまでの時間と、消えてからパスワードを求めるまでの時間という2段構えになっており、その合計が実際にロックが掛かるまでの長さになる。どちらもシステム設定の「ロック画面」に並んでいるため、2つとも確認してから決める。
画面が黒くなっていれば、ロックされていますか?
画面が消えていることとロックが掛かっていることは別である。パスワードを求めるまでの猶予が設定されている場合、その時間内はキーを押すだけで元の作業に戻れる。離席のあいだ確実に閉じておきたいなら、猶予を短くするか、席を立つときに自分でロックする。
電源につないでいるときだけ画面が消えないのは、故障ですか?
故障ではない。ディスプレイをオフにするまでの時間は、バッテリー駆動時と電源アダプタ接続時で別々に持たれている。電源を外した途端に早く消えるようになる場合は、バッテリー駆動側の値が短く設定されている。両方の値を見比べると原因が分かる。
席を立つ瞬間にすぐロックする方法はありますか?
アップルメニューから「画面をロック」を選ぶ方法があり、Touch IDのあるMacやキーボードではTouch IDを押すだけでもロックできる。システム設定の「デスクトップとDock」にあるホットコーナーに「画面をロック」を割り当てておけば、ポインタを画面の隅へ運ぶだけで済む。