MacのAutomatorの使い方|毎回の手作業を渡してしまう

MacのAutomatorは、同じ手作業を毎日繰り返している人ほど効きが大きい標準アプリである。画像のサイズを揃える、ファイル名を整える、指定のフォルダへ振り分けるといった作業を、部品を並べるだけで自動化できる。この記事では、Automatorの画面の見方から、ワークフローを作って動かすまでの手順、右クリックから呼び出せる形に仕上げる方法、そして行き詰まったときに使える逃げ道までを順に整理する。

Automatorが向いている作業と、向いていない作業

Automatorは「アクション」と呼ばれる部品を縦に並べ、上から順に実行する仕組みを持つ。前のアクションが出した結果が、そのまま次のアクションの入力になる。ファイルの一覧を作るアクションの下に、リサイズするアクションを置き、その下に別のフォルダへ移動するアクションを置けば、3工程がひと続きになる。

向いているのは、手順が毎回同じで、判断が要らない作業である。撮ったスクリーンショットを一定の横幅に揃える、受け取ったPDFをまとめて1つに結合する、同じ命名規則でファイル名を付け直す、といった類が典型になる。逆に、中身を見て分ける作業や、例外が多い作業は、部品を並べる形では表しにくい。

作業の回数で見ると、判断の目安が立てやすい。1回で終わる作業をAutomatorに載せる意味は薄く、週に3回以上繰り返しているなら作り込む価値が出てくる。作る時間も必要になるため、最初は小さいものから始めるほうが続く。

なお、macOSにはAutomatorとは別に「ショートカット」というアプリもある。新しく作るならショートカットを選ぶ判断もあり得るが、Automatorにしか用意されていないアクションもある。手元の作業に合うアクションがどちらにあるかで選ぶのが現実的である。

ワークフローを作るまでの手順

Automatorを開くと、まず作るものの種類を選ぶ画面が出る。ここで選んだ種類によって、あとからどう呼び出せるかが変わる。

Automatorワークフローを作成するには、作成したいワークフローのタイプを選択してから、そのワークフローにアクションを追加します。 出典: support.apple.com

手順は次の流れになる。ファイルメニューから「新規」を選び、作るワークフローの種類を選ぶ。種類を選ぶと、その説明がメニュー内に表示されるため、迷ったら説明を読んで決められる。「選択」を押すと編集画面に入る。

編集画面では、左側に「ライブラリ」があり、アクションがアプリ別やデータの種類別に分類されている。目当てのアクションを探す方法は3通り用意されている。すべてのアクションを見たいときはアクションメニューで「ライブラリ」を選ぶ。分類から絞りたいときは「ライブラリ」の列でカテゴリを選ぶ。名前の一部が分かっているときは検索フィールドに単語を入力する。カテゴリを選んだあとに検索すると、そのカテゴリの中だけを探せる。

アクションを追加するには、目当てのアクションをダブルクリックする。追加したあとに順番を入れ替えたい場合は、ワークフローの中でアクションをドラッグして動かせる。選んだアクションの説明はウインドウの左下隅に表示されるので、何が入力で何が出力なのかを読んでから並べるとやり直しが減る。作り終えたらファイルメニューから「保存」を選ぶ。

操作を記録して部品にする道もある。「記録」ボタンを押して自動化したい操作を実際に行い、終わったら「中止」を押す。記録した内容は自動的にワークフローに現れる。アクションとして用意されていない操作を扱いたいときの手段になる。

動かして、どこで止まったかを読む

作ったワークフローは「実行」を押して試す。このとき「ログ」の領域を表示しておくのが要点で、表示されていない場合は表示メニューから「ログ」を選ぶ。

実行すると、各アクションが上から順に処理される。ログの領域には進行中のアクションと完了した時点が並び、終わったアクションには緑色のチェックマークが付く。問題が起きた場合は、警告とエラーのメッセージが同じログ領域に出る。つまり、止まった箇所を探すときに見る場所は1つで済む。

途中の値を目で確かめたいときは、「ユーティリティ」のカテゴリにある「結果を表示」アクションを、確認したい位置に挟む。前のアクションが何を渡したのかがその場で見えるため、思っていたものと違う形でデータが流れている場合にすぐ気づける。

実行のたびに設定を選び分けたい場合の仕組みもある。アクションの下にある「オプション」を押し、「ワークフローの実行時にこのアクションを表示」を選んでおくと、実行のたびにダイアログで選択肢が出る。固定値で作り切るのではなく、毎回変わる部分だけを手で決める形にできる。

繰り返しの実行は「ループ」アクションで表す。ループより前に置いたアクションが繰り返しの対象になり、ループの後ろに置いたアクションは、停止の条件が満たされるまで動かない。設定では、続行するかどうかを毎回尋ねる形と、自動で繰り返して条件を満たしたら止まる形のどちらかを選べる。

右クリックから呼び出せる形に仕上げる

作ったワークフローをAutomatorから開いて実行するのでは、手間がそこまで減らない。よく使うものは「クイックアクション」として作り直すと、Finderの画面や「サービス」メニューから直接呼び出せるようになる。

作り方は通常のワークフローとほぼ同じである。ファイルメニューから「新規」を選び、「クイックアクション」を選んで「選択」を押す。編集画面の上部で、入力として受け取るデータの種類、処理を行うアプリ、そしてクイックアクション自身の画像とカラーを指定する。あとはアクションを並べて保存すればよい。

入力の種類をどう決めるかが、使い勝手を左右する。画像ファイルを渡す前提で作るなら画像ファイルを、テキストを選んで渡す前提なら文字列を指定する。ここが実際に渡すものと食い違うと、選んでも項目が出てこない状態になる。出てこないときは、まずこの指定を疑うのが早い。

実際の作例としては、次のような使い方が紹介されている。

Macを使っていて毎日のように行なう面倒な作業はありませんか? そんなときに活用したいのが、「クイックアクション」という機能です。macOS標準の「Automator」を使って自分だけのオリジナルクイックアクションを作成できるので、ここではその作成方法や便利な使い方を紹介します。 出典: pc.watch.impress.co.jp

保存したクイックアクションは、Finderのウインドウから呼び出せる。プレビューの欄や、ファイルを選んだときに現れるボタンから実行する形になるため、Automatorを開き直す必要がなくなる。

変数とスクリプトで、作れる範囲を広げる

同じ値をいくつかのアクションで使い回したいときは「変数」を使う。Automatorウインドウの左上で「変数」を選ぶと、ライブラリからカテゴリを選べる。使いたい変数をアクションのフィールドへドラッグすると、そのフィールドが対応している場合は緑のプラス記号が表示される。ワークフローの中へドラッグした場合は「変数の値を取得」アクションが追加され、その値が次のアクションへ渡る。

アクションだけでは足りない処理は、スクリプトで補える。「ユーティリティ」のカテゴリにある「シェルスクリプトを実行」アクションをワークフローへドラッグし、シェルのポップアップメニューで環境を選び、コマンドを入力する。同じカテゴリには「AppleScriptを実行」と「JavaScriptを実行」のアクションもあり、アクションの中で直接編集して試せる。

逆向きの使い方もできる。Automator自身がスクリプトから操作できるアプリなので、AppleScriptやJavaScriptの側からワークフローを実行したり、新しいワークフローを作ったり、アクションを追加したりできる。どんな命令が使えるかは、アプリケーションフォルダのユーティリティにある「スクリプトエディタ」にAutomatorのアイコンをドラッグすると開く用語説明で確かめられる。

覚えておくと速くなるキーボードショートカットもある。新規ワークフローはCommand+N、実行はCommand+R、停止はCommand+ピリオド、結果を表示するのはCommand+Kである。アクションを検索するフィールドへ移動するのはOption+Command+F、ログを表示するのはOption+Command+Lになる。

作ったものを、あとから引き継ぐ

Automatorで組んだワークフローは、ショートカットアプリへ読み込める。ワークフローのファイルをショートカットへドラッグすると自動的に変換され、新しいショートカットとして現れる。Appleの説明では、ほとんどのワークフローが同じ機能と同じ動きを持つショートカットへ変換できるとされている。

この道があるため、いまAutomatorで作ることが無駄になるわけではない。手元にあるアクションで組めるなら先にAutomatorで作り、必要になった時点でショートカットへ移すという順番でも成り立つ。移したあとも元のファイルは残るため、片方を試してから決められる。

うまく変換できない場合は、原因になっているアクションを1つずつ外して切り分ける。スクリプトを含むアクションや、特定のアプリに強く結び付いたアクションは、移した先で同じようには動かないことがある。全部を一度に移そうとせず、作業の単位ごとに分けて移すほうが手戻りが少ない。

作ったものが増えてきたら、名前の付け方を決めておくと管理が楽になる。入力の種類と処理の内容が名前から分かる形にしておけば、クイックアクションの一覧が長くなっても選び間違えない。

自動化を進めると、次に詰まるのはメニューバー

自動化が進むと、常駐して動く仕組みが手元に増える。バックアップ、同期、クリップボードの履歴、定型処理の待ち受けといった常駐アプリは、たいていメニューバーにアイコンを出す。作った自動化が正しく動いているかを確かめる場所も、多くはそのアイコンになる。

ここで起きるのが、確認したいアイコンが見つからない状態である。並びが増えるほど目的のものを探す時間が伸びる。まずはmacOSの側で減らせる分を減らすのが順序で、システム設定の「メニューバー」で表示するアイコンを選び直し、コントロールセンターの「コントロールを編集」で項目を出し入れできる。

減らし切れない常駐アイコンは、専用の道具で畳む形になる。メニューバーを整理する道具の働きはできることに整理されており、隠したうえで必要なときだけ呼び出す流れが説明されている。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形であれば、処理の進み具合を見たいときに一手で届く。

同じ用途の道具を比べるなら、対応範囲や提供の形を並べたほかの道具との違いを見るのが早い。費用の形と動作条件は料金に書かれており、許可の必要性や細かい挙動はよくある質問にまとまっている。手元で確かめたい段階になったらダウンロードから入手し、対応するmacOSの範囲を先に確認しておきたい。

よくある質問

Automatorは追加の費用がかかりますか?

AutomatorはmacOSに付属する標準アプリで、アプリケーションフォルダに入っている。追加の購入や登録は必要ない。作ったワークフローの保存先も手元のMacになるため、外部のサービスへ登録する必要もない。

プログラミングの知識がないと使えませんか?

基本の使い方では不要である。用意されたアクションをライブラリからドラッグして縦に並べ、上から順に処理させるだけで動く。シェルコマンドやAppleScriptを使うアクションも用意されているが、そちらは足りない処理を補うための選択肢であり、最初から必要になるものではない。

作ったワークフローを右クリックから呼び出せますか?

「クイックアクション」として作ると呼び出せる。ファイルメニューの「新規」でクイックアクションを選び、入力として受け取るデータの種類と処理を行うアプリを指定して保存する。保存後はFinderのウインドウや「サービス」メニューから実行できる。

うまく動かないとき、どこを見ればよいですか?

Automatorのウインドウ下部にある「ログ」の領域を見る。表示されていない場合は表示メニューから「ログ」を選ぶ。進行中のアクションと完了した時点が並び、問題が起きた場合は警告とエラーがここに出る。途中の値を見たいときは「結果を表示」アクションを間に挟む。

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