Macでのバックスラッシュの打ち方|キーボードごとの違い
Macでバックスラッシュを打とうとして円記号が出てしまう状況は、キーボードの刻印を見ても解決しない。原因は押すキーではなく、いま選ばれている入力ソースと、キーボードの配列の組み合わせにある。この記事では、JIS配列とUS配列でそれぞれどのキーを押すのか、なぜ円記号と入れ替わるのか、設定で固定したのに効かないときに何を見るのかを順に整理する。
円記号とバックスラッシュが入れ替わる理由は文字コードにある
同じキーを押しているのに、画面に出る文字がバックスラッシュのときと円記号のときがある。これは不具合ではなく、文字コードの割り当てが国ごとに分かれた歴史の結果である。日本語向けの規格では、本来バックスラッシュが置かれていた番地を円記号に差し替えた。その結果、内部の値は同じでも、どのフォントとどの文字集合で表示するかによって見た目が変わる状態が長く続いた。
文字コードの説明で¥(円記号)と\(バックスラッシュ)はコンピュータ内部では同じ文字として扱われるという話をしました。歴史的には、ASCIIコードを国際化対応するときに、日本の規格(JIS X 0201)では\の割り当ててある0x5Cを¥としたからです。なお、現在のUnicodeではどちらの文字も別の文字コードに割り当てて収録されているから話がややこしくなります。 出典: cc.kyoto-su.ac.jp
いまのmacOSはUnicodeが標準であるため、円記号とバックスラッシュは別の文字として扱われる。つまり、プログラムのエスケープ記号として円記号を書いても、バックスラッシュの代わりにはならない。見た目が似ているから通るだろうという扱いが成り立たなくなった点が、この問題が今も残っている理由である。エディタの画面では区別が付きにくいので、フォントを等幅のものに変えて確かめる手もある。
JIS配列とUS配列で、押すキーがそのまま違う
まず自分のキーボードがどちらの配列かを確かめる。Returnキーの形と、スペースバーの左右にあるキーの刻印で判別できる。JIS配列は「英数」と「かな」が並び、右上の方に円記号のキーがある。US配列はスペースバーの左右がCommandキーだけで、Returnキーの上にバックスラッシュの刻印が入ったキーがある。
- US配列: Returnキーのすぐ上にあるキーを単独で押す。Shiftを足すと縦線が出る
- JIS配列: Optionキーを押しながら円記号のキーを押す。単独で押すと円記号が出る
- JIS配列の外付けキーボード: 刻印とmacOS側の認識がずれることがあるため、キーボードビューアで実際の割り当てを見る
JIS配列でOptionキーを足す必要がある点が、検索されている理由のほとんどを占めている。2つのキーを同時に押す操作は、プログラムの記述中に何十回も繰り返すと確かな負担になる。そこで設定で固定する方法が知られているが、後述するとおり効く範囲に条件がある。
配列を確かめずに設定へ進むと、直したはずのものが直らない。US配列のキーボードを使っている人が円記号のキーの設定を変えても、そもそも押すキーが違うため何も変わらない。逆に、JIS配列の本体にUS配列の外付けキーボードを繋いでいる場合は、本体側で打つときと外付けで打つときで挙動が変わる。まず何を使っているかを確定させてから設定に入る順序が、遠回りを避ける近道になる。
¥キーで出る文字は設定で入れ替えられる
macOSには、円記号のキーを押したときに何を入力するかを選ぶ設定がある。日本語入力ソースのオプションのなかにあり、Appleの資料では次のように説明されている。
“¥”キーで入力する文字 JISキーボードで ¥ キーを押したときにバックスラッシュ(「\」)と円記号(「¥」)のどちらを入力するかを設定します。 出典: support.apple.com
たどる道はアップルメニューからシステム設定を開き、サイドバーの「キーボード」を選び、「テキスト入力」の「編集」をクリックする。左側の一覧から「日本語 - ローマ字入力」を選ぶと、右側にオプションが並ぶ。そのなかに「“¥”キーで入力する文字」がある。同じ並びには「“/”キーで入力する文字」もあり、スラッシュと中黒のどちらを出すかを選べる。プログラムを書く用途ならスラッシュ側に寄せておくと扱いやすい。
設定したのに効かないときは入力ソースを見る
この設定を変えたのに円記号が出続ける、という詰まり方が最も多い。原因は入力ソースである。設定は日本語入力ソースに属するオプションなので、別の入力ソースが選ばれている間は適用されない。
この設定は「日本語」の入力モードを使っている時にのみ有効なようで、英語の入力モードの時には適用されないようです。さらに話がややこしいことに、現在のMacのキーボードの「英数」キーを押すと、英語入力モード(「ABC」と書いてあるもの)に切り替わるので、¥キーの設定が効かないようです。 出典: cc.kyoto-su.ac.jp
対処の道筋は2つある。1つは、日本語入力ソースの入力モードで「英字」を有効にしておき、英字の入力もそちら側で済ませる形にする。もう1つは、そのうえで入力ソースの一覧から「ABC」を外してしまう形である。順序を逆にすると外せないため、英字モードを有効にしてから削除する。Appleの資料でも、入力ソースの追加と削除は「テキスト入力」の「編集」から行う操作として説明されている。
キーボードビューアで実際の割り当てを確かめる
刻印と実際の割り当てが食い違っているときは、推測ではなく画面で確かめるのが早い。macOSにはキーボードビューアがあり、いま選ばれている入力ソースの配列を表示できる。修飾キーを押すと表示も切り替わるため、Optionキーを押した状態でどこにバックスラッシュが現れるかを目で追える。
また、「入力ソース」設定でキーボードレイアウトを表示し、OptionやShiftなどの修飾キーを押したときにレイアウトがどのように変わるかを確認することもできます。 出典: support.apple.com
配列が一致していない入力ソースを選んでいると、キーボードの刻印と画面に出る文字が食い違う。Appleの資料でも、物理キーボードと一致しない入力ソースを選んだ場合に、押すキーと表示される文字が異なることがあると説明されている。借りた機械や中古で買った機械では、前の持ち主が入力ソースを足したまま残している場合もあるため、一覧に何が並んでいるかも合わせて見ておく。
キーボードビューアは、メニューバーの入力メニューからも開ける。入力メニューを出すには、システム設定のキーボードから「テキスト入力」の「編集」に進み、「メニューバーに入力メニューを表示」をオンにする。入力ソースを複数追加すると、この項目は自動でオンになる。外付けのキーボードに差し替えたときや、配列の違う機種を借りたときは、まずここを開いて実際の割り当てを見ると迷いが減る。
アプリごとに挙動が変わる場面を切り分ける
同じ設定のまま、アプリによってバックスラッシュが素直に入るものと入らないものがある。これは設定が壊れているのではなく、アプリが受け取る文字の扱いが異なるためである。ターミナルのように、押されたキーの値をそのまま渡す作りのアプリでは、入力ソースの設定に関わらずバックスラッシュとして扱われることがある。一方で、文字の自動置換を持つエディタや文章作成アプリでは、書式上の整えが働いて別の記号に変わる場合がある。
切り分けの順序は決まっている。まずテキストエディットなど素の文章を扱うアプリで打ってみて、そこで正しく入るなら設定側の問題ではない。次に、問題が出たアプリの設定で、自動置換や引用符の整えが働いていないかを見る。macOSには、対応するアプリで体裁上の引用符とダッシュを使う設定があり、これがオンだと記号の見た目が変わる。システム設定のキーボードから「テキスト入力」の「編集」に進むと、この項目を切り替えられる。
- 素の文章アプリで正しく入る: アプリ側の自動置換を確かめる
- 素の文章アプリでも円記号になる: 入力ソースと配列の設定を確かめる
- 機械を変えると挙動が変わる: 外付けキーボードの配列の認識を確かめる
文字ビューアと置き換えを使った回り道
キーの割り当てを変えたくない場合は、別の入口から入力する手もある。文字ビューアはFnキーとEキーの組み合わせ、または地球儀キーとEキーで開き、検索欄に文字の名前を入れて探せる。記号を1文字だけ入れたい場面には向いている。よく使う記号はお気に入りに登録しておける。
日本語入力ソースには、読みを入力してから変換で記号を出す道もある。丸や矢印のような記号は、読みを打ってスペースバーで変換し、候補表示ウインドウの「記号」から選べる。ただしバックスラッシュは、この方法では狙って出しにくい。円記号として確定してしまう場面があるため、記号の入力全体を変換に任せる運用にはしないほうがよい。
もう1つは、入力した文字列を別の文字に置き換える仕組みを使う方法である。macOSには、決めた文字列を入力すると別の文字列に差し替える一覧があり、システム設定のキーボードから「テキスト入力」の「ユーザ辞書」で編集できる。バックスラッシュ専用の短い呼び出し語を登録しておけば、配列が違う機械を触るときにも同じ手順で入力できる。ただしプログラムのコードを書く場面では、置き換えが意図せず働くことがあるので、開発用のエディタでは置き換えを切っておく判断もある。
入力の設定を詰めると、次に効くのはメニューバーの整理
入力周りを整えると、次に手が止まるのはメニューバーである。入力メニューを表示する設定を入れた時点で、メニューバーの右側に項目が1つ増える。ここに常駐アプリのアイコンが並んでいると、入力ソースの切り替えや文字ビューアを開くために、毎回目で探すことになる。MacBookの機種ではノッチの分だけ表示できる幅が狭く、項目が多いと左側へ押し出されて見えなくなる。
判断の軸は2つある。1つは状態を見るために常に出しておきたいもの、もう1つは押すときだけ出ればよいものである。入力メニューと電池の残量は前者に入りやすく、同期やバックアップの進み具合は後者で足りる。メニューバーを整理する道具の働きはできることにまとめられており、常に出す項目と畳んでおく項目を分ける流れが説明されている。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形であれば、畳んだあとも押す手数は増えない。
同じ用途の道具は複数あるため、対応範囲と提供の形を並べて見るのが早い。横に並べたほかの道具との違いがあり、費用の形と対応するmacOSの範囲は料金に、許可の必要性や乗り換え時の扱いはよくある質問に書かれている。手元で確かめる段階になったらダウンロードから入手し、動作条件を先に見ておくとよい。
よくある質問
JIS配列のMacでバックスラッシュを打つには何を押しますか?
Optionキーを押しながら円記号のキーを押します。単独で押すと円記号が入力されます。毎回Optionキーを足したくない場合は、日本語入力ソースのオプションにある「“¥”キーで入力する文字」をバックスラッシュ側に変えます。
設定を変えたのにまだ円記号が出るのはなぜですか?
その設定は日本語入力ソースに属するため、「ABC」など別の入力ソースが選ばれている間は適用されません。日本語入力ソースの入力モードで「英字」を有効にしてから、入力ソースの一覧から「ABC」を外すと、英字入力でも設定が効く状態になります。
円記号をバックスラッシュの代わりに使っても動きますか?
いまのmacOSはUnicodeが標準で、円記号とバックスラッシュは別の文字として扱われます。そのため、プログラムのエスケープ記号として円記号を書いても、バックスラッシュとしては解釈されません。見た目が似ていても差し替えは利きません。
自分のキーボードがどちらの配列か分からないときはどうしますか?
キーボードビューアで実際の割り当てを表示できます。システム設定のキーボードから「テキスト入力」の「編集」に進み、左側で入力ソースを選ぶと配列が出ます。Optionキーを押すと表示が切り替わるので、バックスラッシュの位置をその場で確かめられます。