Macの解像度を変更する|文字の大きさと作業できる広さの釣り合い

Macの解像度を変更したい理由は、たいてい2つのどちらかである。文字が小さくて読みにくいから大きくしたい、あるいは画面が狭くてウインドウを並べられないから広く使いたい。この2つは同じスライダの両端で、片方を取れば片方が減る。設定の場所だけを知っても釣り合いの決め方は分からないので、この記事では変更の手順に加えて、広く振ったときに何が得られて何を失うのか、そして選んだ解像度が映らなくなったときの戻し方までを扱う。

解像度を変えると、文字の大きさと作業領域が同時に動く

Appleの説明は端的である。ディスプレイの解像度によって画面上のテキストやオブジェクトのサイズが決まる、と書かれている。標準ではそのディスプレイに最適な解像度が自動で選ばれ、ガイドもデフォルトを使うことを勧めている。

そのうえで、手で決める理由は2つ挙げられている。1つは画面のテキストやオブジェクトを大きく表示すること、もう1つは小さく表示して画面の領域をより多く使えるようにすることである。つまり選ぶ操作は、読みやすさと作業できる広さのどちらを取るかを決める操作にほかならない。

ここが分かりにくいのは、Macの設定画面に並ぶ候補が「解像度」という数字ではなく、文字を大きく寄せるか領域を広く寄せるかの段階として出てくることがあるためである。数字を直接選びたい人は、次の節にある表示の切り替えを使う。

もう1つ押さえておきたいのは、いまのMacの内蔵ディスプレイが物理的な点の数と表示上の広さを別に持っていることである。外部の解説でも、この2つの数字の開きが説明されている。

少なくとも2020年のMacBook Airから解像度が2560×1600(WQXGA)以上の解像度を持つディスプレイを備えています。現在のMacOSは、このRetina表示がデフォルトとなっています。100%換算では1440×900 WXGA+表示であり、デフォルトでは全画面ブラウザ表示で精一杯で、結構狭く感じます。 出典: qiita.com

物理的な点は多いのに、扱える広さは控えめに置かれている。この余裕があるおかげで文字の輪郭がなめらかに出る。広さが足りないと感じる人が解像度の設定を探しに来るのは、この初期配分が読みやすさ寄りに振られているためである。

変更の場所と、隠れているリスト表示の出し方

手順は短い。アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「ディスプレイ」をクリックする。サイドバーは下へスクロールしないと出てこないことがある。そこで解像度を選ぶ。

候補がサムネールとして横に並んでいる場合は、ポインタをサムネールの上に載せると解像度のサイズが出る。数字を見てから選べるので、目的の広さを狙いやすい。

数字の一覧として見たいときは表示を切り替える。Controlキーを押しながらサムネールの並びをクリックして「リストを表示」を選ぶと、使える解像度がリストになる。サムネールに戻すときは、同じくControlキーを押しながらリストをクリックして「サムネールを表示」を選ぶ。

毎回リストで見たいなら固定できる。「詳細」をクリックして「解像度をリスト表示」をオンにすると、次からは常にリストで開く。数字で管理したい人はここを先に入れておくと、以降の作業が速い。

外部の解説では設定の入口が「システム環境設定」の名前で書かれていることがある。

 はじめに PCは解像度を設定できますが、それはMacも例外ではありません。 Macの解像度は、システム環境設定->ディスプレイから変更できます。 出典: zenn.dev

いまの版では「システム設定」という名前になっていて、サイドバーの形も変わっている。辿り着く先は同じ「ディスプレイ」なので、手順書の画面写真と自分の画面が違っても、この行き先だけ覚えておけば迷わない。

外付けディスプレイでは選べる候補が増える

ディスプレイを増やすと、候補も増える。Appleの案内は、複数のディスプレイを使っている場合、もう一方を接続したあとに追加の解像度オプションを使えるようになると書いている。

手順は主ディスプレイと同じ入口である。システム設定のサイドバーで「ディスプレイ」をクリックし、調整したいディスプレイを選んでから解像度を選ぶ。どちらの画面を触っているのかを間違えやすいので、選択している側の名前を見てから決める。

一覧に出ていない解像度がある場合の入口も用意されている。「すべての解像度を表示」をオンにすると、そのディスプレイのその他の解像度が出てくることがある。ここに現れるものは、ディスプレイ側が申告した範囲を越える組み合わせを含むため、選んだ結果が正しく映るとは限らない。試すなら、次の節にある戻し方を読んでから触る。

ケーブルとアダプタも候補の数に関わる。Appleは、外付けディスプレイの解像度やリフレッシュレートに対応していないビデオケーブルやアダプタを使うと、画面が暗くなったり解像度やリフレッシュレートが低くなることがあると書いている。ThunderboltやUSB-Cのアダプタなら、DisplayPort Alt Mode、Thunderbolt 3、Thunderbolt 4のいずれかに対応している必要がある。ハブやドック経由で繋いでいるなら、Macのポートへ直接繋いで候補が変わるかを見る。

同時に使えるディスプレイの台数にも上限があり、これを超えると画面が暗くなる。上限は機種ごとに違うため、繋ぐ台数を増やす前に自分のMacの仕様を見ておくと空振りが減る。

広く使う側へ振ったときの得と損

領域を広く取る側に振ると、得られるものははっきりしている。ウインドウを横に2つ並べても内容が切れにくくなる。表計算の列が多く見える。コードの横に資料を置ける。ブラウザを開いたら他に何も置けない状態からは抜けられる。

失うものも同じくらいはっきりしている。まず文字が小さくなるので、読む時間が長い仕事では疲れが増える。次に、Appleが注記しているとおり、解像度の調整方法によっては画面に全体が収まらないアプリウインドウが出る。最小の高さが決まっているウインドウは、広く見せるための調整と相性が悪いことがある。

3つ目は動作への影響である。Appleは「解像度を調整するとパフォーマンスに影響する場合があります」と書いている。外部の記事も、選んだときに画面へ出る警告として同じ文言を挙げている。

実際その解像度にすると「解像度を変更するとパフォーマンスに影響する場合があります。」と表示されます。ちなみにDot by Dotもあまりに高解像度なモニターだと同じ表示が出ます。 出典: qiita.com

判断の順番としては、広さが足りないという問題が解像度で解けるのかを先に確かめるほうがよい。ウインドウを並べる操作や、デスクトップを増やして切り替える運用で足りることもある。文字を小さくして得た面積は、読む速度を犠牲にして買っている面積である。読む仕事の比率が高い人ほど、標準の位置から1段だけ動かして数日使ってみる進め方が向いている。

外付けディスプレイを足す選択肢もここに並ぶ。物理的に広い面を用意すれば、文字の大きさを犠牲にせず面積が増える。解像度の設定で無理に詰めるより、机の上の条件が許すならこちらのほうが素直である。

変更したあと画面が真っ暗になったときの戻し方

対応していない解像度を選ぶと、画面に何も映らなくなることがある。Appleはこの症状を想定して、復帰の手順を段階で示している。

  • まず15秒待つ。自動で解像度がリセットされる場合がある
  • 戻らなければEscキーを押す。前に選んでいた解像度に戻る
  • それでも戻らなければ、Macをセーフモードで起動する
  • 起動したら「システム設定」のサイドバーで「ディスプレイ」をクリックし、「デフォルト」をクリックする
  • その後、通常の手順でMacを再起動する

セーフモードでの起動は通常より時間がかかることがあるが、その状態ではディスプレイが正しく動くとされている。手が出せないと感じても、電源を落とす前にこの順で試す価値がある。

外付けディスプレイ側で映らない場合は、検出をやり直す手も用意されている。システム設定の「ディスプレイ」を開いた状態でoptionキーを長押しすると「ディスプレイを検出」のボタンが現れる。これをクリックすると再検出が走る。ケーブルを抜き差しする、Macをスリープさせてから復帰させる、ノート型なら蓋を数秒閉じてから開く、といった操作も同じ目的で挙げられている。

危ない操作を試す前に、いまの解像度を控えておくと戻しやすい。「詳細」で「解像度をリスト表示」をオンにしてリストを出し、選ばれている行の数字を書き留めておく。サムネールのままだと、どれが元の位置だったのか分からなくなる。

ぼやける、にじむときは解像度以外も見る

映ってはいるが文字がぼやけるという症状は、解像度の選び方で起きることがある。Appleは、ディスプレイのデフォルトの標準解像度を使ったほうがスケーリング解像度より鮮明に映る可能性があると書いている。広く使いたい気持ちで一段詰めた結果、輪郭が甘くなっているなら、いったん標準へ戻して見比べる。

ディスプレイ側の設定も関わる。一部の他社製ディスプレイには内蔵のコントロールでシャープネスを調整する項目があり、ここが極端な位置にあると文字の縁に不自然な線が出る。Mac側をいくら触っても直らないときは、この項目を見ておく。

ソフトウェアの版も無関係ではない。Appleは、ディスプレイの検出可否や画質、利用できる解像度やリフレッシュレートにソフトウェアが影響する場合があると書いている。macOSを最新にすると、Apple製ディスプレイ用のファームウェアも一緒に入る。他社製ならメーカーが配布する最新のファームウェアを当てる。

色味が不自然なだけで輪郭は問題ないという場合は、解像度ではなくカラープロファイルの側である。同じ「ディスプレイ」の画面にプロファイルの選択があるので、そちらを見る。症状を「ぼやける」と「色がおかしい」に分けて言葉にしてから探すと、触る項目を間違えにくい。

解像度を変えると、メニューバーの右側の見え方も変わる

解像度の設定で作業領域を広く取ると、メニューバーの幅も同時に増える。逆に文字を大きくする側へ振ると、メニューバーに入る項目の数は減る。ここは意識されにくいが、常駐アプリを多く入れている環境では体感が大きい。

メニューバーの右側には、各アプリが置いた状況メニューが並ぶ。時計は右端に固定されていて、その左へ順に積まれていく。幅が足りなくなった分は単に描かれなくなるので、解像度を文字寄りに変えた直後に「アイコンが消えた」と感じることがある。消えたのではなく、入らなくなっただけである。

外付けディスプレイを付け外しする使い方だと、この幅が行き来する。繋いでいるときは全部見えているのに、外した途端に半分が隠れるという状態になる。Appleが用意している手当ては、Commandキーを押したままアイコンをドラッグして並び順を変えることと、Commandキーを押したままメニューバーの外へドラッグして外すことの2つで、幅の変動に自動で追随する仕組みは無い。

そこで使われるのが、メニューバーを整理する常駐アプリである。できることには、ふだん押さないアイコンを仕切りの左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを紋章から呼び出す仕組みが並んでいる。並びと紋章の設定をディスプレイの構成ごとに覚えていて、繋いだり外したりしたときに自動で切り替わる作りになっているため、解像度や画面構成を頻繁に変える人ほど効き方が大きい。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるので、押すために全部を並べ直す必要もない。

同じ用途のアプリは無料のものから買い切りのものまである。価格と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、調べた日付を添えた形で載っている。買い切りの範囲と試用の条件は料金にまとまっていて、1,980円の買い切りと14日間の試用が示されている。メニューバーの描画を読み取る許可が要る理由はよくある質問にあり、対応するmacOSの下限を見たうえで手元で試すならダウンロードから入る流れになる。

進める順番を決めておくと失敗が少ない。標準の解像度から1段だけ動かし、数日その状態で仕事をする。読む時間が長い日に辛いなら戻す。広さが足りないままなら、解像度で詰めるのではなく画面を足す方向を検討する。真っ暗になったらEscキーを押す。この4つを覚えておけば、設定を触ることそのものが怖くなくなる。

よくある質問

Macで解像度を変更する画面はどこ?

アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「ディスプレイ」をクリックする。サイドバーは下へスクロールしないと出ないことがある。候補がサムネールで並ぶ場合は、ポインタを載せると解像度のサイズが表示される。古い手順書では「システム環境設定」の名前で書かれているが、行き先は同じ「ディスプレイ」である。

解像度を数字の一覧で選びたい。

Controlキーを押しながらサムネールの並びをクリックして「リストを表示」を選ぶと一覧になる。毎回リストで開きたい場合は「詳細」をクリックして「解像度をリスト表示」をオンにする。外付けディスプレイでさらに候補を出したいときは「すべての解像度を表示」をオンにすると、その他の解像度が現れることがある。

解像度を変えたら画面が真っ暗になった。

対応していない解像度を選んだ可能性がある。まず15秒待って自動でリセットされるかを見る。戻らなければEscキーを押すと、前に選んでいた解像度に戻る。それでも戻らない場合はセーフモードで起動し、「ディスプレイ」の設定で「デフォルト」をクリックしてから、通常の手順で再起動する。

文字を小さくして広く使うと何が起きる?

ウインドウを並べやすくなる代わりに、読みにくさが増す。Appleは、解像度の調整方法によっては画面に全体が収まらないアプリウインドウが出ること、そして解像度を調整するとパフォーマンスに影響する場合があることを注記している。ぼやけて見えるときは、標準の解像度のほうが鮮明に映る可能性がある。

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