Macのメニューバーをカスタマイズする手順と、隠す項目の決め方

Macのメニューバーをカスタマイズしたくなるのは、たいてい何かを足したいときではなく、増えすぎたものを減らしたいときです。アプリを入れるたびに右側へアイコンが1つ増え、気づけば目的のものを目で探す状態になっています。この記事では、macOSの標準設定でどこまで変えられるのか、標準では届かない部分は何なのか、そして何を残して何を隠すのかを決めるための基準を順に整理します。

メニューバーが埋まるのは、置き場所が1本しかないから

メニューバーの右側は、常駐アプリが自分のアイコンを置くための共有スペースです。macOSの仕組みとして、アプリは起動時にこの領域へ項目を1つ追加します。追加する場所を細かく指定する権限はアプリ側になく、基本的には起動した順に左へ積み上がっていきます。つまり、アイコンが並ぶ順番は利用者の意図ではなく、その日の起動順で決まっているということです。

問題は、この領域が横方向にしか伸びないことです。画面の幅は有限で、左側にはアクティブなアプリのメニュー(ファイル、編集、表示など)が入ります。アプリを切り替えるたびに左側のメニューの長さが変わるため、右側に置ける実質的な幅も変動します。動画編集やDTPのようにメニュー項目が多いアプリを開くと、右側のアイコンが押し出されて見えなくなることがあるのはこのためです。

もう1つの制約がノッチです。14インチ16インチのMacBook Proは2021年のモデルから、MacBook AirはM2搭載モデルからカメラ部分がメニューバーに食い込んでいます。項目が増えて左へあふれた分がノッチの位置にかかると、その項目は画面に描かれなくなります。外部ディスプレイでは全部見えているのに、ノートの内蔵画面に戻すと一部が消えるという現象は、アプリの不具合ではなく物理的な幅の問題です。

したがって、メニューバーのカスタマイズは「見た目を整える作業」ではなく「限られた幅に何を置くかを決める作業」です。順番を入れ替えるだけでは、幅が足りていない状況は解決しません。

macOS標準の設定でできること

まずお金も追加の道具もかけずにできる範囲を確認します。ここで足りるなら、それ以上のことをする必要はありません。

コントロールセンターで項目ごとに出し入れする

システム設定を開き、サイドバーからコントロールセンターを選ぶと、Appleが提供している項目の表示先を1つずつ指定できます。Wi-Fi、Bluetooth、AirDrop、集中モード、画面ミラーリング、ディスプレイ、サウンド、再生中、バッテリーなどが対象です。項目によって選べる内容は違いますが、メニューバーに常に表示する、コントロールセンターの中だけに置く、必要なときだけ表示する、といった指定ができます。

同じ画面の下のほうには、メニューバーにしか置けない種類の項目がまとまっています。SpotlightやSiri、Time Machine、VPN、ユーザの切り替え、アクセシビリティのショートカットなどです。使っていないものをここでオフにするだけで、体感できるくらいの幅が空きます。時計の表示形式もこの画面にあり、曜日や日付を出すか、秒まで出すか、24時間表示にするかを切り替えられます。秒を消すだけでも横幅は少し縮みます。

macOSでは、メニューバーに表示する項目とコントロールセンターに表示する項目を、システム設定のコントロールセンターの画面でモジュールごとに指定できる。メニューバーそのものを自動的に隠す設定は、システム設定のデスクトップとDockの画面にある。 出典: support.apple.com

コマンドキーを押しながら並び替える

コマンドキーを押したままアイコンをドラッグすると、メニューバーの中で位置を入れ替えられます。左端のアップルメニューだけは動きませんが、それ以外はAppleの項目もサードパーティの項目も同じように動きます。押し出されて消えやすいのは左側の項目なので、消えては困るものほど右へ寄せておくと安全です。

コマンドキーを押しながらバーの外へドラッグして離すと、Appleが提供している項目はその場で非表示になります。サードパーティのアプリのアイコンはこの操作では消えないことが多く、その場合は各アプリの設定を開くことになります。

メニューバー自体を自動的に隠す

システム設定のデスクトップとDockには、メニューバーを自動的に表示と非表示にする設定があります。常に隠す、デスクトップでのみ隠す、フルスクリーンでのみ隠す、隠さない、といった選び方ができます。画面の上端にポインタを持っていけば出てくるので、作業領域を広く使いたい場合には有効です。ただしこれはバー全体を隠す設定であり、アイコンが多すぎる状態そのものは変わりません。

標準設定だけでは届かないところ

標準の設定でつまずくのは、たいてい次の3点です。

1つ目は、サードパーティのアイコンがコントロールセンターの一覧に出てこないことです。クラウドストレージ、パスワード管理、通信、バックアップ、日本語入力の補助ツールなどは、それぞれのアプリの設定画面に「メニューバーにアイコンを表示」のチェックがあるかどうかで決まります。チェックが用意されていないアプリもあり、その場合は常駐を止める以外に消す方法がありません。

2つ目は、出す場合と出さない場合の二択しかないことです。VPNの接続状態、バックアップの進行、同期の完了は、確認したい瞬間だけ見えればよく、常時見えている必要はありません。ところが標準の仕組みでは、常に置いておくか、完全に消してしまうかのどちらかになります。消してしまうと、確認したいときにアプリ本体を開くことになり、かえって手間が増えます。

3つ目はノッチです。前述のとおり、あふれた項目はノッチの位置で表示されなくなります。しかもどれが消えたかは画面に出ないため、押したいアイコンが見当たらないときに、アプリが落ちたのか隠れているだけなのかが判断できません。外部ディスプレイを抜き差しする使い方では、この状態が頻繁に起こります。

この3点に当てはまるなら、標準設定の調整だけで解決するのは難しく、メニューバーを整理する専用の道具を検討する段階になります。

何を残し、何を隠すかを決める3つの軸

道具の話に入る前に、隠す対象を決めておきます。ここが曖昧なまま道具を入れると、隠す場所が増えるだけで探す手間は変わりません。判断は次の3つに分けると早く済みます。

状態を見るために置いているもの

バッテリーの残量、時計、入力ソース、Wi-Fiの接続、録音中や画面共有中の表示は、見えていること自体が役割です。押す機会はほとんどありませんが、視線を上げれば分かるという点に価値があります。ここは残す側に置きます。とくに録音や画面共有の表示は、意図せず共有が続いていることに気づくための手がかりなので、隠す対象から外します。

押すために置いているもの

クリップボード履歴、スクリーンショット、パスワード管理、音楽の再生操作など、クリックして使うものです。これらはキーボードショートカットやSpotlightからも呼び出せることが多く、呼び出す手段が別にあるならメニューバーから隠せます。隠す前に、代わりの呼び出し方を1つ決めておくのが条件です。

置いた覚えのないもの

インストール時に既定で表示されただけの更新チェッカー、ヘルパーアプリ、常駐だけしている補助ツールがここに入ります。数としてはこれが最も多く、幅を圧迫している主因になっていることがよくあります。

進め方としては、状態を見るためのもの以外をいったん全部隠し、1週間ほど使ったうえで、戻したくなったものだけを戻す方法が確実です。最初から1つずつ吟味すると判断に時間がかかり、結局そのままになります。

隠したあとに操作性を落とさないための確認点

隠す作業そのものより、隠したあとに困らないかどうかのほうが重要です。次の4点を確認しておくと、元に戻す羽目になりにくくなります。

  • 隠した項目を開く手段が決まっているか。バーの端をクリックする、キーボードショートカットを割り当てる、といった方法をあらかじめ決めておきます
  • 隠しても機能は動き続けるか。アイコンを隠すのは表示の話であり、アプリ自体は動いています。ただしアイコン上に出る数字や色の変化は見えなくなるため、通知に頼る運用へ切り替える必要があります
  • 隠した項目を押したときに、その場でメニューが開くか。いったん全部を展開してから探す方式だと、結局は元の状態に戻るのと変わりません。道具によっては、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるものがあり、この違いは日常の操作回数に直結します
  • 画面を共有するときに困らないか。会議や録画で画面を映す場面では、隠しておきたい項目と、見えていないと不安な項目が入れ替わります。切り替えを1回の操作でできるかを確認しておきます

案内ページに公開されている情報から読み取れること

メニューバーを整理する道具は、無償のもの、オープンソースのもの、有償のものが並んでいます。どれを選ぶ場合でも、案内サイトに公開されている情報を先に読んでおくと、入れてから合わないと気づく事態を避けられます。見るべき箇所は決まっています。

第一に、機能の範囲です。隠すだけなのか、隠したまま操作できるのか、常に隠す項目と一時的に隠す項目を分けられるのか。この違いが日々の手数を決めます。何ができるかを一覧にしたページとしてできることが用意されており、対応している操作を先に確認できます。

第二に、ほかの選択肢との違いです。同じ分類の道具でも、対応するmacOSのバージョン、価格の形(買い切りか継続課金か)、開発が続いているかどうかは異なります。事実を並べて比較したほかの道具との違いを読むと、自分の環境で使えるかどうかが判断できます。

第三に、費用の条件です。無償で使える範囲があるのか、買い切りなのか、台数の制限はあるのか。料金に条件がまとまっているので、導入前に確認しておく項目です。

第四に、細かい疑問への回答です。macOSのバージョン、ノッチのある機種での挙動、ログイン項目の扱いといった点は、使い始めてから引っかかりやすい箇所です。こうした個別の疑問はよくある質問にまとまっています。

実際に確かめる段階になったら、ダウンロードから入手して、まずは状態表示以外を隠す設定だけを試すのが手堅い進め方です。標準設定で足りるかどうかは、コントロールセンターの調整を先に済ませてから判断すれば、余計な道具を増やさずに済みます。

よくある質問

Macのメニューバーのアイコンを並び替えるにはどうすればよいですか?

コマンドキーを押したままアイコンをドラッグすると、メニューバーの中で位置を入れ替えられます。左端のアップルメニューは動かせませんが、Appleの項目もサードパーティの項目も同じ操作で移動できます。画面幅が足りないときは左側の項目から見えなくなるため、消えては困るものほど右へ寄せておくと安全です。

サードパーティのアプリのアイコンをメニューバーから消せません。どうすればよいですか?

システム設定のコントロールセンターに表示されるのはAppleが提供している項目だけで、他社アプリのアイコンはそこに出てきません。まずそのアプリの設定画面に「メニューバーにアイコンを表示」といった項目があるかを確認してください。用意されていない場合、標準の機能では消せないため、メニューバーを整理する専用の道具を使うか、常駐そのものを止めることになります。

MacBookのノッチでアイコンが見えなくなるのは設定で直せますか?

ノッチは物理的にメニューバーの中央部分を占めているため、設定でその幅を取り戻すことはできません。表示する項目を減らす、時計から秒や曜日を外して横幅を縮める、といった方法で余裕を作るのが基本です。項目数を減らさずに解決したい場合は、あふれた分をまとめて隠す道具を使う形になります。

メニューバーを自動的に隠す設定と、アイコンを隠す設定は何が違いますか?

メニューバーを自動的に隠す設定は、システム設定のデスクトップとDockにあり、バー全体を画面上端へ引っ込めるものです。ポインタを上端へ動かせば出てきますが、出てきたときのアイコンの数は変わりません。一方でアイコンを隠す操作は、バーに並ぶ項目そのものを減らすため、探す手間を減らしたい場合はこちらが目的に合っています。

記事一覧へ戻る