MacBook Airの初期設定で最初に決めること|順番と後戻りの効かない項目
箱から出したMacBook Airは、電源を入れてから10分ほどで使える状態になる。ただ、そこで手を止めると、数日後にスクリーンショットがデスクトップを埋め、メニューバーのアイコンが横に伸びて目当てのものが押せなくなる。この記事では、MacBook Airの初期設定を「最初の30分で決めるもの」「最初の1週間で決めるもの」「後回しでよいもの」に分け、後戻りが効かない項目から順に並べる。
初期設定で迷うのは、項目の多さではなく順番
設定項目そのものは、システム設定アプリの検索欄に言葉を入れれば見つかる。詰まるのは、どれを先に決めるかである。あとから何度でも変えられる項目と、初回セットアップの流れの中で決めておかないと手戻りが大きい項目が混ざっているためだ。
後戻りが効きにくいのは3つある。1つ目は前のMacやバックアップからのデータ引き継ぎで、初回セットアップの途中で行うのがいちばん手数が少ない。2つ目はディスクの暗号化で、使い始めてファイルが増えてから有効にすると、暗号化が終わるまでの待ち時間が長くなる。3つ目はユーザ名とホームフォルダの名前で、これは後から変える手順が煩雑になる。
逆に、壁紙、ウィジェット、キーボードショートカット、Dockの並びは、いつでも変えられる。検索で見かける「初期設定30選」のような一覧が読みにくいのは、この2種類が同じ粒度で並んでいるからである。
現行のMacBook Airは13インチと15インチの2つのサイズで、Appleの日本向けページでは206,800円からと案内されている。ストレージは512GBから、ユニファイドメモリは16GBからで、13インチの重さは1.23キログラムと記載がある。出荷時に入っているのはmacOS Tahoeで、この記事の手順もその世代の画面名で書いている。
電源を入れてから最初の30分で決めること
最初のセットアップ画面で聞かれる順に、判断の基準を並べる。
言語と地域、キーボードの種類は後から変えられる。日本語配列と英語配列が混ざった環境で使う予定があるなら、この時点では実機のキーボードに合わせておき、外付けを繋いだときに追加すればよい。
Wi-Fiへの接続は、この場でつないでおく。次のデータ引き継ぎと、Apple Accountのサインインで使う。
データの引き継ぎを聞かれる画面が、初期設定でいちばん大きな分かれ道になる。ここで「情報を転送しない」を選ぶと、あとから移行アシスタントを使う形になり、既に使い始めたアカウントとぶつかって二重のユーザが増えることがある。前のMacやTime Machineのバックアップから引き継ぐつもりなら、この画面で済ませておくほうが素直である。
Apple Accountへのサインインは、ここで済ませるとiCloudの同期がすぐ始まる。回線が細い場所なら、先に進めて後から入る判断もある。
Touch IDは複数の指を登録できる。左右の人差し指を登録しておくと、外付けキーボードを使う日と本体のキーボードを使う日で持ち替えの手間が消える。
ディスクの暗号化は、この流れの中で有効にしておくのが待ち時間が短い。復旧用のキーをiCloudに預けるか、自分で保管するかを選ぶ画面が出るので、社用の端末なら会社の方針を先に確かめておきたい。
自動アップデートは、オンにしておいてセキュリティ対応だけ自動、macOSの大きな更新は手動という組み合わせが扱いやすい。仕事で使うアプリが新しいmacOSに追いついていない時期に、勝手に上がってしまう事故を避けられる。
データの引き継ぎで、その後の数か月が決まる
引き継ぎの選択肢は3つある。前のMacから移行アシスタントで丸ごと移す方法、Time Machineのバックアップから戻す方法、そして何も移さずアプリを入れ直す方法である。
| 方法 | 所要 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 前のMacから丸ごと | 有線接続で数十分から数時間 | 同じ使い方を続ける。設定を作り直したくない |
| バックアップから戻す | 外付けの速度しだい | 前のMacが手元にない。壊れて買い替えた |
| 入れ直す | 数日かけて少しずつ | 使っていないアプリを整理したい |
丸ごと移す方法でよく起きるのが、新品なのにメニューバーが最初から埋まっている状態である。常駐アプリとその設定が一緒に来るため、前の環境の散らかり方までそのまま引き継がれる。押していないのに常駐していたアプリは、移行が終わった直後に洗い出すほうが楽になる。
入れ直す方法を選ぶなら、前のMacで「ログイン項目」の一覧を控えておくとよい。システム設定の一般にあるログイン項目には、起動時に立ち上がるアプリとバックグラウンドで動くものが並んでいる。この一覧をそのまま持ってこず、要るものだけを選び直すと、常駐アプリの数が目に見えて減る。
バックアップは、初日のうちに置き場所を決める
Time Machineは外付けストレージに世代ごとの控えを取る仕組みで、iCloudはファイルを同期する仕組みである。役割が違うので、片方だけで済ませると取りこぼしが出る。
外付けの容量は、本体のストレージの2倍から3倍を目安にすると世代が残りやすい。512GBのMacBook Airなら1TBから2TBのポータブルSSDが収まりのよい範囲になる。差しっぱなしにしないなら、週に一度つなぐ日を決めて、その日に取る形でも控えは積み上がる。
iCloud側は、デスクトップと書類フォルダを同期する設定を入れるかどうかを最初に決めたい。入れると別のAppleデバイスからも同じファイルが見えるが、無料の容量では足りなくなるのが早い。あとから外すとローカルとの整合を取り直す手間が出るため、契約する容量と合わせて初日に決めておくほうが静かに済む。
画面のまわりを片づける
初期設定のままだと、作ったファイルや撮った画像がデスクトップに積み上がる。
「macbook スクショ」の撮り方は覚えましたか? Macはスクショを撮ると、初期設定ではすべてデスクトップに保存され、すぐに画面が埋め尽くされます。Command + Shift + 5 を押し、出てきたメニューの「オプション」から、保存先を「書類」や専用のスクショフォルダに変更しておきましょう。 出典: macsetting.pinelaurel.com
Finderの設定も、初日に触ると効きが長い。すべてのファイル名拡張子を表示する、検索の開始位置を現在のフォルダにする、パスバーを表示する、の3つは、ファイルを探す時間を直接削る。
Dockは、自動的に隠す設定と、最近使ったアプリを表示しない設定の2つを見ておきたい。後者を切ると、Dockの長さが日によって変わる現象が止まる。
メニューバーは、Appleの利用ガイドに操作方法が明記されている。右端に並ぶ項目は状況メニューと呼ばれ、Commandキーを押したままドラッグすると並び順を変えられる。同じくCommandキーを押したまま帯の外へドラッグすると、その項目を取り除ける。メニューバーに出す項目そのものは、システム設定のコントロールセンターから選ぶ。帯を常に出しておきたくない場合は、ポインタを画面上部へ運んだときだけ出す設定もある。
コントロールセンターのアイコンの隣に出る色の点は、覚えておくと安心材料になる。オレンジはマイクが使用中、緑はカメラが使用中、紫はシステムオーディオの録音中、矢印は位置情報の使用中を示す。同時に2つ動いているときは1つだけが出る作りである。
あとから困りやすい項目を、先に手当てする
初期設定でつまずくのは、設定を間違えたときではなく、初期値のまま数週間過ごしたときである。よく効く手当てを挙げる。
1つ目は、スクリーンショットの保存先である。専用のフォルダを作って指定しておくと、デスクトップが画像で埋まらない。
2つ目は、キーリピートと入力の速さである。キーを押し続けたときの反応が遅いと感じたら、キーボード設定のキーのリピート速度とリピート入力認識までの時間を調整する。文章を書く量が多いほど効く。
3つ目は、スクロールバーの表示である。初期値では操作したときだけ出る設定になっているため、長い一覧の途中にいることが分かりにくい。常に表示に変えると、位置の見当が付く。
4つ目は、ホットコーナーである。画面の四隅にポインタを運んだときの動作を割り当てられる便利な仕組みだが、Dockやメニューバーの近くを通るたびに発動して驚くことがある。使う角を1つか2つに絞ると誤作動が減る。
5つ目は、メニューバーの混雑である。常駐アプリを入れるたびに右側の項目が増え、前面のアプリを切り替えたときに左のメニューが伸びて右側が押し出される。ノッチのあるMacBookでは帯の中央が使えないため、入りきらなくなるのが早い。しかもAppleの利用ガイドには、あふれた項目をまとめて開く機能の説明が無い。折り畳まれるのでも一覧が出るのでもなく、単に描かれなくなる。
初日は後回しでよいもの
最初の日に凝っても外れやすい設定もある。後回しにしてよいものを挙げる。
壁紙とスクリーンセーバは、使い始めてから好みが変わる。ウィジェットの配置も、どのアプリを常用するかが見えてから決めるほうが数が減る。キーボードショートカットの割り当ては、繰り返している操作が見つかってからでよい。開発環境やパッケージ管理の導入は、実際に書く言語が決まってからでも遅くない。
初日に決めるかどうかの目安は「変えるのに手戻りがあるか」の一点である。手戻りが無いものは、使いながら直せばよい。
常駐アプリは、道具を入れる前に分類から決める
メニューバーの混雑を片づけるとき、先に整理する道具を入れたくなる。ただ、順番としては分類が先になる。押す頻度で3つに分けておくと、どの道具を選んでも設定が短時間で終わる。
1日に何度も押すものは、たいてい2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、動いていることさえ分かればよく、押すことがほぼ無いもの。3段目は常時隠す扱いにしてよく、2段目は畳んでおいて必要なときに呼び出す形が合う。
呼び出し方には作りの違いがある。帯の上に展開してから押す形、メニューバーの下のポップアップにまとめて出す形、そして隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形の3通りである。移行で古い常駐アプリを連れてきた環境ほど、隠す対象が多くなるため、呼び出しの手数が効いてくる。仕切りより左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま出す仕組みについてはできることに説明がある。
同じ用途の道具は、無料のオープンソースのものから買い切りのものまで幅がある。価格と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、2026年9月3日に各社の販売ページで調べた金額として載っている。支払いが一度きりか継続かで数年後の総額が変わるため、料金で買い切りの範囲を先に確かめておきたい。
この種の常駐アプリは、メニューバーの描画を読み取るために画面収録の許可を、アイコンを押してメニューを開くためにアクセシビリティの許可を求める。許可を求める理由はよくある質問に書かれており、対応するmacOSの下限と試用の条件はダウンロードで確かめられる。
初期設定の全体を振り返ると、順番はこうなる。引き継ぎと暗号化を初回セットアップの流れで済ませ、バックアップの置き場所を初日に決め、スクリーンショットとFinderとDockの初期値を直す。そのうえで、常駐アプリを押す頻度で3段階に分け、隠す対象を決める。壁紙やショートカットは後からでよい。この順で進めると、数週間たっても画面の上端と下端が散らからない。
よくある質問
初期設定のうち、あとから変えられないものはどれ?
実質的に手戻りが大きいのは3つある。前のMacやバックアップからのデータ引き継ぎ、ディスクの暗号化、ユーザ名とホームフォルダの名前である。引き継ぎは初回セットアップの流れで行うのが手数が少なく、暗号化はファイルが増える前に有効にすると待ち時間が短い。壁紙やDockの並びは、いつでも変えられる。
前のMacから丸ごと移すと、何が困る?
常駐アプリとその設定が一緒に来るため、新品なのにメニューバーが最初から埋まっている状態になる。前の環境の散らかり方までそのまま引き継がれるので、移行が終わった直後にシステム設定のログイン項目を開き、起動時に立ち上がるものを選び直すと数が減る。
Time MachineとiCloudは、どちらかだけで足りる?
役割が違うため、片方だけでは取りこぼしが出る。Time Machineは外付けストレージに世代ごとの控えを取る仕組みで、消してしまったファイルを過去の時点から戻せる。iCloudはファイルを同期する仕組みで、同期先で消すと控えにはならない。外付けの容量は本体の2倍から3倍を目安にすると世代が残る。
メニューバーのアイコンが入りきらないときは、標準の機能で何ができる?
Appleの利用ガイドに載っているのは3つになる。Commandキーを押したままドラッグして並び順を変えること、同じくCommandキーを押したまま帯の外へドラッグして項目を取り除くこと、システム設定のコントロールセンターで出す項目を選ぶことである。あふれた項目をまとめて開く機能の説明は無く、入りきらない分は描かれなくなる。