MacBook Airのノッチで困る場面と、使い方を変えずに済ませる方法

MacBook Airのノッチで実際に困るのは、見た目ではなくメニューバーの右端である。並べていたアイコンが張り出しに食われて出てこない。Proよりも画面が狭いぶん、その症状はAirのほうが早く出る。ここではノッチが入った世代の仕様を押さえたうえで、困る場面を切り分け、使い方を変えずに済む手当てから順に並べる。

ノッチが入った世代と、そこで変わったこと

MacBook Airに張り出しが入ったのは、M2の2022年のモデルからになる。Appleのモデル識別ページをたどると、それ以前のMacBook Air(M1, 2020)には無く、M2以降のモデルと、その後のM3、M4、M5の世代が同じ構造を引き継いでいる。

技術仕様を並べると、何と引き換えだったのかが分かる。MacBook Air(M1, 2020)は13.3インチで2,560 x 1,600ピクセル、カメラは720pである。M2の2022年のモデルは13.6インチで2,560 x 1,664ピクセル、カメラは1080pになった。15インチのモデルは15.3インチで2,880 x 1,864ピクセルになる。

つまり、張り出しが増えたのと同時に、縦のピクセルが増えてカメラの解像度も上がっている。画面が削られたわけではなく、メニューバーの高さにあたる帯の分だけ上に広がり、その中央にカメラが入った。そう見ると、ノッチは損だけの変更ではない。

ただし、広がったのはメニューバーが使う帯の部分である。作業に使う領域が増えた実感は薄く、代わりに帯の中央が使えなくなった。この非対称さが、使っていて引っかかる原因になる。

Airで押し出しが早く起きる理由

メニューバーは左右から押し合う構造になっている。左端にアップルメニュー、その横に前面のアプリのメニュー、右端に状況メニューとSpotlightとコントロールセンターと日付が並ぶ。左が伸びれば右が押し出される。

ノッチのあるMacでは、帯の中央がカメラで分断されているため、右側に入る数がその分だけ減る。そして13.6インチのAirは、14インチや16インチのProよりも帯そのものが短い。置ける数が少ないところに同じ数の常駐アプリを並べるので、押し出されるのが早くなる。

実際に使った記録にも、この症状がそのまま出ている。

これで少しノッチの事を好きになりそうでしたが、メニューバーにアプリが増えるとノッチに被って表示が消えたりするのが面倒、そもそもノッチが無かったらこんな事で脳のリソースを割かなくていいことを考えると、やっぱり無いほうが良いと感じる日々でした。 出典: note.com

もう1つ、Airを選ぶ人の使い方も関係する。持ち歩いて内蔵画面だけで使う時間が長いと、外部ディスプレイに逃がすという手が使えない。カフェや移動中に押したいアイコンが出てこない状態が続くので、体感の不満が積み上がる。

減ったことを知らせる合図が出ないのも効いている。折り畳まれて三角の印が出るわけでも、あふれた項目の一覧が開くわけでもない。押そうとして初めて気づく形になる。

困りやすい場面は3つに分かれる

同じ「アイコンが消える」でも、起きる場面によって手当てが違う。切り分けておくと無駄な設定探しが減る。

1つ目は、メニューの項目が多いアプリを使っているときである。動画編集、統計解析、図面、表計算のように上部のメニューが横に長いアプリに切り替えると、右端の項目からまとめて消える。Finderに切り替えると出てくるなら、この型になる。

2つ目は、常駐アプリが増えたときである。クラウドストレージ、チャット、通信、電池の管理、画面の収録、入力の補助と、1つずつ入れていくうちに数が積み上がる。Airの帯に安定して並ぶのは、時計やコントロールセンターを除くと数個ぶんしかない。

3つ目は、外部ディスプレイを繋いだり外したりしたときである。構成が変わると置ける数も変わるため、並びが崩れる。macOSは並び順をアイコンを出しているアプリ側に覚えさせる作りなので、直した並びがそのアプリの次の起動まで反映されないこともある。

見分ける手順はこうなる。まずFinderに切り替える。出てくるなら幅の問題で、1つ目か2つ目である。出てこないなら、設定で非表示にしているか、整理する常駐アプリで畳んでいる。外部ディスプレイを繋いだときだけ崩れるなら3つ目になる。

使い方を変えずに済ませる方法

道具を増やす前に、標準の機能でできることが3つある。どれも設定を戻すのが一瞬なので、原因の切り分けにも使える。

  • 並べ替える。Appleの案内では、状況メニューの配置を変えるにはCommandキーを押したままアイコンをドラッグする、と説明されている。よく押すものを左に寄せれば、押し出されるのは使う頻度の低いものになる
  • 帯から外す。同じくCommandキーを押したまま、アイコンをメニューバーの外へドラッグすると消える。戻すときは各アプリの設定から出し直す
  • 幅を食っている表示を削る。時計を秒付きや曜日付きにしていると、その分だけ横幅を使う。日付の形式を短くするだけで、アイコン1つぶんから2つぶんの幅が戻ることがある

あわせて、コントロールセンターに送れるものは送ってしまいたい。Bluetooth、画面ミラーリング、集中モード、音量のように、コントロールセンターから開けるものを帯に出しっぱなしにしていると、その数だけ幅を使う。システム設定のコントロールセンターから、メニューバーに出すかどうかを個別に切り替えられる。

画面の解像度を変える手もある。システム設定のディスプレイで文字や項目が小さくなる設定を選ぶと、帯に入るアイコンの数が増える。13.6インチで文字を小さくするのは好みが分かれるが、原因が幅かどうかを確かめる手段としては早い。

メニューバーを自動的に非表示にする設定も選べる。ポインタを画面の上端に移動したときだけ帯が出る形になり、縦の領域は帯の高さぶん戻る。ただしこれは帯を隠す設定であって、入る数を増やす設定ではない。上端へポインタを運んだときに出てくる並びは、隠す前と同じである。時計や電池の残量を目で確認する回数が多い人ほど、この設定は合わない。

アプリごとに、内蔵カメラの下へ表示を合わせる設定を当てる方法もある。張り出しが表示領域から外れるため、帯の位置は下に下がってアイコンが食われなくなる。代わりにノッチの左右が黒く塗られ、縦の領域が減る。13.6インチのAirでは、この縦の減り方が効いてくる。全画面で映像を見るときだけ当てる、という使い分けが現実的になる。

ノッチを使う側に回す考え方

張り出しを消そうとするのではなく、そこを操作の場所として使う考え方もある。iPhoneの表示に似せて、再生中の曲や転送の進み具合を張り出しのまわりに出す作りのアプリが出てきている。

ありません。AppleのDynamic Island機能はiPhone 14 Pro以降の専用で、MacBook Air M2には搭載されていません。ただしMacBook Air M2にはノッチがあるので、SeamやBoring Notchのようなアプリを入れればMac版のDynamic Island体験が得られます。こうしたアプリは、MacBook Airのノッチを、iPhoneのDynamic Islandに近い操作できる表示領域に変えてくれます。 出典: getseam.app

この方向の道具は2種類に分かれる。張り出しのまわりに情報を出すことが主目的のものと、メニューバーの整理が主目的で、張り出しを押す操作を受け付けるものである。前者は見て楽しむ用途、後者はアイコンを呼び出す用途になる。

どちらを選ぶかは、困っていることで決まる。曲や通知を目で確認したいなら前者、押したいアイコンが出てこないなら後者になる。両方を同時に動かすと、張り出しのまわりの操作を取り合って動きが不安定になるので、目的の近いほうを1つ選ぶのが確実である。

道具を選ぶときに見る軸

メニューバーの整理を目的にした常駐アプリは数が多い。次の軸で並べると、Airの環境に合うものが絞れる。

  • 呼び出し方。帯の上に展開して並べ直す形、メニューバーの下のポップアップにまとめて出す形、畳んだまま押してその場でメニューを開く形の3通りがある
  • 呼び出したときの見た目。残量の数字、未読の件数、通信の速度、グラフは、アイコンの絵柄そのものに描かれている。似せた別の絵に置き換えられると、呼び出す意味が薄れる
  • キーボードから出せるか。一覧を開く割り当てだけのものと、アイコンごとに割り当てられるものがある
  • 条件で自動的に出せるか。電池が減ったとき、電源を抜いたとき、決めた時間帯、特定のアプリを使っているときだけ出す作りがある
  • ディスプレイの構成を覚えるか。持ち歩きと机の往復が多いAirでは、ここが効く
  • 払い方。買い切りか、年額か、無料のオープンソースか

Airで特に効くのは、下から2つ目と3つ目である。電池の残量は普段は隠しておいて、20パーセントを切ったときだけ出す、という形にすれば、帯を空けたまま見落としも防げる。持ち歩く機械ほど、条件で出す設計との相性が良い。

何を隠して何を残すかを決める

最後に、隠す対象の選び方である。ここを決めておくと、呼び出す回数そのものが減る。

目安は押す頻度で3段階に分けることになる。1日に何度も押すものは、数えてみると2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、動いていることさえ分かればよく、押すことがほぼ無いもの。3段目は常時隠す扱いにし、2段目は畳んで必要なときに呼び出す形が合う。

この分け方で組むと、ノッチの右側に残るのは1段目だけになる。できることには、使っていないアイコンを仕切りの左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま呼び出す仕組みが並んでいる。出しかたをカーソルを載せる、ホイールを回す、ノッチを押すから選べる作りや、電池の残量や前面のアプリを条件にして一時的に出す作りも説明されている。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、展開して押し直す手間が消える。

価格と払い方の並びはほかの道具との違いに調査日つきで載っている。無料のオープンソースも同じ表に入っていて、買い切りは1,980円から3,494円あたりに並ぶ。買い切りがどのバージョンまでを指すのかは料金で確かめておきたい。

画面収録とアクセシビリティの許可がなぜ要るのかはよくある質問に説明があり、乗り換えのときに前の道具の分け方を読み込めるかもそこに書かれている。対応するmacOSの下限と試用の条件を見てから手元で試すなら、ダウンロードから入る流れになる。持ち歩きの多いAirなら、試用の期間に外へ持ち出す日と机で外部ディスプレイに繋ぐ日の両方を挟んで確かめると判断が早い。

手順を整理しておく。まずFinderに切り替えて、消えたのが幅の問題かを切り分ける。次にコントロールセンターへ送れるものを送り、時計の表示を短くし、Commandキーを押しながら並べ替える。それでも足りなければ、押す頻度で3段階に分けて2段目と3段目を畳む。そのうえで、条件で出す作りとディスプレイの構成を覚える作りがあるかを確かめる。この順で進めると、Airの短い帯でも押したいものが手前に残る。

よくある質問

どのMacBook Airからノッチがある?

M2の2022年のモデルからになる。Appleのモデル識別ページによると、それ以前のMacBook Air(M1, 2020)には無く、M2以降とその後のM3、M4、M5の世代が同じ構造を引き継いでいる。手元の機種はアップルメニューの「このMacについて」で確認できる。

ノッチが入って画面は小さくなった?

小さくなっていない。MacBook Air(M1, 2020)は13.3インチで2,560 x 1,600ピクセル、M2の2022年のモデルは13.6インチで2,560 x 1,664ピクセルになり、カメラも720pから1080pに上がった。増えた領域がメニューバーの高さにあたるため、作業領域が広がった実感は出にくい。

MacBook AirにもiPhoneのDynamic Islandのような表示はある?

macOSの標準機能としては用意されていない。張り出しのまわりに再生中の曲や転送の進み具合を出すアプリを入れると、近い見た目にできる。ただし、情報を見せることが主目的のものと、メニューバーの整理が主目的のものは別なので、困っていることに合うほうを1つ選ぶ。

Airでいちばん効く手当ては?

コントロールセンターから開けるものを帯に出さないことと、条件で自動的に出す作りを使うことになる。Bluetoothや音量のようにコントロールセンターで足りるものを外すと、その数だけ幅が戻る。電池の残量は普段は隠し、20パーセントを切ったときだけ出す形にすれば、帯を空けたまま見落としも防げる。

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