MacBookのノッチでメニューバーのアイコンが隠れる仕組みと、あふれた分の出し方

MacBookのノッチで困るのは、見た目の話だけではない。メニューバーに置いていたアイコンが、いつのまにか見えなくなる。押したいものが出てこない。ここではノッチがメニューバーに何をしているのかを構造から整理し、あふれた分をどう呼び出すか、何を隠して何を残すかまでを順に並べる。

ノッチのあるMacが多数派になり、メニューバーの前提が変わった

ノッチは特殊な機種の話ではなくなっている。Appleのモデル識別ページをたどると、内蔵画面の上辺にカメラの張り出しを持つMacBookは、14インチと16インチのMacBook Proが2021年のモデルから、MacBook AirがM2の2022年のモデルからになる。その後のM3、M4、M5の世代も同じ構造を引き継いでいる。

一方で、張り出しを持たない機種もまだ現役で使われている。MacBook Air(M1, 2020)と、13インチのMacBook Pro(M2, 2022)には張り出しが無い。手元の機種で症状が出るかどうかは、ここで分かれる。アップルメニューから「このMacについて」を開けば、自分の機種名はその場で確認できる。

つまり、同じmacOSを使っていても、メニューバーに置けるアイコンの数は機種によって違う。買い替えた直後に「前の機種では出ていたのに」と感じるのは、設定が変わったからではなく、帯の使える幅が変わったからになる。ここを取り違えると、設定を探して時間を使うことになる。

そして厄介なのが、減ったことを知らせる合図が無いという点である。折り畳まれて三角の印が出るわけでも、あふれた項目の一覧が開くわけでもない。単に描かれなくなる。押そうとして初めて、無くなっていることに気づく形になる。

メニューバーは左右から押し合う構造になっている

仕組みを押さえると、消え方が読めるようになる。Appleの利用ガイドは、メニューバーの並びを次のように説明している。

メニューバーの右端には、通常アイコンで表示される項目があります(状況メニューと呼ばれることもあります)。これらの項目を使って、Macのステータス(バッテリー充電など)を確認したり、機能(キーボードの輝度など)をカスタマイズしたりできます。 出典: support.apple.com

左端にはアップルメニューがあり、その横に、いま前面にあるアプリのメニューが並ぶ。右端には状況メニューが並び、さらにSpotlight、コントロールセンター、日付と時刻が置かれる。左右のどちらも横に伸びる余地を持っているので、片方が伸びればもう片方が押し出される。

ノッチのあるMacでは、この押し合いの土俵が狭い。帯の中央がカメラの部分で分断されているため、アイコンを置ける領域が左右に分かれ、右側に入る数がその分だけ減る。左のメニューが伸びた瞬間に、右端の項目から順に描かれなくなる。

見分け方は簡単で、Finderに切り替えてみればよい。Finderはメニューの数が少ないので左側が短くなり、右側に余裕が生まれる。それで出てくるなら幅の問題、出てこないなら設定か常駐アプリ側で隠している状態になる。動画編集や統計解析のように上部のメニューが横に長いアプリで症状が出るのは、この押し合いが原因である。

もう1つ、コントロールセンターの右側にはプライバシーインジケータが入る。マイクが使われているときのオレンジ色のドット、カメラが使われているときの緑色のドット、位置情報が使われているときの矢印である。これらは一度に1つだけ出る作りになっているが、出ているあいだは幅を取る。

標準の機能だけでできる手当ての手順

道具を入れる前に試せることが3つある。どれも設定を戻すのが一瞬なので、原因の切り分けにも使える。

1つ目は並び順を変えること。Appleの案内では、状況メニューの配置を変えるにはCommandキーを押したままアイコンをドラッグする、と説明されている。よく押すものを左寄りに集めておけば、押し出されるのは使う頻度の低いものになる。

2つ目は帯から外して数を減らすこと。同じくCommandキーを押したまま、アイコンをメニューバーの外へドラッグすると消える。これは項目そのものを外す操作なので、戻すときは各アプリの設定から出し直すことになる。クラウドストレージやチャットの常駐アプリには「メニューバーにアイコンを表示」といった項目が用意されていることが多い。

3つ目は幅を食っている表示を削ること。時計を秒付きや曜日付きにしていると、その分だけ横幅を使う。日付の形式を短くするだけで、アイコン1つぶんから2つぶんの幅が戻ることがある。

あわせて、メニューバーを自動的に非表示にするオプションもある。ポインタを画面の上端に移動したときだけ帯が出る設定で、常時見えている必要が無い人には合う。ただし、これは帯そのものを隠す設定であって、入る数を増やす設定ではない。あふれている状態は変わらない。

画面の解像度を変える手もある。システム設定のディスプレイで文字や項目が小さくなる設定を選ぶと、帯に入るアイコンの数が増える。全体の文字も小さくなるため常用するかは好みが分かれるが、幅の問題かどうかを確かめる手段としては早い。

ノッチを黒く塗って避ける方法と、その代償

ノッチそのものを画面から外してしまう考え方もある。アプリごとの情報の画面に、内蔵カメラの下に合わせて表示を縮める設定があり、これを入れると帯の位置がカメラより下に下がる。ノッチの左右は黒く塗られ、アイコンが張り出しに食われることは無くなる。

代償は画面の高さである。上部が使えなくなるぶん、表示できる縦の領域が減る。この手当てを試した記録には、次のような感想が残っている。

すでにお気づきかと思いますが、ノッチの左右が真っ黒なデッドスペースとなり、14インチのディスプレイが13.9インチぐらいになります。せっかく14インチあるのに、ちょっとだけもったいない感じ。 出典: indoorheart.com

もう1つ、この設定はアプリごとに掛けるものなので、全部のアプリに当てると手間が増える。前面のアプリが切り替わるたびに帯の高さが変わるのも落ち着かない。ノッチを視界から消したい人には効く手だが、アイコンが入りきらない問題そのものを解く手ではない。

設計の意図が読みにくいという指摘は、ノッチが登場した当初から出ている。

これも使っているうちに慣れちゃうとは思うんですけどね。なんかこう、Appleらしくないなぁって感じちゃったりもしました。ノッチの左右の表示に関しての意思が感じられないんですよね。なんとなくその場その場で対応しているみたいな。うーん、モヤッとするなぁ。 出典: gizmodo.jp

あふれた分を呼び出す道具の選び方

標準の機能で足りないときは、メニューバーを整理する常駐アプリを入れることになる。同じ用途でも作りが違うので、次の軸で並べて見ると選びやすい。

  • 呼び出し方。帯の上に展開して並べ直す形、メニューバーの下のポップアップにまとめて出す形、畳んだまま押してその場でメニューを開く形の3通りがある
  • 呼び出したときの見た目。残量の数字、未読の件数、通信の速度、グラフは、アイコンの絵柄そのものに描かれている。似せた別の絵に置き換えられると、呼び出した意味が半分消える
  • キーボードから出せるか。一覧を開く割り当てだけのものと、アイコンごとに割り当てられるものがある
  • 条件で自動的に出せるか。電池が減ったとき、電源を抜いたとき、決めた時間帯、特定のアプリを使っているときに限って出す作りがある
  • ディスプレイの構成を覚えるか。外部ディスプレイを繋いだり外したりすると並びが崩れる症状は、構成ごとに並びを覚える作りで落ち着く
  • 払い方。買い切りか、年額か、無料のオープンソースか

呼び出し方の違いは、実際の手数にそのまま出る。展開してから押し直す形は操作が2回になり、切り替えの途中で帯の絵が入れ替わる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、押す回数は1回で済む。

権限の扱いも先に見ておきたい。隠したアイコンを本物の見た目のまま並べ直すには、帯の描画を読み取るために画面収録の許可が要る。押したときにメニューを開くには、アイコンの位置を調べて操作を送るためにアクセシビリティの許可が要る。この2つを与えていないと、絵柄が出ない、あるいは並ぶのに押せないという状態になる。

なお、同じ用途の常駐アプリを2つ同時に動かすと、アイコンの位置の取り合いになってどちらも思った通りに動かない。試すときは1つに絞るのが確実である。

外部ディスプレイを使うと、症状が動く

ノッチの影響は、外部ディスプレイを繋いだ瞬間に変わる。外部ディスプレイの帯には張り出しが無いので、置ける数が増える。内蔵画面では消えていたアイコンが、外部ディスプレイ側では全部並ぶことがある。並ぶなら、原因は幅であると確定できる。原因の切り分けとして、これがいちばん早い。

困るのは、繋いだり外したりを繰り返す使い方である。構成が変わるたびに置ける数が変わるため、並びが崩れる。カフェでは内蔵画面だけ、机では外部ディスプレイと2枚、という往復をしていると、毎回並べ直す作業が発生する。macOSは並び順をアイコンを出しているアプリ側に覚えさせる作りなので、直した並びが次の起動まで反映されないこともある。

この往復が多い人は、ディスプレイの構成ごとに並びを覚えてくれる作りを選ぶと落ち着く。繋いだときと外したときで自動的に切り替わるので、並べ直す作業そのものが消える。会議のときだけマイクのアイコンを出す、電源を抜いたときだけ電池のアイコンを出すといった条件を決めておく作りも、同じ方向の手当てになる。見たい瞬間が決まっているものは、条件側へ回してしまうと帯が空く。

何を隠して何を残すかを、先に決めておく

呼び出し方が分かっても、隠す対象の選び方を間違えると手数が増える。ここを決めておくと、呼び出す回数そのものが減る。

目安は押す頻度で3段階に分けることである。1日に何度も押すものは、数えてみると2つか3つしかない。次に、気になったときだけ押すもの。最後に、動いていることさえ分かればよく、押すことがほぼ無いもの。3段目は常時隠す扱いにしてよく、2段目は畳んでおいて必要なときに呼び出す形が合う。

この分け方で組むと、ノッチの右側に残るのは1段目だけになる。できることには、使っていないアイコンを仕切りの左へ送って時計のまわりを空ける仕組みと、隠したものを本物の見た目のまま呼び出す仕組みが並んでいる。出しかたをカーソルを載せる、ホイールを回す、ノッチを押すから選べる作りや、電池の残量や前面のアプリを条件にして一時的に出す作りも説明されている。

価格と払い方の並びはほかの道具との違いにあり、無料のものも同じ表に入っていて、調査日が添えられている。買い切りと年額では数年後の総額が変わるため、買い切りがどこまでを指すのかは料金で確かめておきたい。参考までに、この用途のアプリの買い切りは1,980円から3,494円あたりに並んでいる。

権限がなぜ要るのかと、乗り換えるときに前の道具の分け方を読み込めるかはよくある質問に書かれている。対応するmacOSの下限と試用の条件を見たうえで手元で試すなら、ダウンロードから入る流れになる。試用が14日間あるものなら、外部ディスプレイを繋ぎ替える日と繋がない日の両方を挟んで確かめられる。

手順を整理しておく。まずアップルメニューから機種を確認し、張り出しのある機種かどうかを見る。次にFinderに切り替えて、消えたのが幅の問題かを切り分ける。幅の問題なら、Commandキーを押しながらの並べ替えと、時計の表示を短くする手当てで応急処置をする。それでも足りなければ、押す頻度で3段階に分けて2段目と3段目を畳み、呼び出し方が自分の手の動きに合うかを試用の期間で確かめる。この順で進めると、探す時間が減っていく。

よくある質問

自分のMacBookにノッチがあるかどうか、どこで分かる?

アップルメニューから「このMacについて」を開いて機種名を見る。Appleのモデル識別ページによると、内蔵画面の上辺にカメラの張り出しがあるのは、14インチと16インチのMacBook Proが2021年のモデルから、MacBook AirがM2の2022年のモデルからになる。MacBook Air(M1, 2020)と13インチのMacBook Pro(M2, 2022)には無い。

消えたアイコンが幅の問題かどうか、どう見分ける?

Finderに切り替えてみる。Finderはメニューの数が少ないため左側が短くなり、その分だけ右側に余裕が生まれる。切り替えた瞬間に出てくるなら、横幅が足りなくて描かれていなかったということになる。出てこないなら、設定で非表示にしているか、整理する常駐アプリで畳んでいる状態である。

ノッチを黒く塗る設定を入れれば、アイコンの問題も解決する?

帯の位置がカメラより下に下がるので、張り出しにアイコンが食われることは無くなる。ただしノッチの左右が使えなくなり、表示できる縦の領域が減る。設定はアプリごとに掛けるものなので、前面のアプリが切り替わるたびに帯の高さが変わる。入りきらない数そのものは変わらない。

呼び出す道具を選ぶとき、最初に見る点は?

呼び出し方が3通りに分かれる点を先に見る。帯の上に展開する形、メニューバーの下のポップアップに出す形、畳んだまま押してその場でメニューが開く形である。あわせて、残量の数字やバッジが本物の描画のまま出るか、キーボードから出せるか、画面収録とアクセシビリティの許可が必要かを確かめる。

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