MacBook Proの初期設定で、Airと違って見る場所
MacBook Proの初期設定を調べると、たいてい「Mac共通の手順」が出てくる。Apple アカウントに入り、移行アシスタントで前の機械から運び、日本語入力を整える。そこまでは正しいが、Proにしかない部分が抜け落ちていることが多い。
この記事は、MacBook Proの初期設定を、Airと共通の部分とProだけの部分に分けて並べたものである。公開されている仕様は2026年9月23日に確かめた。あわせて、設定が終わったあとに最初に散らかる場所と、その扱いまで整理する。
共通の手順と、Proだけの手順を分ける
初期設定でやることは大きく2つに分かれる。1つは、どのMacでも同じ手順である。国と言語、Wi-Fi、Apple アカウント、Touch ID、ファイルの引き継ぎ、そして更新の確認までがここに入る。もう1つが、機種の性能を使い切るための設定で、ここがProとAirで分かれる。
分けて考える理由は、後回しにできるものが違うからである。共通の手順は起動直後の画面でまとめて聞かれるため、その場で決めるしかない。一方、Proだけの設定は後からいくらでも変えられるので、急いで決める必要がない。最初の30分でやることと、使いながら整えることを混ぜると、判断が増えて疲れる。
もう1つ押さえておきたいのは、仕事で使う場合の順番である。IT担当者向けに書かれた記事では、企業での初期設定は個人の使い勝手より情報が漏れない形を先に作るべきだと整理されている。1台を自分で使うだけなら、この順番に縛られる必要はない。ただし社外の人とファイルを扱うなら、ディスクの暗号化と画面のロックだけは共通の手順の側に入れておきたい。
起動直後の画面で決めること
電源を入れてから最初に出てくる一連の画面で、後から変えにくいものが決まる。ここで迷いやすいのが、前の機械からどう引き継ぐかである。
Apple の説明では、前の機械の内容を運ぶ方法とは別に、設定だけを引き継ぐ道が用意されている。
MacをiPhoneまたはiPadで設定した場合、またはすでにiOS 15、iPadOS 15、またはmacOS 11以降を搭載した別のデバイスを設定していて、Mac Proを設定するときにAppleアカウントにサインインしていた場合は、「新しいMacとして設定」を使用できます。この機能を使用すると、iCloudアカウントに保存されている設定が使用され、いくつかの設定手順をスキップできます。 出典: support.apple.com
使い分けの目安はこうなる。前の機械の状態を丸ごと持ってきたいなら移行アシスタントで運ぶ。前の環境が散らかっていて、それを持ち込みたくないなら、設定だけを引き継いでアプリは入れ直す。後者を選ぶと、いま並んでいる常駐アプリのうち本当に要るものだけを選び直せる。
Touch IDもこの画面で登録できる。指は複数登録でき、後から追加もできる。片手で開くことが多い側の指と、机に置いたときに当たる側の指を両方入れておくと、日常の手数が減る。
Proの画面を活かすために見る設定
ここからがProだけの話になる。公開されている仕様では、14インチが3,024 x 1,964ピクセル、16インチが3,456 x 2,234ピクセルで、どちらも254ppiとされている。初期の状態は文字が読みやすい大きさに寄せてあるので、作業領域を広く取りたい場合はディスプレイの設定で「スペースを拡大」側に寄せる。
リフレッシュレートも見ておきたい。仕様ではProMotionによる最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートに対応し、加えて47.95Hz、48.00Hz、50.00Hz、59.94Hz、60.00Hzの固定値も選べると書かれている。映像を扱う場合はこの固定値が効く。それ以外の用途では、自動で変わる既定のままでよい。
明るさの扱いも独特である。仕様上はフルスクリーンで1,000ニトの持続輝度、ピークで1,600ニトとされているが、1,600ニトはHDRの映像に限られる。屋外で使うときのSDRの明るさは最大1,000ニトである。つまり「明るくならない」と感じる場面の多くは、HDRの表示かどうかで決まっている。なお、映り込みを抑えるNano-textureディスプレイは注文時のオプションで、後から変えられない。
Proにだけあるポートと電源まわり
ポートの構成はAirと明確に違う。公開されている仕様では、SDXCカードスロット、HDMIポート、3.5mmヘッドフォンジャック、MagSafe 3ポート、そしてThunderboltポートが挙げられている。Thunderboltの速度は構成で分かれ、M5では最大40Gb/s、M5 ProとM5 Maxでは最大120Gb/sとされている。
初期設定のときに決めておきたいのは、充電の道をどちらにするかである。MagSafe 3でつなぐと、ケーブルを引っかけたときに本体ごと落ちにくい。Thunderboltポートからも充電できるので、外に持ち出すときは1本で済ませるという使い分けもできる。
電源アダプタは構成によって付属するものが違う。仕様では、14インチのM5には70WのUSB-C電源アダプタが付き、96W以上のUSB PD電源による高速充電に対応すると書かれている。つまり高速充電を使いたい場合は、付属品とは別のアダプタが必要になる構成がある。買ってすぐに確かめておきたい部分である。
SDXCとHDMIが本体にあることは、変換アダプタを買わなくてよいという意味でもある。前の機械で使っていたハブを、そのまま持ち込む必要があるかどうかを最初に見直すと、机の上の配線が減る。
外付けの画面は、台数の上限を先に確かめる
ここは構成で差が出るところで、買ってから気づくと困る。公開されている仕様では、M5は最大2台の外部ディスプレイに対応し、M5 Proは最大3台となっている。Thunderboltポートの数ではなく、チップの構成で上限が決まる形である。
解像度の組み合わせも書かれている。M5では、6Kで60Hzまたは4Kで144Hzの画面を2台、あるいは8Kで60Hz、5Kで120Hz、4Kで240Hzのいずれか1台という形になる。本体の画面はこれとは別に、フルの解像度で同時に使える。
初期設定の段階では、まず1台だけつないで、解像度とリフレッシュレートの組み合わせが希望どおりに出るかを見る。2台目以降は、上限に達していないかを確かめてから足す。HDMIとThunderboltのどちらから出すかで、選べる組み合わせが変わる場合もある。
電池と通信は、同じ14インチでも構成で違う
初期設定の段階で数字を把握しておくと、あとで「思ったより持たない」と感じにくくなる。公開されている仕様では、14インチのM5は最大24時間のビデオストリーミング、ワイヤレスインターネットの利用で最大16時間とされている。M5 Proでは最大22時間と最大14時間で、電池の容量はどちらも72.4Whである。同じ大きさの機械でも、載っているチップで数字が変わる形になっている。
通信の規格も分かれている。仕様では、M5がWi-Fi 6EとBluetooth 5.3、M5 ProとM5 MaxはApple N1ワイヤレスネットワークチップを載せてWi-Fi 7とBluetooth 6、さらにThreadに対応すると書かれている。手元のルーターがWi-Fi 7に対応しているかどうかで、体感が変わる部分である。
初期設定の直後は、更新の確認と再起動で電池を使う。そのため最初の1日の減り方を基準にしないほうがよい。数日使ってから、明るさと常駐アプリの数を見直すと判断しやすい。
初期設定でつまずきやすいところ
やり忘れが後で効いてくるものを挙げる。どれも数分で終わる。
- 画面を撮った画像の保存先。既定ではデスクトップに置かれるため、放っておくと画面が埋まる。撮影のメニューからフォルダを指定しておく
- 通知。入れたアプリが順に許可を求めてくるので、最初のうちに切るものを決める。後からまとめて見直すより、聞かれた時点で決めるほうが早い
- ディスクの暗号化と、画面ロックまでの時間。持ち出す機械なら最初に入れておく
- 日本語入力の細かな挙動。予測変換とライブ変換は好みが分かれるので、両方を数日試して決める
- キーボードの配列。仕様ではJIS配列が標準で、注文時のオプションでUS配列も選べるとされている。配列そのものは後から変えられない
そしてもう1つ、見落とされやすいのが画面上端の並びである。アプリを入れるたびにアイコンが増えるので、初期設定の最後に一度決めておくと、その後の数年が楽になる。
Proで最初に散らかるのは、画面の上端
MacBook Proには画面の上にカメラの切り欠きがあり、メニューバーが左右に分断される。ここが散らかると影響が大きいのは、あふれたアイコンが画面の外へ押し出されて、存在ごと見えなくなるからである。同期の失敗やバックアップの警告が、見えない場所で待つ形になる。
仕様に記載されているとおり、カメラは12MPのセンターフレームカメラでデスクビューに対応している。つまり切り欠きは働いている部品で、消すことはできない。できるのは、切り欠きの左右に何を残すかを決めることである。
画面上端を扱う道具でできることはできることに一覧があり、隠したあとのアイコンをどう呼び出すかまで書かれている。畳んだ帯の中のアイコンを開かずに押せるかどうかは毎日の手数に直結する部分で、ほかの道具との違いでは隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける点を軸に、ほかの選択肢と並べている。
費用の考え方は料金に、導入の前に迷いやすい点はよくある質問にまとまっている。手元の画面で挙動を見てから決めたい場合はダウンロードから入れて、常駐アプリを常に出すもの、必要なときだけ出すもの、見せなくてよいものの3つに振り分けてみるのが早い。初期設定のうちにこの振り分けを済ませておくと、アプリが増えても上端が破綻しない。
よくある質問
前のMacから移行アシスタントで運ぶべきですか?
前の環境の状態をそのまま使いたいなら移行アシスタントが早いです。前の機械に不要なアプリが溜まっているなら、Apple が案内している「新しいMacとして設定」でiCloudに保存された設定だけを引き継ぎ、アプリは入れ直すほうが画面が散らかりません。常駐アプリを選び直せるのが後者の利点です。
画面が仕様どおりに明るくならないのはなぜですか?
公開されている仕様では、1,600ニトのピーク輝度はHDRの映像に限られ、屋外で使うときのSDRの明るさは最大1,000ニトと書かれています。つまり表示している内容がHDRかどうかで上限が変わります。故障ではなく、仕様上の切り分けによるものです。
外付けの画面は何台つなげますか?
構成で変わります。2026年9月23日時点の公開仕様では、M5は最大2台、M5 Proは最大3台の外部ディスプレイに対応するとされています。Thunderboltポートの数ではなくチップの構成で上限が決まるため、注文の前に確かめておくと確実です。本体の画面はこれとは別に同時に使えます。
初期設定の最後に何を見ておくとよいですか?
画面上端の並びです。MacBook Proはカメラの切り欠きでメニューバーが左右に分断されるため、アイコンが増えるとあふれた分が画面の外に押し出され、存在ごと見えなくなります。同期の失敗やバックアップの警告が見えない場所で待つ状態になるので、常駐アプリを入れ終えた段階で一度並びを決めておくのが確実です。