メニューバーのアイコンが多すぎるときに、何から隠すか
Macのメニューバーには、状態を見せる場所から小さな灰色の図形の壁に変わる境目がある。その瞬間に気づく人はいない。アイコンを置いたアプリにはどれも相応の理由があり、1つ増えたこと自体が問題になったことは一度もないからだ。それでも結果として、必要な1つを探すのに画面の上端を毎回目で走査することになる。この状態への最初の反応は、たいてい並べ替えになる。ただし並べ替えは、全部が表示できているうちにしか効かない。いま起きているのは片づけの問題ではなく数の問題で、その数は1分ほどで測れる。
置く側にはメニューバーの全体が見えていない
常駐アプリがメニューバーにアイコンを出すのは、ウインドウを開かずに状態を見せたり操作させたりするためだ。同期の進み具合、バックアップの状況、通信の切り替え、入力ソース。どれも一目で見えたほうがよい情報で、置くという判断自体は理にかなっている。
問題は、置く側がそれぞれ自分のアプリの中だけで判断している点にある。あるアプリの開発者から見えるのは自社のアイコン1つだけで、利用者の画面にほかに何個並んでいるかは分からない。1つ1つは妥当な判断が積み上がり、利用者の側では収まらない列になる。
加えて、減る側の力が働かない。アプリを削除すればアイコンも消えるが、使わなくなったアプリを実際に削除する人は多くない。使わなくなってもログイン時に起動し続け、アイコンも残る。機能の告知のためにアップデートでアイコンを追加し、そのまま定着するものもある。
さらに、アイコンを消す場所が2か所に分かれている。macOS自身の項目はシステム設定から扱えるが、あとから入れたアプリのアイコンはそれぞれのアプリの設定の中にあり、しかも設定を持たないアプリもある。全部を一覧できる画面が存在しないので、点検が実際より難しく感じられる。
まず、あと何個減らせば収まるのかを測る
メニューバーは1本の帯で、左側には前面のアプリのメニューが、右側には状態を示す項目が並ぶ。この2つは同じ横幅を取り合っている。ぶつかったとき、macOSは警告も出さず、スクロールの仕組みも用意しない。右端から遠い側の項目を、単に描画しなくなる。
そこで、何かを決める前に次の試験をしておく。
Finderやテキストエディタのようにメニューの少ないアプリを前面にして、いま見えている項目を数える。次に、ふだん使うアプリのうちメニューが一番多いもの、たとえば動画編集や開発の道具を前面にして、もう一度数える。2回目のほうが少なければ、すでに容量を超えている。項目は静かに落とされている。
ノッチのあるMacBookでは、帯の中央をノッチが占めるため、使える横幅が画面の幅より短い。同じ設定でも、外部ディスプレイにつないでいるときは収まり、ノートの画面だけにすると崩れる、という食い違いが起きる。
この試験で得たいのは「多すぎる気がする」という感覚ではなく、数だ。最悪の場面で収まるまでに、あと何個減らす必要があるのか。その数を先に書き出しておくと、作業の性質が変わる。終わりの見えない片づけは途中で手が止まり、中途半端に並んだメニューバーができあがる。個数の決まった作業には終わりがある。そして実際に数えてみると、想定より小さい数で足りることが多い。
複数のディスプレイを使っているなら、それぞれで測っておく。ふだんは大きな外部ディスプレイにつないでいて、移動中だけノートの画面を使うなら、基準にすべきは狭いほうだ。広いほうに合わせて整えると、狭いほうで同じ問題がまた起きる。
アイコン1つずつを、4つの問いにかける
見た目の有用さで判断すると迷いが出る。1つずつ同じ4つの問いにかけると、ほとんどが自動的に振り分けられる。
最後に押したのはいつか。 見たのではなく、押したのはいつか。思い出せないなら、見えている必要はない。
そのアイコンは変化する何かを伝えているか。 電池残量は変わる。同期の状態も変わる。いつ見ても同じ形をしているアイコンは、見えていることで何も伝えていない。
消えたとして、1日以内に気づくか。 多くのアイコンについて、正直な答えは「気づかない」になる。これが候補だ。
同じことを別の場所がすでに伝えていないか。 通知、アプリ内のメニュー、コントロールセンター。重複している情報は、消しても失うものが無いので一番外しやすい。
4つとも当てはまらないものは外す。1つ目の問いに答えられるものは残し、時計のすぐ左に置く。この位置は幅が足りなくなっても落ちない。
この振り分けに乗らない項目が2種類ある。先に名前を付けておくと、毎回悩まずに済む。
1つは「動いていることを知らせるだけ」の項目だ。バックアップの常駐、セキュリティの監視など、押すことはなく、形も変わらない。問いには当てはまらないのに、消すのは不安が残る。ここは「見えている必要はないが、確認できる必要はある」と整理するのが正しい。
もう1つは「月に一度使う」項目だ。ライセンスの管理、画面収録、特定の作業のときだけ使う道具。4つ目の問いには当てはまる(ほかに手段が無い)が、1つ目には大きく外れる。設定で消すと、使うたびにアプリを開くことになる。この2種類があるせいで、残すか消すかの二択ではメニューバーは片づかない。点検のときは、この2種類を脇によけておいて、最後にまとめて扱う。
macOSが管理している項目から減らす
一番早く減るのは、費用もかからず、ほかのアプリにも触らない範囲だ。システム設定を開いてコントロールセンターを選ぶと、macOS自身の項目が一覧で並ぶ。
Appleは、メニューバーに表示する項目をシステム設定の「コントロールセンター」から選べるようにしており、項目ごとに常に表示するか、使用中だけ表示するか、表示しないかを切り替えられると案内している。 出典: support.apple.com
多くのMacで候補になるのは、すでに別の場所から届く項目だ。Wi-Fi、Bluetooth、音量、画面ミラーリング、集中モード、電池。これらはコントロールセンターを開けばすぐ触れるので、メニューバーにも常に出しておくのは重複にあたる。1日に何度も切り替えるものを1つか2つ残すのは理にかなっているが、全部を出しておくと、それだけで帯が埋まる。
小さな効き目として2つ覚えておくとよい。項目によっては「使用中だけ表示」を選べるので、関係のない間は場所を取らない。日付と時刻の表示を短くするのも、アイコンではないが、あふれかけている帯では実際に幅が戻る。
ここで変えた設定はすべて同じ画面から戻せる。慎重になる理由が無いので、必要だと思う数より多めに外して、その後の1週間で本当に困った2つだけを戻すほうが早い。
アプリ側の設定で消せるものを消す
macOSの項目を片づけたら、次はアプリ側のアイコンを1つずつ見ていく。多くのアプリは自分の設定に「メニューバーにアイコンを表示」に相当する項目を持っており、これを切れば、アプリは動いたままアイコンだけが消える。
この設定を持っている可能性が高いのは、本体のウインドウを持つアプリだ。バックアップ、クラウドストレージ、ダウンロードの管理、メモの道具など。逆に持っていない可能性が高いのは、メニューバーの項目としてしか存在しないアプリで、アイコンを消すと操作する手段が無くなるからだ。
3つ目の分類として、アプリ本体ではなく補助のプロセスが出しているアイコンがある。更新の確認やインストールの補助などがこれにあたる。設定画面そのものが無いことが多く、ソフトを削除する以外にアイコンを消す手段が無い。
両方を済ませたあとに残るもの
| 分類 | どうするか | 元に戻せるか |
|---|---|---|
| 押したことのないmacOSの項目 | システム設定のコントロールセンター | 同じ画面から戻せる |
| 非表示の設定を持つアプリのアイコン | そのアプリの設定で切る | 戻せる |
| もう使っていないアプリ | アプリごと削除する | 入れ直しが必要 |
| 毎日押すアイコン | 残して時計の隣へ移す | 戻せる |
| たまに使うが常に見えていなくてよい | メニューバーを整理する道具 | 戻せる |
| 設定を持たない補助のアイコン | メニューバーを整理する道具 | 戻せる |
下の2行が残りかすで、この問題が自力で片づききらない理由でもある。消したくはないが、見えていてほしくもない。そういう項目が必ず一定数残る。過去1か月に一度だけ押した道具が、まさにここに入る。
隠すことと消すことは別の作業
この違いは、思っているより大きい。アプリの設定でアイコンを切ると、その機能に触るにはアプリを開くことになる。たまにでも使う項目にとっては、これは実際の手間として効いてくる。
メニューバーを整理する道具は、別の解き方をする。右側の区画を見せる側と隠す側に分け、隠した側を必要なときに呼び出せるようにする。アイコンは存在したままで、アプリにも手を触れない。よくできた道具では隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるので、たまに使う項目にかかる手間が、開いて閉じての3手から1手に減る。
つまり比べているのはこういう取引になる。アプリの設定で切るのは、日々の手間がゼロで、戻すにはアプリを開くしかない永続的な削除だ。道具で隠すのは、必要なときに1手かかる代わりに、いつでも戻せる。どちらが正しいかはアイコンによって違う。だからこそ、先の2つの点検を済ませて、判断のつかない項目だけを道具に任せるのが順番として正しい。
道具を選ぶときに見るところ
この種の道具は数が多い。選ぶときに効いてくるのは、機能の数ではない。
何ができる道具なのかはできることに整理されている。隠す、畳む、隠したまま押す、といった動作の違いはここで確認できる。呼び出しの手数が1手なのか複数手なのかは、たまに使う項目が多い人ほど日々の差になる。
道具どうしの違いは、値段と対応するmacOSのバージョンと提供の形で分かれる。ほかの道具との違いにその並びがある。無料であることを優先するのか、更新が続いていることを重視するのかで、選ぶものは変わる。
費用の考え方は料金にまとまっている。買い切りか継続課金かは、何年使うつもりかで損得が入れ替わるため、金額そのものより支払いの形を先に見たほうがよい。
権限の設定、ログイン時の自動起動、ほかの常駐アプリとの併用といった、入れてから気づく種類の疑問はよくある質問に集めてある。実際に試すところまで進むならダウンロードから入手できる。
最初にやることは決まっている。メニューの一番多いアプリを前面にして数を測り、あと何個減らせばよいかを確かめる。次にシステム設定のコントロールセンターを開いて、押した記憶の無い項目をすべて切る。この1回で足りることが多い。それでもまだ項目が落ちるなら、残っているのは判断のつかない側であり、そこから先が道具の出番になる。
よくある質問
メニューバーのアイコンは何個までなら大丈夫?
決まった数はありません。画面の横幅と、前面にするアプリのメニューの多さで変わるからです。実用的な判定方法は、メニューの少ないアプリを前面にして数え、次にメニューの一番多いアプリを前面にしてもう一度数えることです。2回目のほうが少なければ、すでに項目が落とされています。
アプリによってアイコンが消えたり出たりするのはなぜ?
左側のアプリのメニューと右側の状態を示す項目が、同じ1本の横幅を取り合っているためです。メニューの多いアプリを前面にすると幅が足りなくなり、macOSは右端から遠い項目を描画しなくなります。メニューの少ないアプリに切り替えれば戻ります。
アプリを消さずにアイコンだけ消せる?
消せる場合が多いものの、すべてではありません。多くのアプリは「メニューバーにアイコンを表示」に相当する設定を持っており、これを切れば動作したままアイコンだけ消えます。メニューバーの項目としてしか存在しないアプリや、更新の確認などの補助プロセスは、この設定を持たないことがあります。
隠すのと設定で切るのは、どちらがよい?
用途が違います。一度も押さない項目は、アプリの設定で切ってしまうのが手数ゼロで済みます。たまに使う項目や、そもそも切る設定を持たない項目は、隠して必要なときに呼び出せるようにするほうが、アプリを開き直す手間が減ります。