Macのメニューバーを整理する手順と、散らからない決め方

Macのメニューバーを整理しようとするとき、多くの場合は手順の途中から始めてしまいます。読みづらくなったので隠す、という反応から入るため、1か月もすると元の状態に戻る。アプリを入れるたびにアイコンは増えるのに、減る仕組みがどこにもないからです。片付けたこと自体は正しく、足りなかったのは手順のほうでした。この記事では、書き出し、分類、削減、並べ替え、標準設定という順に整理する方法と、増えたときに迷わないための決め方をまとめます。

散らかるのは、増える一方で減らないから

メニューバーは、Macの中でも珍しい性質を持った場所です。誰も増やすと決めていないのに増えていきます。アプリは導入時に自分でアイコンを置き、多くはログイン時に自動で起動するように設定します。置かれた側があとから見直す機会は、基本的に用意されていません。

しかもmacOSには、あふれた項目を格納する受け皿がありません。ほかのOSの通知領域のように、矢印を押すと隠れた分が出てくる仕組みがないため、幅が足りなくなった項目は単に描画されなくなります。小さくなるのでも重なるのでもなく、押しに行く手段ごと消えます。増える一方で、減らす仕組みも、あふれを受け止める仕組みもない。これが散らかる構造的な理由です。

そして限界は、機材によって早く来ます。カメラ部分がメニューバーに食い込む14インチ16インチのMacBook Proや、同様の設計のMacBook Airでは、バーが左右2本の短い帯に割られるため、外付けディスプレイなら並ぶ数でも入り切らなくなります。ノート型を中心に使っているなら、整理は先送りできる作業ではなくなっています。

だから必要なのは、その場の片付けではなく、1回だけ決めれば済む判断の枠組みと、増えたときの規則です。順番を守るほど作業は軽くなります。

まず、いま並んでいるものを書き出す

テキストファイルを開いて、いまメニューバーにあるものを左から順に書き出します。数分で終わりますが、この一手間で話の内容が変わります。

書き出すと、たいてい2種類のものが浮かび上がります。1つは、もう使っていないアプリの項目です。ログイン時に自動起動する設定のまま残っていて、背後で動き続けています。これはメニューバーの問題ではありません。自動起動から外すか、アプリごと削除するのが正しい対処で、画面の幅以上のものが戻ってきます。

もう1つは、価値のわりに幅を取りすぎている項目です。曜日と日付と秒まで出している時計、気温を出している天気、通信量を数字で出しているネットワーク監視、パーセント表示のバッテリー、言語名を出している入力ソース。いずれも記号1個のアイコンの数倍の幅を占めます。ここで押さえておきたいのは、メニューバーを埋めているのはアイコンの個数ではなく合計の幅だという点です。文字を出している項目が4つ混じった9個の並びは、記号だけの14個の並びよりずっと混雑しています。

書き出しながら、幅を食っている項目に印を付けておいてください。あとで最も効率よく効いてくる部分です。

1日の中で何をしているかで4つに分ける

役に立つ問いは「そのアプリは重要か」ではありません。「そのアイコンに対して、ふだん何をしているか」です。答えは4つでほぼ収まります。

  • 押している。メニューを開いて操作している。クリップボード管理、スクリーンショット、切り替えているVPN、音声出力の切り替えなど
  • 読んでいる。開かないが、記号や数字を見て状態を判断している。同期が終わったか、録画中か、残量はどれくらいか
  • 気づきたいだけ。異常時や動作中にだけ意味がある。失敗したときに気づきたいバックアップ、動いているときだけ意味のあるミラーリング
  • 何もしていない。アプリを入れたときから出ているだけで、一度も使っていない

この分類を項目ごとに1回やることが、結果が長持ちするかどうかを分けます。ここから先は、決めたことを実行するだけの作業になります。分類の途中で「これは何のアイコンか分からない」というものが出てきたら、それは押して確かめる価値があります。頼りにしている何かなのか、外してよいものなのか、どちらかがはっきりします。

隠す前に、減らす

「何もしていない」に入った項目は、隠すのではなく減らす対象です。ここを隠して済ませると、症状だけ見えなくなって原因が残ります。使っていないアイコンの後ろでは、アプリがログイン時に起動し、メモリを持ち、何かの処理を続けているためです。

確信のある順に進めるのが早い方法です。まず、名前が分かっていて、もう使っていないアプリ。システム設定のログイン項目から外せば、アイコンも背後の処理も止まり、アプリ自体は残るのでいつでも戻せます。取り消せる変更なので、判断の負担が小さい部分です。

次に、単発の用事のために入れたまま残っているもの。試用版、一度きりの用途で入れた道具、いまは使っていない機器のための常駐アプリ。こうしたものは静かに溜まり、半年前は整っていたバーが今日は埋まっている主な理由になります。

この段階を終えると、残るのは場所を占める理由のある項目だけになります。リストが短くなった分、あとの作業がすべて軽くなります。ここでようやく、隠すという対処が正しい選択になります。画面の幅の話と、そもそも動かしておくべきかどうかの話は、別々に片付けたほうが早いためです。

並び順が、消える順番を決める

メニューバーは右端から左へ向かって埋まります。幅が尽きた時点で、いちばん左に来るはずだった項目から描画されなくなり、受け皿がないので押しに行けません。つまり並び順は見た目の問題ではなく、混み合ったときに誰が消えるかを決める設定です。

操作方法はAppleが説明しています。

To rearrange status menus, press and hold the Command key while you drag an icon. To quickly remove a status menu, press and hold the Command key while you drag the icon out of the menu bar. 出典: support.apple.com

Commandキーを押しながらドラッグすれば並べ替えができ、バーの外へドラッグすれば取り外せる、という内容です。前の分類にあてはめると、置き方は自然に決まります。押している項目をいちばん右へ。読んでいる項目をその次に。気づきたいだけの項目をいちばん左へ。左に置いたものは、混み合ったときに一時的に消えても実害が小さいためです。

カメラ部分でバーが割られるMacBookでは、この作業の重みが増します。前面のアプリのメニューの本数によって衝突する位置が動くので、同じ並びでもアプリを切り替えるたびに消える項目が変わります。並べ替えても幅は増えませんが、どこで損失が出るかは選べます。

macOSの標準設定でできること

追加のアプリを入れる前に、標準の設定で確実に効く手が3つあります。

コントロールセンターの表示設定

システム設定のコントロールセンターの項目には、macOS自身がメニューバーに出しているものが一覧になっています。Wi-Fi、Bluetooth、AirDrop、集中モード、画面ミラーリング、ディスプレイ、サウンド、再生中、バッテリー、ユーザの切り替え、Time Machine、VPN、アクセシビリティのショートカットなどが対象で、多くは常に表示、使用中のみ表示、表示しない、から選べます。

真ん中の「使用中のみ表示」が、さきほどの分類の「気づきたいだけ」への答えです。画面ミラーリングやTime Machineは動いていないときに見ても情報がないため、この設定にしておけば必要な瞬間まで幅を使いません。

時計の表示を短くする

時計はメニューバーで最も幅を取っている項目であることが多い部分です。曜日を消す、日付を消す、24時間表示にする、秒を消す、の4つで目に見えて幅が戻ります。日付と曜日はコントロールセンターやカレンダーからすぐ確認できるので、常時出しておく必要があるかは一度見直す価値があります。

アプリ自身の設定

多くのアプリは、自分の設定の中にメニューバーにアイコンを出さない選択肢を持っています。かわりにキーボードショートカットやDockから呼び出す形になります。「押している」に分類した項目こそ確認する価値があります。ショートカットで呼べるなら、バーに常駐させておく必要がないからです。ただしこの設定を持たないアプリもあり、そこが標準の手が尽きる地点になります。

標準の設定で足りなくなる地点

ここまでの手はすべて同じ形をしています。何かを手放して幅を得る、という形です。手放せるものが尽きたところで止まります。

コントロールセンターの設定が効くのはApple自身の項目だけです。非表示の設定を持たないアプリでは、アイコンを残すかアプリを終了するかの二択になり、背後で役に立っている常駐アプリを終了するのは整理ではなく機能の削除です。並べ替えは損失を配り直しているだけで、消える本数は変わりません。そして、メニューバーには幅の上限があり、あふれた分を受け止める場所がないという前提そのものには、どの手も触れていません。

残っているのは、使うから残したいのに常時は出しておきたくない、という項目です。ここから先が、メニューバーを整理する道具の担当範囲になります。ここまでの作業は無駄ではなく、道具に任せる範囲を小さくするための下ごしらえです。

散らからない状態を保つ規則

一度整えたバーがまた埋まる理由は1つです。新しいアプリがアイコンを置き、それについて判断する機会が誰からも用意されないからです。

必要な規則は短くて済みます。新しいアイコンが増えた日に、その場で4つのどれかに分ける。「何もしていない」ならその日のうちに外す。「気づきたいだけ」なら、迷っている間だけ表示しておくのではなく、最初から隠す側に入れる。この2つを守るだけで、増え方はかなり抑えられます。

そのうえで、3か月に一度ほど書き出したリストを見直すと、取りこぼしが拾えます。1つの案件のために入れて、その案件が終わったあともログイン時に起動し続けているアプリが、たいてい何個か見つかります。最初に作ったリストがあるので、この見直しは数分で終わります。

道具側の情報から何が分かるか

メニューバー管理アプリと呼ばれる種類の道具は、ステータス項目をシステムに登録したまま、二次的なものを表示領域の外に退避させ、クリックやショートカットで呼び戻します。アプリは動いたまま、アイコンも生きたまま、占有していた幅だけが戻ってきます。

比べるときに見る点は、宣伝文よりも狭い範囲に絞れます。最も効くのは、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかです。ここで毎回いったん展開が必要だと、隠した項目はだんだん表示側に戻され、せっかくの分類が崩れてバーが埋まり直します。次に、あふれた分をメニューバーの下にもう1段作って並べられるかどうか。下の段はカメラ部分で割られていないので、ノート型では効き方が変わります。求める許可がアクセシビリティなのか画面収録なのかで渡す権限の重さが変わる点と、動作する最低のmacOSのバージョンも確認しておく項目です。どの動作に対応しているかはできることに整理してあり、ほかの選択肢との違いは条件ごとにほかの道具との違いで並べています。

最後に、導入前にはっきりさせておくと判断がぶれない点があります。アイコンを隠しても、そのアプリの処理は減りません。電池もメモリも従来どおり使い、変わるのは画面の上端が要求してくる注意の量だけです。だからこそ、隠す作業の前に減らす作業を置く順番に意味があります。費用や条件は料金にまとまっており、細かい疑問への回答はよくある質問で確認できます。手元で1週間ほど試して、隠した項目を探しに行った回数を数えてみるのが、いちばん確かな比べ方になります。

よくある質問

メニューバーのアイコンは何個までなら大丈夫?

決まった個数はありません。埋まるかどうかを決めるのは個数ではなく合計の幅で、日付入りの時計や数字を出しているネットワーク監視のように文字を表示する項目は、記号だけのアイコンの数倍の幅を占めます。さらに、メニューの本数が多いアプリを前面に出すと使える幅が減り、カメラ部分でバーが割られるMacではもう一段早く限界が来ます。

追加のアプリなしでアイコンを並べ替えられる?

できます。Commandキーを押しながらアイコンをドラッグすると移動でき、バーの外へドラッグすると外せます。多くのステータス項目に効きますが、右端側のシステム項目は位置を保ちます。並べ替えても幅は増えず、幅が尽きたときにどれから消えるかを決められる、という効果になります。

隠すのとアプリを終了するのは、どう使い分ける?

背後での処理がもう必要ないなら終了する、必要なら隠す、という分け方になります。隠してもアプリは動き続け、同期も常駐処理もそのまま残り、画面から消えるだけです。一度も使っていない項目であれば、隠すよりログイン項目から外すほうが根本的な対処になります。

整理したのに、アプリによって見え方が変わるのはなぜ?

前面のアプリのメニューがメニューバーの左側を占め、ステータス項目に残る幅を押し下げるためです。メニューの本数が多い開発ツールや編集ツールを出すと境目が動き、表示領域からアイコンが押し出されることがあります。メニューの少ないアプリに切り替えると戻ります。

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