Bartenderという名前のソフトは2つある|Mac向けとラベル印刷

Bartenderという名前で検索すると、画面の上端のアイコンを片付ける話と、バーコードラベルを印刷する話が混ざって出てくる。綴りがほぼ同じで、作り手も用途も対応OSも違う別の製品が2つ存在するためである。この記事では、どちらがどちらなのかを先に切り分けたうえで、目的別にどちらを見ればよいかを整理する。

同じ綴りの製品が2つあり、動くOSが違う

まず全体像を押さえる。名前の重なりは偶然で、両者に資本や開発の関係は公開されていない。

1つ目は、Macのメニューバーに並んだアイコンを畳んで整理する常駐アプリである。配布は製品サイトで、macOS向けにのみ提供されている。画面上端の帯をどう見せるかを扱う道具で、印刷には一切関わらない。

2つ目は、ラベル、バーコード、RFIDタグ、プラスチックカードなどの作成と印刷を扱う業務用ソフトである。作り手はシーガルサイエンティフィック社で、こちらはWindows向けに提供されている。工場や物流の現場で、基幹システムと連携してラベルを大量に発行する用途に使われる。

項目 メニューバー向け ラベル印刷向け
対応OS macOS Windows
用途 画面上端のアイコン整理 ラベル・バーコード・RFIDの発行
想定する利用者 個人のMac利用者 工場・物流・小売の現場
払い方 買い切りまたは年額 エディション別のライセンス

検索でたどり着いたページがどちらかを見分けるのは簡単で、画面写真にメニューバーが写っていればMac向け、バーコードのラベルが写っていれば印刷向けになる。

ラベル印刷のほうはWindows向けに提供されている

印刷のほうを探していた場合、Macで動かせるかが最初の関門になる。日本の販売代理店が公開している製品ページには、対応OSとしてWindows 11、Windows 10、Windows Server 2022、2019、2016が挙げられており、64ビット版のみと記載されている。macOSは含まれていない。

動作に必要な環境としては、メモリ8GB以上、空き容量20GB以上、解像度1024×768以上が推奨として挙がっている。エディションはENTERPRISE、AUTOMATION、PROFESSIONALなどが用意され、プリンタの台数や連携するシステムに応じて選ぶ形になる。この情報は2026年9月18日に販売代理店のページで確認したもので、改定されることがある。

一方で、クラウド側の提供も存在する。Microsoftの技術文書には次の記述がある。

BarTender ラベル付けソリューションは、オンプレミス ソフトウェアとしても、BarTender Cloud™ という名前のクラウドベースの Software-as-a-Service (SaaS) 製品としても利用できます。 出典: learn.microsoft.com

つまり、Macしか無い環境でラベル発行を扱いたい場合の道は2つに絞られる。1つはWindowsの環境を用意すること。もう1つはクラウド側の提供を検討することである。どちらが適切かは、既存の基幹システムとの連携をどこまで求めるかで決まるため、導入の前に販売代理店へ確認するのが確実になる。

ラベル印刷のほうは、エディションで扱える範囲が変わる

印刷のほうを検討している場合、価格表より先に見るのがエディションの区切りである。販売代理店のページでは、目的に合わせて選ぶ形として次のように説明されている。

  • PROFESSIONAL は、表計算ソフトやデータベースからのラベル印刷、手入力用の画面の作成、RFIDタグやICカードへの書き込みを扱う
  • AUTOMATION は、入力画面と処理の組み合わせ、外部システムとの統合による自動印刷の仕組みを作る
  • ENTERPRISE は、企業内のラベル発行の仕組み全体を、1か所または複数の拠点で集中的に管理する

選び方の分かれ目は、人が画面を見ながら印刷ボタンを押すのか、システムが自動で発行するのかにある。前者ならPROFESSIONALの範囲で足り、後者になるとAUTOMATION以上が必要になる。拠点が複数あり、ラベルの版を全社で統制したいならENTERPRISEの話になる。

印刷そのものについては、Windows用のドライバがあるプリンタであれば扱える形になっており、1つの企業で多数の業務用プリンタを制御できると案内されている。基幹システムからCSVを書き出して自動で反映する使い方も挙がっている。この構造を見ると、個人がMacで手元のラベルを数枚刷りたい、という用途とは前提がまるで違うことが分かる。

Macのメニューバー向けのほうは何をする道具か

こちらを探していた場合の話に移る。メニューバーに常駐アプリのアイコンが増えると、目的のものを探す時間が伸び、やがて入りきらなくなって描かれなくなる。それを畳んで整理するのがこの種類の道具である。

現在の版は7で、製品サイトでは次のmacOS向けに作り直したと案内されている。帯の上での操作をマウスに触れずに完結させられる点、隠しているものを名前で探して呼び出せる点、電源を抜いたときやWi-Fiの種類が変わったときに特定のアイコンを自動で出す条件設定が挙げられている。画面収録の許可が無い環境でも動作し、その場合は本物の描画の代わりにアプリのアイコンが並ぶ形になる。

ノッチへの対処も項目として挙がっている。ノッチで隠れてしまう位置にある項目を自動的に畳み、押すか決めたキーで呼び出す作りである。内蔵画面にノッチのあるMacBookで右側の項目が消える問題は、macOS側に折り畳む仕組みが無いために起きるもので、こうした道具で補うことになる。

価格は2026年9月18日に日本から製品サイトを開いて確認した時点で、買い切りが3,949円、年額の上位プランが2,872円、永続的に使える上位プランが発売記念の割引価格で12,636円となっている。買い切りには前の版も含まれる案内があり、試用は4週間と記載されている。価格は改定されることがある。

なぜMacのメニューバーに、そもそも整理が要るのか

印刷のほうを探していた人にとっては、Macの帯を片付ける道具が有料で売れていること自体が不思議に見えるかもしれない。背景にはmacOSの作りがある。

メニューバーは、左にいま前面にあるアプリのメニュー、右に状態を示す項目が並ぶ構造になっている。

Toward the right end of the menu bar are items (sometimes called status menus), typically represented by icons, that let you check the status of your Mac. 出典: support.apple.com

左のメニューの長さは、切り替えたアプリによって変わる。項目の多いアプリに切り替えた瞬間、左が伸びて右が押し出される。そして、入りきらなかった項目をまとめて開くための機能の説明は、Appleの利用ガイドには無い。描かれなくなるだけで、消えたという合図も出ない。

クラウドストレージ、チャット、パスワード管理、バックアップ、会議、入力の切り替え、常駐する監視の道具を入れていくと、合計で10個を超えるのはごく普通である。この状態で、押したいものが見つからない、あるいは押したいものが消えている、という不便が毎日起きる。だから整理する道具に対価が払われている、という構図になる。

Appleが用意している手当ては、Commandキーを押しながらのドラッグで並び替えることと、帯の外へ出して項目そのものを外すこと、メニューバーを自動的に隠す設定にすることの3つで、いずれも幅そのものは増やさない。

名前が重なると、検索でどんな不便が起きるか

2つの製品が同じ綴りを共有していることによる実務上の不便は、主に3つある。

1つ目は、検索結果が混ざることである。Mac向けの使い方を調べているのに、ラベルのデザイン手順やプリンタドライバの話が並ぶ。逆も起きる。絞り込むには、Mac向けなら「メニューバー」、印刷向けなら「ラベル」や「バーコード」を検索語に足すのが早い。

2つ目は、社内の会話で食い違うことである。情報システムの担当者にとってこの名前はラベル印刷ソフトを指し、デザインや開発の担当者にとってはMacの常駐アプリを指す。導入の申請や経費の申請でこの名前だけを書くと、まったく違う製品の稟議として処理されることがある。申請の書面には対応OSと用途を1行添えておきたい。

3つ目は、ライセンスの扱いを取り違えることである。ラベル印刷のほうはプリンタの台数や拠点数に応じたエディション制で、Macの常駐アプリのほうは個人の端末単位の買い切りや年額である。片方の感覚でもう片方の見積もりを読むと、桁の感覚が合わない。

対処は単純で、社内で呼ぶときに用途を前に付けることである。「ラベルのほう」「メニューバーのほう」と言い分けるだけで、この3つはほぼ消える。

メニューバーを整理する道具を選ぶときに見る点

Mac向けを探していたとわかったところで、選ぶ基準を整理しておく。この用途の道具は複数あり、無料のものから買い切りのものまで幅がある。

最初に見たいのは、隠したものをどう呼び出すかである。帯の上に展開してから押し直す形、別の場所にまとめて出す形、畳んだまま直接押せる形の3通りがある。1日に何度も呼び出すなら、手数の差がそのまま積み上がる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかは、試用の期間で必ず確かめておきたい点になる。

次に見たいのは、呼び出したときの見た目である。バッテリーの残量、未読の件数、通信の速度といった情報は絵柄そのものに描かれているため、似せた別の絵に置き換えられると意味を失う。できることには、隠したアイコンを本物の見た目のまま並べる仕組みと、ポップアップに出す仕組みの違いが説明されている。

費用の比べ方も決めておきたい。買い切りと年額では、数年使ったときの総額が変わる。価格と払い方を並べた表はほかの道具との違いにあり、調査日が添えられているので前提が分かる。買い切りがどの範囲までを指すのかは料金に説明がある。

もう1つ、外部ディスプレイの扱いも見ておきたい。据え置きの画面に繋いだときと、本体だけで使うときでは、帯に入るアイコンの数が変わる。繋ぎ替えるたびに並びが崩れるのが気になる場合は、構成ごとに並びを覚えておける作りかどうかを確かめる。内蔵画面にノッチのあるMacBookでは、ノッチの右側に置ける数が限られるため、この差がとくに大きく出る。

導入時に手が止まりやすいのは権限の許可で、なぜアクセシビリティと画面収録の許可が要るのかはよくある質問にまとまっている。別の道具からの乗り換えで、隠す隠さないの分け方を読み込めるかどうかも同じ場所に書かれている。対応するmacOSの下限と試用の条件を確かめて手元で試すなら、ダウンロードから入手する流れになる。

切り分けをもう一度整理しておく。ラベルやバーコードを印刷したいなら、Windowsの環境かクラウド側の提供を検討する。Macのメニューバーを片付けたいなら、呼び出し方と見た目の再現、そして費用の形の3点で選ぶ。名前が同じでも、判断に使う材料はまったく重ならない。

よくある質問

ラベル印刷のほうをMacで動かせる?

販売代理店が公開している製品ページには、対応OSとしてWindows 11、Windows 10、Windows Server 2022、2019、2016が挙げられており、64ビット版のみと記載されている。macOSは含まれていない。Macしか無い環境では、Windowsの環境を用意するか、クラウド側の提供を検討することになる。

2つの製品に関係はある?

名前の綴りが近いだけで、作り手も用途も対応OSも別である。Macのメニューバーを整理する常駐アプリはmacOS向け、ラベルとバーコードの発行ソフトはシーガルサイエンティフィック社がWindows向けに提供している。資本や開発の関係は公開されていない。

Mac向けのほうはいくら?

2026年9月18日に日本から製品サイトを開いた時点で、買い切りが3,949円、年額の上位プランが2,872円、永続的に使える上位プランが発売記念の割引価格で12,636円と表示されている。試用は4週間と案内されている。価格は改定されることがある。

検索結果に両方が混ざるときの絞り込み方は?

検索語を足すのが早い。Macの常駐アプリを探しているなら「メニューバー」、ラベル発行ソフトを探しているなら「ラベル」や「バーコード」を加える。社内で話すときも、用途を前に付けて「ラベルのほう」「メニューバーのほう」と呼び分けると取り違えが起きにくい。

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