Hidden Barの入手先|App Store版とGitHub版の違い
メニューバーのアイコンを隠す無料の道具を探すと、hidden bar mac appという名前にたどり着く。ところが入手しようとすると、Mac App Storeの配布ページと、開発元のGitHubの配布ページと、パッケージ管理の仕組み経由と、入口が3つ出てくる。同じ名前で同じ作者なのだから、どれから入れても同じだろうと考えるのが自然だが、2026年9月18日時点で中身は同じではない。
この記事は、3つの入口でそれぞれ配布されている版と、その差がどんな場面で表に出るのかを整理したものである。無料の道具であるだけに、入れてから動かないことに気づくと、原因を探す時間のほうが高くつく。入れる前に見るべき箇所を先に押さえておきたい。
入口は3つあり、配布されている版が違う
同じ日に3つの入口を確認した結果は次のとおりである。
| 入口 | 配布されている版 | その版が出た日 | 必要なmacOS |
|---|---|---|---|
| Mac App Store | 1.8 | 2021年6月1日 | 10.12以降 |
| 開発元のGitHub | 1.11 | 2026年9月18日 | 13以降 |
| パッケージ管理経由 | 1.10 | 2026年3月3日 | 13以降 |
版の数字が3つに割れているだけでなく、必要なmacOSの下限も割れている。App Store版は古いMacでも動く代わりに中身が古く、GitHub版は新しい代わりに古いmacOSを切り捨てている。パッケージ管理経由のものは、その時点で登録されている版が配られる仕組みなので、GitHubに新しい版が出た直後は1つ前の版が配られる状態になる。
つまり「どこから入れるか」は、そのまま「どの版が入るか」の選択になっている。無料の道具では、この種のずれが起きていても気づきにくい。アプリの中に更新を知らせる仕組みが無ければ、入れた版のまま何年も使い続けることになるからである。
App Store版は2021年から更新が止まっている
Appleの配布情報で確認できるApp Store版の最終更新は2021年6月1日で、版は1.8である。2026年9月18日時点で、そこから5年以上が経っている。開発元のGitHub側では、その後も1.9、1.10、1.11と版が出ているため、App Store版だけが取り残されている形になる。
この差が生む影響は、単に新機能が入らないという話にとどまらない。メニューバーを扱う道具は、macOS側の仕様変更を正面から受ける性質がある。表示の仕組みが変われば、それに合わせて作り直す必要が出る。更新が止まっている版は、その追随ができていない状態にある。
なお、開発元の更新そのものも一定の間隔で続いてきたわけではない。1.9が2022年1月、次の1.10が2026年3月であり、この間には4年以上の空白がある。その後、1.10から1.11までは半年ほどで出ている。無料で公開されている道具を選ぶときは、最新版の日付だけでなく、その前の版との間隔も見ておくと、どういう頻度で手が入るものかが読める。
macOS 27で、片方が動かなくなった
2026年9月18日に公開された1.11のリリース文には、何が起きたのかが具体的に書かれている。要点は、macOSの側が仕様を変えたため、それまでの隠し方が通用しなくなったという点にある。
それまでの実装は、メニューバーに幅を持った区切りを置いて、その幅でアイコンを画面の外側へ押し出すという方式だった。macOS 27では、幅が広がりすぎた項目をシステム側が取り下げるようになったため、この押し出しが成立しなくなった。1.11では、押し出すのではなくmacOSに対して非表示を依頼する方式へ作り替えられている。
ここで入手先の違いが決定的になる。リリース文には次のように書かれている。
This download isn't sandboxed. The App Store version is, and the sandbox blocks this approach, so the App Store version still can't hide on macOS 27. 出典: github.com
App Storeで配布されるアプリには実行環境の制限がかかっており、その制限が新しい方式と噛み合わないため、App Store版はmacOS 27ではアイコンを隠せない、という説明である。あわせて、App Store版が入っている場合は終了して削除してから入れ替えるよう案内されている。
なお、macOS 26以前では従来どおり動く、とも書かれている。手元のMacをまだ上げていないのであれば、慌てて入れ替える必要はない。
GitHubから落とすことへの不安は、実物を見れば判断できる
App Storeの外から入手するアプリについて、警告が出て開けないのではないか、という不安は根強い。この点は、配布されているファイルそのものを見れば確かめられる。
2026年9月18日に配布されている1.11の本体を取り出して確認したところ、開発元名義のDeveloper ID証明書で署名されており、Appleの公証も通っていた。公証の記録がアプリ本体に添付されているため、macOSの審査を通す仕組みからは通常のアプリとして扱われる。右クリックして開き直すといった回避の手順は要らない。
形式は2つのCPUに対応した1つの本体で、Apple SiliconのMacでもIntelのMacでもそのまま動く。大きさは約1.4MBで、メニューバーに1枠を足すだけの道具としては軽い部類に入る。
ただし、署名と公証が付いていることと、中身の作りが安全であることは別の話である。1.11のリリース文には、実装がAppleの非公開の仕組みに依存しており、今後のmacOSの更新で動かなくなる可能性がある、と明記されている。その場合はメニューバーを広げたままにする、つまり間違ったものを隠すのではなく何も隠さない側に倒す、という設計になっているとも書かれている。この但し書きは、入れる前に読んでおく価値がある。
入れたあとに効いてくる制約が4つある
1.11のリリース文には、macOS 27で使う場合の注意点が並んでいる。どれも入れてから気づくと原因を探すことになる種類のものである。
- アクセシビリティの許可が要る。アイコンの位置を把握するために使われており、許可が無いとメニューバーは広がったままになる
- アプリケーションフォルダから起動する必要がある。別の場所に置いた場合、自分の矢印を自分で隠してしまう
- 隠す単位がアプリごとになっている。1つのアプリが複数のアイコンを置いている場合、それらはまとめて隠れ、まとめて出てくる
- 時計、Wi-Fi、サウンド、コントロールセンターは常に表示される。これらは隠す対象にならない
3つ目は、使い勝手に直接効く。たとえば録画や配信の道具は、状態表示と操作用に複数のアイコンを置くことがある。片方だけ残して片方を隠す、という分け方はこの仕組みではできない。
また、ポインタを乗せるだけで広がる動作は、1.11では初期状態で無効になっている。有効にするには設定ファイルの値を書き換える必要があり、画面上の設定項目としては用意されていない。矢印を右クリックするとメニューが開くという変更も入っているため、以前の版から乗り換えた場合は操作感が変わる点を見込んでおきたい。
入れ替えるときの順番
手元にApp Store版が入っていて、macOS 27に上げたあとで隠れなくなった場合の順番は、リリース文の案内に沿うと次のようになる。
- App Store版を終了する。メニューバーから消えたことを確かめる
- アプリケーションフォルダからApp Store版を削除する
- GitHubの配布ページから最新の本体を取得し、アプリケーションフォルダに置く
- 起動してアクセシビリティの許可を出す
- 矢印を基準に、隠す項目と残す項目を割り振る
割り振りの操作そのものも1.11で変わっている。矢印が境界線になっており、Commandキーを押しながらアイコンを矢印の左へ動かせば隠れ、右へ動かせば残る。以前の版から来た場合、この境界の考え方を先に理解しておくと迷わない。
パッケージ管理の仕組みから入れている場合は、登録されている版が最新に追いつくまで待つか、配布ページから直接取得するかの二択になる。急ぐ必要が無いなら、登録が更新されるのを待つほうが管理は楽である。
無料で足りる範囲と、そこから先の判断
この道具は2019年から公開されており、ソースコードが読める形で配布されている。星の数は約14,800で、同じ用途の道具の中では広く使われている部類に入る。隠す、出す、常に隠す枠を作る、という基本の動作だけを求めるなら、費用をかけずに用は足りる。
判断が分かれるのは、その先である。隠した項目にどう手を伸ばすか、macOSの仕様が変わったときにどのくらいの速さで追随されるか、複数のアイコンを置くアプリをどう扱うか。このあたりは、無料か有料かという軸とは別に、実装の方針そのものの差として現れる。先に挙げた4年以上の空白も、この軸で見ておく材料になる。
もう1つ、費用の話に入れておきたい観点がある。macOSが大きく変わった年に、手元の道具が追随するまでの待ち時間をどう扱うかという点である。今回のように隠す仕組みそのものが作り替えになった場合、対応版が出るまでメニューバーは広がったままになる。その期間が数日で済むのか、数か月かかるのかは、事前には読めない。読めない以上、秋のmacOSの更新を急がないという運用で吸収するか、追随の速さに費用を払うか、どちらかの形で受け止めることになる。この選択は、入手先を決める段階で意識しておくと、後から慌てずに済む。
何を隠して何を残すかは、どの道具でも先に決まる
入手先を決めるより前に片付けておくと楽なのが、隠す対象の線引きである。目安は、そのアイコンが状態を見るためのものか、押して操作するためのものかにある。電池や通信のように見えていること自体に意味があるものは残し、同期の一時停止や録画の開始のように押して初めて仕事をするものは隠す。この線引きができていれば、どの道具を選んでも設定は短時間で終わる。
線引きのあとに残る比較軸は、隠した側への手の届き方である。いったん全部を広げてから目的のアイコンを探して押す作りだと手数は2つになる。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば1手で済む。毎日触る項目ほど、この差は効いてくる。
比べる材料としては、メニューバーを整理する道具の案内ページが手がかりになる。できることには、項目の隠し方と隠した項目の扱い方が並んでいる。同じ用途の道具どうしの違いはほかの道具との違いに整理されており、対応するmacOSの範囲や提供の形が横に並べて示されている。費用の形を比べるなら料金を見ると、無料のものと支払いが要るものの線がどこに引かれているかが分かる。権限まわりや導入直後に出やすい症状はよくある質問にまとまっており、手元で試す段になったらダウンロードから対応するmacOSの範囲を確かめて入手する流れになる。
この記事に挙げた版、日付、動作条件は、2026年9月18日に配布元の公開ページと配布物そのもので確認したものである。更新の頻度が一定しない道具であるため、入れる直前にもう一度、配布ページで版の日付を見ておくのが確実な進め方になる。
よくある質問
App Store版とGitHub版のどちらを入れればよいですか?
2026年9月18日時点では、App Store版が1.8で2021年6月から更新が止まっており、GitHub側は1.11まで進んでいます。macOS 27を使っている場合、配布元はApp Store版ではアイコンを隠せないと明記しているため、GitHub側から入れることになります。macOS 26以前であればどちらでも従来どおり動きます。
App Storeの外から入れると警告が出ませんか?
2026年9月18日に配布されている1.11の本体には、開発元名義の証明書による署名とAppleの公証が付いていました。公証の記録がアプリ本体に添付されているため、通常のアプリとして開けます。右クリックして開き直すといった回避の手順は要りません。
入れたのにメニューバーが広がったままです。
アクセシビリティの許可が出ていない可能性があります。この道具はアイコンの位置を把握するためにその許可を使っており、許可が無いと隠す動作が働きません。また、アプリケーションフォルダ以外の場所に置いて起動した場合も正しく動かないため、置き場所も合わせて確かめてください。
特定のアイコンだけを隠して、同じアプリの別のアイコンは残せますか?
できません。配布元の説明では隠す単位がアプリごとになっており、1つのアプリが複数のアイコンを置いている場合はまとめて隠れ、まとめて出てきます。片方だけを残したい場合は、そのアプリ自身の設定でアイコンの表示を減らせるかどうかを先に確かめる形になります。