Macのメニューバーから時計を隠す:設定でできる範囲と代わりの手段
メニューバーの右端に並ぶ項目を減らそうとして、まず時計を消そうとした人は、設定画面を一周してから手が止まる。日付の出し方も曜日の出し方も選べるのに、「メニューバーに表示しない」という一行だけが見当たらないからである。探し方が悪いわけではなく、macOSの設定の作りが途中で変わったことが理由になっている。
先に結論を書く。現行のmacOSの設定画面だけで時計を消す道は用意されていない。できるのは、時計の表示を削って幅を詰めること、メニューバーごと自動で隠すこと、そしてメニューバーの項目を管理する常駐アプリを入れて並び自体を作り直すことの3つになる。どれを選ぶかは、時計が邪魔なのか、それとも時計を含めたメニューバー全体が混んでいるのかで変わる。
時計だけを消すスイッチが見当たらない理由
macOS Monterey までは、システム環境設定の「Dockとメニューバー」の中に「時計」という項目があり、そこに「メニューバーに表示」のチェックボックスが並んでいた。外したい人はこれを外せばよく、手順は1行で済んだ。
macOS Ventura で設定アプリが「システム設定」に置き換わり、項目の住所も組み替えられた。時計は「コントロールセンター」の中に移り、そこで押せるのは「時計オプション」というボタンになった。開くと日付や曜日や秒の出し方を決める項目が並ぶが、表示そのものを切る項目は並んでいない。
メニューバーに表示される日付と時刻の見え方は、コントロールセンターの設定にある「時計オプション」で変更できる。 出典: support.apple.com
ここで重要なのは、消えたのが機能ではなく「切り替えの場所」だという点である。時計は今もコントロールセンターの管理下にあり、幅も表示内容も設定から変えられる。変えられないのは、有無を決める部分だけになっている。手順を紹介している古い記事が役に立たないのは、その記事が書かれた時点の設定画面には確かにチェックボックスがあったからで、内容が間違っていたわけではない。自分のMacのmacOSのバージョンを先に確かめておくと、どちらの手順を読めばよいかがすぐ決まる。
時計は、思っているより横幅を使っている
時計を消したくなる直接の理由は、たいてい場所である。メニューバーの右側は、常駐アプリのアイコンが増えるほど左へ伸びていき、限界を超えた分は表示されなくなる。時計はその右端に居座り続け、しかも設定によっては文字数が増える。
日付を出せば月日の分だけ伸び、曜日を足せばさらに伸びる。AM/PMを出せば2文字、秒まで出せば3文字が加わる。24時間表示に切り替えると午前と午後の表記が消えるので、その分だけ短くなる。文字数の話に見えるが、詰まっているメニューバーではアイコン1個分から2個分に相当する差になる。
ノッチのあるMacBookでは、この差が表示できるかどうかの境目になりやすい。ノッチの左右でメニューバーが分断されるため、右側に置ける項目の数はディスプレイの幅そのものより少なくなる。外部ディスプレイに繋いだときは入りきっていたアイコンが、本体の画面に戻した途端に消えるという現象は、この構造から起きている。
秒の表示にはもう1つ別の面がある。秒を出すと表示は1秒ごとに書き換わるので、視界の端で数字が動き続ける。作業中に視線が持っていかれる感覚が続くなら、時計を消す前に秒を切るだけで解決することがある。時計そのものが邪魔なのか、動きが邪魔なのかを分けて考えると、必要な作業が小さくなる。
表示を削って、時計を短くする
時計を残したまま幅だけ縮めるなら、システム設定のコントロールセンターから「時計オプション」を開き、上から順に不要なものを切っていく。判断の目安は、そこに出ている情報を他の場所でも確認できるかどうかになる。
- 日付と曜日は、カレンダーアプリや通知センターでも見られる。予定を見る回数が多い人ほど、メニューバーから外しても困りにくい
- AM/PMは、24時間表示に切り替えれば不要になる。会議の時刻を24時間表記でやり取りしている職場なら、切り替えたほうが読み違いも減る
- 秒は、収録や配信のように秒単位で合図を出す作業がなければ切ってよい。必要になったときだけ戻せる
- 区切り記号の点滅は、時計が止まっていないことを示すためのもので、秒を出していれば役目が重なる
削ったあとで、メニューバーの右側にどれだけ余裕ができたかを見る。それでも足りないなら、問題は時計ではなく常駐アプリの数のほうにある。時計を消しても空くのは数文字分で、アイコンが10個以上並んでいる状態は変わらない。順番としては、まず時計を短くし、次にアイコンを整理し、それでも足りなければメニューバーごと隠す、という並びになる。
メニューバーそのものを自動で隠す
時計を含めてメニューバー全体を視界から消す方法は、標準の設定に用意されている。システム設定の「デスクトップとDock」を開き、メニューバーの項目にある自動的に表示と非表示を切り替える設定を変える。選べるのは、常に隠す、デスクトップ上でのみ隠す、フルスクリーン時のみ隠す、隠さない、の4つになる。
この方法の利点は、時計だけでなくアイコンの並びも一緒に片づくことである。画面の上端が完全に空くので、ノッチのあるMacBookで項目が入りきらない問題も、見た目の上では起きなくなる。
副作用も同じだけ大きい。メニューバーを出すにはポインタを画面の上端まで動かす必要があり、ファイルメニューや編集メニューを使う頻度が高い作業では手数が増える。バッテリー残量や接続中のネットワークを目の端で確認する使い方もできなくなる。常に隠す設定にした人が数日で「デスクトップ上でのみ」に戻すのは、この手数が理由になっていることが多い。
現実的な落としどころは、フルスクリーン時のみ隠す設定にしておき、集中したい作業のときだけアプリをフルスクリーンにする使い方である。書く作業や動画を見る作業ではメニューバーが消え、通常の作業では今まで通り出ている。切り替えのために設定画面を開き直す必要もない。
常駐アプリを整理してから、時計を判断する
メニューバーが混んでいる原因の大半は、時計ではなく常駐アプリのアイコンにある。クラウドのファイル同期、チャット、パスワード管理、バックアップ、画面収録、キーボード配列の切り替えといった具合に、入れた覚えのあるものが1つずつ場所を取っている。ここを先に整理すると、時計を消す必要そのものがなくなる場合がある。
macOSの標準機能でできるのは、Commandキーを押しながらアイコンを左右にドラッグして並べ替えることである。よく押すものを右端に寄せ、めったに押さないものを左に送るだけでも、探す時間は変わる。ただし並べ替えができても、隠せるかどうかはアプリ側の作りに左右される。アプリ自身の設定に「メニューバーに表示しない」という項目を持つものもあれば、持たないものもある。
そこから先を埋めるのが、メニューバーの項目を管理する常駐アプリになる。この種の道具は、アイコンを隠し領域に送り、必要なときだけ展開して押せるようにする。区切りの位置を境にして、右側は常に見せ、左側は畳んでおく、という分け方が基本になる。道具によって差が出るのは展開したあとの操作で、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける形にできるものは、展開して押して畳み直すという往復がなくなる。
整理の順番にも向き不向きがある。すべてのアイコンを一度に隠してしまうと、どれが必要だったのかが分からなくなり、結局すべてを戻すことになりやすい。押した記憶のないものから畳んでいき、1週間使って不便がなければそのままにする、という進め方のほうが定着する。逆に、通知のバッジで状態を見ているアイコンは、隠すと気づけなくなるので残す側に置く。同期の失敗や録音の状態のように、見えていること自体が役目になっている項目がこれに当たる。
時計の扱いも道具によって変わる。時計はコントロールセンターの管理下にある項目なので、サードパーティのアイコンと同じようには動かせない場合がある。導入前に、システム側の項目を隠せるかどうかを確認しておくと、入れてから期待と違うことに気づく事態を避けられる。
時計を隠したあと、時刻をどこで見るか
時計を消す判断で最後に残るのは、時刻を確認する手段をどこに移すかである。1日に何度も時刻を見る人ほど、消したあとの空白が効いてくる。
- ロック画面とログイン画面には時刻が出る。席を外して戻るたびに目に入るので、離席が多い働き方なら不足しにくい
- カレンダーアプリと通知センターには日付と予定が並ぶ。次の予定までの間隔を見る使い方なら、こちらのほうが情報量が多い
- iPhoneやApple Watchが机の上にあるなら、視線を少し動かすだけで済む
- 会議の時刻管理が目的なら、開始前に通知が出るように設定しておくほうが、時計を見続けるより確実になる
画面収録やスクリーンショットで時刻を映したくないという目的なら、消すのではなく隠す方向で考える手もある。メニューバーを自動で隠す設定にしておけば、フルスクリーンの収録には時計が入らない。撮影のたびに設定を戻す必要もない。
何から手を付けるかを決める
時計を消したいという入口から入っても、実際に効くのは順番のほうである。まず時計オプションで日付と秒を落として幅を詰める。次にCommandキーを押しながらアイコンを並べ替えて、押す頻度の高いものを右に寄せる。それでも右側が埋まっているなら、隠す仕組みを持つ道具を入れて畳む。この順で進めると、どこで足りなくなったのかが自分で分かる。
道具を検討する段階になったら、何ができるかを先に見ておくと選びやすい。隠す・畳む・並べ替えるといった基本の動きと、隠したアイコンをどう押すかはできることにまとめられている。無料のものと有料のものが並ぶ分野なので、対応するmacOSのバージョンや提供されている機能の違いはほかの道具との違いで並べて見ておくと、条件が合うかどうかを先に判断できる。
費用の考え方も先に確かめておきたい。買い切りか継続かで、使い続けたときの総額は変わる。金額と含まれる範囲は料金に書かれている。導入前に引っかかりやすい点、たとえばシステム側の項目を扱えるかどうかや、再起動後にアイコンの並びが戻らないかといった疑問はよくある質問にまとまっている。試してから決めたい場合はダウンロードから入手して、実際のメニューバーで並びを作り直してみるのが早い。
判断の基準は、時計を消せたかどうかではない。メニューバーを見たときに、探さずに目的のものへ手が届くかどうかになる。時計を残したまま幅を詰めるだけで届くなら、それが一番手数の少ない答えになる。
よくある質問
macOSの設定だけでメニューバーの時計を消せますか?
現行のmacOSでは、システム設定の中に時計の表示そのものを切る項目が見当たりません。macOS Monterey までは「Dockとメニューバー」に「メニューバーに表示」のチェックがありましたが、macOS Ventura 以降は「コントロールセンター」の「時計オプション」に移り、見え方を決める項目だけが残っています。消したい場合はメニューバーごと隠すか、項目を管理する常駐アプリを使うことになります。
時計の幅を減らすには、どの項目を切ればよいですか?
日付、曜日、秒、AM/PMの順で効きます。日付と曜日はカレンダーや通知センターでも確認できるため、外しても困りにくい部類です。AM/PMは24時間表示に切り替えると不要になります。秒は表示が1秒ごとに書き換わるので、視界の端の動きが気になる場合は先に切ると変化が分かりやすくなります。
メニューバーを自動で隠す設定にすると、何が不便になりますか?
ポインタを画面の上端まで動かさないとメニューバーが出てこないため、ファイルメニューや編集メニューをよく使う作業では手数が増えます。バッテリー残量や接続中のネットワークを目の端で確認する使い方もできなくなります。常に隠すのではなく、フルスクリーン時のみ隠す設定から試すと、影響の範囲を確かめながら調整できます。
メニューバーを管理する常駐アプリを入れれば、時計も隠せますか?
道具によって変わります。時計はコントロールセンターの管理下にある項目のため、サードパーティのアプリが出すアイコンとは扱いが分かれている場合があります。システム側の項目を隠せるかどうかは、導入前に機能の説明や質問集で確認しておくと、入れてから想定と違うことに気づく事態を避けられます。