Macのメニューバーのアイコンを隠す前に決めておく3つのこと
買ったばかりのMacのメニューバーは空いています。そこにクラウドの同期アプリ、VPN、パスワード管理、スクリーンショットの道具、会議アプリ、クリップボード履歴が順に加わり、一年も経つと画面の右上は小さな絵の壁になります。目的のアイコンを探すたびに視線が止まり、ノッチのあるMacBook Proでは、そもそも表示されずに消えているアイコンまで出てきます。Macのメニューバーのアイコンを隠す方法を調べる人の多くは、この状態から抜け出したいと考えています。
先に結論を書きます。隠す作業に入る前に決めることが3つあります。常に見えていてほしいものはどれか、押せる場所にさえあればよいものはどれか、そもそも動かす必要のないものはどれか。この3つを分けないまま設定をいじると、片づいた代わりに毎日使うものまで遠くなります。この記事では、macOSの設定だけで届く範囲と、そこで止まる範囲を分けて説明します。
メニューバーに並ぶものは2種類ある
同じ一本の帯に、性質の違うものが2種類並んでいます。ここを混ぜて考えると、調べた方法が効かない理由が分からなくなります。
1つ目はmacOS自身が出している項目です。Wi-Fi、Bluetooth、サウンド、再生中の音楽、バッテリー、集中モード、画面ミラーリング、時計、Spotlight、コントロールセンターがこれにあたります。これらはシステムが管理しているため、システム設定に切り替えのスイッチが用意されています。メニューバーには出さずにコントロールセンターの中だけに置く、という中間の選択肢もあります。
2つ目はアプリが出している項目です。同期アプリ、VPN、メモ、チャット、ハードウェアの管理ツールなど、開発元がメニューバーに置くと決めたものはすべてこちらに入ります。macOSはこの一覧を持っていませんし、1つずつ消すためのスイッチも用意していません。アプリが動いていて、そのアプリがアイコンを出す作りになっていれば、アイコンは並びます。
この違いが、この話題の混乱のほとんどを説明します。バッテリーの表示には効く手順が、チャットアプリのアイコンにはまったく効きません。設定を触る前に、自分のメニューバーを見て、システムが出しているものとアプリが出しているものに仕分けてください。前者は設定で解決し、後者はアプリ側の設定か、終了か、整理する道具のいずれかで解決します。
仕分けの途中で、もう1つ気づいておきたいことがあります。アイコンの中には、本体のアプリを開いていなくても動き続ける常駐の補助プロセスに紐づいたものがあります。これを止めると、見た目だけでなく動作そのものが変わります。隠すより一段大きな判断なので、後回しにしてかまいません。
何を残すかを先に決める
手当たり次第に隠すと、見た目は片づくのに毎日使うものを探し直すことになります。順番としては、メニューバーに何をさせたいのかを先に決めるほうが早く終わります。
メニューバーが場所を使ってよい理由は2つだけです。聞かなくても分かってほしい状態を映していること、そしてよく使う操作に1回で届くこと。この2つに当てはまらないものは飾りです。
常に見えている価値がある状態は、書き出してみると多くありません。VPNがつながっているかどうか、マイクが生きているかどうか、バックアップや同期が動いているか失敗しているか、持ち歩くノートならバッテリーの残量、時計を頻繁に見る人なら時刻。4個から6個に収まる人が多いはずです。
1回で押したい操作も同じくらい少なくなります。1日に何十回も開くクリップボード履歴はメニューバーに置く価値がありますが、月に1回しか開かない掃除ツールにその価値はありません。
いま並んでいるアイコンを1つずつ、この2つの質問に通してください。聞かなくても分かってほしい状態を映しているか。今日それを押すか。どちらも「いいえ」なら隠す候補です。どちらも「いいえ」で、しかも入れた覚えがないなら、隠すのではなく消す候補です。この残す一覧を書き出してから設定を開くと、以降の判断がすべてこの一覧との比較になり、迷う時間が減ります。
macOSの設定だけでできること
追加の道具を入れなくても、相手がシステム側の項目であればかなりのことができます。
コントロールセンターに移す
システム設定のコントロールセンターの画面には、システム側の項目が1つずつ並んでいます。それぞれに、メニューバーに表示する、コントロールセンターの中だけに置く、表示しない、といった選択肢が用意されています。Bluetooth、サウンド、再生中の音楽、画面ミラーリング、集中モード、バッテリーはここで切り替えられます。あまり押さないものを4個か5個コントロールセンターに移すだけで、帯の右側は目に見えて空きます。コントロールセンターは同じ画面の右上にあるので、押す手間は1回増えるだけです。
同じ画面には、メニューバー自体を自動的に隠す設定もあります。デスクトップのときとフルスクリーンのときで別々に指定できます。ただしこれは全部まとめて消す設定なので、何かを見たいたびにポインタを画面の上端まで運ぶことになります。フルスクリーンで作業する時間が長く、メニューバーをほとんど見ない人に向いた設定です。
時計の表示内容も近くにあります。秒、曜日、日付、アナログとデジタルの切り替えができます。右側でいちばん幅を取っているのは時計であることが多いので、曜日と日付を落とすだけでも印象が変わります。
メニューバーの項目の一部は、Commandキーを押しながらドラッグして並べ替えたり、メニューバーの外へドラッグして取り除いたりできます。メニューバーに表示する項目とコントロールセンターに表示する項目は、システム設定のコントロールセンターで切り替えます。 出典: support.apple.com
Commandキーを押しながら並べ替える
Commandキーを押しながらメニューバーの項目をドラッグすると、並び順を変えられます。これはシステム側の項目にもアプリ側の項目にも効くので、よく使う2個か3個を左端に寄せて固定するのがいちばん手早い改善になります。
システム側の項目は、Commandキーを押しながらメニューバーの外へドラッグすると取り除けます。アプリ側の項目は元の位置に戻ります。表示するかどうかを決めているのがシステムではなくアプリだからです。
並べ替えは軽く見られがちですが、1つも隠さなくても効果があります。押すものの位置が毎日同じであれば、読まずに手が届くようになります。
ログイン項目とバックグラウンド項目
システム設定には、ログイン時に開く項目と、アプリが登録したバックグラウンド項目を並べた画面があります。macOS Venturaからこの形になりました。バックグラウンド項目をオフにすると補助プロセスが動かなくなり、その結果としてアイコンも消えます。
これは隠す方法ではなく、動かすのをやめる方法です。使わなくなったソフトのアイコンに対しては、これがいちばん筋の通った片づけ方になります。ただし動作が変わるので、1つずつオフにして、何かが更新されなくなったときに原因が分かるようにしてください。
macOSの設定では届かないところ
システム側の項目を片づけ終えると、残ったものが本当の問題です。仕事で使っているMacでは、残るほうが多数派になります。そしてmacOSには、アプリが出したアイコンを1つだけ消すためのシステム設定がありません。
止まる場所は3つあります。
1つ目はアプリごとの切り替えです。アプリによっては「メニューバーにアイコンを表示」に相当するスイッチを自前で持っているので、他の方法を探す前にそのアプリの設定を開く価値があります。ただし用意していないアプリも珍しくありません。スイッチがない場合、システム側でアイコンを消す方法はアプリを終了することだけになります。動かし続ける必要のあるものには使えません。
2つ目はノッチです。ノッチのあるMacBook Proでは、画面の横幅から想像するよりメニューバーの使える幅が狭くなります。入りきらない項目は描画されず、あふれていることを知らせる印も出ません。存在するのに押せないアイコンが生まれるので、散らかっているより厄介です。
3つ目は取り出しやすさです。メニューバー全体を自動で隠す方法も、アプリを終了する方法も、情報を消してしまいます。戻すにはポインタを運ぶか、アプリを開き直す必要があります。多くの人が本当に望んでいるのはそこではなく、ふだんは見えないまま、必要なときに1回の操作で届くことです。
整理する道具に任せる場合の見極め方
メニューバーを整理する道具は、いま説明した2つの層の間に入ります。アプリは動かしたまま、描画される中身だけを制御します。手段ごとの守備範囲を並べると、違いがはっきりします。
| 手段 | システム側の項目 | アプリ側のアイコン | 隠したものへの到達 |
|---|---|---|---|
| コントロールセンターの設定 | 変更できる | 変更できない | コントロールセンターから |
| Commandキーでドラッグ | 並べ替えと取り外し | 並べ替えのみ | 該当なし |
| アプリを終了する | 対象外 | 消える | アプリが止まる |
| ログイン項目とバックグラウンド項目 | 対象外 | 消える | 補助プロセスが止まる |
| メニューバーの自動的に隠す設定 | まとめて隠れる | まとめて隠れる | ポインタを上端へ運ぶ |
| メニューバーを整理する道具 | 対象になる | 対象になる | 道具の作りによる |
いちばん右の列が、この種の道具の価値のほとんどです。隠した後で帯を広げて探し直す作りだと、問題は解決ではなく移動しただけになります。選ぶ前に、隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けるかどうかを確認してください。
そのうえで道具ごとに差が出るのは、制御の細かさです。ふだんは隠しておくだけの組と、常に隠したままにする組を分けられるか。一定時間で自動的に畳み直すか。キーボードショートカットがあるか。隠した項目を名前で探せるか。隠していても変化したときだけ一瞬出てくるか。この種の挙動をどこまで持っているかは、できることのページに一覧として並べてあるので、案内文を読み比べるより早く確認できます。
道具を選ぶ前に確認しておきたいこと
この分野には、無料で公開されているものと有料のものの両方があります。どちらが正しいという話ではなく、確認する点が同じというだけです。
- 対応するmacOSのバージョン。メニューバーの道具はシステムの内側に近いところで動くため、いま使っているmacOSが出た後に更新されているかどうかが効いてきます。人気の数ではなく、最後に更新された日付を見てください。
- 外部ディスプレイとノッチのある本体でどう振る舞うか。道具ごとの差がいちばん出るのがこの場面です。ノートを外部画面につないで使うなら、その状態で試してください。
- 費用のかかり方。買い切り、月額、無料の公開物では、行き詰まり方が違います。次の大きなmacOSで有料の更新が必要になるのか、払い続けるのか、作者が離れたときに更新が止まるのか。どれが優れているという話ではありませんが、入れる前に見ておく価値があります。料金の形は料金に、他の道具との挙動の違いはほかの道具との違いにまとめてあります。
実務的な注意も1つあります。この種の道具を入れると、メニューバーを見て操作するための権限を求められます。他のアプリのアイコンを動かす仕組み上、権限なしには実現できないためです。この確認が出ること自体は想定どおりです。見るべきなのは、何のために必要なのかが説明されているかと、それ以外に使っていないかです。導入時に出る確認や、隠した項目の扱いについてはよくある質問に整理してあります。
手を付ける順番
最後に順番だけ整理します。まずシステム設定のコントロールセンターで、あまり押さないシステム側の項目をコントロールセンターへ移します。次にCommandキーを押しながら、よく使う2個か3個を左端へ寄せます。ここまでは無料で、散らかったメニューバーの半分ほどはこれで収まります。残ったアプリのアイコンがまだ邪魔で、見えないところに置きつつ1回で届く状態にしたいのであれば、整理する道具を検討する段階に来たということです。使わなくなったソフトのアイコンについては、隠すのではなくログイン項目の画面でバックグラウンド項目をオフにするほうが筋が通ります。
よくある質問
アプリのアイコンだけを、何も入れずに隠せますか?
アプリ自身がメニューバー表示のスイッチを持っている場合はできます。持っていない場合、macOSの設定で消す方法はアプリの終了か、ログイン項目の画面でバックグラウンド項目をオフにすることだけで、どちらもソフトが動かなくなります。動かしたままアイコンだけを隠すには、メニューバーを整理する道具が要ります。
MacBook Proでアイコンが表示されなくなるのはなぜですか?
ノッチが帯の中央の幅を奪うため、画面サイズから想像するより並べられる項目が少なくなります。入りきらない項目は描画されず、あふれていることを知らせる印も出ないので、消えたように見えます。表示する数を減らすか、畳んで管理する道具を使うと戻ります。
アイコンを隠すとバッテリーやメモリは節約できますか?
節約にはなりません。隠す操作が変えるのは描画される内容だけで、アプリと補助プロセスは同じように動き続けます。動く量を減らしたいのであれば、ログイン項目の画面でバックグラウンド項目をオフにするか、使っていないソフトを削除するほうが目的に合っています。
隠すのとアプリを終了するのは、何が違いますか?
終了するとソフトが止まるので、通知も同期もバックグラウンドの処理も一緒に止まります。隠す場合は動作をそのままにして表示だけを消すため、同期アプリやVPNには隠すほうが向いています。ただし隠した項目に確実に届く手段があるかどうかは、事前に確認しておく必要があります。