アプリを入れずにメニューバーのアイコンを隠す方法と、その限界

アプリを追加せずにメニューバーのアイコンを隠したい、という考え方には筋が通っています。システムの近くで動く常駐ソフトが増えるほど、更新を追う対象が増え、権限の確認が増え、次のmacOSで壊れるかもしれないものが増えます。標準の設定だけで済むなら、そのほうが身軽です。

正直なところ、macOS標準でできる部分と、できない部分ははっきり分かれています。この記事では、標準の機能だけを使って片づけられるところまでを順に説明し、最後に「標準では届かない場面」を明示します。存在しない設定を探して夜を潰さないことが目的です。

メニューバーに並ぶ2種類を先に仕分ける

同じ帯の上に、性質の違うものが2種類並んでいます。片方だけがシステムの管理下にあります。

システム側の項目は、macOS自身が出しているものです。接続まわりのWi-FiとBluetooth、音まわりのサウンドと再生中の音楽、本体の状態を映すバッテリーと時計、それに集中モード、画面ミラーリング、Spotlight、コントロールセンターがこの山に入ります。システムが作っているので、システム設定にスイッチが用意されています。

アプリ側の項目は、あとから入れたソフトが出しているものです。同期アプリ、VPN、パスワード管理、チャット、周辺機器の管理ツールなどが該当します。macOSはこれらの一覧を持っておらず、1つずつ消すためのスイッチも用意していません。表示するかどうかを決めているのはアプリの側です。

調べた方法が効かないときは、たいていシステム側の項目に効く手順をアプリ側の項目に当てています。設定を開く前に、自分の帯を見て2つの山に分けてください。仕事で使っているMacでは、アプリ側の山のほうが大きくなりがちで、そこが標準の機能の手薄なところです。

仕分けの途中で、もう1つ分けておくと後が楽になります。状態を映しているアイコンと、押すためのアイコンです。VPNがつながっているかどうかで色が変わるアイコンは、聞かなくても分かってほしい情報を運んでいます。スクリーンショットの道具はただのボタンです。状態には場所を与える価値があり、ボタンにはキーボードショートカットのほうが向いています。並んでいるアイコンのうち、実際にはほとんど押されないボタンが多数派だと分かるはずです。

残すものを先に書き出してください。4個から6個に収まるのが現実的なところです。以降の手順は、すべてこの一覧との比較になります。

コントロールセンターの設定でできること

システム設定のコントロールセンターの画面は、最初の10分を使う場所としていちばん効率がよい場所です。

システム側の項目が1つずつ並び、それぞれに選択肢が付いています。メニューバーに表示する、コントロールセンターの中だけに置く、表示しない、といった形です。接続、音、電源にまつわる項目はおおむねこの画面に載っているので、行き先を1つずつ決めていけます。あまり押さないものをコントロールセンター側に寄せると、帯の幅は空くのに到達手段は残ります。コントロールセンターは同じ右上にあり、1回押せば開きます。

同じ場面で触っておきたい設定が2つあります。バッテリーの残量表示は、アイコンとは別に切り替えられます。時計には秒、曜日、日付、アナログとデジタルの選択肢があり、右側でいちばん幅を取っているのが時計であることは珍しくありません。曜日と日付を落とすだけで、見た目の混み具合が変わります。

メニューバーの項目の一部は、Commandキーを押しながらドラッグして並べ替えたり、メニューバーの外へドラッグして取り除いたりできます。メニューバーに表示する項目とコントロールセンターに表示する項目は、システム設定のコントロールセンターで切り替えます。 出典: support.apple.com

この経路は無料で、元に戻せて、ソフトが動いているかどうかには影響しません。混み具合の原因がシステム側の項目だけなら、標準の設定で話は終わります。そうならない人が多いというだけです。

Commandキーでのドラッグは、何を消して何を消さないか

Commandキーを押しながらメニューバーの項目をドラッグすると、位置を動かせます。これは2種類のどちらにも効くので、いちばん手早い改善になります。

システム側の項目は、Commandキーを押しながら帯の外へドラッグすると取り除けます。アプリ側の項目は元の位置に戻ります。表示するかどうかを決めているのがシステムではないためです。

この非対称さに落胆する人は多いのですが、並べ替えだけでも効果があります。毎日押す2個か3個を左端に寄せて、そこから動かさないでください。位置が固定されると、帯が埋まったままでも視線で探す必要がなくなります。

ノッチのあるMacBook Proでは、並べ替えが別の意味も持ちます。項目は右から順に描かれるので、長い列で左に押しやったものから先に画面から切れていきます。押さないものを左に、押すものを右寄りに置くと、切れて困るものが減ります。

隠すのではなく、動かすのをやめる

もう使っていないソフトのアイコンについては、標準の答えは「隠す」ではありません。「動かすのをやめる」です。

システム設定の「一般」には、ログイン時に開くものと、アプリが裏で登録した機能拡張が、2つの一覧に分かれて載っている画面があります。この形に集約されたのはmacOS Venturaのときで、それ以前は開発元ごとに別々の場所を探す必要がありました。バックグラウンド項目をオフにすると補助プロセスが止まり、アイコンも一緒に消えます。

注意点は3つあります。1つずつオフにすること。同期が止まったり周辺機器を認識しなくなったりしたときに、どれが原因か分かるようにするためです。表示名だけで判断せず、隣に出ている開発元の名前を読むこと。そしてこれは見た目の変更ではなく動作の変更だと理解しておくこと。

アプリを終了する操作も、一時的には同じ結果になります。そのアプリの設定画面に「メニューバーにアイコンを表示」の類のスイッチが用意されていることもあるため、遠回りな手を探す前に、まずアプリ自身の設定を最後まで見ておくほうが早く片づきます。そのスイッチがあるなら、そのアプリについてはこの話はもう解決しています。

いちばん手間が残らないのは削除です。1年間そのアイコンを気にも留めていないなら、使わないものが整然と並ぶより、消えているほうが良い結果です。ここから始める理由はもう1つあります。登録されたままの補助プロセスは、ログインのたびに起動し、更新を確認し、ときどき不要になった権限を求めてきます。3個止めるほうが、アイコンを6個隠すよりマシンにとっては効きます。しかも一覧には項目が残るので、必要になれば戻せます。

メニューバー全体を自動的に隠す設定

コントロールセンターの画面には、メニューバー自体を自動的に隠す設定もあります。デスクトップのときとフルスクリーンのときで、別々に指定できます。

アプリを動かしたままアプリ側のアイコンを見えなくする方法としては、これが標準で用意された唯一の手段です。この質問の答えとしてよく挙がるのはそのためです。フルスクリーンで作業する人、画面を録画したり撮ったりする人、小さい画面で作業領域を最大にしたい人には実際に向いています。

引き換えははっきりしています。ポインタを画面の上端に運ぶまで何も見えないので、頼りにしていた状態表示は消えます。バックアップの失敗も、切れたVPNも、生きているマイクも、自分からは知らせてくれなくなります。しかも全部か何もしないかの二択で、3個だけ残して他を隠す、という指定はできません。

会議に出て持ち歩くノートでは、この交換条件は割に合わないことが多くなります。据え置きで書いたり編集したりする環境なら、ちょうどよく収まります。

標準の設定では届かない3つの場面

ここまでの経路を使い切ると、残る場面は3つです。探し続ける前に知っておくほうが早く終わります。

やりたいこと 標準での答え 結果
システム側の項目を1つ隠す コントロールセンターの設定 できる
並び順を変える Commandキーでドラッグ できる
アプリを動かしたままアイコンだけ消す 用意されていない できない
大半を隠して2、3個だけ残す 用意されていない できない
隠したものに1回の操作で届く 用意されていない できない

1つ目はアプリごとの非表示です。macOSには、アプリが出したアイコンを1つだけ消すためのシステム設定がありません。アプリ自身がスイッチを持っていない場合、標準の選択肢は「表示したままにする」か「ソフトを止める」かの二択になります。

2つ目は部分的に隠すことです。自動的に隠す設定は帯ごと対象にします。選んだものだけ残して他を畳む指定は用意されていません。

3つ目は取り出しやすさです。標準の機能はアイコンを表示するか消すかのどちらかで、動かしたまま、見えないところに置いて、1回の操作で届く、という状態は作れません。

ノッチのあるMacBook Proでは、この3つ目がさらに厳しく出ます。ノッチが帯の中央の幅を奪うので、画面の大きさから想像するより並べられる数が少なくなります。入りきらない項目は描画されず、あふれていることを知らせる印も出ないため、存在するのに押せないアイコンが生まれます。外部ディスプレイにつなぐと使える幅が変わり、同じMacでも接続の有無で見えるアイコンの数が変わります。ここは標準の設定では調整できないので、表示する数そのものを減らすしかありません。

コマンドラインで解決する方法も用意されていません。個々のアプリが自分の設定ファイルにメニューバーの表示設定を持っていて、その変更方法を公開している場合はありますが、それはアプリごとの話であってシステムの機能ではありません。1つのコマンドで任意のアイコンを隠せると書かれた情報は、macOSが持っていない仕組みを説明していることになります。

道具を入れるかどうかの分かれ目

無料の経路を先に使い切って、残ったものを見てください。その残りが本当の問いです。

残りが空なら、あるいは気にならなくなった2個だけなら、ここで終わりにするのが正解です。もう存在しない問題のためにソフトを入れるのは割に合いません。

残りが6個以上あって、そのすべてが動かし続ける必要のあるソフトのものなら、標準の設定は設計上の限界に達しています。メニューバーを整理する道具が足すのは、上の表で「できない」と書いた3行そのものです。アプリごとに隠すこと、選んだものだけ残すこと、そして隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開けること。この種の挙動をどこまで持っているかはできることに一覧で並べてあり、無料で公開されているものを含めた他の道具との違いはほかの道具との違いにまとめてあります。

この分野の道具を入れる前に、どれを選ぶ場合でも見ておきたい点が2つあります。1つは権限です。他のアプリのアイコンを動かす仕組み上、メニューバーを見て操作する権限を求められます。求められること自体は想定どおりなので、何のために必要かが説明されているかを見てください。もう1つは更新の日付です。システムの内側に近いところで動くものは古くなるのが早いので、いま使っているmacOSより後に更新されているかを確認します。費用の形については料金に、導入時に出る確認についてはよくある質問に整理してあります。

手を付ける順番だけ最後に書きます。システム設定のコントロールセンターであまり押さない項目を移し、時計から曜日と日付を外し、Commandキーを押しながらよく使う2個を左端に寄せる。ここまでは無料で、しかも元に戻せます。それでも動かし続ける必要のあるアプリのアイコンが並んでいるなら、それが標準の機能では閉じられない隙間です。

よくある質問

コマンドラインでメニューバーのアイコンを隠せますか?

システムの機能としては用意されていません。アプリが出したアイコンはシステムではなくアプリのものなので、任意のアイコンを消す公式なコマンドは存在しません。個々のアプリが自分の設定として表示の切り替えを持ち、その変更方法を公開している場合はありますが、アプリごとの事情であって一般化はできません。

Commandキーでドラッグして外へ出すと、アイコンは削除されますか?

システム側の項目は取り除けます。戻したいときはシステム設定のコントロールセンターから再表示できます。アプリ側の項目は元の位置に戻ります。表示するかどうかをアプリが決めているためです。並べ替えはどちらの種類にも効くので、位置を整えるだけでも効果があります。

メニューバー全体を自動的に隠すと、何か困りますか?

壊れるものはありませんが、帯が運んでいた情報は見えなくなります。同期の失敗、切れたVPN、生きているマイクは、ポインタを画面の上端まで運ぶまで分かりません。フルスクリーンでの作業には向き、状態を目の端で確認したい使い方には向きません。

隠すより削除したほうがよいのはどのアイコンですか?

数か月のあいだ意識して使っていないソフトのものです。隠してもアプリと補助プロセスは動き続けるので、得るものがないまま資源だけ使われます。システム設定のログイン項目の画面でバックグラウンド項目をオフにするか、ソフト自体を削除するほうがすっきりします。

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