Rectangleの使い方と初期設定|入れた直後に決めておくこと

Rectangleを入れたものの、ショートカットを押してもウィンドウが動かない。あるいは動くには動くが、思っていた位置と違う。使い始めの詰まりはだいたいこの2つで、どちらも初回の設定で決まります。

この記事では、インストール直後に通る関門から、実際に毎日使う操作、他のアプリとキーがぶつかったときの逃げ道、そして常駐アプリとしてメニューバーをどう扱うかまでを順に並べます。最初の10分で決めておくと、あとから設定画面を探し回らずに済む項目を先に片付けていきます。

起動して最初に出る関門は、アクセシビリティの許可

Rectangleは、他のアプリのウィンドウを外側から動かす仕組みで働きます。macOSはこの操作を保護しているため、許可を与えないと何も起きません。初回起動時に案内が出るので、システム設定のプライバシーとセキュリティを開き、アクセシビリティの一覧でRectangleを有効にします。

ここで動かない場合は、許可が中途半端な状態で残っていることがあります。macOSのアップデート直後や、アプリを入れ直したあとに起きやすい現象です。公式のドキュメントでは、いったんアクセシビリティの一覧でRectangleを無効にし、続けてマイナスボタンで一覧から削除し、Macを再起動してから許可を与え直す手順が案内されています。ターミナルから許可の記録だけを消す方法も併記されており、その場合はtccutilコマンドでcom.knollsoft.Rectangleを対象に指定します。

もうひとつ、公式が最初に挙げている確認方法があります。画面をロックして解除するだけで直る場合がある、というものです。特にOSのアップデート直後は、これで解決する例が多いと書かれています。数十秒で試せるので、設定を掘る前に一度やってみる価値があります。

対応するOSの範囲も先に見ておきます。無料版が対象とするのは10.15以降のmacOSです。それより古い環境では、公式が案内している旧バージョンを使う形になります。

最初の画面で、どのショートカット体系を使うか選ぶ

Rectangleは、Spectacleというアプリの後継として作られています。そのため初回起動時に、Rectangle独自の推奨ショートカットを使うか、Spectacleと同じ割り当てを使うかを選べます。Spectacleから移ってきた人はここで後者を選ぶと、指の記憶をそのまま持ち込めます。

選び直したくなったら、設定画面の設定タブにある既定のショートカットを戻すボタンで切り替えられます。ターミナルから指定する方法も公開されており、alternateDefaultShortcutsという項目を真にすると推奨側、偽にするとSpectacle側になります。値を変えたあとはアプリを再起動します。起動時にしか読み込まれない項目のため、変更が反映されないときはたいてい再起動の抜けです。

覚える数は絞った方が続きます。最初は左半分、右半分、最大化の3つだけ決めておき、慣れたら4分の1や3分の1を足していく形が現実的です。Rectangleは同じショートカットを繰り返し押したときの動きに幅を持たせており、たとえば左半分を続けて押すと、幅が2分の1、3分の2、3分の1と切り替わります。3分の1を別のキーで覚えなくても、同じキーを2回押せば届きます。

この繰り返し時の動きは、subsequentExecutionModeという項目で変えられます。値は0から4まであり、幅を循環させる、左右のときは隣のディスプレイへ移す、循環そのものを止める、といった選択ができます。ウィンドウが勝手に細くなるのが気になる人は、この項目を止める側に倒すと動きが読めるようになります。

画面の端へドラッグしたときに、どこへ収まるか

キーボードを使わない操作も用意されています。ウィンドウをつかんで画面の端まで運ぶと、収まる予定の位置が枠で示され、離すとそこに収まります。対応は次のとおりです。

ドラッグ先 収まる位置
左右の端 左半分、右半分
上端 最大化
四隅 その隅の4分の1
左右の端で、角の少し内側 上半分、下半分
下端を3つに割った左、中央、右 それぞれの3分の1
下端の左右3分の1から、さらに中央へ寄せる 3分の2

縦置きのディスプレイでも同じ考え方で働き、向きに応じて左右と上下が入れ替わります。この機能が不要な場合は設定で切ることもできます。公式には、通知センターの動作が止まる症状がごく一部の環境で報告されており、その場合はドラッグでのスナップを外すと回避できると書かれています。

ドラッグでの整列は、キーボードのショートカットと同じ動作を呼び出しています。そのため、どの端にどの動作を割り当てるかを設定で選ぶこともできます。上端を最大化ではなく上半分にする、四隅は使わないようにする、といった変更が効きます。誤って端に触れて画面いっぱいに広がるのが煩わしい場合は、修飾キーを押している間だけスナップを働かせる指定も用意されています。

思ったサイズにならない場面もあります。アプリ側が最小の幅を持っている場合、3分の1の枠には収まりません。このときRectangleはウィンドウを画面内に留めたうえで、サイズを縮められなかった旨を短く表示します。アプリが決めた最小サイズを超えて縮めることはできないため、半分など大きめの枠に変えるのが早い対処です。

他のアプリとキーがぶつかったときの逃げ方

ショートカットの衝突は、統合開発環境や仮想マシンを使っていると起きやすくなります。Rectangleにはアプリ単位で自分を黙らせる機能があり、対象のアプリを前面にした状態でメニューからアプリを無視する項目を選ぶと、そのアプリが前面にある間だけショートカットの登録がOSから外れます。前面でなくなれば自動的に戻ります。

同じことをURLの形で呼び出すこともできます。無視の設定と解除にそれぞれ名前が割り当てられており、対象をバンドルIDで指定する書き方も用意されています。

ウィンドウの整列そのものも、URLから実行できます。ターミナルやランチャー、ショートカットアプリから次のように呼べます。

open -g "rectangle://execute-action?name=left-half"

名前の部分には、左半分や中央寄せ、隣のディスプレイへ移す、9分割、8分割といった多数の動作名が使えます。キーの組み合わせを増やしたくない人は、よく使う配置だけをランチャーの側に登録して、Rectangleにはキーを持たせないという組み方もできます。

どうしても原因が掴めないときは、記録を見る手があります。メニューを開いた状態でoptionキーを押すと、通常の項目が記録の表示に切り替わります。指示した位置と実際の位置が同じなら、原因はRectangleの外にあります。他のウィンドウ管理アプリが同時に動いていないか、対象アプリが同じキーを持っていないかを順に外していきます。

隙間や余白を、自分の画面に合わせる

初期設定のままだとウィンドウ同士が密着します。設定画面のスライダーで間隔を空けられ、上端だけ間隔を作らないという指定もできます。macOSのStage Managerを使っている場合は、左側の一覧のために場所を空ける設定があり、既定の幅は190です。画面幅に対する割合で指定する書き方も用意されています。

設定画面に出ていない調整は、ターミナルから項目名を指定して書き換えます。公開されている一覧には、半分の動作をWindowsやKDEのように振る舞わせる指定も含まれます。これを有効にすると、左半分のあとに上半分を押すと左上の4分の1になり、片方の軸だけを変える動きに変わります。矢印キーでウィンドウを追い込んでいく操作に慣れている人は、この設定で違和感が消えます。

アプリ側の都合で位置がずれる例もあります。ターミナルアプリの一部は、文字の幅を単位にしないと大きさを変えない設定を持っているため、指定した枠と数ピクセルずれます。この場合はアプリ側の設定を変える必要があり、公式のドキュメントにも該当するコマンドが載っています。

なお、できないことも明示されています。

Apple never released a public API for doing this. 出典: github.com

これは、ウィンドウを別のデスクトップや操作スペースへ移す機能についての説明です。公開された仕組みが用意されていないため、無料版にこの動作は含まれていません。仮想デスクトップをまたいだ移動を前提に運用を組もうとすると、ここで行き止まりになります。

メニューバーのアイコンをどう扱うかを、早めに決める

Rectangleは起動している間、メニューバーにアイコンを1つ置きます。このメニューからは整列の動作を名前で選べるので、ショートカットを覚えるまでの間は教材として役に立ちます。押すたびに、その動作に割り当てられているキーも並んで見えるからです。

覚えてしまったあとは、アイコンを表に出しておく必要が薄くなります。設定画面にはメニューバーのアイコンを隠す項目があり、有効にするとメニューバーから消えます。消したあとでも、アプリケーションフォルダからRectangleを開き直せば設定画面が出るので、行き止まりにはなりません。

ログイン時に自動で起動する設定も、初期設定のうちに決めておく項目です。macOS 13以降ではシステム設定の一般にあるログイン項目に登録される形になるため、あとから止めたくなったときはそちらの一覧から外せます。

常駐アプリが増えてくると、判断はアプリ単位ではなくメニューバー全体の話に変わります。全部を隠すと状態が見えなくなり、全部を出すと目的のものが埋もれます。効いてくるのは、隠したあとにどれだけ手数をかけずに触れるかです。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りであれば、隠す判断のハードルは下がります。この種の道具で何ができるかはできることに、選び方の違いはほかの道具との違いにまとめてあります。

設定を書き出して、次のMacへ持っていけるようにする

最後に、いま作った設定を守る手を打っておきます。Rectangleの設定画面にはJSON形式で書き出すボタンと読み込むボタンがあり、書き出したファイルを別のMacで読み込めば、ショートカットの割り当てをそのまま移せます。設定そのものは~/Library/Preferences/com.knollsoft.Rectangle.plistに保存されており、このファイルを持ち運ぶ方法も公式に案内されています。

書き出しは、初期設定を終えた直後にやっておくのが合理的です。何度も調整を重ねたあとで機種変更が来ると、どこをどう変えたか思い出せなくなります。ファイルが1つ手元にあれば、新しいMacでの作業は読み込みボタン1つで終わります。

同じ考え方は、メニューバーの整理にも当てはまります。どのアイコンを表に残し、どれを隠すかは、決めた瞬間は明快でも半年後には根拠を忘れています。判断の基準そのものを言葉にしておくと、新しい常駐アプリを入れるたびに迷わずに済みます。基準づくりでよく出る疑問はよくある質問に集めてあり、実際の挙動を手元で確かめる段階ではダウンロードから試せます。

よくある質問

ショートカットを押してもウィンドウが動きません。何を確認すればよいですか?

まずアクセシビリティの許可を確認します。システム設定のプライバシーとセキュリティにある一覧でRectangleが有効になっているかを見てください。有効なのに動かない場合は、画面をロックして解除する、macOSを最新にする、一覧からいったん削除して許可を与え直す、の順に試すと解決することが多いです。

Spectacleと同じキー割り当てにできますか?

できます。初回起動時にどちらの体系を使うかを選べるほか、あとからでも設定タブの既定のショートカットを戻すボタンで切り替えられます。ターミナルからalternateDefaultShortcutsという項目を書き換える方法も公開されています。値を変えたあとはアプリを再起動してください。

同じショートカットを他のアプリが使っている場合はどうしますか?

アプリ単位で無視する機能があります。対象のアプリを前面にしてメニューから無視を選ぶと、そのアプリが前面にある間だけショートカットの登録が外れ、前面でなくなると自動的に戻ります。URLの形で呼び出すこともでき、バンドルIDで対象を指定する書き方も用意されています。

別のデスクトップや操作スペースへウィンドウを移せますか?

無料版にはこの動作が含まれていません。公式には、Appleがこの操作のための公開された仕組みを提供していないためと説明されています。仮想デスクトップをまたぐ移動を前提にした運用を考えている場合は、この点を先に確認しておくと計画が崩れません。

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