Rectangleをきれいに消す手順|残るファイルと、消してよいもの

Macのアプリを消す作業は、ゴミ箱に入れて終わりではありません。特にRectangleのように常駐して他のアプリを操作する種類のものは、アプリ本体を消したあとにも、設定ファイルとOS側の許可の記録が残ります。

残ったままでも実害が出ることはほとんどありませんが、システム設定の一覧に消したはずの名前が並び続けたり、入れ直したときに古い設定が生き返ったりします。この記事では、消す対象を3つの層に分けて、それぞれ何がどこにあるのかを整理します。

消す前に、設定を残すか捨てるかを決める

先に判断しておく点が1つあります。入れ直す可能性があるかどうかです。

入れ直す見込みがあるなら、消す前に設定を書き出しておきます。Rectangleの設定画面にはJSON形式で書き出すボタンがあり、ショートカットの割り当てをファイル1つにまとめられます。書き出したファイルを手元に置いておけば、次に入れたときに読み込むだけで元の状態に戻ります。

逆に、動きが気に入らなくて消す場合や、別の道具に移る場合は、設定を残さない方が安全です。設定が残っていると、同じアプリを入れ直したときに以前の割り当てがそのまま復活します。新しい気持ちで初期設定からやり直すつもりなら、後述する設定の削除まで進めておきます。

もう1つ、消す前に確認しておくとよいのがキーボードショートカットです。左半分や最大化に割り当てていたキーは、アプリを終了した時点で解放され、他のアプリが同じキーを使えるようになります。ウィンドウ整理を別の道具に引き継ぐ予定なら、いま何に何を割り当てているかを画面ごと控えておくと、移行のときに迷いません。

手順の第一層はアプリ本体を終了して捨てる

公式のドキュメントは、この作業を短く書いています。

Rectangle can be uninstalled by quitting the app and moving it to the trash. 出典: github.com

大事なのは順番です。終了せずにアプリケーションフォルダから引き抜くと、プロセスは動いたまま残ります。この状態ではメニューバーのアイコンも消えず、ショートカットも効き続けます。まずメニューバーのアイコンから終了を選び、それからアプリケーションフォルダのRectangleをゴミ箱に入れます。

終了したのにショートカットが効き続ける場合は、まだプロセスが残っています。アクティビティモニタで名前を検索し、残っていれば選んで終了させます。ログイン時の自動起動が有効なままだと、Macを再起動したときに再び立ち上がるため、アプリを捨てる前に自動起動の設定も外しておくと二度手間になりません。

メニューバーのアイコンを隠す設定にしていて、終了の入口が見当たらない場合は、アクティビティモニタから終了させるか、アプリケーションフォルダのRectangleをいったん開き直します。開き直すと設定画面が出るので、そこから通常の終了ができます。

Homebrewで入れた場合は、Finderで捨てるのではなくコマンドで消します。zapに相当する指定を付けると、アプリ本体だけでなく設定の残りも同時に片付きます。

brew uninstall --zap rectangle

この指定を省くと、アプリだけが消えて設定ファイルは残ります。あとから設定の不整合で悩まないためには、Homebrewで入れたものはHomebrewで消し、その際にzapを付けるのが確実です。

手順の第二層は設定ファイルを消す

設定はmacOSの標準的な仕組みで保存されており、ターミナルから対象を指定して削除できます。

defaults delete com.knollsoft.Rectangle

このコマンドで消えるのは、ショートカットの割り当てや、繰り返し押したときの動き、隙間の幅といった設定の集まりです。実体は~/Library/Preferences/com.knollsoft.Rectangle.plistというファイルです。

Finderから手作業で消す場合は、ホームフォルダのLibraryが通常は見えない点に注意します。Finderの移動メニューを開いた状態でoptionキーを押すと一覧にライブラリが現れます。

設定以外にも、アプリが使っていた場所がいくつか残ります。Homebrewの定義に列挙されている対象は次の7か所です。

場所 中身
~/Library/Preferences/com.knollsoft.Rectangle.plist 設定
~/Library/Application Support/Rectangle 読み込み用の設定ファイル置き場
~/Library/Caches/com.knollsoft.Rectangle 一時ファイル
~/Library/HTTPStorages/com.knollsoft.Rectangle 更新確認に伴う通信の記録
~/Library/WebKit/com.knollsoft.Rectangle 表示部品が使う作業領域
~/Library/Application Scripts/com.knollsoft.RectangleLauncher 自動起動用の補助
~/Library/Containers/com.knollsoft.RectangleLauncher 自動起動用の補助

末尾の2つは、ログイン時の自動起動を担っていた補助部品のものです。新しいmacOSでは仕組みが変わったため、以前のバージョンから使い続けている環境にだけ残っていることがあります。

この一覧を消すときは、名前の一致を先に確認します。ライブラリの中には他のアプリのファイルも同居しており、似た名前のフォルダが並んでいることがあります。フォルダ名の先頭がcom.knollsoft.Rectangleで始まるもの、およびRectangleという名前のフォルダだけを対象にすれば取り違えは起きません。不安がある場合は、削除ではなくデスクトップへ移動しておき、数日使って問題が出ないことを確かめてから捨てる手もあります。

もう1つ、Homebrewで入れた環境には固有の注意点があります。公式のドキュメントには、Homebrew経由で導入した場合に設定がアプリの再起動をまたいで保持されないことがあり、その際はzapを付けて消してから入れ直すよう案内があります。設定が毎回初期状態に戻る症状が出ているなら、この手順が解決策になります。

いずれも合計で数メガバイトに満たない容量です。容量のために消す作業ではなく、入れ直したときに古い状態を引き継がないための作業だと捉えると、どこまでやるかを決めやすくなります。

手順の第三層はmacOS側に残る記録

ここがいちばん見落とされます。Rectangleはウィンドウを操作するためにアクセシビリティの許可を受けており、その記録はアプリを消したあともシステム設定の一覧に残ります。

システム設定を開き、プライバシーとセキュリティからアクセシビリティを選ぶと、許可を与えたアプリの一覧が出ます。Rectangleの項目を選び、マイナスボタンで一覧から取り除きます。同じことをターミナルから行う書き方も公開されています。

tccutil reset All com.knollsoft.Rectangle

このコマンドは、指定したアプリに与えた許可の記録だけを初期状態に戻します。他のアプリの許可には影響しません。入れ直す予定がある場合も、いったん記録を消してから許可を与え直す方が、権限が半端に残った状態で悩まずに済みます。

この記録を放置するとどうなるかも押さえておきます。許可の一覧に古い項目が積み上がっていくと、どのアプリに何を許可しているのかが読み取りにくくなります。アクセシビリティの許可は、キー入力の監視や他アプリの操作にも使われる強い権限です。使っていないアプリの項目が並んでいる状態は、見直しの精度そのものを落とします。年に一度この一覧を上から確認し、心当たりのない名前を外す習慣を持っておくと、Macの状態を把握しやすくなります。

もう1つ残るのがログイン項目です。macOS 13以降では、ログイン時の自動起動はシステム設定の一般にあるログイン項目に登録されます。アプリを消したあとに項目だけが残っている場合は、この一覧から取り除きます。

有料版を消す場合は、対象の名前が違う

同じ作者が販売しているRectangle Proを消す場合、手順の形は同じですが指定する名前が変わります。無料版がcom.knollsoft.Rectangleであるのに対し、Pro版はcom.knollsoft.Hookshotという別の名前を使います。設定の削除や許可の記録を消すコマンドを打つときは、ここを置き換えます。

両方を入れて比べていた場合は、片方だけ消したつもりで、もう片方の設定が残ったままになる例があります。ショートカットが効き続ける、メニューバーに見覚えのないアイコンが残る、といった症状が出たときは、名前を取り違えていないか先に確かめると早く解決します。

ライセンスの扱いも確認しておきます。Pro版のライセンスは同時に有効にできる台数に上限があるため、そのMacを手放す予定があるなら、消す前に認証を外しておく方が安全です。手元で動く状態のうちに済ませておくと、あとで台数の枠が埋まったまま戻せなくなる事態を避けられます。

消したあと、メニューバーが片付いたかを見る

作業が終わったら、メニューバーを見ます。アイコンが1つ減っているはずです。ここで、そもそも何を減らしたかったのかを思い出す価値があります。

ウィンドウ整理の道具を消す理由は、たいてい2つに分かれます。1つは動きが合わなかった場合で、これは別の道具を探す話になります。もう1つは、機能そのものには不満がないのに、メニューバーが混んでいて整理したかった場合です。後者であれば、消すのは最善の手ではないかもしれません。アプリを消せばアイコンは減りますが、使えていた機能も一緒に消えます。

Rectangle自身にもメニューバーのアイコンを隠す設定があるため、機能を残したまま表示だけ消すこともできます。ただし常駐アプリが10個近くになると、1つずつ設定画面を開いて隠す作業自体が負担になります。しかも設定を持たないアプリは隠せません。

そこで効いてくるのが、メニューバー全体をまとめて扱う考え方です。判断の分かれ目は、隠したあとの触りやすさにあります。隠したアイコンを、メニューバーを畳んだまま押してその場でメニューを開ける作りなら、隠す判断のたびに「これは押すかもしれないから表に残す」と迷う必要がなくなります。この種の道具で何ができるかはできることに、選び方ごとの違いはほかの道具との違いにまとめてあります。

消すか、隠すかを決めるための整理

アプリを消す作業は取り消せません。だからこそ、消す前に「機能が要らないのか、表示が邪魔なのか」を分けて考えると判断を誤りません。

機能が要らないなら、この記事の3段階をそのまま進めます。表示が邪魔なだけなら、消さずに隠す選択が残ります。両方が当てはまるなら、まず表示を隠して数日使ってみて、その間に一度もメニューを開かなかったら消す、という順番が安全です。使っていないと思っていた機能を、実は毎日使っていたと気づくことは珍しくありません。

判断の基準を決めるときによく出る疑問はよくある質問に集めてあります。メニューバーを畳んだ状態での操作感は、文章で読むより実際に触った方が早く分かるので、ダウンロードから手元で確かめる方法もあります。

よくある質問

Rectangleをゴミ箱に入れるだけでは不十分ですか?

アプリ本体は消えますが、設定ファイルとmacOS側に残る許可の記録は残ります。実害はほとんどありませんが、システム設定のアクセシビリティの一覧に名前が残り、入れ直したときに以前の設定がそのまま復活します。きれいに消すなら、設定の削除と許可の記録の削除まで進めてください。

Homebrewで入れた場合はどう消しますか?

コマンドで消します。アンインストールの指定にzapを付けると、アプリ本体に加えて設定ファイルなどの残りも同時に片付きます。この指定を省くとアプリだけが消えて設定が残るため、あとから設定が引き継がれて混乱する原因になります。

アクセシビリティの一覧から名前が消えません。どうすればよいですか?

システム設定のプライバシーとセキュリティからアクセシビリティを開き、項目を選んでマイナスボタンで取り除きます。ターミナルから許可の記録だけを初期化する方法も公開されており、その場合はバンドルIDにcom.knollsoft.Rectangleを指定します。他のアプリの許可には影響しません。

有料版のRectangle Proも同じ手順で消せますか?

手順の形は同じですが、指定する名前が異なります。無料版がcom.knollsoft.Rectangleであるのに対し、Pro版はcom.knollsoft.Hookshotを使います。またライセンスは同時に有効にできる台数に上限があるため、そのMacを手放す予定があるなら、消す前に認証を外しておくと安全です。

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